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1年半で-60kgの女芸人が教える「やせるために絶対にしてはいけないこと」7つ

女子SPA! 2024年6月18日 8時47分

コロナ禍のたった1年半で、体重120kgからなんとマイナス60kgのダイエットに成功したお笑い芸人やぎゅうさん。そんなやぎゅうさんのコミックエッセイ「60kgやせたら人生が爆上がりしました」では、60kgのダイエットに成功した秘訣があますことなく紹介されています。

今回はやぎゅうさんがやせなかったのは、一体なぜ?本書より抜粋してお届けします。

◆日比野佐和子先生とのスペシャル対談!

 ここからは、やぎゅうさんと、本書の監修を務めた医学博士の日比野佐和子先生のトークタイム! やぎゅうさんがやせなかったのは、一体なぜ? ダイエットの疑問を深堀り!

【日比野佐和子先生】

医療法人社団康梓会Y’s サイエンスクリニック広尾統括院長。医学博士。アンチエイジング専門家として活躍。自身も-15kgの減量に成功し、ダイエットにも造詣が深い

日比野先生:やぎゅうさんは、テレビ番組の出演をきっかけにダイエットを決意されたそうですね。ダイエットを始めたばかりのころは、思うように成果が出ない時期があったとか。

やぎゅう:そうなんです。最初は「とりあえずお米を抜けばいいんでしょ!」とお米断ちをしました。自己流の糖質制限です。その代わり、豆腐やこんにゃくをたくさん食べて「カサ増し」を狙っていましたね。けどすぐにお腹が空いちゃうし、体重もさほど落ちない。ストレスも溜まってイライラしっぱなしで、おまけに体調も良くなかったですね。

日比野先生:結論から言えば、過度な糖質制限は危険です。かく言う私も過去に過度な糖質制限にチャレンジして半年で15キロ減量したことがあるんです。けれどある朝、目覚めたら体の右半身がまったく動かなくなってしまって。ちょうど今のやぎゅうさんと同年代、36歳のときの出来事です。

やぎゅう:ええっ! 一体何があったんですか!?

日比野先生:幸いにもしばらく休んでいたら動けるようになったのですが、病院で調べたら脳梗塞の一歩手前の状態「一過性脳虚血発作」と診断されました。脳細胞のエネルギー源は糖質です。

 しかし糖質制限ダイエットでたんぱく質や油分を摂りすぎることで脂肪飽和になり、一時的に脳の微小血管が詰まったことが原因だったようです。これを繰り返すと、脳梗塞の起因になると言われています。

やぎゅう:の、脳梗塞、命に関わるじゃないですか!

日比野先生:さらに過度な糖質制限ダイエットでは、糖質を減らす代わりにお肉やバター、卵、豆腐などといった脂肪やたんぱく質を過剰摂取しやすくなります。結果的に血液中の脂質が増えすぎたり、腎臓への負担が高まることもあるんです。

やぎゅう:体の中にまで影響が及ぶんですね! 確かに、私も糖質を断っていたときは、肌荒れがひどかったり、疲れやすかったりと体調に結構波がありました。

◆過度な糖質制限はイライラの元

日比野先生:それは大変でしたね……。特に女性に関していえば、セロトニンという幸せホルモンが分泌されるのでダイエットにも適度な糖質は必要です。またアンチエイジングの観点からも、過度な糖質制限はおすすめしません。

 体内が低血糖状態になってホルモンバランスや自律神経系も乱れ、イライラしたり、ふさぎ込んでウツのような症状になるなど、弊害が出てくる危険性もあるんです。

やぎゅう:私がイライラしていたのも、ひょっとしたら関係があるのかも。

日比野先生:はい、そこでイライラして、ネガティブ思考でダイエットをするとストレスホルモン「コルチゾール」が増え、逆に代謝が悪くなってやせづらくなる悪循環に陥ってしまうんです。

やぎゅう:コンニャクなんかを食べまくってカロリーダウンを図っていたんですけど、そうやって負のスパイラルに陥ってたってわけですか。辛い……。

日比野先生:そうですね。さらに、カロリーを過度に制限すると体が「飢餓状態にある」と判断して、少しでも多くのエネルギーを蓄えようとする。そうすると脂肪を燃焼するホルモン「レプチン」の分泌が抑制されて、省エネルギー状態に陥ってしまうんです。カロリーを制限すればするほど代謝が落ちて、かえって脂肪を溜め込みやせにくい体になってしまうんです。

やぎゅう:ツラいのにやせないって、いいことないですね(涙)。

日比野先生:摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようコントロールするのは、ダイエットの原則です。しかし、より気を配るべきなのは代謝をうまく回すためのビタミンやミネラルなど必要な栄養素を摂ることですね。無理な食事制限で減量すると、やめた途端に急激なリバウンドに見舞われてしまうんです。

◆甘いものは「ちょこちょこ食べ」がオススメ

やぎゅう:つらい糖質とカロリー制限をしているなかの唯一の楽しみが、2週間に一度の「チートデー」でした。普段はしっかり食事管理をして、チートデーのときには好きなものをどれだけ食べてもよいというルールです。

日比野先生:確かにダイエット期間中にも適度に好きなものを食べて、一時的に省エネモードを解除すると、代謝量が上がって体重が減りやすくなると言われていますね。ストレスの発散にもなりますが、アスリートのようにハードな減量をしていない限りは、暴飲暴食は避けたほうがいいでしょう。

やぎゅう:あっ私、チートデーにありえないほど食べてました。肉寿司100貫、ケンタッキー16本、ケーキやアイスの食べ放題、米3合も余裕でした。

日比野先生:フードファイター並みですね(笑)。これはダイエット経験者としても言えることですが、無理な我慢の反動で暴飲暴食をしてしまうことがリバウンドの元凶です。もしもどうしても甘いものを食べたくなったら、少量を一口だけ食べる。そうすると脳も満足して落ち着くんです。また保存用パックにその日に食べる分を小分けにして、「ちょこちょこ食べ」にするのも手です。

◆まずは有酸素運動で「脂肪のベール」を脱ぎ捨てる!

やぎゅう:頑張って筋トレも始めたのですが、これもツラかった割に成果が出ませんでした。

日比野先生:筋肉量を増やして基礎代謝を上げるのは重要ですが、自己流の筋トレは要注意です。特に体重過多の人の場合は、筋肉のどの部位を動かすか、医学的な知識をもとに意識してトレーニングしないと、間違ったフォームでヒザを痛めたりして、体を動かせなくなるリスクも。

 運動には、有酸素運動と無酸素運動の2つのタイプがあります。有酸素運動は、酸素を消費して脂肪や糖質を燃焼させ、それをエネルギー源とする運動のこと。ウォーキング、ジョギング、水泳や自転車、エアロビクス、なわとびなどですね。

やぎゅう:筋トレは有酸素運動ではないんですか?

日比野先生:筋トレは、短い時間に行う強度の高い無酸素運動です。かつてのやぎゅうさんのように100キロオーバーの方は、いきなり筋トレをするのではなく、まずは脂肪を落として動きやすいボディになることが先決ですね。そこからさらに自分のボディのどの部分を落とすべきか、課題が見えてくるはずです。

やぎゅう:まずは「脂肪のベール」を脱いだ先に見えてくるものがあるわけですね。

日比野先生:その通り。ダイエット初期の段階では、自己流の筋トレやたんぱく質の過剰摂取は避けたほうが無難ですね。

やぎゅう:これも思わぬ落とし穴でした。筋トレも有酸素運動もやみくもにやるだけじゃダメだし、かえって体調が悪くなった理由もよくわかりました。

◆ダイエットのNGポイントを解説

NGポイント1 過度な糖質制限

・主食は糖質ゼロの食材 肌荒れ&体調不良に

・米を封印! 糖質断ちでストレスMAX

 ダイエット初期は糖質を完全にカットして、主食をコンニャクに置き替えることも。結局、空腹とストレスで長続きせず、肌も荒れてしまいました。

 正解は……適度な糖質は必要

【日比野先生解説】

 完全に糖質を制限すると、低血糖状態が続きホルモンバランスや自律神経の乱れにつながる恐れも。糖質制限をやめたときのリバウンドにも注意。

NGポイント2 自己流の筋トレ

・プロテインをがぶ飲み タンパク質の過剰摂取に

・自己流スクワットでヒザが崩壊!

 ネットで得たにわか知識で、30キロのダンベルを両手に持ってスクワットをしてヒザが崩壊。ジュース代わりのプロテインも効果を感じませんでした。

 正解は……ダイエット初期は有酸素運動がおすすめ

【日比野先生解説】

 ダイエット初期、特に体脂肪率が高い人はウォーキングなどの有酸素運動で脂肪を落とすところから。自己流の筋トレはケガの原因にもなります。

NGポイント3 ご褒美デーで暴飲暴食

・スイーツビュッフェで爆食い 糖質制限の努力が無に……

・ひとりフードファイトでリバウンドしてしまう

 ご褒美デー(チートデー)で暴飲暴食。その後、頑張ってリバウンド分を減量しても、すぐにまたご褒美デーで爆食いして太る……という悪循環でした。

 正解は……ご褒美は小分けにすべし!

【日比野先生解説】

 ご褒美は小分けにしたほうがダイエットも長続きします。私はハーゲンダッツのミニカップや、子ども用のおやつの小袋をプチご褒美にしていました。

◆まだまだあった! やぎゅうが挫折したダイエット

 体にもメンタルにも大きな負担を感じたらやり方を見直すサイン!自分にあった方法を模索しよう。

1:〇〇だけダイエットで不調に

 コンニャクだけ、りんごだけ、ゆで卵だけと1つの食材しか食べないダイエットで体調不良に。1週間も持ちませんでした。

2:半身浴でひとり我慢大会

 ぬるめのお湯で2時間半身浴をしたら、毎回のぼせてフラフラ。半身浴ダイエットでやせるかどうかは、体質によるかも…。

3:ワンサイズ小さな服を着る

 小さな服を着ると、服に合わせてやせようとダイエットのモチベがあがると聞き実践。そんなことはなく、服が伸びただけでした。

4:屋外ウォーキング

 真夏は熱中症、夜道は怖くて断念。120キロあったころは通行人の視線も気になったので、私はジムが合っていました。

<構成/女子SPA!編集部>

【やぎゅう】
1985年生まれ。サンミュージック所属のお笑い芸人。過去に『エンタの神様』『とんねるずのみなさんのおかげでした』に出演。かつては108キロの豊満ボディを武器にした笑いで活躍していたが、コロナ禍で120キロに増量したことをきっかけに、ダイエットを決意。イラストを得意とし、日々のダイエットを記録したTwitterが話題に。2020年から恋愛&ダイエットマンガ「女芸人[孤独のコロナ]日記」を連載中。
Twitter:@honeytrap_yagi

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