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48歳マンガ家の美容バカっぷりがすごい!切開リフトから謎の献血まで若返り目指して迷走中<漫画>

女子SPA! 2024年6月22日 15時46分

「もっとキレイだったらフラれなかったのに」

美容道まっしぐらになったきっかけが、この思いでした。

『そうです、私が美容バカです。』(マガジンハウス)の著者、まんきつさんが手酷い失恋を経験したのが25歳の頃。

「内面のダメ出しを見なかったことにしていた」まんきつさんは、あらゆる美容法を貪(むさぼ)るようになったのです。

老化現象と最新技術のイタチごっこの中、究極の美を求めて、今日もまんきつさんは迷走するのです。

◆本当の顔を知っていますか?

右手に本書、左手にスマホを握り、ページをめくるたびにアマゾンにアクセスした私。本書にはほしくなるアイテムが目白押しなのです。

まず即ポチしたのが「リバーサルミラー」。これは「他人から見た自分を映す鏡」。つまり、顔の左右が逆にならないように、他人が自分を見たとおりに映す鏡です。

ほとんどの人が左右非対称の顔をしているため、この鏡を見ながらメイクすれば左右対称に近づけるというわけ。

写真映りが変、眉毛がちぐはぐ。こんな悩みがあったら、この鏡で真実を知るべし。他人から見た自分こそ、美容の原点というか盲点な気がします。

◆美容法として「献血」も

そんな小ネタを探し当てるのは、もっぱら「5ちゃんねるの美容板」というまんきつさん。それでもあきたらず「トンデモ 美容」で検索すると、出るわ出るわ「飲尿」「生理経血パック」等々、かなりの離れ技。

私も以前、“痔の治療薬が美肌にいい”という真偽不明の情報をゲットしましたが、勇気がなくて断念。用途は痔でアレですが、素肌に塗るものなので害はなさそうです。

本書を読み、私には美に対する覚悟がたりなかったと反省しました。

「5ちゃんねるの美容板」を経てまんきつさんが「イケる」と実感した美容法は、なんと「献血」。

「血液を薄めるだけで若返り効果があった」というエビデンス(ただしマウスの実験です)のもと「献血」にたどりついたのです。

美容法のみならず健康法でもデトックスは基本。無料で社会貢献できて美肌になれるなら、200mlくらい屁でもないと思った私です。

◆美は痛みとの戦い

SNSやテレビCMで連日更新されるのが、美容整形情報。最近はお値段も施術自体もずいぶんとカジュアルになりました。

本書にも登場する医療ハイフは私も経験済みですが、地味に痛いです。脱毛も痛いのですが(生理前のVIO脱毛などもう地獄)、ハイフの痛みはレンチで顔面の骨をギリギリ締め上げられるような、鈍くて重い痛みです(個人的な感想です)。

せっかくなら元を取ろうという卑しい根性からなのか、私も「最強出力で!」とオーダーするタイプ。

しかし、切開をともなう施術は痛みに加えて、むくみや発熱などの身体的影響がつきもの。いわゆるダウンタイムです。

◆女性の「美容欲」

ブルドッグラインにマリオネットラインにゴルゴライン。憎き悩みの種であるこの3大老けラインを解消すべく、まんきつさんが挑んだのが「切開リフト」。

毎日鏡で見る顔が少しでもシュッとしたら、もっと自分を好きでいられる。美は女性の命の源。女性にとってはもしかしたら、3大欲求といわれる「睡眠欲・食欲・性欲」よりも「美容欲」のほうが強いのかもしれません。

「セックスの最中の顔が気になる」という理由で整形する女性がいれば、「泣くと顔が崩れる」という理由で冠婚葬祭で泣かない女性もいます。内面を映す鏡が外面なら、外面を取り繕うことで救われる内面もあるのです。

無理無謀、無茶を繰り返して己をアップデートさせるまんきつさんに、愛が止まりません。

美とは、欲望とは何なのか。考えながらもまた、私は再びアマゾンをポチしたのでした

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx

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