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年収200万円台アラフォー女性の“報われない婚活”。「歯が黄色い男性や、喋らない男性としか出会えない」

女子SPA! 2024年6月29日 15時47分

こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。

私自身が髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

今回は、かつての相談者でもある年収100万円だった女性の婚活について取材。当初まったくうまくいかなかった婚活が一気に好転した理由と、その後の苦労について話を聞きました。

◆年収200万円台の女性、出会える男性が激変した理由

現在妊娠中の由美さん(仮名・39歳/福祉)は、今年同い年の男性と出会って結婚相談所を成婚退会した女性。幸せな新婚さんに見えますが、楽で順調な婚活だったわけではありません。

若い頃は結婚に興味を持てず、憧れの地方移住を叶えてリゾートバイトなどをしていた時期がありました。一時は年収が100万円前後だったことも。やがて地方での暮らしを断念して東京に戻ってきて、家族が欲しくなり婚活を開始しました。

ところが自身の年収が200万円台で「年齢的に子どもを産める自信がない」と自己評価が低いまま婚活を始めてしまった由美さん。会えた男性たちは歳上の40代しかおらず、しかも歯が黄色くて汚い人、髪がボサボサで服もしわしわ、ほとんど喋らない人など、清潔感やコミュ力に難ありの微妙な男性ばかりでした。そこで婚活コンサルの私のところへご相談にやってきて、写真やプロフィールを変更して婚活を再スタートさせることになったのです。

プロフィールには新規事業の立ち上げに携わった経験や地方移住の経験を盛り込み、会ったら楽しそうで、中身がある女性に見えそうな内容に変更しました。そしてアイルーチェという人気のフォトスタジオでフルメイク込みで写真を撮り直しました。

すると申し込み(結婚相談所における、相手に会ってみたいという意思表示)の数がぐっと増え、年下の男性からも申し込まれたそうです。会ってみても、コミュ力の高い男性の割合が高くなりました。

写真を変えた月に11人の男性と会い、ほぼ断らず2回目デートに進んだため、休日も潰れかなり疲弊したという由美さん。1日に2人とデートしたこともありました。

◆「子どもは欲しいですか」への答えが破局の原因に

その11人の中に、彼女の“第一希望”だった男性がいました。40代の高収入男性です。結婚相談所のルールや仕組みに詳しい言動から相手の婚活歴が長いことは感じていたものの、毎日LINEをしてクリスマスにデートもしたので相手は本気だろうと思っていました。それなのに……向こうから断られてしまいます。あまりに辛くて会社を休んだほどだったとか。お断り理由は子どもに関する価値観の相違でした。

子どもは欲しいですかとLINEで聞かれたことがあり、由美さんは産める自信がなかったため「いてもいなくてもどちらでも」と返したのです。

職場でも婚活中であることを周囲に伝えていたため、この時は同僚が励ましてくれて、立ち直れたそうです。

◆婚活男性との薄くて浅い会話で、休日が潰れるのが辛い

その後も申し込みが多い状態は続いたものの、写真とは全くの別人がお見合いに来たり、3回目のデート後に向こうから断られたりと、落ち込むことも多かったとか。好条件の男性と交際成立したのに次のデートの日程がなかなか決まらず、相手の中で自分の優先順位が低いのが分かり、自ら断ったことも。婚活で知り合えば、相手も他の女性と自分を比較検討しているのは当然なのです。

見知らぬ男性と会って薄い浅い会話をしながら距離を縮め、休日が潰れることが辛くなっていた由美さん。ある時、同僚から知り合いの介護職の男性を紹介されて会ってみました。すると「結婚相談所で出会う男性のほうがいい」と感じた自分に気づきます。この経験のおかげで、結婚相談所に集中する覚悟が決まりました。当時、1年で50人の男性とデートしていました。

◆部下の妊娠にため息をつき、おめでとうも言わない上司

同僚には恵まれていた由美さんですが、結婚に向き合っていくほど、職場については疑問を感じることが出てきたといいます。

育休を取得した同僚は妊娠報告で上司からため息をつかれて一度もおめでとうと言われず、由美さんが怪我をしたときには上司に「自転車なら通勤できるよね?」と言われたそう。

そんなことが重なり、ついに退職を決意。婚活を2カ月お休みして転職活動を行い、結婚後も続けられそうな会社に入りなおしてから婚活を再開しました。

「このころは自分が会える男性の層が分かってきて、LINEのやり取りにも慣れて、次に会う男性たちのなかから夫を決めようと覚悟が決まりました」

◆お見合いで盛り上がった男性に覚えた“違和感”

婚活の再開後に4人の男性とお見合いをして、3人と交際へ進みます(結婚相談所では、複数人と同時進行の交際が認められていることが多いです)。その中で、2歳年下で同じゲーム好きの男性が“第一候補”でした。居住地も比較的近く、こまめにデートを重ねていました。

ただ徐々に、彼とのコミュニケーションに違和感を覚えることが出てきました。由美さんはシフト休みなのに対し、相手は土日休みでしたが、相手は日程調整が苦手そうで確認を忘れることもありました。一度に2つのことができず、一緒に食事をするとものすごく食べるのが遅かった点も気になりました。

あるとき、デートの予定をしていた日に由美さんが体調を崩し熱を出したことがありました。「風邪薬を買って持ってきてほしい」とお願いしたら「他に頼める人いないの?」と返信がきました。福祉という仕事柄、発達障害に詳しい由美さん。それまでの違和感を次のデートで本人に話して確認したところ、職場でパニックを起こして発達障害と診断を受けたことがあると言われました。

「彼が発達障害だということ自体が、断る理由にはならなかったと思います。でも、大事なことを隠す人とは信頼関係を築けないと思って断りました」

◆“第二希望”だった男性が、未来の夫に急浮上

その間、初デートから2週間ほど期間が空き、次のデートの約束すらしていなかった男性からLINEが来ます。その彼は、IT企業に勤めるバツイチ男性。お見合いで盛り上がったわけではないものの、会った時にものすごくホッとしたそうです。

「人との距離感、外見の清潔感、あらゆる意味で居心地が良い男性でした。一度結婚・離婚を経験しているので、結婚や出産の現実も分かっている方でした。それまでも、離婚歴がある男性の方が素敵と感じることが多かったです。夫は年収は高いけど高卒です。学歴も、こだわらなくていいと思いました」

◆「もしも今の夫と30歳で出会っていたら」

トントン拍子でお付き合いに進み結婚しましたが、由美さんいわく「もしも色々選択肢が多かった30歳の時に会っていたら、選ばなかったかもしれない」男性なのだそう。移住も異業種転職も婚活も全て経験して、納得感を持って次のステージに進む由美さんに、人間としてのタフさを感じました。

選択肢が多いことは一見ポジティブなようでいて、その中での決断は消耗することもあります。今の時代は、結婚するのも、趣味に生きていくのも、婚活するのも、転職も移住も、全て自由なのです。

のちに夫となる男性が由美さんに会おうと思った決め手は、プロフィールにあった「新規事業の立ち上げに携わった経験」だったそうです。他にも、この経験に食いつく男性は何人かいたとか。かつての挑戦がこうして巡り巡って縁になるから、人生において一生懸命やったことには全て意味があるのですね。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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