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食生活で目の健康は変わる!専門名医が伝授する「緑内障に効果抜群のスーパーフード」

女子SPA! 2024年7月7日 8時44分

「緑内障」という病気をご存じでしょうか。 目の奥にある視神経に障害が起き、気づかぬうちに視野が欠けていってしまい、放っておくと失明してしまう病気です。

 緑内障に大きく関わりがあるのが、「眼圧」です。目の中では房水という液体が循環しており、適度な圧力を保っています。しかし何らかの原因で房水の排出口が詰まったり、塞がれたりして、眼圧が上がってしまうことがあります。そうすると、視神経が圧迫されてダメージを受け、視神経が損傷していってしまうのです。

 眼圧の値は日々の生活習慣と大きく関わりがあります。特に食事による栄養摂取が重要で、健康的な食習慣が眼圧の変動や緑内障の進行にも影響することがわかっています。

 いつまでも健康で、ものをしっかり見ることができる目を保ちたいですよね。ここでは、目の健康に関連する食習慣と、目に良い食べ物を紹介します。

(この記事は『専門名医が教える!緑内障に効くたった2つの習慣』に掲載された内容を再編集しています)

◆酸化が目を老化させる

 私たちの体は、日々ストレスを受けています。老化と関わりがあるのは「酸化」です。活性酸素によって細胞が傷つき、老化が進むのです。イメージとしては、放置された鉄が錆びていくのと同じです。体の中のサビ=酸化と捉えてください。

 酸化の要因としては、紫外線などの太陽光の刺激、たばこ、精神的なストレス、激しい運動……などが挙げられます。これらの酸化ストレスは抗酸化物質によって除去されています。

 目は、レンズとなる水晶体や、光が集約する黄斑部(視力の中心になる、網膜でもっとも大事な部位)が酸化ストレスに晒されます。水晶体が酸化すると白内障の原因となりますし、黄斑部の酸化は「加齢黄斑変性症」という病気を引き起こします。

◆糖化は日々の食生活が大きく影響

 もうひとつ、体の中で老化を引き起こすのは「糖化」です。砂糖や炭水化物などの糖質を食べすぎてしまうと、余った糖とタンパク質が結びついて「AGEs(エージス)」と呼ばれる老化物質を合成します。

 これは体に炎症を引き起こし、こちらも白内障や加齢黄斑変性症にも関わりがあります。

「AGEs(エージス)」は高温で調理したものにも多く含まれます。チキンのオーブン焼き、とんかつ、唐揚げ、ステーキなど、こんがりと揚がっているもの、焼かれているものはAGEsが生成されやすいのです。

 酸化や糖化といった老化現象は、網膜や血管を劣化させるため、緑内障による視野障害の進行が早くなるという報告もされています。

 酸化、糖化の原因となる食品を減らすことも大事ですが、これから紹介するスーパーフードを食生活に取り入れることで、体のストレスを緩和し、緑内障を含む眼科疾患の予防が期待できます。

◆目がどんどん良くなるスーパーフード7選

1:たまご

 たまごはビタミンCと食物繊維以外はバランスよく摂取できる完全栄養食とされています。良質なタンパク質に脂質、ビタミン、ミネラルも豊富です。

 それに加えて、目に大切な成分であるルテインとゼアキサンチンも含まれています。これらは脂溶性なので、卵黄の脂質と共に体内に吸収されやすいのも特徴です。

2:緑黄色野菜

 緑黄色野菜の中でも、濃い緑色の野菜は眼病予防のために推奨されています。ケールは「緑黄色野菜の王様」と呼ばれるほどに栄養価が高く、ルテインも豊富に含まれています。他にもほうれん草やブロッコリーなどもルテインが多いです。また、ビタミンAの元となるβカロテンや、ビタミンC、Eが多いことにも注目です。

 緑黄色野菜サラダにたまごを加えることで、ルテインの吸収率が3~8倍にアップします。

3:柑橘類、キウイフルーツ

 オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類はビタミンCとEが大量に含まれています。フルーツの中でもキウイはビタミンCの含有量がトップレベルで、ルテインも含まれます。キウイのルテインは野菜から摂るよりも吸収率が3倍程度高いとされています。

 ビタミンCとEはそれぞれ抗酸化作用がある他、皮膚や粘膜の新陳代謝を促したり、神経保護や血行促進に作用します。

◆“杏仁豆腐の赤い実”、実は天然のサプリメント

4:クコの実(ゴジベリー)

 聞き慣れない実の名前かと思いますが、杏仁豆腐の上に載っているあの赤い実です。中国では視力回復のための薬用食材として用いられ、2000年以上の歴史があります。ルテイン、ゼアキサンチンの含有量が非常に多く、体内にも吸収されやすいとされています。

 各種ビタミンに加えて、ポリフェノール、ベタイン、鉄なども含まれており、天然のサプリメントとも言えます。

5:さつまいも

 食物繊維が多く含まれ、血糖値の上がりにくい低GI食品であり、良質な炭水化物として重宝するのがさつまいもです。

 濃い黄色はβカロテンが含まれている証拠であり、安納いもはにんじんに匹敵するほどβカロテンが豊富です。ビタミンCとEが豊富なのも良いところ。

◆魚はドライアイや認知症予防にも効果的

6:鮭、マグロ、青魚

 魚にはオメガ3脂肪酸という、体に必要な脂質が含まれています。オメガ3脂肪酸であるDHAやEPAは網膜の神経細胞に多く含まれており、網膜の機能維持や保護のために必要な脂質です。脳にも多く含まれるため、しっかり摂取することで認知症の予防効果も期待できます。また、ドライアイの予防にも効果があります。涙は99%の水分と1%の油でできています。

 たった1%の油が不足することで、涙は乾いてしまうのです。オメガ3脂肪酸を摂ることで、ドライアイのリスクが17%低下したという報告もあります。

7:ナッツ類

 ナッツにはさまざまな種類がありますが、中でもピスタチオには大量のルテインとゼアキサンチンが含まれます。脂質が多いので食べ過ぎには注意ですが、アーモンドやくるみに含まれるのは、良質なオメガ3脂肪酸です。脂溶性であるルテインやビタミンEを効率的に吸収できます。その他、亜鉛やマグネシウムなどのミネラルも豊富です。

◆体に良いものを食べることで、目も良くなる

 人は生きている限り、徐々に老化していきます。目に起こる症状も同じで、老化に伴って機能が低下していきます。しかしそれらは日々の食事を主とした生活習慣を改善することで、悪化をゆるやかにしていけます。

 緑内障の原因である眼圧も、酸化や糖化を抑える食事をしていくことで、数値を下げられることがわかってきています。できるところから日々の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

<文/真鍋佑介 構成/女子SPA!編集部>

【真鍋佑介】
真鍋眼科・婦人科院長。「近視予防を広めたい」という意思から眼科医を志し、2015年から岐阜大学病院の眼科医として長年分野を問わず疾患の診療をしてきた。後に緑内障専門医として診療と研究に従事する。2021年から真鍋眼科・真鍋婦人科に勤務。なんでも相談できる「かかりつけ医」をモットーとして患者を支えている

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