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「イオンや業スーの激安そうめんはマズい」が覆る!驚くほどおいしくなる3つのコツ

女子SPA! 2024年6月23日 8時46分

 おいしく味わうためのコツ。

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 暑い夏にぴったりの料理と言えば、「そうめん」。短時間でゆでることができて便利ではありますが、値段はピンキリ。高級品と激安品との違いが気になっているという人は少なくないでしょう。激安そうめんの代表選手と言えば、イオン(600グラム214円)と業務スーパー(800グラム199円)。

 確かに安い! 特にイオンのトップバリュ ベストプライスのそうめんは、X(旧Twitter)上でも過去に「ヤバい」と話題になったことがありますが、おいしくないのでしょうか?

 結論から言いますと、味覚の個人差はあるにせよ、適切に調理をすればおいしく味わうことは十分にできると、私は感じています。そしてちょっとした工夫をすればさらに満足度を上げることも。

 そこで今回は、業スーやイオンのそうめんをがっかりすることなくおいしく味わうためのコツを3つご紹介していきたいと思います。

◆①「手延べ」との違いを理解して、賢く調理する

 まず前提として知っておくとよいのが、業スーやイオンのそうめんは「機械製造」によるものであり、揖保乃糸など有名ブランドの「手延べ製法」と比較すると、原材料や製造方法が根本的に違うということ。

 手延べそうめんは麺同士のくっつきや乾燥を防ぐために麺表面に薄くコーティングする油が使われます。そして麺の生地を切断することなく圧力とひねりで細くしていくことによって、“コシの強いツルツルの食感”が生まれます。

 機械製造そうめんには油が使われておらず、生地を薄く延ばして切断し乾燥させて、ほとんど熟成工程なく仕上げるため、差が出て当然。価格重視派のニーズにこたえることを重視している商品だと理解し、おいしい食べ方を探すほうが賢明です。

 向いているのは、タレで和えたり油で炒める調理法。例えばコチュジャンやキムチ、ごま油などを絡めた韓国風そうめんは、コクも風味も抜群です。そうめん自体の食感や風味だけにとらわれないアレンジ料理にこそ、激安そうめんを活用したいところです。

◆②おいしくゆでるコツを覚えておく

 そうめんをできる限りおいしくゆで上げるためには、麺のコシを保つことが重要です。そこでオススメの工夫は2つ。

 1つ目は、ゆで時間を30秒短くして柔らかくなり過ぎるのを防ぐこと。2つ目は、ゆで汁に梅干しを1個入れてクエン酸効果で煮崩れを防ぐこと。この2つを守るだけで表面がつるりと食感の良い仕上がりになります。

 またゆで上がったそうめんを冷やした後、氷水に浮かべて盛り付けるのはオススメできません。麺が冷えすぎることで小麦の旨味や甘味を感じにくくなってしまうため、冷やしすぎないように気をつけましょう。

◆③おいしさの決め手はつゆにあり。実は自作が簡単で安い

 リーズナブルなそうめんをおいしく味わうための最良の方法は、つゆを格上げすること。

 これは私自身が何度も実践して実感していることです。そうめんつゆは、そばつゆやうどんつゆに比べて作るのが難しいと思っている人もいると思いますが、実はびっくりするくらい簡単です。

 目指す塩梅は、しょうゆの塩分をやや控えめに旨味を感じる出汁感を重視すること。自作は節約にもなり、たった10分で作ることができて、市販つゆとは別次元の味や香りに仕上がりますから、感動すること間違いありません。

 作り方は次の通り。500ミリリットルのお湯にだしパックを入れて数分煮出してだしを取ります。パックを取り出した後に、白だし100mlとみりん80mlを加えて1~2分煮立て(みりんのアルコール分を飛ばすため)、仕上げにこいくちしょうゆ(生しょうゆがおすすめ)を隠し味程度に垂らせば完成です。

 リーズナブルなそうめんをできるだけおいしく味わいながら、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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