女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年5月17日 記事は取材時の状況)
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このところ、すっかり気温も上がって、ビールのおいしい季節になってきました。
けれども、飲酒は時として、ふだんの自分では思いもよらない言動を招く原因になります。
泥酔して記憶をなくし、気づいたら訳がわからない光景が広がっていた…という女性の話をきいてみました。
◆彼と、彼の親友と3人で仲良くしていた
宮崎美帆子さん(仮名・26歳・派遣社員)には付き合って2年目になる彼(27歳・衣料メーカー勤務)がいます。
「彼とは趣味のボルダリングがきっかけで知り合い、結婚を前提にお付き合いしていて、お互いの家を自由に行き来していましたね」
そんなある日、彼の高校時代からの親友Fさん(27歳・イラストレーター)が新潟県から上京してきてきました。
「Fさんは本格的にイラストの仕事をするために都内で部屋を探す事になっていて、見つかるまでは彼の部屋に泊まっていればいいじゃんって話になったんですよ」
彼と美帆子さんでFさんの歓迎会をしてあげ、すっかり打ち解けたそう。
「その後も彼の部屋に入りびたるFさんと一緒にテレビを見たり、食事をしたりしていたのですが…」
◆お酒で記憶をなくして目覚めたら、泣いてる彼と荷造りをしているFさんが…
ある日、ささいな事で彼と言い争いになってしまった美帆子さんは、ついクサクサしてしてFさんを呼び出してしまいました。
「Fさんは今夜は私に付き合うよと言ってくれて、一緒に飲みに行ったんですよ」
彼氏の愚痴を聞いてもらいながら、ついハイペースで飲んでしまった美帆子さんは、いつのまにか記憶を無くしてしまったそう。
「気がついたら彼の部屋で目が覚めて…起き上がってみたら、泣いてる彼と荷造りをしているFさんが目に入って…えっ何で? って全く意味が分からなくて」
ピリピリした空気が流れていて、何も聞けずにいた美帆子さん。彼氏とFさんが話すのを聞いていると…。
◆彼に別れたいと宣言し、Fさんを支えたいと発言していた
「どうやら酔った私が、彼と別れてFさんと付き合うと言ったらしく…Fさんが私の部屋に引っ越す準備をしていたんですよ」
美帆子さんは、普段から泥酔するようなタイプではなく、ましてや記憶をなくしたのは初めて。
「全く覚えていないですが、理路整然と彼に『もうすでにマンネリ気味で、この先どんどんときめかなくなるなら無理して結婚なんかせずに、お互いに新しい恋をした方がいいのではないか?』と別れたい理由を言ってたらしいんです…」
そして、Fさんに「夢を実現させ、より大きく羽ばたこうとしているFさんを支えたい」と惹かれた理由を語る美帆子さんの姿に、彼は仕方ないと納得し、Fさんは感激。
「こんな事になってしまった以上、もうここには居られないと荷造りを始めたFさんに『うちに来ればいい』と私が言って、そのまま眠っちゃったみたいで…」
寝ている美帆子さんの横で、彼とFさんは話し合い「もう前のような関係には戻れないと思うけど、お互い頑張っていこう」という結論になったそう。
正気に戻った美帆子さんは、彼に「酔っていたから、そんな事言っただけで本当は別れたくなんかないよ」と訴えてみましたが…。
◆彼氏の親友との同居生活…だんだんと楽しくなってきた
「『あれが本心でしょ?もういいよ。幸せになってね』の一点張りで話にならなくて…彼もFさんも、まさか私が記憶を無くしているとは思っていないし…」
仕方がないので、時間をかけて解決しようと思いFさんを連れて帰る美帆子さん。
「いくら記憶が無いと言っても、私のせいでFさんが親友だった彼と不仲になってしまったので、とりあえず連れてきたのですが…」
するとFさんは「ひょんな事からこんな感じになってしまったけど、いちから美帆子ちゃんと信頼関係を築いていきたいと思っているから」とソファーで寝起きして、掃除や料理を手伝いながら少しずつ美帆子さんとコミュニケーションをとっていきました。
「最初は警戒していたのですが、だんだんFさんとの暮らしが楽しくなってきてしまって…彼の事を全く思い出さない日が増えていきましたね」
◆Fさんが出ていく日に…ファーストキス
そしてある日の夕食中にFさんから「やっと良い部屋が見つかったから引っ越すよ」と言われた時に動揺してしまった美帆子さん。
「離れたくないって強く思っている自分に驚いてしまって…そしたらFさんが『そこを仕事場にしてバリバリ仕事頑張るから、僕とちゃんとお付き合いしてもらえませんか?』って言ってくれたんです」
思わず自分からキスしてしまった美帆子さん。それが二人のファーストキスだったそう。
「ちゃんとお付き合いする事になったので、一応彼にもメールで報告したのですが返信はありませんでした…まぁ、そりゃそうですよね」
彼には悪い事をしたなと反省しながらも、今ではFさんに夢中の美帆子さん。
「まさかこんな事になるなんて、人生って何が起こるか分かりませんね」とため息まじりに語る美帆子さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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このところ、すっかり気温も上がって、ビールのおいしい季節になってきました。
けれども、飲酒は時として、ふだんの自分では思いもよらない言動を招く原因になります。
泥酔して記憶をなくし、気づいたら訳がわからない光景が広がっていた…という女性の話をきいてみました。
◆彼と、彼の親友と3人で仲良くしていた
宮崎美帆子さん(仮名・26歳・派遣社員)には付き合って2年目になる彼(27歳・衣料メーカー勤務)がいます。
「彼とは趣味のボルダリングがきっかけで知り合い、結婚を前提にお付き合いしていて、お互いの家を自由に行き来していましたね」
そんなある日、彼の高校時代からの親友Fさん(27歳・イラストレーター)が新潟県から上京してきてきました。
「Fさんは本格的にイラストの仕事をするために都内で部屋を探す事になっていて、見つかるまでは彼の部屋に泊まっていればいいじゃんって話になったんですよ」
彼と美帆子さんでFさんの歓迎会をしてあげ、すっかり打ち解けたそう。
「その後も彼の部屋に入りびたるFさんと一緒にテレビを見たり、食事をしたりしていたのですが…」
◆お酒で記憶をなくして目覚めたら、泣いてる彼と荷造りをしているFさんが…
ある日、ささいな事で彼と言い争いになってしまった美帆子さんは、ついクサクサしてしてFさんを呼び出してしまいました。
「Fさんは今夜は私に付き合うよと言ってくれて、一緒に飲みに行ったんですよ」
彼氏の愚痴を聞いてもらいながら、ついハイペースで飲んでしまった美帆子さんは、いつのまにか記憶を無くしてしまったそう。
「気がついたら彼の部屋で目が覚めて…起き上がってみたら、泣いてる彼と荷造りをしているFさんが目に入って…えっ何で? って全く意味が分からなくて」
ピリピリした空気が流れていて、何も聞けずにいた美帆子さん。彼氏とFさんが話すのを聞いていると…。
◆彼に別れたいと宣言し、Fさんを支えたいと発言していた
「どうやら酔った私が、彼と別れてFさんと付き合うと言ったらしく…Fさんが私の部屋に引っ越す準備をしていたんですよ」
美帆子さんは、普段から泥酔するようなタイプではなく、ましてや記憶をなくしたのは初めて。
「全く覚えていないですが、理路整然と彼に『もうすでにマンネリ気味で、この先どんどんときめかなくなるなら無理して結婚なんかせずに、お互いに新しい恋をした方がいいのではないか?』と別れたい理由を言ってたらしいんです…」
そして、Fさんに「夢を実現させ、より大きく羽ばたこうとしているFさんを支えたい」と惹かれた理由を語る美帆子さんの姿に、彼は仕方ないと納得し、Fさんは感激。
「こんな事になってしまった以上、もうここには居られないと荷造りを始めたFさんに『うちに来ればいい』と私が言って、そのまま眠っちゃったみたいで…」
寝ている美帆子さんの横で、彼とFさんは話し合い「もう前のような関係には戻れないと思うけど、お互い頑張っていこう」という結論になったそう。
正気に戻った美帆子さんは、彼に「酔っていたから、そんな事言っただけで本当は別れたくなんかないよ」と訴えてみましたが…。
◆彼氏の親友との同居生活…だんだんと楽しくなってきた
「『あれが本心でしょ?もういいよ。幸せになってね』の一点張りで話にならなくて…彼もFさんも、まさか私が記憶を無くしているとは思っていないし…」
仕方がないので、時間をかけて解決しようと思いFさんを連れて帰る美帆子さん。
「いくら記憶が無いと言っても、私のせいでFさんが親友だった彼と不仲になってしまったので、とりあえず連れてきたのですが…」
するとFさんは「ひょんな事からこんな感じになってしまったけど、いちから美帆子ちゃんと信頼関係を築いていきたいと思っているから」とソファーで寝起きして、掃除や料理を手伝いながら少しずつ美帆子さんとコミュニケーションをとっていきました。
「最初は警戒していたのですが、だんだんFさんとの暮らしが楽しくなってきてしまって…彼の事を全く思い出さない日が増えていきましたね」
◆Fさんが出ていく日に…ファーストキス
そしてある日の夕食中にFさんから「やっと良い部屋が見つかったから引っ越すよ」と言われた時に動揺してしまった美帆子さん。
「離れたくないって強く思っている自分に驚いてしまって…そしたらFさんが『そこを仕事場にしてバリバリ仕事頑張るから、僕とちゃんとお付き合いしてもらえませんか?』って言ってくれたんです」
思わず自分からキスしてしまった美帆子さん。それが二人のファーストキスだったそう。
「ちゃんとお付き合いする事になったので、一応彼にもメールで報告したのですが返信はありませんでした…まぁ、そりゃそうですよね」
彼には悪い事をしたなと反省しながらも、今ではFさんに夢中の美帆子さん。
「まさかこんな事になるなんて、人生って何が起こるか分かりませんね」とため息まじりに語る美帆子さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop