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お坊さんと結婚した女性の「意外な仕事」とは。“僧侶が妻に求めること”は想像と全然ちがう

女子SPA! 2024年7月11日 15時47分

恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に「リアルに役立つ情報」をお伝えします。

◆お寺や神社で働く男女に特化した結婚相談所

最近の婚活の主流はマッチングアプリですが、「本気で婚活しよう」と意を決して結婚相談所に登録する人も少なくありません。結婚相談所にはそれぞれ特徴があり、中には「男性は自衛隊員限定」や「離婚経験ありの人専門」など、特定の業種や立場に特化した結婚相談所も。

今回は中でも特に珍しい、寺社(寺院、神社)の後継者に特化した結婚相談所「寺社の縁結び」を取材。「寺社の縁結び」代表の津守良彦さん、寺社の経営サポートの「寺社friends」担当の草野俊哉さん、そしてお坊さんと結婚した女性・松村恵里香さんにお話を聞き、お坊さんとの結婚ってどんな感じ? など、素朴な質問に答えてもらいました。松村さんの夫は、四谷怪談で有名な「お岩さん」のお墓がある、西巣鴨の妙行寺のご住職です。

◆お坊さんと出会える結婚相談所には、どんな女性が登録してるの?

――寺院や神社の跡取りの方々と出会える結婚相談所「寺社の縁結び」には、女性の場合、どんな方が入会されるんですか。

「寺社friends」草野俊哉さん(以下、草野):女性で入会される方は、やはり仏教・お寺や神社、そして歴史の好きな方が多いですね。最近は、神社の御朱印(ごしゅいん)集めが好きという方や、YouTubeなどの動画でお坊さんの話を聞いて結婚したいと思うようになったという女性もいました。仏教に癒しを求めている方も多いのかもしれませんね。年齢は30代の方が一番多いかな。

松村恵里香さん(以下、松村):私はお坊さんと結婚しましたが、結婚相談所経由ではないんです。たまたま出会った男性がお坊さんで、「お坊さんの奥さんって面白そう!」と思ったから結婚しました。勢いもあったと思いますね。もちろん、夫のことが好きという気持ちがベースにありましたよ(笑)。

◆寺社の跡取りが「若い頃から婚活する」理由

――「寺社の縁結び」に登録する寺社側の男性会員は、どんな方が多いですか?

草野:「寺社の縁結び」に登録してくれる男性って特徴があって、一つ目は比較的若いんですね。30代前半くらいから婚活を始めてる男性が多いんです。なぜかというと、それだけ結婚相手を見つけるのが大変な職業だということがわかっているからなんです。だから、なるべく早く行動しようと思っている。

それからもう一つは、他の結婚相談所で婚活経験がある人が多いということ。他の結婚相談所でなかなか相手が見つからなかったんで、うちみたいに特化したところを見つけて来てくれる。そうすると、やっぱり親もそれだけ結婚相手を探すのが大変だと思っているから、「うちにお嫁に来てくれるなら、本当にありがたい」というウェルカムな雰囲気で迎えてくれます。

◆「どんな生活になるの?」女性側の親の心配は

――この職業ならではの婚活の苦労があるんですね。結婚相談所で婚活しても、寺社の後継ぎの方のお相手がなかなか見つからない理由って何でしょうか?

草野:やはり、女性側の親御さんは心配されることも多いので、そこが障壁になっていることもありますね。なぜかというと、お寺に嫁いだ先にどんな生活が待ってるのかというのが、その女性本人も、親もわからないからです。

例えばお父さんがサラリーマンという女性の場合、同じくサラリーマンの方との結婚なら、自分のお母さんを見ていれば結婚生活はイメージしやすい。でも、僧侶の妻になるとなったらどんなことをしなければいけないのかわからないので、ご本人はもちろん女性側の親御さんもとても不安になりますよね。そのあたりは、ハードルと言えるかもしれません。

――女性側のご両親が、娘さんのことを想って反対されることがあるのですね。私も取材を通して、お寺の方と結婚して会社員やご自身で仕事をされている方がいると知りました。お寺と一口に言っても、結婚相手の女性に求められることって個々のお寺によってさまざまだということがわかると、女性側の不安も和らぎますよね。

草野:そうなんですよね。

◆人や地域との交流に興味のある人が向いている

――どんな方が、お坊さんとの結婚に向いていると思われますか?

松村:やっぱり、人と接するのが好きな人の方が向いているかもしれないですね。檀家さんからのお悩みの相談もあるので、ある程度話好きだったり、またはお節介好きだったりする人がいい気はします。

「寺社の縁結び」代表・津守さん(以下、津守):あとは「寺子屋」という言葉があるように、かつてお寺は学びや集いの場でしたので、人や地域との交流に興味を持っている人は向いていると思います。また、外向きばかりではなくても夫(住職)を支えてサポートを優先する方も歓迎されます。寺院の奥さんは活躍の範囲が広く、スキル、意欲、興味や人柄を受け入れてくれる場面が多いと思います。

松村:実際のところは、色々な方がいますよね。昼間は会社員として働いている人もいれば、ご自身でお寺とは別の仕事をしている人もいるし、私は以前は介護職をしていて訪問介護やデイサービスやリハビリテーションセンターで働いていました。今のお寺は結婚して2軒目で、前のお寺は檀家さんも少なく毎日お参りに来られる人もいないので、外で働いていたんです。

◆“お坊さんの奥さん”になっても、仕事は続ける女性も多い

草野:会員の男性へ「奥さんに何を求めますか」という質問をすると、一番多いのは「お盆と正月などの忙しい時期だけ手伝ってもらえたら嬉しい」という回答なんですよね。そういう年に数回しかない行事の時は手伝ってもらいたいと。

でも、ひっきりなしにお客さんが来るようなお寺じゃなければ、お寺の奥さんとしての仕事より、会社員などご自身の仕事を続けてキャリアを大切にして、やりがいや収入を得てほしいという人も結構いますよ。

松村:うちのお寺の場合は住職と私が中心となりお寺を守っています。他にも小僧さんと数人のスタッフがいて広い本堂や境内、墓地の清掃や来客の接待を担っています。年末年始やお盆、お彼岸、法要の際は、特に檀家様や信者のお参りが多いのでスタッフ総出で対応しています。でもお弟子さんがいるところだったら、そういうことはお弟子さんがやってくれるんです。奥さんの仕事は特にないというお寺もあるし、本当にお寺によるんですよね。

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お坊さんの妻になるというと「大変そう」というイメージが先行してしまうという人も多いのではないでしょうか。しかし、お寺に関わる皆さんに話を聞いてみると、お寺によってその度合いはさまざまなようです。

お寺は昔、地域住民と近い距離にありましたが、ご近所付き合いが希薄になった今、お寺には用がないと行かないという人がほとんどになりました。草野さんや松村さんは、そんな現状を変えて、お寺と地域とのつながりを持たせたいという思いがあり、定期的にイベントも開催しているようです。これまでの婚活とは別の角度からお相手を探してみたい方にはこのような出会いもあるのですね。

【寺社の縁結び】

僧侶や神主と結婚する男女の縁結びサイト。寺社(寺院、神社)の跡取りの男女とその方々との結婚を希望する男女のみで運営している。

<取材・文/田中亜依>

【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019

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