恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に「リアルに役立つ情報」をお伝えします。
皆さんは「お寺のお坊さんとの結婚生活」と聞いて、どんなことが浮かびますか? お坊さんと結婚した女性の“リアルな生活”の話を聞くと、一般的なイメージとの違いに驚かされることも。
今回は、寺社(寺院、神社)の後継者に特化した結婚相談所「寺社の縁結び」と寺社の経営サポートの「寺社friends」を運営する草野俊哉さんと津守良彦さん、そしてお坊さんと結婚した女性・松村恵里香さんにお話を聞きました。
松村さんは、『四谷怪談』で有名な「お岩さん」のお墓がある、西巣鴨の妙行寺のご住職の妻。寺社関係で働くお三方に、私たちの知らない「お寺のさまざまな事情」を聞いていきます。
◆長髪のお坊さんや、テクノ法要をするお坊さんも
――お坊さんって真面目な方が多いイメージが多いのですが、厳しい戒律などはあるのでしょうか?
「寺社の縁結び」事業部長・草野俊哉さん(以下、草野):戒律が厳しい宗派もあれば寛容な宗派もあるので、属している宗派によると思いますよ。「寺社の縁結び」の会員さんの中には、男性で髪の毛を長く伸ばしている方もいます。
仏教にもさまざまな宗派があって、テクノ法要という仏教にテクノロジーを掛け合わせた手法で注目されている方もいます。お坊さんと一口に言っても、色々な方がいますね。
◆「寺の人は檀家のお布施で贅沢をしている」という誤解
――テクノ法要というのは斬新ですね! お坊さんと結婚された松村さんは、お寺で働く上での苦労や気をつけていることはありますか?
松村恵里香さん(以下、松村):檀家さんをはじめとする周りの方々への心配りは忘れてはいけないので、自分たちがどう見られているかという視点が常にありますね。たとえば、車や持ち物、着る物にも気を遣います。
よく『坊主まるもうけ』と言われますが、私たち寺族の者は給与制で、きちんと確定申告もしていますし納税もしています。宗教法人が非課税な部分があるので、勘違いをされている方もおられるようです。
お布施としていただいたものは、一旦お寺(宗教法人)の会計に入り、まずはお寺を守るための維持費、運営費になります。そして、住職以下寺族、スタッフはそこからお給料として賃金をいただきます。そのため、普通のサラリーマンと同じ生活をしています。
「私たちのお布施で、贅沢をしている」と思われないよう、慎ましく生活はしていますが、何か発信する際はもちろんですが、普段から持ち物や身に着けるものにも気を遣いますね。
――お坊さんは税金が全くかからないと誤解していました!
◆面白い人生を歩めるのは間違いない
――逆に、お坊さんと結婚したらこんな良いことがある、というのはありますか?
「寺社の縁結び」代表・津守さん(以下、津守):お寺の運営は大変なこともありますが、面白い人生を歩めるのは間違いないですよ。僕も16年間サラリーマンを経験してますけど、やっぱり自営業の方が面白いんです。自分の判断で色々なことができますから。お寺は長い歴史があったり、信用があったりという点でプレッシャーにもなる部分もありますけど、その分自分たちで色々なことができます。
草野:あとは、やっぱりその地域で何百年もお寺を運営してきたから、地域の皆さんから信頼していただいていると感じますね。結婚してそういうところに来るのは、不安もあるかもしれないけど、すごくやりがいがあると思うんです。
また、“お寺の仕事”としてイメージされている以外の形でも、活躍の場や機会は多いんですよ。例えばインバウンドで海外からどんどんいろんな人たちが来ている中で、宿坊(しゅくぼう)といってお寺に宿泊するサービスを提供しているとこもあります。英語を話せる奥さんに、海外から来たお客さんのおもてなしで非常に助けられているという話も聞きます。
◆お寺が収益を得る方法は、檀家さんのお布施だけじゃない
――お寺さんの収入というのは、お布施で成り立っているのでしょうか?
松村:寺院に所属する家の方を檀家さんと言うのですが、その檀家さんの法事やお葬式、月命日を執り行うことで収入を得ていますね。収入は檀家さんの数に比例するものなので、お寺によって異なるんです。
草野:檀家さんからいただくお金だけで運営していると、厳しいと思うこともあるかもしれませんね。でも、いわゆる寺社の「収益事業」というものがあって、たとえばお寺をレンタルルームとして場所を貸し出すなど、物品販売業、不動産販売業、不動産貸付業、旅館業といった合計34種類の事業が認められているんです。
宗教法人であるお寺は宗教活動に関しては非課税ですが、収益事業の売り上げは税務署への申告が必要です。そうすれば宗教活動以外でも収入を得ることができるんです。
◆もっと気軽にお寺を訪れてほしい
――お寺でできることは、色々ありそうですよね。結婚相談所「寺社の縁結び」や、寺社の経営をサポートする「寺社friends」もその一つということですか?
津守:お寺は関係者の方以外、なかなか入りにくい雰囲気がありますよね。このイメージをなんとかして払拭したいと思っているんです。だから「寺社friends」を通じて、もっと色々な人がお寺に来られるようにしたいですね。松村さんがお寺でおこなっているイベントも、その一環ですよね。
松村:そうですね。地域とお寺のつながりを強くしたいという想いがあって、お寺でマルシェなどのイベントを開催しています。婚活でも、お寺でも、興味があればぜひ気軽に足を運んでみてほしいと思います。
=====
昔はもっと身近にあったお寺ですが、今は法事などの用がないとなかなか行く機会がないという方がほとんどではないでしょうか。
取材を通して、お寺をもっと身近に感じてほしい、地域とのつながりを強くしたいという皆さんの想いがひしひしと伝わってきました。お坊さんと出会いたい方はもちろん、お寺に興味がある方は、松村さんが開催している「お寺マルシェ」のような地域の寺社のイベントに参加してみるのもよさそうです。
【寺社の縁結び】
僧侶や神主と結婚する男女の縁結びサイト。寺社(寺院、神社)の跡取りの男女とその方々との結婚を希望する男女のみで運営している。
<取材・文/田中亜依>
【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019
皆さんは「お寺のお坊さんとの結婚生活」と聞いて、どんなことが浮かびますか? お坊さんと結婚した女性の“リアルな生活”の話を聞くと、一般的なイメージとの違いに驚かされることも。
今回は、寺社(寺院、神社)の後継者に特化した結婚相談所「寺社の縁結び」と寺社の経営サポートの「寺社friends」を運営する草野俊哉さんと津守良彦さん、そしてお坊さんと結婚した女性・松村恵里香さんにお話を聞きました。
松村さんは、『四谷怪談』で有名な「お岩さん」のお墓がある、西巣鴨の妙行寺のご住職の妻。寺社関係で働くお三方に、私たちの知らない「お寺のさまざまな事情」を聞いていきます。
◆長髪のお坊さんや、テクノ法要をするお坊さんも
――お坊さんって真面目な方が多いイメージが多いのですが、厳しい戒律などはあるのでしょうか?
「寺社の縁結び」事業部長・草野俊哉さん(以下、草野):戒律が厳しい宗派もあれば寛容な宗派もあるので、属している宗派によると思いますよ。「寺社の縁結び」の会員さんの中には、男性で髪の毛を長く伸ばしている方もいます。
仏教にもさまざまな宗派があって、テクノ法要という仏教にテクノロジーを掛け合わせた手法で注目されている方もいます。お坊さんと一口に言っても、色々な方がいますね。
◆「寺の人は檀家のお布施で贅沢をしている」という誤解
――テクノ法要というのは斬新ですね! お坊さんと結婚された松村さんは、お寺で働く上での苦労や気をつけていることはありますか?
松村恵里香さん(以下、松村):檀家さんをはじめとする周りの方々への心配りは忘れてはいけないので、自分たちがどう見られているかという視点が常にありますね。たとえば、車や持ち物、着る物にも気を遣います。
よく『坊主まるもうけ』と言われますが、私たち寺族の者は給与制で、きちんと確定申告もしていますし納税もしています。宗教法人が非課税な部分があるので、勘違いをされている方もおられるようです。
お布施としていただいたものは、一旦お寺(宗教法人)の会計に入り、まずはお寺を守るための維持費、運営費になります。そして、住職以下寺族、スタッフはそこからお給料として賃金をいただきます。そのため、普通のサラリーマンと同じ生活をしています。
「私たちのお布施で、贅沢をしている」と思われないよう、慎ましく生活はしていますが、何か発信する際はもちろんですが、普段から持ち物や身に着けるものにも気を遣いますね。
――お坊さんは税金が全くかからないと誤解していました!
◆面白い人生を歩めるのは間違いない
――逆に、お坊さんと結婚したらこんな良いことがある、というのはありますか?
「寺社の縁結び」代表・津守さん(以下、津守):お寺の運営は大変なこともありますが、面白い人生を歩めるのは間違いないですよ。僕も16年間サラリーマンを経験してますけど、やっぱり自営業の方が面白いんです。自分の判断で色々なことができますから。お寺は長い歴史があったり、信用があったりという点でプレッシャーにもなる部分もありますけど、その分自分たちで色々なことができます。
草野:あとは、やっぱりその地域で何百年もお寺を運営してきたから、地域の皆さんから信頼していただいていると感じますね。結婚してそういうところに来るのは、不安もあるかもしれないけど、すごくやりがいがあると思うんです。
また、“お寺の仕事”としてイメージされている以外の形でも、活躍の場や機会は多いんですよ。例えばインバウンドで海外からどんどんいろんな人たちが来ている中で、宿坊(しゅくぼう)といってお寺に宿泊するサービスを提供しているとこもあります。英語を話せる奥さんに、海外から来たお客さんのおもてなしで非常に助けられているという話も聞きます。
◆お寺が収益を得る方法は、檀家さんのお布施だけじゃない
――お寺さんの収入というのは、お布施で成り立っているのでしょうか?
松村:寺院に所属する家の方を檀家さんと言うのですが、その檀家さんの法事やお葬式、月命日を執り行うことで収入を得ていますね。収入は檀家さんの数に比例するものなので、お寺によって異なるんです。
草野:檀家さんからいただくお金だけで運営していると、厳しいと思うこともあるかもしれませんね。でも、いわゆる寺社の「収益事業」というものがあって、たとえばお寺をレンタルルームとして場所を貸し出すなど、物品販売業、不動産販売業、不動産貸付業、旅館業といった合計34種類の事業が認められているんです。
宗教法人であるお寺は宗教活動に関しては非課税ですが、収益事業の売り上げは税務署への申告が必要です。そうすれば宗教活動以外でも収入を得ることができるんです。
◆もっと気軽にお寺を訪れてほしい
――お寺でできることは、色々ありそうですよね。結婚相談所「寺社の縁結び」や、寺社の経営をサポートする「寺社friends」もその一つということですか?
津守:お寺は関係者の方以外、なかなか入りにくい雰囲気がありますよね。このイメージをなんとかして払拭したいと思っているんです。だから「寺社friends」を通じて、もっと色々な人がお寺に来られるようにしたいですね。松村さんがお寺でおこなっているイベントも、その一環ですよね。
松村:そうですね。地域とお寺のつながりを強くしたいという想いがあって、お寺でマルシェなどのイベントを開催しています。婚活でも、お寺でも、興味があればぜひ気軽に足を運んでみてほしいと思います。
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昔はもっと身近にあったお寺ですが、今は法事などの用がないとなかなか行く機会がないという方がほとんどではないでしょうか。
取材を通して、お寺をもっと身近に感じてほしい、地域とのつながりを強くしたいという皆さんの想いがひしひしと伝わってきました。お坊さんと出会いたい方はもちろん、お寺に興味がある方は、松村さんが開催している「お寺マルシェ」のような地域の寺社のイベントに参加してみるのもよさそうです。
【寺社の縁結び】
僧侶や神主と結婚する男女の縁結びサイト。寺社(寺院、神社)の跡取りの男女とその方々との結婚を希望する男女のみで運営している。
<取材・文/田中亜依>
【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019