こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
私自身が髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆誰とも距離が縮まらない「魔の2回目デート」
男女が出会って、知り合い止まりか恋人に進展するかその分かれ道ってどこにあるかご存じですか? 実は、告白されるのは「3回目のデート」が最多なのです。
今の出会いはマッチングアプリがスタンダードです。都内在住で、アプリで婚活しているアキさん(仮名・30歳/事務職)は、2回目のデートまでは進むけれど距離が縮まる感じがないまま終了することを繰り返していて、30歳になったタイミングで私のところへご相談にやってきました。
アキさんは協調性が高い女性です。場の空気を読みどう見られるかを考えてふるまうので、1回目デートはそつなくこなし、2回目にお誘いされることは多いようです。ですが自分が相手の男性を好きかどうかよりも嫌われることを恐れるあまり、当たり障りがない会話に終始してしまい、素を出せずに関係が終了するとのことでした。
◆年収200万円台、都内で一人暮らしするべきか
アキさんは今まで一度も一人暮らしをしたことがなく、実家を出るべきかどうか悩んでいました。
「アキさんが実家を出られない理由はなんですか?」
「全身脱毛のローンが30万円残っていて、まだ返済中です。年収が高くないので、一人暮らしをしたら完済が遅くなるのかなって悩んでます」
「年収が高くないとは、具体的にいくらぐらい?」
「去年は280万円です」
「たしかにその収入だと、都内で一人暮らしをしたら割とカツカツですね。家賃って手取りの25%以内が目安って言われてますけど、一人暮らしのシミュレーションされました?」
お金の話になると、アキさんは自信なさげにこう答えました。
「何もやったことがないです。やっぱりそうですよね。お金のことを何も知らない」
「一人暮らししたから大人というわけではないですよ。まずは、収入に見合ったお金のやりくりとかを少し勉強してみては? それも大きな成長だと思いますよ」
「そうですよね。一人暮らしの経験がないことばかり引け目に感じてましたが、あまり貯金とか考えたことがなかったし、何よりローンって借金ですよね」
◆「30万円の脱毛ローン」は相手に伝えるべきなのか
最近、アキさんは婚活アプリでタカシさんという男性(仮名)と知り合い、初デートを経て次は2回目のデートを控えています。タカシさんは同い年で趣味も合い、楽しい時間が過ごせそうな人。ですがアキさんは毎回この「2回目デート」で距離が縮まらず、当たり障りがない会話で終わることを繰り返していたため、また同じパターンにならないかと不安でした。
「お付き合いするとしたら相手に伝えておいた方が良いことは、2回目ぐらいから徐々に伝えていきましょう」
「実家暮らしなことと、ローン返済があることって伝えた方がいいですか?」
「それで嫌われる可能性は低いと思うし、気になるのなら自分から先に自己開示して、今までの当たり障りないパターンを崩してもいいと思いますよ」
あまりデータもないので、試しに私のX(旧Twitter)で「アラサー女性が脱毛ローン(約30万)ある場合、結婚前提の彼氏ができたら伝えた方がいいと思いますか?」というアンケートをおこなってみました。
========
アンケート結果(回答数:878票)
「男です。伝える方がよい。交際継続の可能性あり」16.5%
「男です。引くし知ったら断る。こっそり完済を目指す」6.5%
「女です。伝える方がよい。それでフラれたらそこまで」18.1%
「女です。言わなくてよいと思う。」58.9%
========
男性は「伝える方がよい。交際継続の可能性あり」と回答する方が多く、女性は「女です。言わなくてよいと思う」という回答が多かったです。
X限定なのでこれが世の縮図ではないと思いますが、同じ悩みがある方の参考になれば幸いです。
あとはアキさんの伝え方と、タカシさんがどう受け取るか次第でしょう。
◆ローンがあることを相手に伝えてみた結果
次のデートの日、アキさんはカフェでタカシさんと話しながら、ローンの話をどう切り出すか考えていました。緊張しながらも、アキさんは勇気を出してローンのことを打ち明けました。
「タカシさん、実は私、全身脱毛のために30万円のローンを組んでるんだ。でも、ちゃんと計画を立てて返してるから、安心してね」
タカシさんは少し驚いた様子でしたが、すぐに柔らかな笑顔に戻り、「教えてくれてありがとう。アキさんがしっかり返済してるなら、それで十分だよ」と言ってくれました。
アキさんはその言葉に安心して、タカシさんの優しさと理解に感謝しました。彼との信頼が深まり、これからの関係に自信を持てるようになりました。
「ものすごく緊張して伝えました。今まで私から先に自分の状況を伝えたことがなかったので、それを受け入れてもらえてものすごくホッとして……今までで一番感情が上下したデートでした」
タカシさんとは順調に3回目デートの約束が成立します。
◆「普通の大人」ではなく、自分なりの大人道を行く
このできごとを通じて、アキさんは自分の経済状況や将来についても考え直すきっかけを得ました。
アキさんはいまで漠然と、一人暮らしの経験がないことやパートナーがいないことについて、「『普通の大人』として欠落している」と気にしていたそうです。ですが自分なりに大人になるとはどういうことかを考えて、同僚や友人にも話すようになりました。そして、同僚がつみたてNISAをやっていることや、大学時代の友人のボーナス額を知りました。
「今までの私は自分と周りとの差を見て、取り残されていると思って焦ってばかりでした。脱毛エステも、数年前にみんなが脱毛しているからやろうと思って契約したんです。でも最近、みんなと同じように真似をすることではなく、自分がほかの人と違うのを受け入れることが大事だと気が付きました」
こうしてアキさんは自分と向き合い、生活全般を見直すことにしました。
まずはローンの返済のために家計簿をつけて、出費を把握することにしました。すると、交通費、外食代、コンビニで買うお菓子、ユニクロなどで買うプチプラ服などの出費が多いことに気が付いたそうです。
アキさんの大人化計画を、陰ながら応援したいと思います。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
私自身が髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆誰とも距離が縮まらない「魔の2回目デート」
男女が出会って、知り合い止まりか恋人に進展するかその分かれ道ってどこにあるかご存じですか? 実は、告白されるのは「3回目のデート」が最多なのです。
今の出会いはマッチングアプリがスタンダードです。都内在住で、アプリで婚活しているアキさん(仮名・30歳/事務職)は、2回目のデートまでは進むけれど距離が縮まる感じがないまま終了することを繰り返していて、30歳になったタイミングで私のところへご相談にやってきました。
アキさんは協調性が高い女性です。場の空気を読みどう見られるかを考えてふるまうので、1回目デートはそつなくこなし、2回目にお誘いされることは多いようです。ですが自分が相手の男性を好きかどうかよりも嫌われることを恐れるあまり、当たり障りがない会話に終始してしまい、素を出せずに関係が終了するとのことでした。
◆年収200万円台、都内で一人暮らしするべきか
アキさんは今まで一度も一人暮らしをしたことがなく、実家を出るべきかどうか悩んでいました。
「アキさんが実家を出られない理由はなんですか?」
「全身脱毛のローンが30万円残っていて、まだ返済中です。年収が高くないので、一人暮らしをしたら完済が遅くなるのかなって悩んでます」
「年収が高くないとは、具体的にいくらぐらい?」
「去年は280万円です」
「たしかにその収入だと、都内で一人暮らしをしたら割とカツカツですね。家賃って手取りの25%以内が目安って言われてますけど、一人暮らしのシミュレーションされました?」
お金の話になると、アキさんは自信なさげにこう答えました。
「何もやったことがないです。やっぱりそうですよね。お金のことを何も知らない」
「一人暮らししたから大人というわけではないですよ。まずは、収入に見合ったお金のやりくりとかを少し勉強してみては? それも大きな成長だと思いますよ」
「そうですよね。一人暮らしの経験がないことばかり引け目に感じてましたが、あまり貯金とか考えたことがなかったし、何よりローンって借金ですよね」
◆「30万円の脱毛ローン」は相手に伝えるべきなのか
最近、アキさんは婚活アプリでタカシさんという男性(仮名)と知り合い、初デートを経て次は2回目のデートを控えています。タカシさんは同い年で趣味も合い、楽しい時間が過ごせそうな人。ですがアキさんは毎回この「2回目デート」で距離が縮まらず、当たり障りがない会話で終わることを繰り返していたため、また同じパターンにならないかと不安でした。
「お付き合いするとしたら相手に伝えておいた方が良いことは、2回目ぐらいから徐々に伝えていきましょう」
「実家暮らしなことと、ローン返済があることって伝えた方がいいですか?」
「それで嫌われる可能性は低いと思うし、気になるのなら自分から先に自己開示して、今までの当たり障りないパターンを崩してもいいと思いますよ」
あまりデータもないので、試しに私のX(旧Twitter)で「アラサー女性が脱毛ローン(約30万)ある場合、結婚前提の彼氏ができたら伝えた方がいいと思いますか?」というアンケートをおこなってみました。
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アンケート結果(回答数:878票)
「男です。伝える方がよい。交際継続の可能性あり」16.5%
「男です。引くし知ったら断る。こっそり完済を目指す」6.5%
「女です。伝える方がよい。それでフラれたらそこまで」18.1%
「女です。言わなくてよいと思う。」58.9%
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男性は「伝える方がよい。交際継続の可能性あり」と回答する方が多く、女性は「女です。言わなくてよいと思う」という回答が多かったです。
X限定なのでこれが世の縮図ではないと思いますが、同じ悩みがある方の参考になれば幸いです。
あとはアキさんの伝え方と、タカシさんがどう受け取るか次第でしょう。
◆ローンがあることを相手に伝えてみた結果
次のデートの日、アキさんはカフェでタカシさんと話しながら、ローンの話をどう切り出すか考えていました。緊張しながらも、アキさんは勇気を出してローンのことを打ち明けました。
「タカシさん、実は私、全身脱毛のために30万円のローンを組んでるんだ。でも、ちゃんと計画を立てて返してるから、安心してね」
タカシさんは少し驚いた様子でしたが、すぐに柔らかな笑顔に戻り、「教えてくれてありがとう。アキさんがしっかり返済してるなら、それで十分だよ」と言ってくれました。
アキさんはその言葉に安心して、タカシさんの優しさと理解に感謝しました。彼との信頼が深まり、これからの関係に自信を持てるようになりました。
「ものすごく緊張して伝えました。今まで私から先に自分の状況を伝えたことがなかったので、それを受け入れてもらえてものすごくホッとして……今までで一番感情が上下したデートでした」
タカシさんとは順調に3回目デートの約束が成立します。
◆「普通の大人」ではなく、自分なりの大人道を行く
このできごとを通じて、アキさんは自分の経済状況や将来についても考え直すきっかけを得ました。
アキさんはいまで漠然と、一人暮らしの経験がないことやパートナーがいないことについて、「『普通の大人』として欠落している」と気にしていたそうです。ですが自分なりに大人になるとはどういうことかを考えて、同僚や友人にも話すようになりました。そして、同僚がつみたてNISAをやっていることや、大学時代の友人のボーナス額を知りました。
「今までの私は自分と周りとの差を見て、取り残されていると思って焦ってばかりでした。脱毛エステも、数年前にみんなが脱毛しているからやろうと思って契約したんです。でも最近、みんなと同じように真似をすることではなく、自分がほかの人と違うのを受け入れることが大事だと気が付きました」
こうしてアキさんは自分と向き合い、生活全般を見直すことにしました。
まずはローンの返済のために家計簿をつけて、出費を把握することにしました。すると、交通費、外食代、コンビニで買うお菓子、ユニクロなどで買うプチプラ服などの出費が多いことに気が付いたそうです。
アキさんの大人化計画を、陰ながら応援したいと思います。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt