女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2021年6月25日 記事は取材時の状況)
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今や「披露宴メモリアルムービー」は、式を盛り上げる演出として欠かせません。現在では当たり前になってしまったからこそ、誰よりも凝ったものを作りたいと考える人も少なくないでしょう。
しかし、数分のムービーであったとしても、映像というのは大変な労力を掛けて作られるもの。だからこそ、失敗もつきものです。今回は、そんな絶対にしてはいけない失態を犯してしまったエピソードをご紹介します。
◆新郎と手を繋いでる女性はだれ?!
まるで映画レベルの凝った編集の新郎新婦メモリアルムービーに列席者は釘付け。新郎もそのクオリティの高さに大喜びで、新婦も涙を滲ませながらこれまでの二人に起きた出来事を振り返ります。
ところが、とあるシーンに差し掛かった時、会場に微妙な空気が流れ、ざわつき始めました。何事かと思って見てみると、二人の男女が手を繋いで橋をカメラの方に向かって歩いてくるという一番のクライマックスシーンが映し出されているところ。
なんと手を繋いで歩いてくる女性は、新婦ではなく、まったく関係のない女性だったのです。新婦は新郎より5センチも身長が高いはずなのに、映像に映っている女性は、新郎の頭一つ分も低かったのでした。
「メモリアルムービーが終わった後の、妙に気まずい空気が今も忘れられず夢にまで見る」と新郎は語ります。
◆有名映像クリエイターの友人に依頼
「あの映像は、高校時代の友達で、現在はクリエイターとして活躍している友人にお願いしていたものでした」
新郎ことマサシさん(仮名・28歳)さんは話します。その友人は、業界内でかなり知名度のあるクリエイターで、学生時代から仲良くしているマサシさんのたってのお願いということで、厳しいスケジュールの中で引き受けたのです。
「彼は学生の頃から自主制作映画を作っているくらい大の映画好きでした。ずっと映像に関わる仕事をしたいと話していて、彼は夢を実現させたんです。俺も、彼の作る映像作品は素晴らしいと前々から思っていたので、引き受けてくれたのは本当に嬉しかったですね」
◆完成したムービーを確認していなかった
でも、そんなクリエイターがどうしてこのようなミスを犯してしまったのでしょうか?
「実は、俺が結婚式休暇とハネムーン休暇を取得するために仕事を一気に片付けなくてはならず、連日連夜残業をしていました。その合間を縫って、結婚式の準備や打ち合わせに出たりしていてヘトヘトだったんです。そんなこともあって、完成した映像を確認する暇もありませんでした」
多忙を極める日々を送るマサシさんは、結局一度も映像を見ることなく、式場にデータの入ったDVDを渡してしまいました。
友人としての甘えてしまっていた部分や、友人はプロの映像のクリエイターだからと過信していた部分があったと言います。ただ、間違いが起きてしまった原因はそれだけではないそうです。
◆新婦とは面識がなかった友人
「本当は撮影もお願いしたかったのですが、予算やお互いのスケジュールの都合で流れてしまいました。なので、これまで二人の思い出として撮りためた動画・写真素材をまとめて送付し、編集だけをお願いしていたのです」
マサシさんが新婦と出会ったのは社会人になってからで、当然ながら、その友人は奥さんとは面識はありませんでした。さらに、膨大な量の素材を送っていたため、選定していた動画の中に、例の見知らぬ女性と手を繋いで橋を歩くシーンが混ざってしまっていたのでした。
不運というものは時として重なるものですね。
◆一連のミスを許してくれた妻と親族に感謝
「ただ、編集のクオリティはやっぱり一流だっただけに、友人にも迷惑をかけてしまったし、妻にも嫌な思いをさせてしまいました」
実はあのシーンはとあるアニメ聖地で撮った動画で、新郎のオタク仲間の女友達とふざけてワンシーンを真似たらしいとのことでした。
披露宴が終わり控室で新婦とその親族にそのことを説明し謝罪したところ、皆事情は察してくれたみたいで新郎も救われたようでした。
◆忙しい時こそ慎重に
「忙しいと言う字は心を亡くす」とよく言いますが、どうしてもチェックが甘くなってしまい、本来だったら防ぐことができたはずのミスをスルーしてしまいがちです。
渡す動画を間違えなければ、本番前に映像を一度でも確認していたら、このような致命的な失態を防ぐことができたでしょう。しかし時すでに遅し。
忙しいときこそ、ありえないミスを人間は犯してしまうものです。とくに一世一代の大舞台の前は、心に余裕を持って念入りにチェックすることが大切です。忙しいときこそ確認を怠ってはいけません。
―結婚式のトンデモ話―
<文/浅川玲奈>
【大杉沙樹】
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。
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今や「披露宴メモリアルムービー」は、式を盛り上げる演出として欠かせません。現在では当たり前になってしまったからこそ、誰よりも凝ったものを作りたいと考える人も少なくないでしょう。
しかし、数分のムービーであったとしても、映像というのは大変な労力を掛けて作られるもの。だからこそ、失敗もつきものです。今回は、そんな絶対にしてはいけない失態を犯してしまったエピソードをご紹介します。
◆新郎と手を繋いでる女性はだれ?!
まるで映画レベルの凝った編集の新郎新婦メモリアルムービーに列席者は釘付け。新郎もそのクオリティの高さに大喜びで、新婦も涙を滲ませながらこれまでの二人に起きた出来事を振り返ります。
ところが、とあるシーンに差し掛かった時、会場に微妙な空気が流れ、ざわつき始めました。何事かと思って見てみると、二人の男女が手を繋いで橋をカメラの方に向かって歩いてくるという一番のクライマックスシーンが映し出されているところ。
なんと手を繋いで歩いてくる女性は、新婦ではなく、まったく関係のない女性だったのです。新婦は新郎より5センチも身長が高いはずなのに、映像に映っている女性は、新郎の頭一つ分も低かったのでした。
「メモリアルムービーが終わった後の、妙に気まずい空気が今も忘れられず夢にまで見る」と新郎は語ります。
◆有名映像クリエイターの友人に依頼
「あの映像は、高校時代の友達で、現在はクリエイターとして活躍している友人にお願いしていたものでした」
新郎ことマサシさん(仮名・28歳)さんは話します。その友人は、業界内でかなり知名度のあるクリエイターで、学生時代から仲良くしているマサシさんのたってのお願いということで、厳しいスケジュールの中で引き受けたのです。
「彼は学生の頃から自主制作映画を作っているくらい大の映画好きでした。ずっと映像に関わる仕事をしたいと話していて、彼は夢を実現させたんです。俺も、彼の作る映像作品は素晴らしいと前々から思っていたので、引き受けてくれたのは本当に嬉しかったですね」
◆完成したムービーを確認していなかった
でも、そんなクリエイターがどうしてこのようなミスを犯してしまったのでしょうか?
「実は、俺が結婚式休暇とハネムーン休暇を取得するために仕事を一気に片付けなくてはならず、連日連夜残業をしていました。その合間を縫って、結婚式の準備や打ち合わせに出たりしていてヘトヘトだったんです。そんなこともあって、完成した映像を確認する暇もありませんでした」
多忙を極める日々を送るマサシさんは、結局一度も映像を見ることなく、式場にデータの入ったDVDを渡してしまいました。
友人としての甘えてしまっていた部分や、友人はプロの映像のクリエイターだからと過信していた部分があったと言います。ただ、間違いが起きてしまった原因はそれだけではないそうです。
◆新婦とは面識がなかった友人
「本当は撮影もお願いしたかったのですが、予算やお互いのスケジュールの都合で流れてしまいました。なので、これまで二人の思い出として撮りためた動画・写真素材をまとめて送付し、編集だけをお願いしていたのです」
マサシさんが新婦と出会ったのは社会人になってからで、当然ながら、その友人は奥さんとは面識はありませんでした。さらに、膨大な量の素材を送っていたため、選定していた動画の中に、例の見知らぬ女性と手を繋いで橋を歩くシーンが混ざってしまっていたのでした。
不運というものは時として重なるものですね。
◆一連のミスを許してくれた妻と親族に感謝
「ただ、編集のクオリティはやっぱり一流だっただけに、友人にも迷惑をかけてしまったし、妻にも嫌な思いをさせてしまいました」
実はあのシーンはとあるアニメ聖地で撮った動画で、新郎のオタク仲間の女友達とふざけてワンシーンを真似たらしいとのことでした。
披露宴が終わり控室で新婦とその親族にそのことを説明し謝罪したところ、皆事情は察してくれたみたいで新郎も救われたようでした。
◆忙しい時こそ慎重に
「忙しいと言う字は心を亡くす」とよく言いますが、どうしてもチェックが甘くなってしまい、本来だったら防ぐことができたはずのミスをスルーしてしまいがちです。
渡す動画を間違えなければ、本番前に映像を一度でも確認していたら、このような致命的な失態を防ぐことができたでしょう。しかし時すでに遅し。
忙しいときこそ、ありえないミスを人間は犯してしまうものです。とくに一世一代の大舞台の前は、心に余裕を持って念入りにチェックすることが大切です。忙しいときこそ確認を怠ってはいけません。
―結婚式のトンデモ話―
<文/浅川玲奈>
【大杉沙樹】
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。