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今年だけで2度も“裏切って”くれたクールイケメン俳優、で非モテ風キャラを演じていたのに…二度見必至!

女子SPA! 2024年7月12日 15時46分

“タマテツ”には今年だけで2度も裏切られています。もちろん、いい意味で、です。

6月28日(金)にスタートした水川あさみさん主演のヒューマン政治サスペンスドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系)に、主要キャストとして出演中の玉山鉄二さん。

彼が今年の連ドラで演じた2役の振り幅の広さが、すさまじいレベルなのです。

今回は年間・約100本寄稿するドラマ批評コラム連載を持つ筆者が、玉山鉄二さんの魅力に迫っていきます。

◆かなり不穏な空気をまとったキャラクター

『笑うマトリョーシカ』は未来の総理候補として高い人気を誇る若き国会議員と、その有能な秘書の得体の知れない謎の関係性に、主人公の新聞記者が迫っていくというストーリー。新聞記者・道上香苗を水川さん、物語の核を担う国会議員・清家一郎を嵐の櫻井翔さん、そしてその秘書・鈴木俊哉を玉山さんが演じています。

玉山さんが演じる鈴木は、かなり不穏な空気をまとったキャラクター。

第1話の冒頭、主人公の父が不慮の交通事故によって凄惨な死を遂げるのですが、道上からはその事故に鈴木が絡んでいるのではと疑われたり、鈴木が清家を傀儡のようにコントロールしようとしている発言もあったりと、怪しさ満点なのです。

◆クールなイケメンキャラのイメージが強い

特撮作品『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年/テレビ朝日系)でヒーロー役を演じて注目を集め、映画『ハゲタカ』(2009年)では日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、朝ドラ『マッサン』(2014年/NHK)では主人公を好演した玉山鉄二さん。

1980年4月7日生まれで現在44歳の彼は、その端正かつ精悍な顔立ちからクールなイケメンキャラのイメージが強いでしょう。

『笑うマトリョーシカ』での秘書・鈴木も、裏にどす黒い何かを秘めているようなダークサイドの役柄ではありますが、従来の“タマテツ”のイメージどおりのクールイケメンキャラなので、違和感はありません。

しかし、劇中の秘書・鈴木のビジュアルやその立ち振る舞いを見て、筆者は驚きました。

なぜなら玉山さんは今年1月期放送の日曜劇場『さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)では、真逆とも言えるキャラクターを演じていたからです。

◆誤解を恐れずに言うと前作は非モテキャラ

『さよならマエストロ』での役どころは、誠実で心やさしいフィルハーモニー団長・古谷悟史。

玉山さん自身があるインタビューで、古谷というキャラの魅力を尋ねられた際に、「『純朴さ』『一生懸命さ』そして『愛嬌』」と語っていたとおり、憎めない感じの愛されキャラ。メガネをかけて顔のラインがちょっとふっくらしたビジュアルで、おどおどしているフシもあったため、誤解を恐れずに言うなら非モテの要素も入ったキャラクターだったのです。

この古谷演じる玉山さんを観たときに、正直、かなりショッキングでした。というか、これは本当に“タマテツ”なのか!? と、何度見かしてしまったほど。

それほどまでに、従来のイメージとはかけ離れたビジュアルとキャラクターだったのです。

◆あの“タマテツ”が劣化? オジサン化?

玉山さんのような超絶イケメンは、どうやっても非モテキャラに見せるなんてことはできず、仮にそういう役を演じたとしても、根っからのモテオーラが滲み出てしまうのではないかと思っていました。

けれど『さよならマエストロ』の古谷はモテオーラがゼロ。見た目はとてもいい人そうですが、その分イケメン感はほとんどなかったですし、自信なさげな発言や振る舞いが多かったので、女性たちから人気がありそうな雰囲気も出ていないのです。

そのためネット上には、“タマテツ”が劣化した、オジサン化してしまったと嘆くような書き込みも少なくありませんでした。

筆者も玉山さんの劇変に非常に驚いたクチ。

とはいえ、40代になった役者が20代の若いころのイメージから意図的に変えていくことは珍しくありません。なにより古谷というキャラが、とてもナチュラルに「地味で非モテっぽいけど超いい人そう」に見えていたので、玉山さんのこの路線変更はアリだと思っていました。

◆ここまでのギャップを出せるのは驚愕レベル

……と思っていましたが、『笑うマトリョーシカ』ではまたいつものクールイケメンに戻っており、いい意味でまた裏切られた気分になったのです。『さよならマエストロ』から1クール、たった3カ月空いただけで、ここまで“戻せる”ものなのか、と。

前作に引っ張られず、ここまでのギャップを出せるのは驚愕レベル。

『笑うマトリョーシカ』の鈴木役は“タマテツ”にとっていつもどおりなのですが、『さよならマエストロ』の衝撃があったからこそ、演じる役の幅広さに驚かされたのです。

この振り幅は今後の役者・玉山鉄二の最強の武器になっていくのではないでしょうか。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。

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