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“元ぶりっこ女子アナ”当たり前のようにGP帯ドラマの主要キャストという事実、冷静に考えるとすごすぎる!

女子SPA! 2024年7月11日 8時44分

あまりにも“普通”のこととして受け入れられていますが、冷静に考えるととてもすごいこと。

TBSの元女子アナが、ごくごく自然にフジテレビのGP(ゴールデン・プライム)帯ドラマの主要キャストに名を連ねていることが――です。

7月期ドラマ『ギークス ~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)は、人間関係に難ありながら頭は切れるという警察署勤務の女性3人が、お酒を飲みながらの井戸端会議感覚で、事件解決のスーパーアシストをしていくというストーリー。

田中みな実さんは、主演の松岡茉優さんと滝沢カレンさんとともに、その主要キャラ3人の一角を担っているのです。

今回は年間・約100本寄稿するドラマ批評コラム連載を持つ筆者が、田中みな実さんの魅力に迫っていきます。

◆演じる産業医は心理分析のスペシャリスト

松岡さん演じる主人公・西条唯は優れた記憶力を持ち、証拠分析能力に長けた鑑識官で、滝沢さんが演じる基山伊織は地図を見るのが大好きで、地理に精通している交通課員。

そして田中さんが演じる吉良ます美は警察署の産業医。

相手の行動や表情を見て、瞬時にその人の心の内を読み取けるという心理分析のスペシャリストで、付いた異名は「人の心を見透かす医務室の魔女」。イケメンが大好きで対人関係の距離感をすぐに縮めるタイプながら、本気の恋愛に尻込みしてしまう事情を抱えているという、少々こじらせた複雑な役どころです。

俳優仕事が続々と舞い込んできており、さまざまな役どころをこなしている田中さんですが、今回の吉良ます美というキャラクターは、近年演じたキャラのなかでもかなりのハマり役。

吉良がお酒を飲みながらああだこうだとガールズトークを繰り広げている姿や、対峙した相手の本音や隠しごとを見破る姿は、もしかすると田中さん自身のプライベートもこんな雰囲気なのではないかと思えるほど。それぐらい演じるキャラと本人がリンクしているように感じるのです。

……さて問題は、そんな田中さんの出演が、いい意味でほとんど騒がれなくなったという事実。

◆かつて“ぶりっこ女子アナ”として一世風靡

GP帯ドラマの主要キャストにもはや普通に名を連ね、きちんとストーリーを成立させる演技を当たり前のようにこなしているものの、改めて言いますが田中さんは元TBSの局アナです。

田中さんがTBSを退社したのが2014年9月ですから、もうすぐ10年が経とうとしていますが、TBSを退社したばかりでご祝儀的にブーストがかかっている状態で舞い込んできた仕事とは、わけが違うのは言わずもがな。

“元ぶりっこ女子アナ”なんて色眼鏡で見られることも少なくなってきており、次々とドラマに出演しているのは、役者としての能力が適正に評価されている証拠。今や「フリーアナウンサー」というよりも「俳優」というイメージのほうが強くなっているほどです。

◆『M 愛すべき人がいて』の怪演がバズった

田中さんは、2019年の深夜ドラマ『絶対正義』(フジテレビ系)のレギュラー出演で本格的な女優デビューを果たして以来、数々の話題作に出演。

特に彼女の演技が一躍脚光を浴びたのは2020年のあのドラマ。歌手・浜崎あゆみさんの半生をもとにした小説の映像化作品で、さまざまな物議を醸したドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)でした。

田中さん演じるサイコパス気味な眼帯秘書が、「許さなーーーーい」「約束いはーん(違反)!」などと異様なテンションで言い放つたびにSNSをザワつかせ、その振りきった怪演が高く評価されたのです。

◆『あなして』では“静”の演技で魅せた

昨年放送されて見逃し配信でヒットしたドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)でも、田中さんの演技が大きな話題に。

田中さんは2組のセックスレス夫婦の主要キャラ4人の一角を担っており、ヒロインに旦那を奪われそうになる“サレ妻”を好演。物語後半では夫の不倫を疑い、ヒロインに顔を近づけて「夫と浮気してますよね?」と、無表情で問いかける展開がありました。

田中さん演じるキャラが冷静にヒロインを“詰めて”いく展開となり、“静と動”で言えば“静”の修羅場。『M』のような怪演ではなく、理性的な低温演技で視聴者を震撼させたのでした。

◆GP帯ドラマで主演する日も近いかもしれない

『M』での嫉妬に狂って常軌を逸した言動を繰り広げた“動”の演技や、『あなして』での理性的に圧をかける“静”の演技など、これまでの俳優キャリアで培ってきたことが、『ギークス』での演技にフィードバックされ、活かされているのではないでしょうか。

『ギークス』の吉良ます美は田中さんの素に近い部分もあるようなキャラクターなので、もともと演じやすいタイプかもしれません。けれど、“動”の演技も“静”の演技もアウトプットしてきた現在の田中さんが演じるからこそ、深みが増しているように感じるのです。

今期の田中さんは日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)にも、治験コーディネーター役で出演中。役者として着実に結果を出し続けている彼女が、GP帯ドラマの主演の座をゲットする日も近いかもしれません。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。

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