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「男性がうらやましいこともある」芸人と母親の両立でキンタロー。さんが感じること

女子SPA! 2024年7月19日 15時45分

29歳でお笑いの道に入り、間もなく大ブレイクしたキンタロー。さん。

現在もお笑いで第一線を走りつつも、最初のころは「本当に戦いだった」と言います。そんな戦場に身を置きながらも、ママとしての一面も。

お笑いと母親。そのバランスはどのようにとられているのでしょうか。

◆芸能界に椅子はひとつしかない

ブレイクしたものの、周りからは「それは一発の出方だ」と言われたというキンタロー。さん。

ご自身も「すぐに出ちゃったものだから、引き出しもなくて」と言います。

「ブレイクしてからは本当に戦いですよね。養成所に『いい? あんたたち。芸能界の椅子は1個しかないんだよ』って言うボイトレの先生がいて。『これが芸能界の椅子だと思いなさい!』って本当に椅子とりゲームをさせられたことがあったので(笑)、それがすごく印象に残っていますね。うかうかしてられない、だって椅子はひとつで、芸能界は椅子とりゲームだから」

◆「本当に男性がうらやましい」

その中で、女性にとって、どうしても立ちはだかる課題が出産と育児です。

それについては、「本当に男性がうらやましいことがある」とキンタロー。さんは言います。

「男性のほうがライフスタイルを大幅に変えずに、キャリアを保ったままそのポジションを保つことができるじゃないですか。女性ってやっぱり、妊娠したらお腹が大きくなって見た目も変わるし、休まなきゃならない。

お笑い芸人の男性も特にそうですけど、『結婚してたんだ!』って言われるぐらいライフスタイルをあんまり変えずにやってこれているのに女性芸人はやっぱりそうは言っていられないから、シフトチェンジする人も多いですよね」

◆子どもがいる、いない、どちらも良さがある

養成所時代に印象に残っていた「芸能界は椅子取りゲーム」という言葉もある中で、キンタロー。さんも出産、育児には葛藤があったと言います。

「本当に子どもが好きだから早く欲しかったんですけど、40手前ということもあって、葛藤がありました。妊娠・出産をすると絶対に休憩しなきゃいけない時期が来るから。

仕事を休んでしまったら、自分のキャリアはどうなってしまうのだろうという不安がありました。ですが、それ以上に母になるということを味わってみたい、という気持ちがあったんです。母になったらどんな世界があるんだろう、って。自分の両親にも恩返ししたいですし、遺伝子を残していきたい思いもあったので、迷いましたけど、子どもが欲しいという選択になりました」

女性も、今はさまざまな選択をする人がいます。その中でどうしても、別の誰かの人生を見て、たらればを考えてしまうことも。

キンタロー。さんは、キャリアを中断することなく、積み重ねていっている女性に対してはどのような思いを抱かれているのか聞いてみると……。

「自分が40手前までどちらかというとそっち側だったので、割と親近感があるというか。子どもはいるんですけど、マインドはそっちの方が近いですね。

でも、どちらの未来も存在するし、そこにはまだ見ぬ経験していない、出会っていないものがあると思います。

どんな未来を選びますか。どんな人生をあなたは歩んでいきたいですかというところだと思うんです。

私の場合は、両親が早く亡くなったので、還元していきたいという思いがちょっと強かったですね。両親がまだ生きてたら、もしかしたら結婚していなかったかもしれない。両親の死が自分の中では大きかったですね。両親が亡くなってから子供が欲しいって思うようになりましたし。だから、いろんな要因で、人が選択するきっかけが変わってくるかな、と思います」

◆『ママ、おもしろい』って言ってくれただけで嬉しくて

出産することで、気持ちの面で変化も。

「お笑いの世界に行ったら、お笑いを見る人はお笑いマニアやお笑い通みたいな人ばっかりになって、ちょっとやそっとじゃ笑わない人たちの前にするようになったんですよね。それで自尊心が傷ついたりしていた中で、子どもはもう本当に変顔で笑ってくれるんです。

『ママ、おもしろい』って言ってくれただけで嬉しくて、自信がついてきました。子どものおかげで自分のお笑いに自信が持てるようになりました」

◆出産後、社交ダンスに挑戦

そして、出産後にはかつて情熱を燃やした社交ダンスに再び取り組む機会が巡ってきました。

『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』で浅田舞さんの応援のためのチャレンジとなりましたが、当時のことを振り返ってもらうと、「ショックでした」という意外な回答が。

「今から踊るの?って。だって、いやじゃないですか、疲れちゃうから。イケメンと踊るなら話は変わりますけど、そうじゃないじゃんって。ロペスはもう周知の仲の、ガチのダンスの人じゃんって。でも舞ちゃんを応援するためにって言われちゃったら断れないですよね。舞ちゃんとは仲もいいですし。

でも、世界を経験した立場からの応援する意味での対決方式だったので、やるからには、やっぱり生半可な踊りを人様に見せたくない、というプライドもあって。中途半端な踊りはしたくないから、結局練習しなきゃいけなくなって、泣きながら練習しました」

しかし、そこでキンタロー。さん自身、気が付いていなかった変化もありました。

「ロペスからは優しくなった、子どもができてから性格が丸くなった、って言われましたね。ロペスに対して前はどうだったか、って振り返ると確かに厳しく言って引っ張っていっていたんですよね。それはロペスにリーダーとして怠けてほしくなかったから、パートナーの私が弱い部分を見せては絶対にダメだ。手本にならなければとかなり気負っていて。

でも、今回は本当に辛すぎるし、子どももいる中で時間を縫って練習しているので、わりと正直な気持ちを話していました。『練習つらいね』とか、『つらいけどがんばろうね』って言いながら練習していました。今まで隠していた気持ちを正直に打ち明けたことで、それが優しいと感じたのかもしれません」

◆ジャンル問わず、モノマネに魅了

それでも変わらないのはお笑いへの姿勢。

ジャンル問わず、いろんな方のモノマネを精力的にされています。

「最近のおすすめの新ネタは松本まりかさん。私の中にまりかさんがいたんじゃないか、っていうぐらいやりやすかったですね。最近は、ご本人も少し寄せてきてくれて。まりかさんもすごくストイックな感じがするし、波長が合うんですよ。今はまりかさんとごはんに行くのが夢です」

<取材・文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ

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