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初めて行った彼の実家はゴキブリが出没…怖すぎて泣くのを見た彼の一言とは?

女子SPA! 2024年8月4日 8時47分

夏は憎いG(ゴキブリ)が活発になり、遭遇率も高くなる憂鬱な季節ですよね。

今回は、大好きな彼の実家でGと戦うはめになってしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。

◆彼のお母さんが入院することに

加藤結菜さん(仮名・29歳/派遣社員)は、お付き合いをして2年目になる恋人の翔太さん(仮名・34歳/メーカー勤務)と婚約をしました。

「私の実家は都内にあり、私と翔太の同棲しているマンションからそんなに遠くないので、うちの両親と翔太は何度も顔を合わせているのですが、私が翔太のお母さん(63歳)にご挨拶するのは初めてなのでとても緊張しましたね」

翔太さんが高校生の時にお父さんは亡くなってしまったので、お母さんは自然の多い郊外の一軒家で一人暮らしをしています。

「ご挨拶の時は、お母さんの住んでいるエリアで有名な和食屋さんを予約して初対面をしました。私にとても優しく接してくれてホッとすることができましたね」

ですがそれから程なくして、翔太さんのお母さんが体調を崩し3日間の検査入院をすることになってしまったそう。

「そして入院当日の朝に、翔太と私が車でお母さんを迎えに行き病院まで送りました。お母さんは『わざわざ結菜さんまで来てくれてありがとう。心強いわ』と喜んでくれたので本当に行ってよかったなと思いました」

◆彼の実家の玄関を開けるといきなり…

お母さんを見送ったあとで翔太さんに「せっかくだしうちの実家に1泊していかない?お母さんに『もし時間があるなら台所の電球を変えて欲しいのと、天袋に入っているダンボールを下ろしておいてもらえると助かる』って頼まれているんだ」と誘われたので結菜さんはOKしました。

「私も掃除ぐらいなら手伝えるし、次の日も休みだったので初めて翔太の実家に足を踏み入れることになったんです」

そして翔太さんが実家の玄関を開けると、いきなりG(ゴキブリ)が3匹いて、結菜さんが「キャー!」と悲鳴をあげると散り散りに部屋の奥に消えていったそう。

「私はGが大の苦手なんですよ。震える私に翔太は『ごめんごめん!田舎だし昔から夏になるとGがでることがあって。次出たらちゃんと仕留めるから平気だよ』と言ってくれましたが…。正直怖くてたまりませんでしたね」

◆以前より散らかった実家

そして実家に帰ったのは久しぶりだという翔太さんが部屋の中を見まわして「何だか以前よりすごく散らかっているし、ゴミも出していないし…。もしかしたらお母さん、実は俺が知らなかっただけで結構前から具合悪かったのかも」と、シュンとしながら掃除を始めました。

「お母さんは連絡するといつも『私は元気だから何の心配もいらないよ』と言っていたので翔太は素直に信じて安心しきっていたみたいで…。私は『大丈夫だよ。今回すみずみまで検査してもらって、もしどこか悪ければしっかり治療して元気になってもらおうよ』励ましながら掃除を手伝うことしかできませんでしたね」

ですが、掃除をしていると戸棚や冷蔵庫と壁のすきまからちょくちょくGが出てきて、その度に心臓が止まりそうになるほどの恐怖を感じていた結菜さん。

「Gだって以前はここまで出なかった。僕がお母さんを気遣ってここに様子を見に来なかったからこんなことに…」と落ち込む翔太さんの横でキャーキャーと嫌がる訳にはいかず、必死に我慢しながら掃除に集中するようにしたそう。

◆Gとひとりで格闘

その後、近所のファミレスに夕御飯を食べに行き、シャワーを浴びてソファーでテレビを見ていた翔太さんはそのまま寝落ちしてしまいました。

「私は『お風呂場で無防備にしている時にGが出てきたらどうしよう?』と思うとシャワーも浴びることができず、正直言って落ち着いて座っていることもできない状態で、常に周りを見まわしてGが忍び寄ってきていないか確認し続けてビクビクしていたら…、パッとリビングの壁を這っているGと目が合ってしまったんですよ」

お母さんのことを心配しながら一生懸命に掃除をしたあげく寝てしまった翔太さんを起こすのは申し訳ないと思った結菜さんは、殺虫剤を握り締めひとりで戦おうとしたそう。

「ですが怖過ぎてあまりGに近づけないまま殺虫剤を噴射してしまい、Gが壁の上の方に逃げてしまったと思ったら、殺虫剤に反応したのか本棚の横からもう1匹Gが出てきて…それを見た時に心身共に疲れ果てて限界だった私は気がついたら静かに泣いていたんですよ」

◆彼が目を丸くして…

すると目を覚ました翔太さんが、壁をはうGと、突っ立ったまま泣いている結菜さんを見て目を丸くし「ごめんごめん!そうだよね、怖くてここじゃリラックスなんてできないよね」とあわてて車で結菜さんを少し離れたところにあるビジネスホテルまで連れて行ってくれました。

「翔太は『これからバルサンを炊く準備をして、朝になって実行したらすぐ迎えにくるね。そしたら近くのアウトレットモールに結菜を送るからショッピングでもしていて。僕は後始末をしてまた戻ってくるから』と明日の予定を伝えてひとりで実家に戻って行ったのですが、お陰で私はやっとホテルでシャワー浴びてスッキリし、安心して眠ることができたんですよ」

結菜さんは、自分の異変に気がつきホテルを取ってくれた翔太さんの気持ちが嬉しかったそう。

「ただでさえお母さんのことで気落ちしているのに、さらに私をアウトレットに連れて行ってあげようと思ってくれる優しさが身に染みましたね」

◆すっかり綺麗になった実家

それ以来2人は定期的に翔太さんの実家に行くようになり、家中すっかり綺麗になってGも出なくなりました。

「あの日のバルサンでほとんどGを退治できたようで、その次から私も怖がらずに掃除の戦力になることができたんですよ」

お母さんは結局手術を受けることになりましたが、術後は順調ですっかり元気になったそう。

「あの晩のたくさんのGとの遭遇は本当に辛かったし思い出したくもないですが、そのお陰で翔太への信頼度も上がりお母さんにも感謝され仲良くなれたので…。決して無駄な体験じゃなかったなと思っています」と微笑む結菜さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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