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サイゼリヤ「安さ維持のためのメニュー改定」にネットがザワつく…“今のサイゼの満足度”を冷静に分析してみた

女子SPA! 2024年7月18日 8時45分

 安さにどこまでこだわるか?

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 圧倒的な安さと居心地の良さ、一部のイタリア人も驚くおいしさで人気のサイゼリヤ。値上げやメニュー改定時はもちろんのこと、SNS上におけるユーザー発言によってたびたびトレンド入りや炎上騒動になる、常に大きく注目されている人気レストランです。

 しかしながら最近、ある変化が見られるように。サイゼリヤの評価についてX上での動向を見ていると、コスパの良さを評価する投稿は依然として多いものの、2023年夏の粉チーズ有料化、そして2024年6月のピザ「Wチーズ」廃止の際にはショックの声が高まるなど、いろいろとザワザワしはじめていることがわかります。

◆「サイゼは安くておいしくて最高!」の構図が崩れる!?

 これは、サイゼの価格維持とお客の満足度とのバランスが少しずつ揺らぎはじめているからなのかも……。今後もしもチーズに続いてオリーブオイルが有料化したり、明らかな品質低下などが起これば、「サイゼは安くておいしくて最高!」という構図が崩れていく可能性があります。

 そこで今回は、今のリアルなサイゼリヤの満足度について冷静に分析してみることに。価格の安さに加えて、サイゼリヤらしい確かな独自性や個性を感じることができれば、多くの人々がファンを継続できるはずです。個人的な感覚は含まれますが、結論として“400円のメニュー”が基点になるところに落ち着きました。

◆400円に最高点あり!?後悔しないコスパ最強のメニュー5選

 ワインを除いた料理メニューについて、おいしさや独自性を価格と照らし合わせてチェックしていくと、400円を境に潮目が変わるのではないかということに気がついたのです。

 つまり400円以上になると、サイゼリヤでしか絶対に食べられないという気分は薄れ、逆に400円以下では安さ優先で、価格維持の印象が強くなるのではないかということ。400円で食べられる高コスパな料理を5つご紹介していくことにしましょう。

※400円がどの程度のインパクトなのかを想像していただくにあたり、参考として他レストランのメニュー価格を並べてみました。

マクドナルド てりやきマックバーガー、フィレオフィッシュ 400円(通常店)

吉野家 牛丼(並盛) 468円

すき家 牛丼(並盛) 430円

バーミヤン バーミヤンラーメン 659円

スターバックス スターバックスラテ ショートサイズ 455円

◆①タラコソースシシリー風 400円

 パスタ料理の中でもっともサイゼリヤらしさを維持しているのが、タラコソース。

 シシリー風とはシチリア風という意味で、からすみを使ったご当地パスタをサイゼ流にタラコでアレンジして誕生したメニューです。

「小エビのタラコソース」は海老入りのリッチさはありますが、値段は540円。世界観としては400円で十分に堪能できることになります。

◆②エスカルゴのオーブン焼き 400円

 サイゼリヤのエスカルゴは、星付きレストランのシェフにも絶賛者がいるほど高評価メニューのひとつになっています。

 フランス本場でエスカルゴを食べるとなると1皿1000円は下りませんから、400円で味わえるのは夢のような価格ということになります。

 以前からネット上でも“コスパ最強”だと言われています。食用かたつむりと聞いて食指が動かない日本人はいるでしょうから、殻付きでないことがかえって食べやすさにもつながっていそうです。

◆③ハンバーグステーキ 400円

 グリル料理をシビアに見ていくと、若鶏のディアボラ風(500円)は30年以上愛されているものの、以前の味を知る立場から判定すれば、少々残念に感じる人はゼロではないでしょう。

 そんな中、サイゼリヤのハンバーグは100%ビーフで作られた本格派。付け合わせにはポテトとコーンに加えて目玉焼きまで乗っかっているのです。

 吉野家牛丼(並盛)の値段が468円であることを考えれば、この安さは信じられない次元ではないでしょうか?

◆④バッファローモッツアレラのマルゲリータピザ 400円

 サイゼリヤのバッファローモッツァレラは、こだわり食材の一つ。そもそもモッツァレラチーズは牛又は水牛のミルクから作られますが、水牛タイプは牛よりも濃厚でミルクの香りが格別です。

 このチーズを使って作られるマルゲリータピザは2024年6月にチーズ量が増えてさらに美味しくなりました。実際に食べてみると、これが400円とは到底思えない感動が押し寄せるでしょう。他店でこれほどのレベルを味わうことはなかなか難しいと断言できます。

◆⑤ミラノ風ドリア 300円+トッピング粉チーズ(グランモラビア) 100円

 最後は低価格を貫くミラノ風ドリアと、昨年有料になった粉チーズを組み合わせたアレンジメニュー。

 以前某テレビ番組でお笑いコンビ・オードリーの春日俊彰がこだわりの食べ方(ミラノ風ドリアを半分食べてから、粉チーズで食べた部分を埋めて味わう)を披露し、それを真似する人が増えたのではないかと指摘されたことがありましたが、この濃厚さは確かに病みつきになります。

 また粉チーズは十分すぎるくらいの量が盛られて提供されるため、ドリア以外にもかけて味わうことができるでしょう。

 今回の400円はあくまでも個人的な感覚も含まれますので、ぜひ皆さんそれぞれでコスパ最高潮の基点がどこにあるのかを確かめてみるのをおすすめします。

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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