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ネットで人気のナンパ師"教祖“が性的暴行で逮捕。かつて見せたヒドい「論破気取り」集団行動とは

女子SPA! 2024年7月19日 15時47分

SNSのDMや街中での声かけなど、異性を主に性行為目的で口説くナンパ。ナンパを行う男性=いわゆる“ナンパ師”の中には「女の子をお持ち帰りする方法」といったナンパのノウハウを、商材としてネットで売るなど情報商材屋のような動きまでする人も少なくありません。

そんな“ナンパ師”男性の1人が7月上旬、10代女性への性的暴行で逮捕されたとしてニュースになりました。

◆「教祖」と名乗るナンパ師が10代女性に性的暴行で逮捕

10代女性をわいせつ目的で誘い出し、性的暴行を加えたとして逮捕された27歳男性A。報道によるとAは今年4月に面識がなくSNSで知り合った10代女性を鳥取県内で、わいせつ目的で誘って車で連れ去り、宿泊施設で性的暴行をした疑いがもたれているとのこと。

翌日に被害者の親族から警察署に届け出があり、捜査を進めた結果、7月にAを茨城県内で逮捕したそうです。Aは容疑を否認しています。

このニュースがX(旧Twitter)で話題になったのは、Aが過去にAbemaTVに“ナンパ師”として出演したり、SNSや自身のYouTubeで「教祖」と名乗って恋愛やセックスに関する持論を展開していたからでした。

それだけでなく自身の学歴、親の職業、高校時代の成績、不登校や大学中退の過去、大金をかけて整形したことを公開。何の仕事をしているかは明かさず月収2000万円であることを綴るなど、嘘か本当かわからない話まで展開していたこともまた、悪い意味でもネットで注目されていました。

◆「処女にしか価値がない」、「女子高校生とも性行為をした」発言も

Aは自らの未成年との性行為を自慢したり、広く男性に向け未成年との性行為を扇動したりする言動も数多く、こうした過激な発信で一部からファンが多かったものの、その外れた倫理観からは「いずれ逮捕されるのでは?」という意見があったのも事実です。

“女子高生との性行為”を自慢するだけでなく、「女は処女にしか価値がない」といった発言を繰り返してきたA。X上で18歳未満との性行為が青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)違反になる可能性を他のアカウントに指摘されても、「10代と純愛しているだけ」としらを切った返答を見せていました。

今回の逮捕は性的暴行の疑いとのことで、警察が詳しい経緯などを調べており現在まだ有罪かは確定していません。ただ、これまでも未成年との性行為を自慢してきたA。

それだけに今回の逮捕について「いつかは逮捕されると思ってた」、「これまでもバレなかっただけで相手が泣き寝入りしたケースや余罪はたくさん出てきそう」、「女の子もこんな男についていっちゃダメだよ」といったコメントがXには投稿されていました。

◆相手を言いくるめては「論破」気取り

実は昨年、筆者はXのスペース(音声機能)上でこのAと直接会話したことがあります。その際にも「他の男に抱かれた経験のある女が無価値なのは理論的に当然」、「男は全員処女が好き」と発言していました。

そしてAの考えを支持する男性もその会話に参加して、反対意見に応戦し、彼らは徒党を組んで自分たちが言いくるめたと思うと「はい、論破論破」と笑っていたことを今でも覚えています。

そのときにもAは弁(べん)が比較的立ち、都合の悪い質問をされると嘲笑して話をズラしていたので、きっとナンパをする際にもこうやって女性を言いくるめるのだろうと感じました。また、未成年との性行為に関する法律を知っていながらも上記の「純愛」論理で正当化する話もしていました。

◆10代女性にターゲットを絞るのはコンプレックスか?

Aはネット番組に出演や、X等で情報発信したりと「有名になりたい」という承認欲求が非常に強いタイプであることは明らかだと筆者は感じます。そこには自分のルックスや恋愛、学歴などの学生時代からコンプレックスを抱えてきた背景があるのでしょう。

しかしそれを埋めるかのように、そして自身の10代を取り戻すかのように、10代女性をターゲットに性犯罪被害者を出すような違法なナンパをしているのは、到底擁護できるものではありません。

◆Aの逮捕 世にはびこる違法ナンパ師の反応は?

現在Xには“ナンパ師”を名乗り、「非モテおじさんでも20代女性〇〇人と性行為できました」と成功体験を発信するアカウントは、大変多く存在しています。

中には相手女性の同意なく体や顔写真を公開したり、相手の同意ナシで避妊をしないことを堂々と自慢するナンパ師もいます。彼らもまた自分の過去や満たされない何かを、相手女性の尊厳を踏みにじってでも犯罪スレスレでも満たしたいという、Aと同じような感覚を持っているようにも感じてなりません。

今回のAの逮捕は彼らのようなナンパ師にも多少の衝撃を与えていたようでした。

しかしその多くは「やっぱり女性が嫌がる行為はやめるべき」ではなく、「面倒になるから未成年には絶対に手を出しちゃダメ」、「多少無理やりなことをしても訴えられないように、そもそもの人間関係を構築しなければいけない」という共通認識の広がりを見せていただけのようです。

◆男性にモテ情報商材を売りつけるナンパ師の動向へ影響か?

結局は“いかに女性を言いくるめ、訴えられずに逮捕されずに性行為を完遂するか”という決意をあらたにしている自称ナンパ師が多かったのでした。

もちろん、相手に迷惑をかけないのであれば、ナンパ自体が悪いことではなく、そもそも性行為をするのは男女双方の同意があればまったく問題のないこと。

しかし昨今、ネットやXに蔓延(はびこ)るナンパ師が、Aのように女性の同意や法律を度外視した論理を展開したり、その論理や方法をモテるための情報商材として、たくさんの男性に売りつけていたりと、その状況は目に余ると言えます。

今回のAの逮捕によって女性が嫌がる行為をするナンパ師が減っていくのかどうか?Aの性的暴行容疑が有罪となるかも含め続報を待つとともに、ナンパ師たちの動向も気になるところです。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中

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