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太陽とシスコムーン稲葉貴子、50歳の結婚観「諦めとは違う。特別視してないだけ」

女子SPA! 2024年8月17日 8時44分

 オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京系)で合格し、1999年につんく♂プロデュースでデビューを果たした「太陽とシスコムーン」。一年半という短い活動期間ながら、今でも伝説的に語り継がれるグループです。

 今回「女子SPA!」では、今年デビュー25周年を迎えた「太陽とシスコムーン」(以下、太シス)のメンバーである稲葉貴子さん(50歳)にインタビュー。今回はアラフィフになった稲葉貴子さんの結婚観や人生観など、”一人の女性”としてのリアルな現在の心境をお聞きしました。

◆結婚を「しない」わけじゃない。周りを気にせず生きる

――近年では結婚という形に縛られない人が増えています。2018年のOPDイベントで結婚願望についてお話ししていましたが、50歳になられた現在の心境は?

稲葉貴子さん(以下、稲葉)「結婚願望はありますし、今後しないとも思っていないです。ただ、縁遠かったというだけで(笑)。若い頃は漠然と自分はきっと結婚するだろうと思っていたんです。でも、気がついたらあれ?あれあれ?みたいな。でも誰でもいいからしたいというわけではないので、難しいところなんですよね。諦めているとは違いますし、なんていうのかな、特別視していないのかもしれない」

――焦りやプレッシャーはないのですか?

稲葉「自分の人生だし、周りを気にせず自分らしく生きていければいいと思っています。私はある意味、考えが固いんだと思います。勢いにまかせて結婚…とかができない性格ですし、他人と比べてどうこうはしたくないという気持ちです。もうこんな歳になったのに、みたいな考え方をしだしたら何もできなくなっちゃいます」

◆本当はあまり強く意見を言えないタイプだった

――プライベートの「稲葉貴子」はどういう人間だと思いますか?

稲葉「私は『ギャップの人』だと思います。たぶん私って、見て目的にちょっとキツく見られがちなんですよ。でも、本当はどちらかというとあまり強く言えないタイプです」

――確かにちょっと意外ですね。大阪出身の元気なお姉さんというイメージがありました。

稲葉「勝気なイメージを持たれているけど、実際はそうじゃないんです。基本は平和主義。酒豪に見えるけど実はぜんぜん呑めないとか、会って話すとだいぶ印象が違うんじゃないかと思います」

◆秘書や広報の合間にライブ。365日フル稼働!

――太シス全盛期はあまり遊ぶ時間はなかったと仰っていましたが、卒業後はプライベートの過ごし方に変化はありますか?

稲葉「ずーっと仕事人間なので、今に至るまで結局そこまで変わっていないかもしれない(笑)。前編でも少しお話ししましたが、ハロプロ関連の会社を辞めた後は別の一般会社に転職してたんですよね。やっぱり会社員とはいえ芸能界って特殊な業界ではあると思うんですよ。でも、本当の意味での一般企業に入ることで新たな学びを得られました」

――そういえば、2021年に『THEカラオケ★バトル』(テレビ東京系)に出演された時は一般企業の秘書をしていると……。

稲葉「そうそう。その頃に勤めていた会社で、秘書や人事、広報などを担当していました。新卒大学生の面接や説明会なんかもやっていましたね。今思うとよく採用してくれたなと思います。

でも芸能活動も許可されていたし、会社をあげて応援してくれていました。仕事がかなり忙しい中でも精力的にライブをやっているので『いつ練習してるの?』なんて不思議がられていましたけど(笑)」

――逆にいつ休んでいたんですか!(笑)

「休みはなかったです。ライブも遊びでやっているわけではないので、就業後や土日をすべて使っている状態でした」

◆仕事が趣味とは言いたくない!(笑)

――365日フル稼働……。稲葉さん、もしや少々ワーカホリック気味なところがある?

稲葉「もし休みがあっても、特別にこれをするとかもないんですよ。美味しいものが好きなので、通販やデパ地下で手土産を探したりするのは楽しいですけどね。自分で買うのも好きですが、誰かに『ここイイよ』とか教えるのも好きなんです。

まあ、ハロプロの子たちの誕生日イベントのケーキの手配とかをやっていたので、そういうお店にめちゃくちゃ詳しくなっただけなんですけど……。秘書をやっていた時も手土産が必要になる場面も多かったし……」

――やっぱり仕事が関連していた(笑)。ということは、もしや稲葉さんの趣味って仕事なのでは……?

稲葉「そうは言いたくありません!(笑)」

◆年齢を気にせず、好きなことをやってほしい

――今は中高年の方々が自由で元気な時代という印象があります。稲葉さんが50代でパフォーマンスを続けていく意義とは?

稲葉「自分たちが何かを届けたいという大それた思いはありません。でも、見ていただいた同年代の方から『自分も頑張ろうと思えた』『50代でもこんなに歌って踊れるんだ』といった言葉はいただいてますよ。生きるフィールドが違っていても、そう言ってくれる人たちがいて本当に嬉しいです」

――稲葉さんの目の前のことに懸命になっている姿が、同世代のファンに勇気を与えているのかもしれませんね。

稲葉「そういう風に思ってもらいたいわけではないけど、やっていることに対して自然にそう感じていただけていることは、パフォーマンスするうえでの喜びになっています。

難しいことかもしれませんが、私と同年代で悩んでいる方も好きなことをやってみて欲しいです。周りのこととか気にしないで、やってみてください。

ハロプロ卒業後に私がなぜ会社員になったのかというと、結局は生活が不安だったのいうのが大きいんです。東京で一人暮らししていく中で、そっちにシフトすべきだという世間的な常識に沿ったような行動でした」

◆「本当にいいの?」という違和感を大切にしたい

――絶対に会社員になりたかったわけではなく、現実的な問題もあったのですね。

稲葉「後から思えば間違いなく勉強になったし、やって良かったことだとは思います。でも、どこかで自分の中に燻るものがあったから会社を辞めることにしたんです。それでもまた不安になって、別のところで再就職して……。それも糧にはなっていますが、常に『ここじゃない。ここだけじゃない。ここで本当にいいのか?』って問いかけが心の中にありました」

――自分の好きなことをして生きていきたいという気持ちが押さえられなかった?

稲葉「年を取るにつれてどんどん動きづらくなることに気が付いて、だったら今動いておこうと決めて会社員は辞めることにしたんです。

大切なものって人それぞれやっぱり違うんですよね。お金だったりステータスだったり。私は自分の心を最優先したかったから今があるし、メンタル的には充実しています。だから迷っている人がいるのなら、それぞれの大事にしたいものを優先すればいいって伝えたいです」

◆今ようやく、自分を「どうだ!」と見せつけられる

――もう生活面においても不安はないですか?

稲葉「会社を辞めた今、どうにかやれていますからね(笑)。環境を変えるってだいぶ勇気のいることかもしれませんが、自分の心が喜ぶ方を考えるべきだと思います」

――今後の人生の目標を教えてください。

稲葉「今ようやく、何でも楽しめるようになってきました。ずっとどこかカッコつけたい自分がいましたが、削ぎ落されて隠す必要もなくなって、今の自分を『どうだ!』と見せることができています。

私はこれからも自分の心が喜ぶことをお仕事として成り立たせていければと思います。また全然違うこともやるかもしれないけれど、絶対に無理はしない。自分を痛めつけるようなことはしないと決めています」

◆今を生きてるって感じです

――様々な経験をしてきた稲葉さんだからこそ言える、説得力ある言葉ですね。

稲葉「でも、そんなに先を見据えているわけではないので、今を生きてるって感じですよ(笑)。とにかく、できる限りずっと歌い続けていけたらと思っています」

――ありがとうございました!

<取材・文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama

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