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「一緒にいたいから同棲しよう」にダマされた。ハンサム男、まさかの豹変

女子SPA! 2024年8月13日 15時47分

独身生活大謳歌中のアラサー、七尾紫と申します。フリーの編集者として活動しながら、彼氏は作らず、結婚願望も持たず、日々楽しく過ごしています。

先日、「東京都がマッチングアプリを実用化する」というニュースを見ました。私は「元カレ全員ダメ男です」と胸を張って言えるほど男運がなく、付き合うに至らなかった人も含めると数十人にのぼるほどですが、その半数はマッチングアプリで出会った男性でした。

なので、このニュースを見たときは「えぇ、大丈夫なの?」と真っ先に思いました。少子化対策のためらしいですが、そんなにうまくいかねぇぞ、と。

今回は、私が実際に体験した「本当にあったマッチングアプリの怖い話」の中から、最強で最悪の“ヒモ男”を紹介します。ぜひ参考にしていただいて、素敵なマッチングアプリライフを!

◆「顔がよければすべてよし」…が間違いの始まり

私がマッチングアプリを始めて1年ほど経った、27歳の夏の話。そのころは彼氏と別れたばかりで、単純に人肌恋しくてアプリをしていました。いつも通り男性たちのプロフィールを見ていると、「待って、めっちゃタイプ!」と声をあげそうになるほどどストライクな人が現れたのです。

当時の私は恋人を求めているわけではなかったので、選ぶ基準は写真と、頭の悪そうなプロフィール文じゃないかどうかだけ。その人は住んでいる場所と趣味だけを書いていて、さらに好感が持てました。いわゆる“いいね!”をすると、すぐにマッチ。メッセージが来て、比較的サクサクッと会う日が決まりました。

実際に会ってみると、やはり好みのお顔。身長も平均より少し高いくらいで、おしゃべりも上手。職業もきちんとしていて、しかも方言付きときた!彼が「行ってみたかったんよね」という居酒屋でしっとりとした時間を過ごしました。

その夜は、まあ、うちに泊まって行ったわけですが。その時点で、「かっこいいし、何かと相性がいいし、もしうまくいけば付き合ってもいいかも」と思ってしまっていました。これがすべての間違いでした。

◆突然「そっちの家に俺が住むわ」

それから彼は週2、3回ほど私の家に遊びに来ていました。一緒にいる時間は楽しくて、ほとんど恋人同士みたいな関係だった、と思います。そして出会って1カ月になるとき、彼から「もっと一緒にいたいから、同居しないか」と言われたのです。

さすがにこの関係で一緒に住むのは…と思った私は、「いいけど、それって付き合うってこと?」と聞きました。すると、「うん」と短いLINEが来ました。さらに、「そっちの家に俺が住むわ」と言い出します。今思えばとんでもない話ですが、当時の私はめちゃくちゃ頭が悪く、顔のいい男と一緒にいられたらそれでよかったので、とりあえずOKしました。

ちなみに、私の家はワンルーム。明らかに単身用です。一応、「荷物入らないよ」とか「さすがに毎日シングルベッドに2人は無理だよ」とか抵抗は見せたのですが、かたくなにうちに住むと言って聞かないのです。

その数日後、彼は4段の収納ボックスと数着のスーツだけを持って、本当にうちに転がり込んできました。荷物の少なさに驚いたのですが、しばらくして疑問に思います。「家具家電は?」と。聞いてみても、「人にあげた」と言いましたが、あんな数日間でできるわけがない。

そこでやっとわかりました。彼は女の家にいたのです。

◆なにもかも、寄生するためだった

その後、彼は私に一銭も払わず、冷蔵庫のものを勝手に食べ、私のスキンケアを勝手に使い、掃除もまったくせず、何度「家賃を払って」と言っても「無理~!」と小学生のようにひと言返して終わり。さらに深夜に帰ってくるわ、当時流行していた音声SNS「Clubhouse」を朝方までやるわ、私の好きなアイドルのグッズを見て「オタクきっしょ」と吐き捨てるわ、もうめちゃくちゃでした。

同居している間、私が彼に「ありがとう」と言ったのは、ゴキブリ退治をしてくれた一回だけですね。あのときはマジで助かった。

その中でもムカついたのが、同居した途端に肉体関係がなくなったことと、「彼女じゃないくせに口出すな」と頻繁に言ってきたことです。つまり、私は完全に寄生先であり、女ですらなくなったのです。彼にとって、私とのLINEも、食事も、肉体関係も、全部新しい住処を獲得するためにとった行動でした。

◆甘いマスクと言葉に惑わされないで!

こうしてご立派なヒモ男を家に迎え入れてしまったわけですが、その豹変の仕方といったら、人間不信になりそうなくらいです。そのあと同居は半年続きましたが、最終的には私が彼のことを“いないもの”として扱い、何を話しかけられても「家賃払って」と「いつまでに出て行って」しか言わなくなったので、観念して出て行きました。最後に合い鍵を返そうとしなかったのが気持ち悪かったですね。

そしてこれはマッチングアプリでの出会いならではですが、しばらくの間、彼のプロフィールが何度も表示されました。私は彼を見つけたらすぐに通報ボタンを押していたので、彼も何度もアカウントを作り直していたのだと思います。

これからマッチングアプリを始めようとしている人に伝えたいのは、「言葉をそのまま受け取ってはいけない」ということです。「顔で決めるな」もそうなのですが、これについては私が特大のアホなだけなので…。男性は肉体関係を持つまでに甘い言葉を囁いたりしますが、この男のように、肉体関係どころか“搾取するため”の可能性もあります。

ただ、こんな悪い人間ばかりだとも思わないでください。こんなのはほんの一部ですから。それでも自分の身を守るのは自分だけ。相手の内面ときちんと向き合えば素敵なマッチングアプリライフが送れる…と、説得力はないですが、そう信じています。

<文/七尾紫 イラスト/織田繭>

【七尾紫】
元・恋愛体質のフリー編集者。ダメ男に好かれてしまう特異体質を持つ。DVと不倫以外は大体やられている

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