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値上げした日高屋。それでもコスパ良く飲めるのか? 1人でちょい飲みして「確信したこと」

女子SPA! 2024年8月6日 15時46分

 ラーメンチェーンの熱烈中華食堂日高屋を運営する株式会社ハイデイ日高は8月5日、7月の売上高を発表。売上高は前期比111.0%とアップ、客単価も前期比101.6%と堅調だった。5月31日から全体で3%程度の価格改定に踏み切った日高屋。客足が遠のき、売り上げや客単価が伸び悩む可能性も想定されたが、そういった予想は全くの杞憂だった。

 日高屋はそもそも値段が安く、味もしっかりしている。簡単に客離れは起きないだろう。とはいえ、物価上昇に加えて実質賃金も伸び悩んでいる今現在、ちょっとの値上げでも死活問題になりかねない。特に日高屋はラーメン屋だけではなく居酒屋としても有能。そんな優良店が値上げしたとなると気軽に飲めなくなってしまう。そこで値上げしてもコスパ良く飲めるのか、日高屋でちょい飲みしてきた。

◆この日は最高の「祭」が開催されていた

 平日18時過ぎに日高屋 立川北口店を訪れた。たまにタッチパネルを導入していない店舗があるが、タッチパネルが設置してあることにまず一安心。やはり居酒屋ではないお店でお代わりを注文することは恥ずかしい。タッチパネルの注文であればそういった罪悪感を軽減できるので感謝だ。

 加えて、座席も1人の世界に没入できる“ポツン”とした雰囲気。1人飲みユーザーの気持ちをよく理解した親切設計である。

 またこの日は、7月5日から期間限定開催の「生ビール祭」にエンカウント。

 普段は350円の「キリン一番搾り(生)(中ジョッキ)」が330円で飲める生ビール祭。「値上げした日高屋でコスパよくちょい飲みできるのか」という当初のコンセプトを打ち消すような、ハートフルなキャンペーンをやっており、企画倒れ感を覚えつつもありがたい気持ちになった。

◆看板メニューの中華そば(390円)は値上げせず

 せっかくの“フェス”なのでビールを注文。

 食べ物は中華そば(390円)、五目春巻き(330円)、そら豆(220円)を選択した。まず日高屋の看板メニューの中華そばからいただく。重複になるが、「値上げした日高屋でコスパよくちょい飲みできるのか」というコンセプトではあるが、中華そばは値上げしていない。それだけ日高屋サイドが大切に思っているメニューであることが伺える。だからこそ、あえて今回注文した。

 麺はツルツルしており、口の中に吸い込まれていく時の感触が気持ち良い。シャキシャキしたネギに、弾力があって味がしっかりしたメンマ。さらには、厚みがあって脂身がトロトロしたチャーシューと、具材達が安心感を与えてくれる。醤油スープは「こういうのでいいんだよ」を体現した小細工が一切ない仕上がり。味が濃いとビールを欲してしまい、ついつい飲みすぎてしまう。しかし、特段濃いわけではなく、適度なペースでビールが飲めた。ちょい飲みに適したラーメンと言える。

 味ばかりに目が奪われるが、中華そばで特筆すべきは390円という価格。もちろん、一般的なラーメン屋のラーメンよりは量自体は少ない。それでも、ちょい飲みするには丁度良い量である。そもそも、80円で麺を大盛りにでき、なんにせよコスパがぶっ壊れている。

◆思いのほか量があったそら豆

 次は、10円の値上げをした日高屋の代名詞的メニューのそら豆。

 基本的には柔らかいが、それぞれの固さが微妙に異なり、食感の変化を楽しめる。著しく柔らかいものは噛まずに口の中で溶けてなくなるため、どこか儚さを覚えた。筆者はぶどうや鮭など、いろいろな食べ物の皮を食べる派なので、そら豆の皮も一緒に食べてみる。皮は苦みがあり、子どもにはまだ早い大人の味わい。しかし、人を選ぶそうな苦味なので、皮を剥いて食べるほうが無難かもしれない。

 ちなみに、思いのほか量があったため、3杯以上飲みたい時や複数人で来た時に頼むほうが良い気もした。

◆日高屋でしか食べられない「コスパ春巻き」

 そして、20円の値上げをした五目春巻き。予想通りの感想を述べてしまい恐縮ではあるが、めちゃくちゃパリパリしていた。

 1人暮らしをしていると、洗い物が面倒であること、油の処理が面倒なことなど、様々な理由から揚げ物を作ることはない。スーパーのお惣菜で春巻きを買うこともあるが、家に持ち帰ってレンチンすると皮はフニャフニャになる。つまりはパリパリの春巻きを食べるためにはお店で食べるしかない。しかし、中華料理屋の春巻きは結構高い。コスパ良く、パリパリした春巻きを味わえるのは日高屋くらいだろう。味は豚肉やタケノコの味がしっかりと感じられ、餡もコッテリ感はなく“きっとみんな好きなやつ”という味だった。

◆値上げ後にちょい飲みして“確信”したこと

 ここまでの合計は1270円。

 その後ビールの2杯目を追加で頼んだが、それでも合計1600円。お腹を満たせてほろ酔いになっても、2000円を大きく下回るのは相変わらずすごい。値上げしたと言っても、結局は日高屋が1人飲み民のオアシスであることには変わりなさそうだ。

<写真・文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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