女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年8月10日 記事は取材時の状況)
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「私はもう、二度とファミレスでの夜勤はしたくないです」
玲さん(仮名・23 歳)は、以前働いていたファミレスの夜勤でつらい思いをしたと言います。
2017年1月、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」は、店舗の24時間営業を廃止。「ガスト」「すかいらーく」「ジョナサン」などの大手ファミレスも続々と深夜営業を縮小しています。そんな、人材不足のあおりを受けて深夜営業自体が縮小傾向にある昨今ですが、人が足りていれば働きやすいかというと、それはまた別問題のようです。
◆迷惑客の対応を押し付けられた
「私は夜勤がメインだったのですが、深夜、若い男性の集団が毎日のように来店しては、大騒ぎするんです。騒がしいだけでも、ほかのお客さんが嫌がって帰ってしまうこともあって、迷惑でした。おまけに、注文をとるときは、数人が『俺はこれがいい』『俺はこっち』と、矢継ぎ早に言い出すんです」
プレッシャーもあり、ミスしてしまう店員も多かったそうです。
「最後の注文確認のときに、『そんな物頼んでませーん! 頭悪いんですかー?』などとからかわれて、バックヤードで泣いていた店員もいました。集団の接客に耐えられない店員が続出して、基本的には夜勤の責任者の男性が注文をとることになったんですね。でも、その責任者が頼りなかったんです。『玲さんは気が強そうだし、しっかりしてるから、あいつらの相手もできるよね?』とか言って、厨房に逃げてばかりで。ほかの店員たちも、『玲さんのことを頼りにしてるから』『私たちじゃ、あの集団を接客するのは無理』と、口々に言ってきました」
結局、シフトに入っているときは玲さんが集団の接客をすることに。半ば押し付けられた形だったものの、集団への接客自体は、思ったよりも大変ではなかったそうです。
◆会計時、リーダーに睨まれて……
「集団の頼む料理は、毎回だいたい同じだったんです。そのことに気が付いたら、スムーズに接客できるようになりました。ちなみに、リーダー格は、毎回高い料理とドリンクバーを注文。いわゆる下っ端の人たちは、ドリンクバーすら許されず、水にさりげなくガムシロップを入れて、それだけを飲んでいました。こういう集団の上下関係も大変なんだなあと、そんなことまで考えられるぐらい、余裕を持って接客できるようになったのですが……」
しかし、集団への接客にも慣れたある日、玲さんがファミレスを辞めるきっかけになった、最悪な出来事が起きてしまったと言います。
「ある日の集団の会計のときに、リーダー格が突然、『最近てめぇは調子に乗ってるみたいだけど、ミスがあったらわかってるだろうな』と凄んできて。私の顔とレシートを交互にジロジロと睨みつけてきたので、泣きそうになるぐらい恐怖を感じました。集団のほかの人たちはただニヤニヤと私のことを見てきて、それも怖かったんです」
◆頑として対応を嫌がる店長
そして、リーダー格は、「ここ、ミスあるじゃねぇか!! 店長呼べ!!」と、玲さんを激しく怒鳴りつけてきたそうです。
「涙目になりながら、例の頼りにならない責任者を呼びに行きました。そうしたら、『玲ちゃんがどうにもできないなら、俺にもどうにもできない。ここはどうにかして穏便に……』と言い出したんです。絶句しました。ほかの店員も、見て見ぬふりをしているだけでした。私は殴られる覚悟で、リーダー格に『この時間帯の責任者は私です。申し訳ございません』と嘘をつき、深々と頭を下げて謝罪しました」
すると、意外にもリーダー格は、「次からは気を付けろよ」と言って、集団は帰っていったそうです。
「集団が帰ったあと、私は腰が抜けて、号泣してしまいました。集団が怖かった以上に、誰にも頼れない、誰も味方になってくれない、ということが悲しすぎたんです。それからは恐怖で夜勤に入れなくなってしまい、本部に店の実態を報告したら、本部はその後、さまざまな改善対策をしてくれました。我慢しないですぐに報告しておけばよかったと後悔しましたが、結局私は店を辞めることに。今は新しいバイト先でも、恐怖心から、夜勤はしないようにしています」
玲さんの働いていた店が悪かった点は、悪質な集団客の存在、そしてその対応を玲さん1人に押し付けたことです。このような経験をすれば、深夜に働くこと自体が恐怖になってしまって無理もないでしょう。本部が改善対応をしてくれたことは救いですが、責任者である店長の対応には悲しくなりますし、玲さんは犠牲となる形になってしまいました。
働く人にとっては、いったいどんな労働環境が望ましいのか……。深夜営業の縮小や廃止だけに限らず、これからのファミレス業界の動きに注目したいところです。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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「私はもう、二度とファミレスでの夜勤はしたくないです」
玲さん(仮名・23 歳)は、以前働いていたファミレスの夜勤でつらい思いをしたと言います。
2017年1月、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」は、店舗の24時間営業を廃止。「ガスト」「すかいらーく」「ジョナサン」などの大手ファミレスも続々と深夜営業を縮小しています。そんな、人材不足のあおりを受けて深夜営業自体が縮小傾向にある昨今ですが、人が足りていれば働きやすいかというと、それはまた別問題のようです。
◆迷惑客の対応を押し付けられた
「私は夜勤がメインだったのですが、深夜、若い男性の集団が毎日のように来店しては、大騒ぎするんです。騒がしいだけでも、ほかのお客さんが嫌がって帰ってしまうこともあって、迷惑でした。おまけに、注文をとるときは、数人が『俺はこれがいい』『俺はこっち』と、矢継ぎ早に言い出すんです」
プレッシャーもあり、ミスしてしまう店員も多かったそうです。
「最後の注文確認のときに、『そんな物頼んでませーん! 頭悪いんですかー?』などとからかわれて、バックヤードで泣いていた店員もいました。集団の接客に耐えられない店員が続出して、基本的には夜勤の責任者の男性が注文をとることになったんですね。でも、その責任者が頼りなかったんです。『玲さんは気が強そうだし、しっかりしてるから、あいつらの相手もできるよね?』とか言って、厨房に逃げてばかりで。ほかの店員たちも、『玲さんのことを頼りにしてるから』『私たちじゃ、あの集団を接客するのは無理』と、口々に言ってきました」
結局、シフトに入っているときは玲さんが集団の接客をすることに。半ば押し付けられた形だったものの、集団への接客自体は、思ったよりも大変ではなかったそうです。
◆会計時、リーダーに睨まれて……
「集団の頼む料理は、毎回だいたい同じだったんです。そのことに気が付いたら、スムーズに接客できるようになりました。ちなみに、リーダー格は、毎回高い料理とドリンクバーを注文。いわゆる下っ端の人たちは、ドリンクバーすら許されず、水にさりげなくガムシロップを入れて、それだけを飲んでいました。こういう集団の上下関係も大変なんだなあと、そんなことまで考えられるぐらい、余裕を持って接客できるようになったのですが……」
しかし、集団への接客にも慣れたある日、玲さんがファミレスを辞めるきっかけになった、最悪な出来事が起きてしまったと言います。
「ある日の集団の会計のときに、リーダー格が突然、『最近てめぇは調子に乗ってるみたいだけど、ミスがあったらわかってるだろうな』と凄んできて。私の顔とレシートを交互にジロジロと睨みつけてきたので、泣きそうになるぐらい恐怖を感じました。集団のほかの人たちはただニヤニヤと私のことを見てきて、それも怖かったんです」
◆頑として対応を嫌がる店長
そして、リーダー格は、「ここ、ミスあるじゃねぇか!! 店長呼べ!!」と、玲さんを激しく怒鳴りつけてきたそうです。
「涙目になりながら、例の頼りにならない責任者を呼びに行きました。そうしたら、『玲ちゃんがどうにもできないなら、俺にもどうにもできない。ここはどうにかして穏便に……』と言い出したんです。絶句しました。ほかの店員も、見て見ぬふりをしているだけでした。私は殴られる覚悟で、リーダー格に『この時間帯の責任者は私です。申し訳ございません』と嘘をつき、深々と頭を下げて謝罪しました」
すると、意外にもリーダー格は、「次からは気を付けろよ」と言って、集団は帰っていったそうです。
「集団が帰ったあと、私は腰が抜けて、号泣してしまいました。集団が怖かった以上に、誰にも頼れない、誰も味方になってくれない、ということが悲しすぎたんです。それからは恐怖で夜勤に入れなくなってしまい、本部に店の実態を報告したら、本部はその後、さまざまな改善対策をしてくれました。我慢しないですぐに報告しておけばよかったと後悔しましたが、結局私は店を辞めることに。今は新しいバイト先でも、恐怖心から、夜勤はしないようにしています」
玲さんの働いていた店が悪かった点は、悪質な集団客の存在、そしてその対応を玲さん1人に押し付けたことです。このような経験をすれば、深夜に働くこと自体が恐怖になってしまって無理もないでしょう。本部が改善対応をしてくれたことは救いですが、責任者である店長の対応には悲しくなりますし、玲さんは犠牲となる形になってしまいました。
働く人にとっては、いったいどんな労働環境が望ましいのか……。深夜営業の縮小や廃止だけに限らず、これからのファミレス業界の動きに注目したいところです。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
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