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「なんで財布事情まで知ってるの?」行きすぎた情報通ママの影の努力にドン引き

女子SPA! 2024年8月14日 8時47分

ママ友界の情報ネットワークを侮ってはいけません。

その地域に張り巡らされた微に入り細に入りの情報がそこに集結しています。

今回はそんなママ友の情報ネットワークにうんざりしたエピソードです。

◆引っ越し先は新興住宅地

岩田みずほさん(仮名・40歳)は、子育ての環境が良いところを求めて新興住宅地に引っ越してきました。

周りに知り合いもおらず、新しいスタートにワクワク半分、不安半分です。子どもが小さいと、よい病院や学校、習い事の情報などゼロから集めなくてはなりません。

◆引っ越したばかりで不安な時に助け舟が

少しでも知り合いを増やしたいと、岩田さんは地域の育児サークルに入ってみることにしました。そこのメンバーはみなとても親切で、地域の便利情報を教えてくれました。

「出産年齢も遅かったので、若いママさんばかりだったらどうしようと少し不安でしたが、皆さん同年代に見えました。みんな笑顔で迎えてくれ、ホッとしました」

中でもひときわお世話を焼いてくれたNさんは、人のお子さんを持つママでさんで地域の情報ツウ。頼りがいのある雰囲気で、これから気になる幼稚園選びの情報などもあれこれ教えてくれて助かります。

「Nさんとは家も近く、互いの家に遊びに行くようになりました。明るくておしゃべり好きなNさんと話していると気晴らしになり、育児のストレスも軽くなるような気がしました」

ですが、徐々にNさんに違和感を感じ始めます。

◆なんでそんなことを知ってるの?

「Nさんが情報ツウなのは助かるのですが、『必要以上に知りすぎている』のが引っ掛かりました。たいして仲良くないママのお子さんの習い事から、ご主人の職業、家庭の事情までなんでもかんでも知っているんです。同年代の子を持つ町中のママのことを知っているのではないかというくらいで驚きました」

知っているだけで、悪口を言っているわけではないので、最初は「すごいなぁ」と思っていた岩田さんでしたが、隅々まで知っていることは少し怖いと感じるように。「あそこの旦那さんは〇〇証券でね、だから転勤族なのよ」とか「あそこのパパは損保だから年収もかなりのものよ」など、家庭のお財布事情まで知っており、なぜそこまで知っているのかも不思議でした。

岩田さんの後に引っ越してきたママにNさんが聞き込みをしているのを聞いて驚きます。

◆記者ばりの聞き込みに驚愕!

「どこに住んでいるの?お子さん何歳?などベーシックなことから、さらりと『旦那さん何してるの?』『ご両親は近くにいるの?』などズケズケと質問を投げかけるのです。Nさんは終始笑顔でほがらかなので、あまり根掘り葉掘り聞かれている印象がなく、それがあまりに自然に行われているので、そういえばわたしも同じように聞かれていたことに気づきませんでした」

それを悪用することはしないにせよ、そこで得た情報を岩田さんにペラペラと話してしまうことに少し違和感を感じていました。

ですがある日、これはどうなのかと思うことに出くわします。

「Nさんはそれぞれの子どものこともいろいろなママから聞いているようでした。わたしの子どもが少し育てにくいと悩んでいると、Nさんは親切心からか『〇〇さんのところの子が発達障害らしいから、話を聞いてみたら?』と言うのです。直接その方から話を聞いたならまだしも、わたしがなぜそのことを知っているのか不思議に思うでしょうし、そんなこと聞けないというと、その方に直接連絡して話を聞けるように取り計らってくれました」

そのときはNさんが仲介してくれ、快く体験談を話してくれて助かりましたが、自分が話している育児のあれこれもこうやっていろいろな場所にばらまかれていると思うと怖くなってしまった岩田さん。

◆ちょっとないわ…ドン引きした瞬間

その後、さらにドン引きする瞬間を目撃してしまいます。

Nさんと一緒に歩いているとき、顔だけなんとなく知っているママさんが通りすがりました。するとNさんは彼女を呼び止めて「ねえ、ご主人転勤決まったんですって?寂しくなるわー」と声をかけたんです。そのとき言われたママは顔が硬直。あいさつもそこそこに去っていきました。

ただならぬ雰囲気にあわてた岩田さん。Nさんに「彼女と仲良いの?」と聞くと「顔見知り程度」とのこと。それなのにご主人が転勤なんて、なんで知ってるのだろうと不思議に思いましたが、そのママが習い事をしている先で転勤するからやめると噂になっていたそう。

「悪いことに、どうやらその転勤は、栄転というわけではなかったようなんです。Nさんは何も知らずに転勤のことをママさんに伝えてしまいましたが、あの表情を見ると知られたくなかったことなのでしょうね。やっぱりいくら悪用しなくても、情報を知りすぎてそれを振りまくのはよくないと思いました」

一緒にいるからと、自分まで同じような「情報ツウ」と見られても嫌だなと思った岩田さんは、少しずつ距離を置くように。岩田さんの子どもは娘、Nさんの子どもは息子だったので徐々に一緒に遊ばなくもなっていたのでそれで疎遠になったことも幸運でした。

◆幼稚園で立派なトラブルメーカーに

その後幼稚園もNさんとは別々となった岩田さんですが、風のうわさで「Nさんが幼稚園でトラブルメーカーになっている」という話を聞きました。やはり口の軽さが災いし、大きなトラブルにつながってしまっているようです。

「悪気はないと思うんですが、それぞれの事情や気持ちがあるので、やはり他人の家庭事情に首を突っ込んだり、なんでも口にするのは良くないですよね」

口は禍のもと、というのはやはり本当ですね。

<文/塩辛いか乃>

【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako

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