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甲子園の応援強制参加に、母親が猛クレーム「ネットで告発する」/びっくり体験人気記事

女子SPA! 2024年8月9日 8時44分

 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年8月8日 記事は取材時の状況)

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 今年も連日熱戦が繰り広げられている夏の甲子園。グラウンドでプレーする選手はもちろんですが、生徒たちによるアルプススタンドでの応援も注目を集めています。

 しかし、応援やその練習のために貴重な夏休みが潰れてしまうのも事実。そのため、学校側と生徒・保護者の間で応援参加をめぐるトラブルも起きているようです。

◆一般の生徒にとって母校の甲子園出場は嬉しくない?

「ウチの高校は毎年出場するような常連校ではないですが、地元では野球強豪校で知られています。学校としても野球部には力を入れていて、甲子園での応援は校外学習同様、行かないと欠席になります。つまり、授業こそないですが通常の登校日と同じ扱いため、試合当日に大会などが重なっている一部クラブの生徒以外は全員参加が義務付けられていました」

 そう話すのは、数年前に勤務先の高校が甲子園出場を果たしたという氷室敏和さん(仮名・44歳・既婚/私立高校教師)。その年も学校側は大応援団の甲子園派遣を決定。生徒たちは応援の練習のために3日間の臨時登校が課せられ、さらに試合のたびに学校からバスで向かうため、トーナメントに勝ち残るほど夏休みは減ることになりました。

「生徒も夏休みの予定が大幅に狂ってしまったことで不満はあったと思います。でも、甲子園での応援やその練習を休んだ生徒は過去に出場したときも含めて、ほとんどいなかったと記憶しています。しかし、その年は私のクラスだけでも2人の生徒から『休ませてほしい』との申し出がありました」

 なかでもN美さんという生徒は夏休み中の海外短期留学を控えていたそうで、地区予選決勝で学校が勝った直後に相談を受けます。

◆「応援不参加を認めないならネット上で告白する」と保護者

「学校はプライベートな理由での応援不参加は一切認めておらず、その旨を伝えました。個人的には留学を優先させてやりたかったですけど、例外を作ってしまうとそれが前例となってしまい、応援に行かない生徒が続出するとの懸念からです。ただ、彼女が涙目になっているのがわかり、それがとても心苦しかったです……」

 すると、翌日にN美さんの母親が学校を訪問。短期留学を優先させたいので応援不参加を容認してほしいと頭を下げられましたが、前日と同じ対応をせざるを得なかったとか。

 そんな態度に業を煮やしたのか、母親は「今、中止にすると高額なキャンセル料が発生します。留学を認めないというならキャンセル料を学校が代わりに払ってください」と迫ってきたそうです。

「学校が支払う義務なんてないと断りましたが、『でしたら学校の対応をネット上に公開することにします』と言ってきたんです。この母親は明らかに怒っている様子でしたが感情的になってるようには見えず、出るトコに出てもいいという態度に思えました」

 さすがに自分ひとりでは対応しきれないと思った氷室さんは、いったん席を外して教頭に説明。その場で指示を仰ぎます。

「教頭には『高額なキャンセル料を払わせて短期留学を取りやめさせ、甲子園の応援に参加させたとあっては学校としてもバツが悪い』と言われ、生徒と保護者の判断に委ねることを伝えました。不参加だった場合は欠席扱いになるため、そこは不満みたいでしたが納得してもらいました」

◆家族旅行を理由に不参加の生徒も

 しかし、学校側が嫌がる例外を作ることになってしまったのに、なぜ容認したのでしょうか?

「教頭は応援強要がスクハラ(スクール・ハラスメント)だとネット上で炎上し、学校のイメージが悪化するのを恐れたのかもしれません。特に私学は評判を気にしますし、ちょっとしたことで受験者数や入学者数が減少して学校経営に悪影響を及ぼすからです」

 なお、N美さんは予定通り短期留学に出発。ただし、クラスにはもう1人甲子園の応援に参加しなかった女子生徒がいたといいます。

「その生徒は家族旅行だったのですが、語学目的の短期留学と違って学校も容認はできません。それを何度も説明しても彼女の母親は、『なんでN美さんのところはOKで、ウチの子はダメなんですか!』ってキレられるし、結局無視して旅行に行っちゃいました。保護者とのこういうやりとりは担任にとって本当にストレス。教員として野球部のことは応援していますが、地区予選で負けてホッとしている気持ちもあるんです」

 甲子園の晴れ舞台を全校生徒で応援してあげたい学校の気持ちも理解できますが、夏休み返上で不満に思う生徒がいるのも事実。私たちが知らないだけで実際には今回のケースのような問題が起きているのかもしれませんね。

<文/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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