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冷凍餃子193円、カレーをセルフで盛り放題!群馬発祥のスーパーが北関東民に愛されるヒケツを直撃

女子SPA! 2024年8月21日 8時44分

 群馬県に本社を構え、北関東を中心に展開しているスーパー「ベイシア」をご存知でしょうか? 圧倒的な安さに、新鮮な肉&魚、そして思わずワクワクしてしまうような食の魅せ方が得意なスーパーです。

 東京在住の筆者は千葉県で目にして驚きました。そこで今回は株式会社ベイシアの広報、松田詩織さんに「ベイシアってなんでそんなに安いの?」と直球で聞いてみました。

◆「商の工業化」で地道に効率化、安さを実現

――ベイシアといえば、ヘビーユーザーから聞こえてくるのは「とにかく安い」という声。大容量のものが安いのはわかりますが、小容量のものでも安いことが評価されています。どのようにして安さを実現させているのでしょうか?

松田さん:弊社の信念は「より良いものをより安く」です。店舗運営や商品の仕入れ・開発・販売や経営姿勢に至るまでこの想いがベースとなっています。

 そうした「より良いものをより安く」を実現するために、「安さ」の部分においては効率を高める取り組みを行っています。例えば商品の仕入れ・調達・物流の観点や店舗運営、生産工場(プロセスセンター)の活用などあらゆる取り組みにおいて仕組みづくりや工夫を行っています。

 創業来、様々な取り組みを行い、ブラッシュアップを重ねています。そうして、効率性・生産性を高めることで商品の価格、「安さ」に繋げています。

◆PBの冷凍餃子12個入り193円、セルフ式カレーライスは盛り放題

――さらにベイシアを訪れて驚くのは、プライベートブランドのコスパの良さです。

 冷凍食品の焼売は一般的な焼売の1.5倍ほどのサイズのものが6個入りで193円、冷凍餃子は12個入り193円とかなり安い。さらに、店内には同じカテゴリー内で幅広く商品が並ぶなど、品揃えがかなり豊富な印象です。

松田さん:弊社の商品開発の部署はただ開発だけを行うのではなく、“生活者目線に立つ”ことを意識して原料・物流・倉庫・販売に至るすべてに関与することを大事にしています。生産者や取引先ともお話をしたり、工場で製造の様子を見たり、試作品は従業員にも試食してもらうなどしています。

◆特に人気の商品は「別海のおいしい牛乳」

松田さん:特に人気の高いPB商品は「別海のおいしい牛乳」です。

 北海道の別海町で生産されている生乳を使っている「生産者の顔が見える」牛乳で、お客様からも熱い支持をいただいていますし、社内でもファンが多いんです。一度買ってくださった方はその美味しさに気付いて繰り返し買っていただけていますね。

 広い店舗においては、無いものが無いくらいの品揃えの豊富さであり、たくさんの中から商品を選んでいただけるようにPBをはじめ展開を強化しています。

 品質が高く圧倒的なお手頃価格を目指したPB商品をはじめ、飲料やスナック菓子、カップラーメンなどのお客様から支持が高いもの、さらにお惣菜やお弁当など即食ニーズも高まっていますのでそうした商品も種類を多く揃えています。

◆「足し算&引き算」の考えを大切に

――他スーパーではあまり見かけないものでは、カレーとごはんを「蓋が閉まるまで」好きなだけ容器に詰めることができるコーナーがあります。効率を重視していた考え方には反する気がしますが……。

松田さん:多くのお客様にご好評いただいている人気の高い商品です。確かに効率性が低そうな印象があるかもしれませんが、足し算&引き算の考え方でしょうか。

 品質や見栄えに差が出ない商品はアウトパック化するなど効率化する一方で、鮮度や美味しさを打ち出す商品は店内加工したり、セルフ式カレーライスのように楽しんで頂く要素をつくったりしています。

 生産性の高さを追求する部分と、手をかけてでもお客様に楽しんでいただく部分のメリハリとバランスはありますね。

◆商品数が少なく、ひとマスが大きいチラシ

――ほかにも、ベイシアが他のスーパーと異なる部分はチラシです。一般的に折込チラシには可能な限り商品の情報を詰め込み、「こんなにいろいろ売っていますよ」と訴求するもの。しかしベイシアのチラシはひとマスが大きく、その分商品数も少ないですよね。

松田さん:ベイシアではチラシを重要なツールと位置づけ、2023年に改革をしました。他社のチラシと比較をしながらお買い物をされるお客様が多くいらっしゃるため、目立つことを意識しています。

 インパクトのあるキャッチフレーズや親しみやすいイラストなどを加え、よりお客様の印象に残る工夫をしています。さらに『わかりやすさ』も重視し、掲載する商品は安さを十分に訴求できる商品のみに絞り込みました。

――ちなみにイラストで描かれている人はベイシアの店長・副店長たちとのこと。どこかの店舗でこの顔の方を見つけることができたら親近感がわくかもしれませんね。

◆食のテーマパーク「Foods Park」

――ベイシアは北関東を中心に展開する大型スーパーですが、2022年からは「Foods Park」というフォーマットも展開しています。

「Foods Park」は“食のテーマパーク”として、食を通して得られる体験をお客様に楽しんで欲しいという想いから生まれた店舗です。そのうちの1店舗「Foods Park津田沼ビート店」は初の都市型店舗の位置づけですよね。

松田さん:Foods Parkというスタイルの店舗は現在16店舗まで拡大しています。特に津田沼ビート店の鮮魚売り場は川水産さまにテナントで入って頂いているのでお魚やお寿司がとても新鮮で種類が豊富です。さらに精肉コーナーは弊社のオリジナルのブランド牛「とろ牛」が人気です。

 肉質4等級以上の牛を1頭買いして仕入れているので色々な部位が揃います。店内加工のカットフルーツや季節のフルーツを使ったパフェ、クレープもお客様から大変人気が高いですね。今後も改装・新店などでFoods Parkを増やし進化を続けてまいります

――ベイシアは北関東を中心に展開しているスーパーということで、ほとんどの人が「うちの近くにはない」と思うはず。せっかく魅力をたくさん聞いたのだからうちの近くにもベイシアができないかな? と思ってしまったのですが……。

松田さん:今後も出店は継続していく予定です。現在、北は福島県から西は岐阜県まで北関東を中心に展開していますが、今後は東海地方や東京・神奈川にもさらに店舗を増やしていこうと検討しています。

――すぐに全国展開! というわけにはいきませんが、魅力的な品揃え&工夫と安さで消費者からの支持も熱いので、私たちの近くにもお店が出来る日は近いかもしれませんね。

<文/松本果歩>

【松本果歩】
インタビュー記事から食レポ記事までジャンル問わず執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA

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