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東大卒弁護士が“水着グラビア”に挑戦した意外なワケ「性的に見られたいという欲求も…」

女子SPA! 2024年8月18日 15時44分

 国内最高峰として、屈指の知名度を誇る東京大学。近頃ではクイズ番組やバラエティ番組を中心に、現役東大生や東大OB・OGのタレントが多く活躍。背負う看板が大きいからこそ、その発言や行動は、ときに世間で思わぬ波紋を巻き起こすことがあります。

 2020年度ミス東大で現在はタレントとしても活動する神谷明采さん(24歳)と、東大法学部を卒業し、弁護士兼コメンテーターとして活躍する三輪記子さん(47歳)。2人は過去に週刊誌でグラビアのページを飾り、世間の顰蹙(ひんしゅく)を買ったという共通の経験を持ちます。

◆グラビアを披露することを決めた東大生

――2023年12月、神谷さんが週刊誌『FRIDAY』誌上で水着グラビアに挑戦したことが、SNS上で大きな話題を呼びました。称賛の声もある一方、「東大行ってまでグラビアか」などの声も上がり、物議を醸しました。その10年前の2013年、三輪さんが『週刊プレイボーイ』でグラビアに挑戦したときも、2ちゃんねるやSNSで同じように批判の声が上がっています。今回、対談を行う前にそれぞれのグラビア記事を双方にお送りしましたが、それを見てお互いにどんな印象を持ちましたか。

三輪:神谷さんのグラビア写真、どれもすごく良かったです。ネット上の論争を見ていて感じたのは、世間がグラビアに向ける視線はこの10年間変わっていない、ということ。私のときは、「弁護士だったら普通グラビアはやらない」という論調で、とくに同業者から批判されることが多かったんです。

でも、それって弁護士を上に、グラビアを下に見るという発想ですよね。「弁護士」を「東大生」に言い換えても、構図は一緒。「東大生」が「グラビア」に挑戦すると話題になるのは、肩書や職業への観念的な序列があってこそだと思いました。

神谷:三輪さんのことは同じ大学の大先輩として認識していました。私もこんな身体に憧れます。自分がグラビアに出た時と比較して感じたのは、社会の変化ですね。

私のグラビアに対しては、おっしゃるように賛否両論ありましたが、中には「東大生が何やってもいいじゃん」というポジティブな声も一定数あったんです。これが10年前であれば否定の声の方がより大きかったのかもしれないなと、お話を伺って感じました。

◆グラビアに出たのは「売れるため」(神谷)vs「面白いから」(三輪)

――そもそもお2人はなぜグラビアに挑戦したのか、改めて経緯を教えてください。

三輪:弁護士になりたての頃、時間があったので『週刊プレイボーイ』誌上で連載されていたリリー・フランキーさんの人生相談に応募したところ、運良く採用されたんです。その時同席していた編集さんから声をかけていただき、グラビアに挑戦することになりました。

それまで女医でグラビアに出た人はいたけれど、弁護士はいなかったそうなんですね。そのグラビアがきっかけでテレビ番組に出演し、それを見ていた今の事務所の関係者から声をかけられ、メディアの活動を始めることになりました。

神谷:そんな急にグラビアって誘われるものなんですね。すごいです。私がグラビアをやったのは、はっきり言って「売れるため」です。ミス東大になった大学1年のときもグラビアのお誘いをいただいたんですが、当時は「過剰な露出はしたくない」という気持ちのほうが大きくて、断っていました。

ただ、その後は苦戦する時期が続きました。ミス東大として一度仕事に呼んでもらえても次につながっていかず、3年に上がった頃は俗に言う「2周目(の仕事)が来ない」状態になってしまった。それで「何でもやります」という姿勢で仕事を受けていくことにしました。

グラビアもその一環です。私にとってグラビアは「仕事」の側面が大きいのでお聞きしたいのですが、三輪さんは普段、どんな基準で仕事を選ばれてるんですか?

◆芸能活動の目的は「自己価値の最大化」(神谷)

三輪:グラビアに関していうなら、自分自身が弁護士として下着姿でプレイボーイに出ているところを想像したら、それだけで「面白い」と思ってしまって。現場でも脱ぎっぷりが良すぎて、「初めてなんですか」って驚かれたぐらいです。

神谷:面白いかどうか……(笑)。それで物事を選択できるのは、とても素敵なことですね。グラビアは、男性が女性を性的に消費するためのものという側面もあると思います。仕事への実益を抜きに、またグラビアのオファーを受けることがあれば、やりますか。

三輪: やります。私はシスジェンダー(割り当てられた性が女性で、性自認も女性)で、ヘテロセクシャル(異性愛者)というマジョリティ属性、男性から「性的に見られたい」という欲求も多少はあります。だけどそれよりも「攻撃は最大の防御なり」という発想の方が大きいです。男性から性的な視線に晒されるって、女性側からすると基本は受身じゃないですか。そういう選択権が自らの手元にないというような考え方が嫌なので、反転して能動的にしたいんです。性的客体ではなくて、自分自身が性的主体でいたいんですよね。

――三輪さんを知らない方のために補足しておくと、たとえば三輪さんの夫である作家・樋口毅宏さんの著書『おっぱいがほしい!』では、結婚後に街中で三輪さんの元セフレと遭遇したエピソードが紹介されていたり、独身時代は“性豪”だったことで知られています。

神谷:そうなんですね。私には、三輪さんのような欲求や発想は希薄かもしれません。普段の生活では、メイクもせず、スウェットで体型が出ないような地味な服を着てるんです。公の場で大勢の人から脚光を浴びること自体は好きなんですが、それと普段の生活とは切り離して考えていると思います。

三輪:それなら、神谷さんはどうして芸能活動をやっているんですか。

神谷:とくに学生のうちに、自分の価値を最大化するためです。芸能界は若さに重きが置かれがちなので、大女優にでもなれない限り、タレントとしての寿命は長くありません。それなら学生のうちに自分の能力をどこまで生かせるのか最大限試して、生きた証を世の中に残したい。その目標に照らしてメリットとデメリットを考えた上で、仕事を受けるか判断しています。その意味で、私は三輪さんより打算的かもしれません。

◆学業と芸能の「二足の草鞋」をなぜ履くのか?

――研究や起業の世界で、同じように「自己価値の最大化」を目指すという道もあるように思います。学業と芸能活動、あえて「二足の草鞋」を履いているのはなぜですか。

神谷:学業でも芸能でも、どちらの世界でも一番を目指したいという気持ちが大きいからです。社会に出て学ぶ経験は必要だと思うので、大学院修了後は民間企業への勤務も考えています。社会課題を解決するソーシャルアントレプレナー(社会起業家)にも惹かれますね。その上で、芸能で得た影響力を事業や会社に生かせるのなら、芸能活動を続けることを検討したい。仕事である以上は芸能にも絶対に手は抜かないと決めていますが、そういう意味では芸能以外の仕事ありきで考えている部分があります。三輪さんの場合、芸能活動をどう位置づけられていますか。

三輪:私の場合、1つには、日々の弁護士活動を通して感じていることを発信するという目的があります。今は離婚・不倫関連の案件や、犯罪被害者の案件などを担当しています。日々の案件に一つひとつ向き合う中で、共通して見える社会の課題や法制度の矛盾というものがある。それを言葉にして公共に投げかけることには、意義を感じています。

◆50歳でグラビアに再挑戦したい(三輪)

三輪:神谷さんがおっしゃるように、特に芸能界で女性は若さや美しさで判断されがちですが、それは本来おかしなこと。私は今年48歳ですが50歳になったらグラビアに再挑戦したいと思っていて。自分自身が体を張ることで、「グラビアに出られるのは若い女性だけ」という状況を変えていきたい。エイジズム(年齢差別)やルッキズム(外見至上主義)への自分なりの対抗です。

神谷:なるほど。芸能界は若さや美しさへの需要が大きいからこそ、参画して得られるリターンも大きいと、私自身は思っていました。

三輪:そうかぁ。そういう意味で言うと、私自身はリターンはあまり求めていません。報酬を一番に優先するならテレビに出ず、弁護士業に集中した方が合理的なのですよね。だけど現実には社会の至るところに問題を感じていて、そのことを訴えかけるチャンネルを持っていることは、お金に代えがたい価値がある。だからこそ、発信する仕事を続けています。

神谷:もし私が三輪さんの立場だったら「弁護士として価値を高める」という目的が最上位にあり、そのために何をするか、という考え方になっていたと思います。なので、グラビアもやっていなかったかもしれません。芸能活動を通じて得られた影響力を自分ではない、社会のために還元していくという考え方は、自分とは全然違うので新鮮ですね。

神谷明采(かみや・あさ)

2000年生まれ、埼玉県出身。2020年4月、東京大学文化Ⅱ類入学。「ミス東大コンテスト2020」グランプリ、「MISS OF MISS CAMPUS QUEEN CONTEST 2021」グランプリ。2024年4月、東京大学公共政策大学院経済政策コース進学。古舘プロジェクト所属

三輪記子(みわ・ふさこ)

1976年生まれ、京都府出身。東京大学法学部卒業、立命館大学法科大学院修了。2010年に弁護士登録。現在は「三輪記子の法律事務所」代表の傍ら、「newsおかえり」(朝日放送テレビ系列)、「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)などの番組でコメンテーターも務める

<撮影/山川修一>

【松岡瑛理】
一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部へ。博士課程まで進学したレアな経歴から、高学歴女子の生態に関心がある。Xアカウント:@osomatu_san

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