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“ミス東大史上最強の美女”が知った芸能活動の厳しさ…過激グラビアで物議を醸した東大OGからは「合格点が高すぎる」と直言

女子SPA! 2024年8月19日 15時44分

 現役東大院生タレント・神谷明采さんと、東大卒弁護士・三輪記子さんによる対談記事の後編をお届けします。ミスコン出場時は「ミス東大史上最強の美女」と呼ばれ、注目を集めた神谷さんですが、芸能界という戦場に足を踏み入れてからは、勝手の違いに戸惑いも感じているよう。東大女子タレントとしての今後の生存戦略について、三輪さんが一緒に考えました。

◆「理想に現実が追いつかない」神谷明采の葛藤

――神谷さんは今、芸能活動をする上でいろいろとお悩みを抱えられているそうですね。どんなことにつまずいているのか、よかったら教えていただけますか。

神谷:一言でいうと、経験と覚悟の不足です。東大のミスコンに出たのは知人に声をかけられたからで、正直言うと、それまで芸能活動に関心を抱いたことはありませんでした。前編でもお話した通り、今は学業だけでなく芸能活動も死ぬ気でやっていますが、芸能界には背水の陣で闘う覚悟を持った人たちが集まっています。

踏んできた場数も違う分、その中に一人でポンと放り込まれると、トークにしても撮影にしても、どう振舞っていいかがわからないんです。受験勉強は努力でカバーできますが、芸能は総合力が問われます。その厳しさは受験の比ではなく、「こうありたい」という理想に現実が追いつかなくて、歯がゆさを感じているというのが正直なところです。

三輪:私自身もテレビに出始めた頃は、思うように結果が出せず、悩んでいた時期がありました。神谷さんのお気持ちを理解できるからこそお伺いしたいのですが、「この人のような売れ方がしたい」と思うタレントさんはいますか。

最近は露出が減ってしまい名前をご存じないかもしれませんが、私が芸能活動を始めた頃は、女医の西川史子さんや、弁護士の大渕愛子さんがバラエティ番組で活躍されていたんです。なので私自身、お二人の立ち振る舞いは意識していました。

◆元HKT48・村重安奈を意識するワケ

神谷:それでいうと、お名前を挙げるのもおこがましいですが、小池栄子さんは理想だと思っています。はじめグラビアアイドルとしてスタートし、その後バラエティ番組で知名度を上げ、今は女優として活躍されています。私自身、今はお声がけいただいたお仕事を全力でさせていただき、そこできちんと結果を出すことができたら硬派な路線にシフトチェンジするのも一つの道かなと思っています。

あとは、元HKT48の村重安奈ちゃん。番組で共演する機会が多いんですが、自分の才能を生かして輝いている。自分も同じようになりたくて一歩前に出てみるけれど、かえって場を凍らせてたりして。そんなことの繰り返しなんです。

◆叩かれても続けたら、見える景色が変わった(三輪)

三輪:東大生の良いところでもあり悪いところもであると思うんですけど、お話を伺っていると、自分に対しての合格点が高過ぎる気がします。学生の間が勝負ということを強調されていましたが、長く物事を続けることも、行きたいところへ行くための近道だったりもします。

私自身、グラビアに出た当時は叩かれましたが、10年経って多少知名度が上がり、何かを聞きたいときにも教えてくれる人が周りに増えました。貯金や投資と一緒で、芸能活動も長く続けるほど、見返りは大きくなっていくものだと思いますよ。

神谷:ありがとうございます。10年間も仕事を続けられたのは素敵ですね。私の場合、突き詰めると、結局タレントとしての自分に自信が持てていないということなんだと思います。

◆学歴は時間が経っても衰えない価値を持っている

――神谷さんには神谷さんなりの、他のタレントとは違う個性があると思います。ご自身が思う「タレント・神谷明采」の武器って何でしょう。

神谷:「現役東大生」「若くて可愛い」「明るくてちょっとおバカ」。この3つですね。東大生は「賢い」とか「硬い」というイメージで見られることが多いですけど、私自身はひたすら明るくて、何ならちょっとバカっぽいことも言ったりするキャラクター。そのギャップを売り出せるといいのかな、と思ったりしています。

三輪:そうかぁ。ギャップはいいと思いますが、後ろの2つは他のタレントさんでも持っている人がいますよね。「東大」の要素をより前面に押し出して勝負する道は考えられませんか。若さや可愛さは加齢とともに失われるとも考えられますが、学歴は年を取っても消えません。

50歳を過ぎた政治家もいまだに「灘→東大」という経歴をアピールしていたりする。そんな風に学歴自体に価値があるかのように認識されていることにはおおいに問題があると思うのですが、ただ社会的には、学歴は時間が経っても衰えない価値を持っているとされていると思うんですよね。

神谷:それで言うと、今は大学院で経済政策を専攻しているので、そこで学んだことを社会のためにも使っていきたい。現代の若者としての意見と、大学院で得た知識を折衷して話すコメンテーターの仕事は、是非やってみたいです。ありがたいことに、最近では政治や経済をテーマとする番組に呼んでいただく機会も増えています。

◆東大は学費を上げるべきでない?

――お二人のコメント力をアピールする機会として、ここで一つ、時事ネタを振らせてください。5~7月にかけて、東大は学費の値上げをめぐってすごく揺れていましたよね。5月には大学側が授業料を年間約10万円引き上げる方向で検討していると報じられ、学内の討議プロセスを欠いていると一部学生が反発。安田講堂前には抗議のための「テント村」が設置されました。7月12日には大学側翌年度の入学者選抜要項を発表しましたが、学費値上げについては触れられず、11月までに結論を出すと説明されました。少し前の話題ではありますが、この問題をお2人はどうご覧になっていましたか。

三輪:私自身は、東大は学費を上げるべきでないと思ってます。どんな家庭に生まれてくるかは運の問題で、あらかじめ選ぶことはできません。所得の低い家庭の子どもでも国立大学には行けるようにしておかなければ、機会の不平等につながると感じます。

神谷:私は学費を上げる、もしくはゼロにするの二択だと思っています。物価が上がれば、他のものの値段も上がっていくというのは、経済学的に見てある意味当然のこと。でも今、日本経済は衰退しているし若年層も減っているので、教育にも投資をしなければいけない。東大には授業料減免や奨学金の制度がありますが、さらに拡充したり、学費の無償化を国に呼びかけていく。このどちらかだと思っています。

三輪:東大の学費値上げは「学生」対「大学」の構図で捉えられることが多いですが、そもそもは国からの運営費交付金が増えていないことに根本的な原因がある。だからみんなで国に「教育にお金をもっと出せ」と言っていくのが本筋だと考えています。

神谷:同感です。研究や経済イノベーションの基盤になるのが学費ですが、その額が元々小さいからこそ、日本の経済は今衰退している。だからこそ国は教育に対してもっと力を注ぐ必要があると思います。

◆「知性」という自己価値をこそ最大化すべき

――ご自身では「明るくておバカ」とおっしゃいますが、お話を伺っている限り、そんな印象は受けません。せっかくなので、今どんなことに興味があるのかアピールして行ってください。

神谷:今、興味があるのは医療政策ですね。コロナ禍では治療薬として「アビガン」の承認申請が行われたものの、効果が確認できないとして取り下げられたことがニュースになりました。医療分野における承認過程や意思決定を検証することで、経済発展の源であるイノベーションを加速させていきたいです。

――ありがとうございました。最後に今日の対談の感想を聞かせてください。

三輪:若くてキラキラしているけど、それだけでなく賢いことがビシバシ伝わってきました。知性は「若さ」「可愛さ」とは異なる、神谷さんならではの武器。そこを感じ悪くなく打ち出せれば、自然とファンも増えていくと思います。余計なお世話かもしれませんが、「知性」という自己価値をこそ最大化すべきだと思いましたね。心から応援しています。

神谷:私も含め、東大の肩書を使って活動する方はメリットを考えてそうしているのだと勝手に思い込んでいました。今日お話を伺って、純粋に「面白いから」というのが新鮮で。自分も本当はこうやって生きたいなと感じました。今日はどうもありがとうございました。

神谷明采(かみや・あさ)

2000年生まれ、埼玉県出身。2020年4月、東京大学文化Ⅱ類入学。「ミス東大コンテスト2020」グランプリ、「MISS OF MISS CAMPUS QUEEN CONTEST 2021」グランプリ。2024年4月、東京大学公共政策大学院経済政策コース進学。古舘プロジェクト所属

三輪記子(みわ・ふさこ)

1976年生まれ、京都府出身。東京大学法学部卒業、立命館大学法科大学院修了。2010年に弁護士登録。現在は「三輪記子の法律事務所」代表の傍ら、「newsおかえり」(朝日放送テレビ系列)、「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)などの番組でコメンテーターも務める

<撮影/山川修一>

【松岡瑛理】
一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部へ。博士課程まで進学したレアな経歴から、高学歴女子の生態に関心がある。Xアカウント:@osomatu_san

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