これまでに2シーズンが放送され、新シーズン始動も心待ちにされているABEMAのドキュメントバラエティ番組『愛のハイエナ』。
なかでも好評を博した企画といえば、俳優・山本裕典が本気で売れっ子ホストを目指し悪戦苦闘する『山本裕典、ホストになる』だが、もう一人の主役とも言うべき存在が山本の師匠でホスト指導者の“軍神”こと心湊一希(みなといつき)だ。
国語ドリルで読解力を鍛える独自のホスト教育や、人間力を磨く“軍神合宿”など斬新な指導法に加え、厳しくも愛のあるお叱りや的確なアドバイスは「理想の上司!」と絶賛されSNSでも話題に。同番組の大ヒットに貢献した。
『愛のハイエナ』は軍神とその周辺に何をもたらしたのか? 番組出演の反響や、軍神から見た山本裕典のポテンシャル、国語ドリルがなぜ“小3”向けなのか…etc。番組中でも気になったあれこれを改めて聞いてみた。
◆周りを輝かせるために自分は存在している
――以前からYouTubeチャンネル『エルコレ~歌舞伎超TV~』での活躍ぶりに注目が集まっていた軍神ですが、ABEMA『愛のハイエナ』出演で知名度が全国区に。反響はどんなところで感じていますか?
軍神:すごいですね。『Lillion』(リリオン:シーズン1の舞台にもなった軍神がプローデュースするホストクラブ)の前で記念撮影をされていく方もたくさんいらっしゃいますし、歌舞伎町を歩いているだけで「わ、軍神だ!」って言われるんで(笑)。先日、『Lillion』のキャストのノアと爆撃竜馬とYouTubeの撮影で某テーマパークに行ったんですけど、そのときも僕らと写真を撮るためだけに、わざわざチケットを買って入場したという方もいらっしゃったりして。
でも、何よりも嬉しいのは裕典くんという存在が輝いたことですね。彼の良さや面白さがちゃんと認知されたっていうところ。今すごいじゃないですか。
――『Lillion』からも“怒られくん”こと爆撃竜馬さんや代表のノアさんなど、人気者が生まれましたね。
軍神:ノアはそれ以前から『Lillion』のナンバー1ホストでしたけど、竜馬はYouTubeや『愛のハイエナ』でキャラクターが認知されてハネましたね。自分がプロデューサーとしてやっていることは周りを押し上げることなので嬉しい限りです。
面白い人っていっぱいいるんですよ。でも、メディアに出て周りに認知されなかったら面白いと評価されない。自分がやるべきことは面白い人たち、個性がある人たちをちゃんと有名にする、スターにさせてあげること。周りを輝かせるために自分がいるので。
◆いかにミスをしないかが人生を成功に導く
――『愛のハイエナ』では、山本裕典さんの接客を背後から監視する軍神の様子が恒例でしたが、あれはどういった心境から?
軍神:彼を絶対に売れさせようという気持ちでミスをチェックしていました。ホストは女の子に対して10個喜ぶことをしても、1個ミスをしたら帳消しになる職業なんです。せっかく良い流れができているのに余計な一言でバーンと落ちちゃう。与えられた時間は限られていたので、そのぶんベタ付きで修正点を徹底的に見ていました。指導者というのは、相手のミスを修正してあげることも大事な役目なので。普段からそういうところは見てますね。
――ホストって失敗が許されない職業なんですね。
軍神:いや、失敗とミスは違うので、失敗をするなということではないです。失敗は挑戦の結果ですがミスはうっかりやってしまうこと。失敗はむしろしたほうがいい。挑戦して失敗してその都度しっかり修正していけばミスを減らすことにつながるので。
――失敗とミスは違う。ホスト以外の方にも通じそうな考えですね。
軍神:そうですね。これは一般社会でも言えることだと思います。いかにミスをしないかが人生を成功に導くので。「成功しよう!」という意識を持つより、ミスを減らす思考のほうが戦には勝てますから。
『キングダム』という漫画で、春秋戦国時代が舞台であの時代に一番強かった王翦(おうせん)がなんで強いのか。それは彼が負ける戦をしなかったから。負けないこと、即ちミスをしないこと。そこが大切なんです。
◆読解をミスった時点ですべてが終わる
――山本裕典さんのホストとしてのポテンシャル、ホスト業にフルでコミットしたらどこまで昇れそうですか?
軍神:ポテンシャルはめちゃくちゃ高いです。毎月1,000万、年間1億2,000万は普通にいきます。これは全然余裕で。ここからどこまで上がるかは未知数。そこからは彼の努力しだいかなと。
――具体的にどんなところが優れているのでしょうか?
軍神:彼の何が優れているかといったら“読解力”なんです。言われたことをちゃんと理解して、修正ができる。あれは相当努力してきた人じゃないと身につかない。俳優業をしてきたなかで磨かれた部分なんじゃないかと思います。読書家ですしね。
――軍神の指導のなかでも“読解力”はキーワードですよね。ホスト力と人間力を磨く“軍神合宿”も、国語ドリルをさせる勉強法も読解力を磨くためですし。
軍神:すべての入り口は読解です。ここをミスったらすべてが終了する。読解力をつけることが最優先事項です。
コミュニケーションで言うと、『認識』と『疑問視』があってそのあと『読解』がくるんですよ。たとえばショートカットにした女性がいたとしたら、「髪の毛切ったんだ」が『認識』ですよね。そこで「なんで切ったんだろう」と考えることが『疑問視』。そこからが『読解』です。会話やしぐさ、状況、目に見えるすべてのことから読み解いて『思考』して、相手に『伝達・表現』をする。その繰り返しがコミュニケーションなので、読解の部分でミスると、その先の思考もミスってる。意味のわからないことを発言したり表現することになっちゃう。
◆なぜ小3の国語ドリルなのか?
軍神:『認識』『疑問視』『読解』これは仕事でも人間関係でもすべての場面に当てはまります。失敗を修正するときもこのステップ。『認識』までは、みんなあたり前にする、でもそこから疑問視して、なぜそうなったのかを読解するところまでしないと人は成長しない。だから売れないホストには国語ドリルで読解を勉強させているんです。
――国語ドリルである必要性は?
軍神:国語ドリルは感情や心象だけでなくて、風景から状況を読み解くといった幅広い訓練ができるんですよ。たとえば「学校のグラウンドがオレンジに染まっている。さて、これは何時頃でしょう」みたいな問題もあったりするので。人の感情以外の部分からも考える力をつけてくれるのが国語ドリルなんです。
――ちなみにドリルが小学3年生用なのはなぜですか?
軍神:社会人になってから小学3年生の国語ドリルをやってみると、3分の1の人が解けないらしいんですよ。なのでホストたちには、レベルを測るためにまずは小学校3年生からやらせています。
女子SPA!の読者の方であれば小学5年生あたりからやるといいと思います。「小学生レベルかよ!」と思うでしょうけど、意外とミスりますよ(笑)。自分は国語や読解は昔から強いほうなんですけど不正解ありましたからね。「え? コレどこのこと言ってんの?」って。問題文の読解をミスったりして。
――軍神もミスるんですね。
軍神:ミスりますよ! 決して頭が良い人間ではないので。むしろ頭が悪いから日々勉強してます。毎日ミスりそうで怖いから学習が必要なんです。
◆YouTubeの軸は「エンタメ×ドキュメンタリー×教育」
――軍神が大活躍しているメディアにYouTubeの『エルコレ~歌舞伎超TV~』がありますが、サブチャンネルの『裏・歌舞伎超TV』もスタートしてどちらも盛況。今後の展開や方向性は?
軍神:これまで『Lillion』をメインの舞台としてキャストや店舗の成長を追いかけてきましたが、『Lillion』というものがある程度、出来上がってきたのでそろそろ次のシーズンへ行く時期かなとは思っています。新たなキャラクターもどんどん登場させていきたいですね。
――『愛のハイエナ』でもホームとなっている『Lillion』ですが、2号店も準備中とのこと。開店はいつ頃でしょう?
軍神:8月オープン予定です。『Lillion』は「ホスト養成所」をコンセプトに教育に特化した店作りをしていましたが、2号店のコンセプトは「養成所×エンタメ」。教育と同時により一層メディアにも力を入れています。
自己啓発本の要約チャンネルや教育系のYouTubeってあるじゃないですか。その教育要素とドキュメントバラエティのミックスが『歌舞伎超TV』。エンタメ性があって面白い、尚且つ勉強にもなる。「エンタメ×ドキュメンタリー×教育」この軸は今後もブラさずにいきます。新店舗も加わってさらに盛り上がっていくので、楽しみにしていてください!
<取材・文/ささきみどり 撮影/瑞姫>
【ささきみどり】
ライター、インタビュアー。建築会社勤務後、出版社、編集プロダクションを経てフリーに。女性誌、ライフスタイルを中心に執筆。趣味は温冷浴とスクラッチキャットのぬい撮り。ぬいぐるみをさも生きている風に撮ることに命がけ。
Instagram:@midori6497
なかでも好評を博した企画といえば、俳優・山本裕典が本気で売れっ子ホストを目指し悪戦苦闘する『山本裕典、ホストになる』だが、もう一人の主役とも言うべき存在が山本の師匠でホスト指導者の“軍神”こと心湊一希(みなといつき)だ。
国語ドリルで読解力を鍛える独自のホスト教育や、人間力を磨く“軍神合宿”など斬新な指導法に加え、厳しくも愛のあるお叱りや的確なアドバイスは「理想の上司!」と絶賛されSNSでも話題に。同番組の大ヒットに貢献した。
『愛のハイエナ』は軍神とその周辺に何をもたらしたのか? 番組出演の反響や、軍神から見た山本裕典のポテンシャル、国語ドリルがなぜ“小3”向けなのか…etc。番組中でも気になったあれこれを改めて聞いてみた。
◆周りを輝かせるために自分は存在している
――以前からYouTubeチャンネル『エルコレ~歌舞伎超TV~』での活躍ぶりに注目が集まっていた軍神ですが、ABEMA『愛のハイエナ』出演で知名度が全国区に。反響はどんなところで感じていますか?
軍神:すごいですね。『Lillion』(リリオン:シーズン1の舞台にもなった軍神がプローデュースするホストクラブ)の前で記念撮影をされていく方もたくさんいらっしゃいますし、歌舞伎町を歩いているだけで「わ、軍神だ!」って言われるんで(笑)。先日、『Lillion』のキャストのノアと爆撃竜馬とYouTubeの撮影で某テーマパークに行ったんですけど、そのときも僕らと写真を撮るためだけに、わざわざチケットを買って入場したという方もいらっしゃったりして。
でも、何よりも嬉しいのは裕典くんという存在が輝いたことですね。彼の良さや面白さがちゃんと認知されたっていうところ。今すごいじゃないですか。
――『Lillion』からも“怒られくん”こと爆撃竜馬さんや代表のノアさんなど、人気者が生まれましたね。
軍神:ノアはそれ以前から『Lillion』のナンバー1ホストでしたけど、竜馬はYouTubeや『愛のハイエナ』でキャラクターが認知されてハネましたね。自分がプロデューサーとしてやっていることは周りを押し上げることなので嬉しい限りです。
面白い人っていっぱいいるんですよ。でも、メディアに出て周りに認知されなかったら面白いと評価されない。自分がやるべきことは面白い人たち、個性がある人たちをちゃんと有名にする、スターにさせてあげること。周りを輝かせるために自分がいるので。
◆いかにミスをしないかが人生を成功に導く
――『愛のハイエナ』では、山本裕典さんの接客を背後から監視する軍神の様子が恒例でしたが、あれはどういった心境から?
軍神:彼を絶対に売れさせようという気持ちでミスをチェックしていました。ホストは女の子に対して10個喜ぶことをしても、1個ミスをしたら帳消しになる職業なんです。せっかく良い流れができているのに余計な一言でバーンと落ちちゃう。与えられた時間は限られていたので、そのぶんベタ付きで修正点を徹底的に見ていました。指導者というのは、相手のミスを修正してあげることも大事な役目なので。普段からそういうところは見てますね。
――ホストって失敗が許されない職業なんですね。
軍神:いや、失敗とミスは違うので、失敗をするなということではないです。失敗は挑戦の結果ですがミスはうっかりやってしまうこと。失敗はむしろしたほうがいい。挑戦して失敗してその都度しっかり修正していけばミスを減らすことにつながるので。
――失敗とミスは違う。ホスト以外の方にも通じそうな考えですね。
軍神:そうですね。これは一般社会でも言えることだと思います。いかにミスをしないかが人生を成功に導くので。「成功しよう!」という意識を持つより、ミスを減らす思考のほうが戦には勝てますから。
『キングダム』という漫画で、春秋戦国時代が舞台であの時代に一番強かった王翦(おうせん)がなんで強いのか。それは彼が負ける戦をしなかったから。負けないこと、即ちミスをしないこと。そこが大切なんです。
◆読解をミスった時点ですべてが終わる
――山本裕典さんのホストとしてのポテンシャル、ホスト業にフルでコミットしたらどこまで昇れそうですか?
軍神:ポテンシャルはめちゃくちゃ高いです。毎月1,000万、年間1億2,000万は普通にいきます。これは全然余裕で。ここからどこまで上がるかは未知数。そこからは彼の努力しだいかなと。
――具体的にどんなところが優れているのでしょうか?
軍神:彼の何が優れているかといったら“読解力”なんです。言われたことをちゃんと理解して、修正ができる。あれは相当努力してきた人じゃないと身につかない。俳優業をしてきたなかで磨かれた部分なんじゃないかと思います。読書家ですしね。
――軍神の指導のなかでも“読解力”はキーワードですよね。ホスト力と人間力を磨く“軍神合宿”も、国語ドリルをさせる勉強法も読解力を磨くためですし。
軍神:すべての入り口は読解です。ここをミスったらすべてが終了する。読解力をつけることが最優先事項です。
コミュニケーションで言うと、『認識』と『疑問視』があってそのあと『読解』がくるんですよ。たとえばショートカットにした女性がいたとしたら、「髪の毛切ったんだ」が『認識』ですよね。そこで「なんで切ったんだろう」と考えることが『疑問視』。そこからが『読解』です。会話やしぐさ、状況、目に見えるすべてのことから読み解いて『思考』して、相手に『伝達・表現』をする。その繰り返しがコミュニケーションなので、読解の部分でミスると、その先の思考もミスってる。意味のわからないことを発言したり表現することになっちゃう。
◆なぜ小3の国語ドリルなのか?
軍神:『認識』『疑問視』『読解』これは仕事でも人間関係でもすべての場面に当てはまります。失敗を修正するときもこのステップ。『認識』までは、みんなあたり前にする、でもそこから疑問視して、なぜそうなったのかを読解するところまでしないと人は成長しない。だから売れないホストには国語ドリルで読解を勉強させているんです。
――国語ドリルである必要性は?
軍神:国語ドリルは感情や心象だけでなくて、風景から状況を読み解くといった幅広い訓練ができるんですよ。たとえば「学校のグラウンドがオレンジに染まっている。さて、これは何時頃でしょう」みたいな問題もあったりするので。人の感情以外の部分からも考える力をつけてくれるのが国語ドリルなんです。
――ちなみにドリルが小学3年生用なのはなぜですか?
軍神:社会人になってから小学3年生の国語ドリルをやってみると、3分の1の人が解けないらしいんですよ。なのでホストたちには、レベルを測るためにまずは小学校3年生からやらせています。
女子SPA!の読者の方であれば小学5年生あたりからやるといいと思います。「小学生レベルかよ!」と思うでしょうけど、意外とミスりますよ(笑)。自分は国語や読解は昔から強いほうなんですけど不正解ありましたからね。「え? コレどこのこと言ってんの?」って。問題文の読解をミスったりして。
――軍神もミスるんですね。
軍神:ミスりますよ! 決して頭が良い人間ではないので。むしろ頭が悪いから日々勉強してます。毎日ミスりそうで怖いから学習が必要なんです。
◆YouTubeの軸は「エンタメ×ドキュメンタリー×教育」
――軍神が大活躍しているメディアにYouTubeの『エルコレ~歌舞伎超TV~』がありますが、サブチャンネルの『裏・歌舞伎超TV』もスタートしてどちらも盛況。今後の展開や方向性は?
軍神:これまで『Lillion』をメインの舞台としてキャストや店舗の成長を追いかけてきましたが、『Lillion』というものがある程度、出来上がってきたのでそろそろ次のシーズンへ行く時期かなとは思っています。新たなキャラクターもどんどん登場させていきたいですね。
――『愛のハイエナ』でもホームとなっている『Lillion』ですが、2号店も準備中とのこと。開店はいつ頃でしょう?
軍神:8月オープン予定です。『Lillion』は「ホスト養成所」をコンセプトに教育に特化した店作りをしていましたが、2号店のコンセプトは「養成所×エンタメ」。教育と同時により一層メディアにも力を入れています。
自己啓発本の要約チャンネルや教育系のYouTubeってあるじゃないですか。その教育要素とドキュメントバラエティのミックスが『歌舞伎超TV』。エンタメ性があって面白い、尚且つ勉強にもなる。「エンタメ×ドキュメンタリー×教育」この軸は今後もブラさずにいきます。新店舗も加わってさらに盛り上がっていくので、楽しみにしていてください!
<取材・文/ささきみどり 撮影/瑞姫>
【ささきみどり】
ライター、インタビュアー。建築会社勤務後、出版社、編集プロダクションを経てフリーに。女性誌、ライフスタイルを中心に執筆。趣味は温冷浴とスクラッチキャットのぬい撮り。ぬいぐるみをさも生きている風に撮ることに命がけ。
Instagram:@midori6497