女性同士の世界には、ドラマの世界にしかいなさそうなおかしな人がリアルに存在するのがすごいところ。
東野ゆきさん(仮名・38歳)は、幼稚園の保護者会で、娘と同じクラスのママと友人に。これが恐怖体験に繋がるとは……。
◆出会いは、いわゆる普通のママ友だった
「とても感じの良いママで、あまり知り合いがいないわたしにも、とても親切にしてくれました。子ども同士も仲が良いので、休日、一緒に子連れで出かけたりと楽しい日々を過ごしていました」
ですが、一緒に出掛けるうちに、なんとなく違和感が生まれます。東野さんが持っている物とまったく同じものを持っていることが徐々に増えていくのです。
「最初、わたしがしていたネックレスと同じものを彼女がしていることに気づいたんです。その時は疑問にも思わず『あれ、わたしもそれと同じの持ってるよ』というと彼女は『えー、そうなんだぁ。知らなかった』と言ったので偶然かと思っていました。趣味が合うなぁと思った記憶があります」
◆また同じ?ジワる恐怖感
その後もよく一緒に出掛けることがありましたが、会うたびに、東野さんが持っていたものと同じものを身に着けていることが増えていきます。
「わたしが気に入って購入したスマホケースも、次回会ったときに同じものになっていました。結構クセの強いケースなのですぐわかるんです。別に同じでも構わないのですが、同じものを買うなら一応『お揃いにしてもいい?』とか聞いてくれたらいいんですけど、ノーコメント。それどころかわたしがスマホケースのことを言うと『え、そうなの?』と知らん顔。スマホケースがお揃いなんて気づかないはずないと思うんですけどね」
なんだか不気味な気持ちになりながらも、悪いことをしているわけではないので何も言えないまま過ごしていたある日、今度は娘が妙なことを言いました。
◆魔の手は子どもにまで…
幼稚園から帰ってきた娘が「ねぇ、Aちゃんのお弁当箱、わたしとお揃いだったよ~。」娘は特に何も思わなかったようですが、東野さんは娘が好きなキャラクターのお弁当箱で揃えていて、Aちゃんはそのキャラクターが好きではないと聞いていたのでやはりママの顔が浮かびます。
なんで娘の持ち物までお揃いにするのか気味が悪くなり、急いで娘のお弁当箱と自分のスマホケースを変えたという東野さん。
「確証もないので『マネしないで』とも言えないし、マネしたからといって犯罪なわけでもない。だけどなんだか無言であれこれ同じものを持たれると不気味ですよね。その後も会うたびに、ポーチやハンカチなど、お揃いの持ち物が増えていきました。なんともいえない嫌な感じがするので、少しずつ距離を置くことにしました」
仕事を始めたことにして、ママ友との約束もやんわりと断り、娘には影響が出ないようにしつつ、できるだけ会わないように努めたという東野さん。そうこうするうちに年度が変わってクラス替え。Aちゃんとは別のクラスになりホッとしたそうです。
◆ターゲットを決めるママ友
その後、新しいクラスのママからAちゃんのママの話を耳にします。なんでもAちゃんママは「ターゲット」を決めると徹底的にそのママの真似をしてなり切ろうとするんだそうです。
「わたしの前にもターゲットになったママがいたそうですが、あれこれ真似されてうんざりし、ついには転園してしまったのだそうです。何かものすごく悪いことをしているわけではなく、静かに追い詰められる感じが気持ち悪いです」
おそらく自分に自信がなく、誰かの真似をすることで安心したいという気持ちの表れでしょうが、それにしても薄気味悪い行動。はっきりとNOも言いにくいママ、ターゲットになったと感じたらやんわりと逃げ切るしか策はなさそうです。
<文/塩辛いか乃>
【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
東野ゆきさん(仮名・38歳)は、幼稚園の保護者会で、娘と同じクラスのママと友人に。これが恐怖体験に繋がるとは……。
◆出会いは、いわゆる普通のママ友だった
「とても感じの良いママで、あまり知り合いがいないわたしにも、とても親切にしてくれました。子ども同士も仲が良いので、休日、一緒に子連れで出かけたりと楽しい日々を過ごしていました」
ですが、一緒に出掛けるうちに、なんとなく違和感が生まれます。東野さんが持っている物とまったく同じものを持っていることが徐々に増えていくのです。
「最初、わたしがしていたネックレスと同じものを彼女がしていることに気づいたんです。その時は疑問にも思わず『あれ、わたしもそれと同じの持ってるよ』というと彼女は『えー、そうなんだぁ。知らなかった』と言ったので偶然かと思っていました。趣味が合うなぁと思った記憶があります」
◆また同じ?ジワる恐怖感
その後もよく一緒に出掛けることがありましたが、会うたびに、東野さんが持っていたものと同じものを身に着けていることが増えていきます。
「わたしが気に入って購入したスマホケースも、次回会ったときに同じものになっていました。結構クセの強いケースなのですぐわかるんです。別に同じでも構わないのですが、同じものを買うなら一応『お揃いにしてもいい?』とか聞いてくれたらいいんですけど、ノーコメント。それどころかわたしがスマホケースのことを言うと『え、そうなの?』と知らん顔。スマホケースがお揃いなんて気づかないはずないと思うんですけどね」
なんだか不気味な気持ちになりながらも、悪いことをしているわけではないので何も言えないまま過ごしていたある日、今度は娘が妙なことを言いました。
◆魔の手は子どもにまで…
幼稚園から帰ってきた娘が「ねぇ、Aちゃんのお弁当箱、わたしとお揃いだったよ~。」娘は特に何も思わなかったようですが、東野さんは娘が好きなキャラクターのお弁当箱で揃えていて、Aちゃんはそのキャラクターが好きではないと聞いていたのでやはりママの顔が浮かびます。
なんで娘の持ち物までお揃いにするのか気味が悪くなり、急いで娘のお弁当箱と自分のスマホケースを変えたという東野さん。
「確証もないので『マネしないで』とも言えないし、マネしたからといって犯罪なわけでもない。だけどなんだか無言であれこれ同じものを持たれると不気味ですよね。その後も会うたびに、ポーチやハンカチなど、お揃いの持ち物が増えていきました。なんともいえない嫌な感じがするので、少しずつ距離を置くことにしました」
仕事を始めたことにして、ママ友との約束もやんわりと断り、娘には影響が出ないようにしつつ、できるだけ会わないように努めたという東野さん。そうこうするうちに年度が変わってクラス替え。Aちゃんとは別のクラスになりホッとしたそうです。
◆ターゲットを決めるママ友
その後、新しいクラスのママからAちゃんのママの話を耳にします。なんでもAちゃんママは「ターゲット」を決めると徹底的にそのママの真似をしてなり切ろうとするんだそうです。
「わたしの前にもターゲットになったママがいたそうですが、あれこれ真似されてうんざりし、ついには転園してしまったのだそうです。何かものすごく悪いことをしているわけではなく、静かに追い詰められる感じが気持ち悪いです」
おそらく自分に自信がなく、誰かの真似をすることで安心したいという気持ちの表れでしょうが、それにしても薄気味悪い行動。はっきりとNOも言いにくいママ、ターゲットになったと感じたらやんわりと逃げ切るしか策はなさそうです。
<文/塩辛いか乃>
【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako