女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2021年8月11日 記事は取材時の状況)
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誰に気を遣うこともなく自由に自然を満喫できる、“ソロキャンプ”が一大ブームを巻き起こし、今も大きな話題を集めています。女性一人でキャンプを満喫するソロキャンパーも珍しくありません。
ちなみに、山梨周辺を舞台に、アウトドアにハマる女子高生たちのゆるやかな日常を描いた『ゆるキャン△』(あfろ・著/芳文社刊)も、世代や性別を問わず大人気。ソロキャンプブームの要因になっています。
◆明け方まで爆音&ドンチャン騒ぎ! もう耐えられない
そんな人気のソロキャンプですが、「4年ほど前からソロキャンパーになった」という井上涼香さん(仮名・30歳)は、最近キャンプ場で“ある悩み”を抱えることが多いそうです。
「その悩みとはズバリ、騒音です。夜中の12時を回っても大声で酒盛りをしていたり、爆音のスピーカーで音楽をガンガンかけて騒いでいる人も結構いるんです。中には明け方までドンチャン騒ぎをしているグループもいました。盛り上がるのは良いのですが、騒ぐ時間帯だけは考えて欲しくて。テントの中にこもっても、まるでカラオケの同じ部屋にいるかのような爆音に悩まされ、ストレスだけ溜めて帰ることも過去に数回ありました」
井上さんのように、日々の喧騒から離れて自然の中でゆったり過ごしたいタイプもいれば、仲間とワイワイ盛りあがりたい人もいることでしょう。しかし、夜通し爆音で音楽をかけたり、大声をあげて酒盛りをするのは少しやりすぎかもしれません。
◆コロナ禍でたまったうっぷんをキャンプ場で発散?
「そうそう、ワイワイ盛り上がりたい人たちに文句を言いたいわけではないんです。ただ、最近コロナ禍でみなさんうっぷんがたまっているのか、キャンプ場で周りの迷惑をかえりみず、思いっきり騒ぐ人が増えているなあって……。
キャンプ場によっては『〇時消灯』とか『〇時以降火気厳禁』と決められたルールもあるんです。でも騒ぎたいだけの人たちは一切無視。管理人さんも常駐しているところは少ないので、やりたい放題です。せっかく楽しんでいるところ邪魔もしたくないし、でもうるさいし……。いつも注意しようかやめようか、悩みまくって結構しんどいです(笑)」
「自粛続きですし、親しい仲間と集まったら騒ぎたくなる気持ちもすごくわかるんですよ」と井上さん。ただ、自分のテントを複数のグループがぐるりと囲むような配置になり、四方八方から立体的に聴こえる“ドンチャン騒ぎのサラウンド状態”に陥ったこともあるとか。それはけっこう過酷そう……。
◆ナンパ男や“教え魔おじさん”の存在もキツい
そんな井上さん、最近では騒音や人ごみを避けるため、平日に休みをとったり、知る人ぞ知るような地方のキャンプ場を選んで訪れることに。これでやっと静かに自然を満喫できる……と思いきや、また新たなトラブルに見舞われます。
「しつこいナンパや、“教え魔”おじさんの対応がとにかく大変なんです。頼んでもないのに焚火やテントの張り方を教えようとしてきたり……。基本的に、キャンパー同士のほどよい交流はすごく楽しいです。でも、近寄ってくる圧がどうしても強いと、相手をするだけでぐったりしちゃう。街なら逃げられますが、キャンプではそこにテントを張っているので逃げ場がありません」
自分の知識や経験を「誰かに教えたい」「披露したい」と、求めていないのにアドバイスをしてくる、迷惑な善意の持ち主・“教え魔”。なんでも、あるボウリング場に「STOP! 教え魔」というポスターが貼られ、それを朝のワイドショーが取り上げたことで言葉が浸透したのだとか。勝手にアドバイスをして初心者が困ってしまい、やがてボウリング場に来なくなってしまうという例が多発していたのです。
◆自由にソロキャンプを楽しみたいのに
「教えられる方は断りづらいですもん。でも貴重な時間を取られるのもいやだし、適当に合わせて気に入られてしまい、ナンパに発展するのもどうしても避けたい。だから私は多少気まずくなっても、『すみません今日は我流でやってみたいんです』とか、『失敗しながら覚えま~す!』とハッキリ意思を伝えるようにしています。自由にソロキャンプを楽しみたいので、知らないオジサンへの気遣いは今は必要ないかなって(笑)」
当たり障りのないように合わせたり、愛想笑いしたりするのは逆効果です。自分の時間を楽しみたいのなら、ハッキリとした意思表示が何よりも有効です。とは言え逃げ場がない場所なので、相手を刺激するような失礼すぎる言葉遣いはやめまておきしょう。
◆自分の時間は自分で守る! トラブル回避テクニック
このように、なにかとトラブルも多い女性のソロキャンプ事情。井上さんは、自分なりのトラブル回避術をいくつも用意しているそうです。
「まず、基本ですがテントには鍵をつける。キャンプ場によってはトイレや駐車場が離れているので、無防備になりますからね。チャック部分に連結させるように、ワイヤーの鍵がお勧めです。万全ではないですが、ないよりマシです。
それと、防犯ブザーも必須です。私も万が一のために、100円ショップのものを2つ持ち歩いています。あとは、“一人で来ていることをごまかすグッズ”など。テントの前に男物のスニーカーを置いたり、テントの中でラジオを付けっぱなしにしたり。あとは、テンションが上っても、SNSなどに『〇〇キャンプ場で、ソロキャンプ中♪』とか、不特定多数に情報をばらまかない。これ、意外とうっかり書き込んでしまうことも多いので、要注意です」
◆思いやりだけは欠かさず、キャンプを楽しもう!
「中には『そこまでしてソロキャンプしたくない』と思われる方もいるかもしれませんが、念には念を。なにでストレス発散をするか、日々の疲れから回復できるかは人それぞれですよね。私はソロキャンプで、自分を全力で甘やかす。これが最高の回復法です。だからそんな大切な時間を守るためなら、苦にならないんです」
ブームになることでトラブルも増えますが、「キャンプの楽しさを共感してもらえる、キャンパー仲間が増えることは純粋に嬉しい」という井上さん。自然の中でみんながエネルギーを補給できるよう、思いやりだけは欠かさないようにしたいですね。
<取材・文/赤山ひかる イラスト/朝倉千夏>
【赤山ひかる】
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。
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誰に気を遣うこともなく自由に自然を満喫できる、“ソロキャンプ”が一大ブームを巻き起こし、今も大きな話題を集めています。女性一人でキャンプを満喫するソロキャンパーも珍しくありません。
ちなみに、山梨周辺を舞台に、アウトドアにハマる女子高生たちのゆるやかな日常を描いた『ゆるキャン△』(あfろ・著/芳文社刊)も、世代や性別を問わず大人気。ソロキャンプブームの要因になっています。
◆明け方まで爆音&ドンチャン騒ぎ! もう耐えられない
そんな人気のソロキャンプですが、「4年ほど前からソロキャンパーになった」という井上涼香さん(仮名・30歳)は、最近キャンプ場で“ある悩み”を抱えることが多いそうです。
「その悩みとはズバリ、騒音です。夜中の12時を回っても大声で酒盛りをしていたり、爆音のスピーカーで音楽をガンガンかけて騒いでいる人も結構いるんです。中には明け方までドンチャン騒ぎをしているグループもいました。盛り上がるのは良いのですが、騒ぐ時間帯だけは考えて欲しくて。テントの中にこもっても、まるでカラオケの同じ部屋にいるかのような爆音に悩まされ、ストレスだけ溜めて帰ることも過去に数回ありました」
井上さんのように、日々の喧騒から離れて自然の中でゆったり過ごしたいタイプもいれば、仲間とワイワイ盛りあがりたい人もいることでしょう。しかし、夜通し爆音で音楽をかけたり、大声をあげて酒盛りをするのは少しやりすぎかもしれません。
◆コロナ禍でたまったうっぷんをキャンプ場で発散?
「そうそう、ワイワイ盛り上がりたい人たちに文句を言いたいわけではないんです。ただ、最近コロナ禍でみなさんうっぷんがたまっているのか、キャンプ場で周りの迷惑をかえりみず、思いっきり騒ぐ人が増えているなあって……。
キャンプ場によっては『〇時消灯』とか『〇時以降火気厳禁』と決められたルールもあるんです。でも騒ぎたいだけの人たちは一切無視。管理人さんも常駐しているところは少ないので、やりたい放題です。せっかく楽しんでいるところ邪魔もしたくないし、でもうるさいし……。いつも注意しようかやめようか、悩みまくって結構しんどいです(笑)」
「自粛続きですし、親しい仲間と集まったら騒ぎたくなる気持ちもすごくわかるんですよ」と井上さん。ただ、自分のテントを複数のグループがぐるりと囲むような配置になり、四方八方から立体的に聴こえる“ドンチャン騒ぎのサラウンド状態”に陥ったこともあるとか。それはけっこう過酷そう……。
◆ナンパ男や“教え魔おじさん”の存在もキツい
そんな井上さん、最近では騒音や人ごみを避けるため、平日に休みをとったり、知る人ぞ知るような地方のキャンプ場を選んで訪れることに。これでやっと静かに自然を満喫できる……と思いきや、また新たなトラブルに見舞われます。
「しつこいナンパや、“教え魔”おじさんの対応がとにかく大変なんです。頼んでもないのに焚火やテントの張り方を教えようとしてきたり……。基本的に、キャンパー同士のほどよい交流はすごく楽しいです。でも、近寄ってくる圧がどうしても強いと、相手をするだけでぐったりしちゃう。街なら逃げられますが、キャンプではそこにテントを張っているので逃げ場がありません」
自分の知識や経験を「誰かに教えたい」「披露したい」と、求めていないのにアドバイスをしてくる、迷惑な善意の持ち主・“教え魔”。なんでも、あるボウリング場に「STOP! 教え魔」というポスターが貼られ、それを朝のワイドショーが取り上げたことで言葉が浸透したのだとか。勝手にアドバイスをして初心者が困ってしまい、やがてボウリング場に来なくなってしまうという例が多発していたのです。
◆自由にソロキャンプを楽しみたいのに
「教えられる方は断りづらいですもん。でも貴重な時間を取られるのもいやだし、適当に合わせて気に入られてしまい、ナンパに発展するのもどうしても避けたい。だから私は多少気まずくなっても、『すみません今日は我流でやってみたいんです』とか、『失敗しながら覚えま~す!』とハッキリ意思を伝えるようにしています。自由にソロキャンプを楽しみたいので、知らないオジサンへの気遣いは今は必要ないかなって(笑)」
当たり障りのないように合わせたり、愛想笑いしたりするのは逆効果です。自分の時間を楽しみたいのなら、ハッキリとした意思表示が何よりも有効です。とは言え逃げ場がない場所なので、相手を刺激するような失礼すぎる言葉遣いはやめまておきしょう。
◆自分の時間は自分で守る! トラブル回避テクニック
このように、なにかとトラブルも多い女性のソロキャンプ事情。井上さんは、自分なりのトラブル回避術をいくつも用意しているそうです。
「まず、基本ですがテントには鍵をつける。キャンプ場によってはトイレや駐車場が離れているので、無防備になりますからね。チャック部分に連結させるように、ワイヤーの鍵がお勧めです。万全ではないですが、ないよりマシです。
それと、防犯ブザーも必須です。私も万が一のために、100円ショップのものを2つ持ち歩いています。あとは、“一人で来ていることをごまかすグッズ”など。テントの前に男物のスニーカーを置いたり、テントの中でラジオを付けっぱなしにしたり。あとは、テンションが上っても、SNSなどに『〇〇キャンプ場で、ソロキャンプ中♪』とか、不特定多数に情報をばらまかない。これ、意外とうっかり書き込んでしまうことも多いので、要注意です」
◆思いやりだけは欠かさず、キャンプを楽しもう!
「中には『そこまでしてソロキャンプしたくない』と思われる方もいるかもしれませんが、念には念を。なにでストレス発散をするか、日々の疲れから回復できるかは人それぞれですよね。私はソロキャンプで、自分を全力で甘やかす。これが最高の回復法です。だからそんな大切な時間を守るためなら、苦にならないんです」
ブームになることでトラブルも増えますが、「キャンプの楽しさを共感してもらえる、キャンパー仲間が増えることは純粋に嬉しい」という井上さん。自然の中でみんながエネルギーを補給できるよう、思いやりだけは欠かさないようにしたいですね。
<取材・文/赤山ひかる イラスト/朝倉千夏>
【赤山ひかる】
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。