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連ドラに出演するたびに“若返って”いる?『VIVANT』ブレイク女優のエモ演技がヤバすぎる!

女子SPA! 2024年9月3日 15時46分

社会現象級の考察ブームを巻き起こした出世作から早1年。それから連ドラに出演するたびに“若返って”いるのが飯沼愛さんです。

今回は年間・約100本寄稿するドラマ批評コラム連載を持つ筆者が、飯沼愛さんの魅力に迫っていきます。

◆『VIVANT』で社会人を演じるも現在は女子高生役

現在21歳の飯沼さんは、2021年放送のオーディション番組『TBSスター育成プロジェクト「私が女優になる日_』(TBS系)で、9000人の応募者のなかから1位を獲得した逸材。同年の深夜ドラマ『この初恋はフィクションです』(TBS系)で主演してドラマデビューを果たし、2022年にも深夜ドラマ『パパとムスメの7日間』(TBS系)で主演するなど、キャリアを積んでいました。

そんな彼女が一躍脚光を浴び、知名度を爆上げしたのが昨年7月期放送の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)。堺雅人さんや阿部寛さんといった“役者日本代表”といった猛者たちのなかで、表向きは商社勤務のOLながら裏の顔は天才ハッカーというキャラを熱演したのです。

『VIVANT』の次クールで放送された『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)では、真面目な女子大生としてレギュラー出演し、明るくポップなラブコメに彩りを添えていました。

そして今クールの『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)にて、満を持してGP(ゴールデン・プライム)帯ドラマで初主演を飾っているのです。

ちょっとおもしろいのが、彼女がブレイクしたきっかけとなった『VIVANT』以降の役どころ。『VIVANT』では社会人、『マイ・セカンド・アオハル』では大学生、『南くんが恋人!?』では高校生と、演じるキャラクターがどんどん若返っているのです。

◆『南くんの恋人』リメイク作でGP帯ドラマ初主演

『南くんが恋人!?』は不朽の名作『南くんの恋人』の最新リメイク作。1987年発売の漫画が原作で、今回が5度目の実写化です。テレ朝だけでも今回が3度目で、1994年に高橋由美子さん×武田真治さん、2004年に深田恭子さん×二宮和也さんで連ドラ化しています。

今作は主人公・堀切ちよみ役に飯沼さん、小さくなってしまう彼氏・南浩之役にFANTASTICS・八木勇征さんを起用。

ある日突然、恋人が15cmの手のひらサイズに縮んでしまうというラブコメディで、小人のようになってしまった恋人の存在を隠しながら、同居生活を送るというハラハラ・ドキドキのストーリーが魅力。これまでは彼女のほうが小さくなっていましたが、今作は男女逆転バージョンということで、彼氏が小さくなってしまうというアレンジが加えられています。

余談ですが、1994年版『南くんの恋人』で南を演じた武田真治さんが、本作でちよみの父親役として出演中。世界観も役柄も異なるものの、武田さん演じるキャラが、ちよみにやさしい目で語りかける姿が琴線に触れる往年のファンは少なくないでしょう。なんとも粋なキャスティングです。

◆幸せ絶頂の“陽”の演技と悲しみの“陰”の演技

飯沼さんはちよみ役をみずみずしいフレッシュさで表現しており、ノスタルジーが香る甘酸っぱい作風とマッチ。エモすぎる演技を連発しています。

特に8月27日放送の第6話は、幸せ絶頂の“陽”の演技と悲しみの“陰”の演技の対比が秀逸でした。

第6話では、南が小さくならなかった世界線のIFエピソードが長尺で描かれます。そこで初めて二人でホテルに行き、関係を持つ前に「あのね南くん。私は、ずっと南くんのこと好きな自信、あるから」と宣言。ピュアな少女が“大人の階段”を登る直前の決意表明に、じんわりと胸を打たれます。

IFエピソードが終了して現実に戻ると、小さな南がちよみを突き放すような発言を連発。自身が実はもう死んでいるという結論に至っていた南が、自分がいなくなった後のちよみを想って自立させるために投げかけた言葉でした。

南の言動に悲しみながら反論する表情や、「俺はもう死んでるんだよ」と告白され、その言葉の意味を受け止めきれずに茫然自失する表情は、狂おしいほどに切ないのです。

◆“南くん死亡説”は逆にハッピーエンドフラグ?

9000人のオーディションから選ばれた演技力をいかんなく発揮し、陰陽の表情で視聴者を物語に没入させる飯沼さん。迫りくる最終回がどうなるか、気になって仕方ありません。

個人的には、劇中の“南くん死亡説”は逆にハッピーエンドフラグなのではと予想しています。ここまで彼がすでに亡くなっているのだとちよみや視聴者に刷り込んでおいて、ラストで消え去ることなく、ちよみと末長く幸せになるというエンディングを迎える。

――飯沼さんのエモすぎる演技を観ていると、そんな幸福な結末を祈らざるを得ないのです。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。

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