【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.154】
猫の性格には毛色ごとに特徴があり、サビ猫は「穏やかで愛情深い性格」と紹介されていることが多いものです。しかし、自らを「猫のパシリ」と自称するあぁ猫さん(@tokopoko2)の愛猫フミちゃんは真逆の性格。
「失敗したり思い通りにならなかったりすると、すぐに怒ります。よく言えば、ツンデレと言えなくもないです(笑)」
◆友人からの連絡で貰い手が見つからなかったサビ子猫をお迎え
3匹の猫、1匹の犬と暮らしていた飼い主さんはある日、友人から「猫をもう1匹飼わない?」と連絡を受けました。
詳細を聞くと、友人がお世話になっているお店のオーナーがゴミ捨て場の近くで生後1ヶ月ほどの子猫を6匹ほど保護し、サビ猫だけ貰い手が見つからなかったそう。昔、サビ猫と暮らした経験があった飼い主さんは家族に相談し、一度対面することにしました。
「初めて迎えた猫がサビ猫だったんです。賢くて優しく、協調性があり、よく言われるサビ猫の特徴を網羅したような子でした」
初対面の時、フミちゃんは顔を突っ込みながら子猫用フードをムシャムシャ。抱きあげると物怖じせず、元気な様子でした。
飼い主さんは、フミちゃんをお迎えしようと決意。肝が据わっていたフミちゃんは先住猫や先住犬に全くも怯えず。しばらくケージで過ごしてもらうことにしましたが、力強く鳴き、自己主張をし始めました。
「当時の私は、おや……サビ猫ってこんな感じだったかな?と、首をかしげました(笑)」
◆キレることで人間を自由に操る“知的にゃんこ”に成長!
部屋を自由に探索できるようになると、フミちゃんはますます自由奔放に。
入ってはいけない部屋に侵入した時や他猫へのちょっかいを止められた時には激怒。思い通りにならないことがあると、家族に八つ当たりするようになりました。
その様子を見た飼い主さんはフミちゃんが快適に暮らせるよう、できる限り配慮をしました。「お水の器が気分と違う」と怒る時には様々な器でお水を用意。フードに不満を感じている時には猫用のかつおぶしを混ぜるなど、まさに至れり尽くせりな生活を送ってもらったのです。
◆「自分がキレる=人間が言うことを聞く」と学んでしまい!?
「かわいく鳴いておねだりされても同じように甘やかしたと思いますが、なぜか彼女は最初から『要求は強気で』という姿勢だったので、素直に受け入れ続けました」
すると、フミちゃんの頭には「自分がキレる=人間が言うことを聞く」という、まさかの方程式が完成! 次第に「強くキレる=人間は早く言うことを聞く」、「とりあえずキレる=なんかもらえる」という応用技も使うようにもなっていきました。
「本気で嫌なことがあって怒っている時や怯えている時とは違って、キレている時は威嚇をしながらも尻尾や足取りがご機嫌な時も多い。だから、こういうコミュニケーションを望む猫なんだと思っています」
◆「尻尾がぶつかった」など理不尽な怒りを向けられる日常
何か要求を通したい時や失敗をごまかしたい時、他の猫に負けて自信を取り戻したい時、あくびのついでなど、フミちゃんがキレる場面は多種多様。
「尻尾の先がぶつかった」や「道を譲らなかった」など、当たり屋のようにキレられることもあるため、飼い主さんは理不尽さを感じつつも謝罪をし、慰謝料代わりのドライササミを貢いでいます。
ちなみに以前、妹さんが遊びに来た時にもフミちゃんの八つ当たりは炸裂。いつものようにオヤツを貰うため妹さんにキレにいくも、「怒っても何もあげない」と言われてしまい、フミちゃんは大ショック。
何も貰えなかったことにガッカリし、飼い主さんのもとで怒りを大爆発させたのだとか。独特なフミちゃんの感情表現はどこか不器用で、愛しくなります。
◆怒りんぼ猫がデレる瞬間が愛おしい
そんなキレ味鋭いフミちゃんですが、一緒に寝たがったりドライフードを一粒ずつ食べさせてほしがったりと、日常の中ではデレる瞬間もあるよう。
飼い主さんの入浴後にはなぜかご機嫌になり、体が乾くまでの1~2分間のみ甘えてきます。
「乾くと突然キレて、どこかに行ってしまいますが、洗面所で濡れた足にゴロゴロ言いながらデレます」
また、照れを上手く隠すことができないのもフミちゃんのかわいいところ。睡眠中に寝言を言ったり走るような動きをしたりした際、飼い主さんに見られていたことを知ると、キレて部屋の外へ。
◆フミちゃんのおかげで心が広くなった飼い主さん
しかし、10分ほどすると何もなかったような顔をして戻ってくるため、飼い主さんは微笑く思っています。
「フミはちょっぴり怒りっぽくてかわいい、かけがえのない家族です。猫は怒っていても、どんな子でもかわいい生き物だと改めて教えてくれました」
そう話す飼い主さんは、フミちゃんと出会ったことで心が広くなったそう。例えば、外出で理不尽な怒りを向ける人に遭遇した時には相手を「うちの猫」だと捉え、心に折り合いをつけています。
一般的に言われている毛色別の性格とは違っても、猫はみなかわいくて個性的。フミちゃんはそんな事実を自らのニャン生を通して、広めているのかもしれません。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
猫の性格には毛色ごとに特徴があり、サビ猫は「穏やかで愛情深い性格」と紹介されていることが多いものです。しかし、自らを「猫のパシリ」と自称するあぁ猫さん(@tokopoko2)の愛猫フミちゃんは真逆の性格。
「失敗したり思い通りにならなかったりすると、すぐに怒ります。よく言えば、ツンデレと言えなくもないです(笑)」
◆友人からの連絡で貰い手が見つからなかったサビ子猫をお迎え
3匹の猫、1匹の犬と暮らしていた飼い主さんはある日、友人から「猫をもう1匹飼わない?」と連絡を受けました。
詳細を聞くと、友人がお世話になっているお店のオーナーがゴミ捨て場の近くで生後1ヶ月ほどの子猫を6匹ほど保護し、サビ猫だけ貰い手が見つからなかったそう。昔、サビ猫と暮らした経験があった飼い主さんは家族に相談し、一度対面することにしました。
「初めて迎えた猫がサビ猫だったんです。賢くて優しく、協調性があり、よく言われるサビ猫の特徴を網羅したような子でした」
初対面の時、フミちゃんは顔を突っ込みながら子猫用フードをムシャムシャ。抱きあげると物怖じせず、元気な様子でした。
飼い主さんは、フミちゃんをお迎えしようと決意。肝が据わっていたフミちゃんは先住猫や先住犬に全くも怯えず。しばらくケージで過ごしてもらうことにしましたが、力強く鳴き、自己主張をし始めました。
「当時の私は、おや……サビ猫ってこんな感じだったかな?と、首をかしげました(笑)」
◆キレることで人間を自由に操る“知的にゃんこ”に成長!
部屋を自由に探索できるようになると、フミちゃんはますます自由奔放に。
入ってはいけない部屋に侵入した時や他猫へのちょっかいを止められた時には激怒。思い通りにならないことがあると、家族に八つ当たりするようになりました。
その様子を見た飼い主さんはフミちゃんが快適に暮らせるよう、できる限り配慮をしました。「お水の器が気分と違う」と怒る時には様々な器でお水を用意。フードに不満を感じている時には猫用のかつおぶしを混ぜるなど、まさに至れり尽くせりな生活を送ってもらったのです。
◆「自分がキレる=人間が言うことを聞く」と学んでしまい!?
「かわいく鳴いておねだりされても同じように甘やかしたと思いますが、なぜか彼女は最初から『要求は強気で』という姿勢だったので、素直に受け入れ続けました」
すると、フミちゃんの頭には「自分がキレる=人間が言うことを聞く」という、まさかの方程式が完成! 次第に「強くキレる=人間は早く言うことを聞く」、「とりあえずキレる=なんかもらえる」という応用技も使うようにもなっていきました。
「本気で嫌なことがあって怒っている時や怯えている時とは違って、キレている時は威嚇をしながらも尻尾や足取りがご機嫌な時も多い。だから、こういうコミュニケーションを望む猫なんだと思っています」
◆「尻尾がぶつかった」など理不尽な怒りを向けられる日常
何か要求を通したい時や失敗をごまかしたい時、他の猫に負けて自信を取り戻したい時、あくびのついでなど、フミちゃんがキレる場面は多種多様。
「尻尾の先がぶつかった」や「道を譲らなかった」など、当たり屋のようにキレられることもあるため、飼い主さんは理不尽さを感じつつも謝罪をし、慰謝料代わりのドライササミを貢いでいます。
ちなみに以前、妹さんが遊びに来た時にもフミちゃんの八つ当たりは炸裂。いつものようにオヤツを貰うため妹さんにキレにいくも、「怒っても何もあげない」と言われてしまい、フミちゃんは大ショック。
何も貰えなかったことにガッカリし、飼い主さんのもとで怒りを大爆発させたのだとか。独特なフミちゃんの感情表現はどこか不器用で、愛しくなります。
◆怒りんぼ猫がデレる瞬間が愛おしい
そんなキレ味鋭いフミちゃんですが、一緒に寝たがったりドライフードを一粒ずつ食べさせてほしがったりと、日常の中ではデレる瞬間もあるよう。
飼い主さんの入浴後にはなぜかご機嫌になり、体が乾くまでの1~2分間のみ甘えてきます。
「乾くと突然キレて、どこかに行ってしまいますが、洗面所で濡れた足にゴロゴロ言いながらデレます」
また、照れを上手く隠すことができないのもフミちゃんのかわいいところ。睡眠中に寝言を言ったり走るような動きをしたりした際、飼い主さんに見られていたことを知ると、キレて部屋の外へ。
◆フミちゃんのおかげで心が広くなった飼い主さん
しかし、10分ほどすると何もなかったような顔をして戻ってくるため、飼い主さんは微笑く思っています。
「フミはちょっぴり怒りっぽくてかわいい、かけがえのない家族です。猫は怒っていても、どんな子でもかわいい生き物だと改めて教えてくれました」
そう話す飼い主さんは、フミちゃんと出会ったことで心が広くなったそう。例えば、外出で理不尽な怒りを向ける人に遭遇した時には相手を「うちの猫」だと捉え、心に折り合いをつけています。
一般的に言われている毛色別の性格とは違っても、猫はみなかわいくて個性的。フミちゃんはそんな事実を自らのニャン生を通して、広めているのかもしれません。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291