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美容外科医がズバリ答える“ムダな美容法”!シワ改善クリームの“効果”って「顕微鏡で見るようなレベル」

女子SPA! 2024年9月23日 8時44分

「小顔になりたい」「シワをなくしたい!」「鼻は高く……」美への願望はキリがありません。

 最近では、バラエティショップや家電量販店だけでなく、100均にまで美容グッズが豊富に揃っていて選びきれないほど。でも、これらの美容グッズやコスメってホントに効果あるの? ムダなものは買いたくない!

 そこで、美容クリニック「THE ONE.」の美容外科・美容皮膚科医である橘澄(たちばな きよみ)先生にお話をお伺いしました。

◆自宅で美容グッズを使い続ければ小顔や美肌になれる?

筆者:橘先生、自宅で美容グッズを使い毎日コツコツ努力すれば、美容クリニックのプロの力を借りなくてもコスパよく小顔や美肌が手に入っちゃいますよね?

橘:それは大きな間違いです! 美容グッズは大量に出回っていますが、美容医療と比較したら全て効果がないと言い切ってもいいくらいです。

筆者:えっ?? 小顔ベルトやかっさ、たるみ対策に口に食わえるグッズとか……すべて無意味なんですか?

橘:骨の大きさは決まっていますので、外から顔にいくら圧力をかけたからって、顔が小さくなるなんてことはありえません。また、私たちは重力のある空間で生きています。重力に逆らってたるみが引き上がることなんてありえません。

 リラックスできる、心地が良いといった感覚は得られるかもしれませんが、変化を期待するなら美容グッズを使っても効果は感じられないでしょう。

 ましてや、顔を過度に触ってしまうことは逆に悪影響。顔をこすって摩擦することは一番肌に悪いんです。マッサージのしすぎは、たるみやくすみ、肝斑の原因になることもあるんですよ。定番の顔のコロコロや、最近増えている顔をすっぽりと覆うマスク型の美顔器もおすすめできません。

◆美顔器を使うくらいであれば普通のスキンケアで十分

筆者:美容のためにやっていたのに逆効果なんですか? 鼻を高くするクリップとかシールはどうですか? こするわけじゃないし、寝てる間に“ながら美容”ができるんです。これならいいですよね。

橘:美容整形で骨を削る手術を行う際はノコギリやトンカチのような器具を、鼻を高くする手術では軟骨を移植します。そこまでしないと鼻を高くすることはできないんですよ。クリップなど外からの圧力で鼻の軟骨を動かすとか整えるなんてことは考えられません。

筆者:効果がない……。じゃあ美顔器でイオン導入くらいにしておきます……乾燥の対策はした方がいいですよね?

橘:正直、美容に携わる医師で、自宅で美顔器を使っている人は聞いたことがありませんね。美顔器も肌を摩擦してしまいます。美容液を浸透させるといっても、家庭用の美顔器はクリニックの機器とは出力が全く違うので、ほんの表面にしか影響を与えることができないんです。

 それであれば、通常のスキンケアで十分ですね。本来医療機器でしかできないはずのものを、自宅やエステで行うのはトラブルが多いので控えた方がいいですね。

◆目に見える効果を得るには医療に頼るしかない

筆者:美顔器高かったのに……。化粧品はどうですか? 新しい成分の開発や、技術の向上でどんどん高機能になっているイメージ。最近「シワを改善するクリーム」っていう広告を見てとても気になってます。

橘:顕微鏡で見るようなレベルで、ほんの少しのシワがなくなったとしても、データ上「改善した」といえてしまいます。ですが目に見えるほどの改善を望むのであれば、スキンケアのみでは難しいのが実情です。

 例えば乾燥や加齢で生じる目の周りのちりめんジワなど、静的なシワはクリームなどのスキンケアで多少改善したように感じられるかもしれません。

 ですが、筋肉が動いて皮膚が折りたたまれることでできる深い動的なシワは、ボトックスで予防をするしか防ぐ方法はありません。広告を信じて動的なシワにクリームを塗っても、効果は実感できないでしょう。

 シワを無くす、鼻を高くする、たるみを引き上げるなど、効果を出すことは医療でしかできないと思っていてください。

◆「医師が監修する」=「医療的な効果が見込める」わけではない

筆者:医師が監修している化粧品も多いし、有名なインフルエンサーがたくさんおすすめしている商品は効果があると信じていました……。信じたい……。

橘:医師が監修するのと、医療的な効果が見込めるのは全く別物ですからね。広告費が絡んでいるんでしょうね。

筆者:全部だめだった……。先生、ことごとくダメということですが、自宅でできる美容法って一体何があるんでしょうか?

橘:うーん……。グッズや化粧品に頼るよりも、湯船に浸かってたっぷり睡眠を取り、ストレスのない生活を送る方がよほど効果がありますよ。むくみの原因となる塩分の摂りすぎに気をつけて、バランスのいい食事を食べて、適度な運動をする。基本的なことが美への近道です。

筆者:ラクしてキレイになるなんて甘いですね……。当たり前のことをしっかり続けていきます。

<取材・文/井澤梓>

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