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松本まりか怪演『カテコワ』は3位!今「見逃し配信」で見られている人気ドラマランキング!

女子SPA! 2024年9月19日 15時46分

2024年の夏ドラマもいよいよ大詰め。『笑うマトリョーシカ』(TBS)を皮切りに、続々と最終回へと向かっている。

ここで、無料見逃し配信サービス「TVer」で反響があった作品はどのドラマだったのか、振り返ってみよう。

◆ドラマファンには必須、右肩上がりで成長をしているTVer

その前に、改めてTVerについて説明しておきたい。「無料見逃し配信といえばTVer」として定着している同サービスは、今年8月の月間の利用ユーザー数が4100万MUB(月間ユニークブラウザ数)、月間の動画再生数は7.9億回にのぼり、いずれも過去最高記録を更新。右肩上がりで成長を続けている。

その成長を支えているメインコンテンツは、ほかならぬドラマだろう。2024年1月~3月期のTVer総合番組再生数ランキングのトップ5がすべてドラマであったこと、加えてトップ20の8割以上(17作品)がドラマで占められていたことからも、このことは明らかだ。

各作品のTVerにおける再生回数は原則として非公表で、新記録を打ち立てた際に局側が発表するか、各期ごとの再生数ランキングをTVerが発表した際にしか基本的に明らかにならない。

そこで、番組人気を測る指標のひとつとなっている「お気に入り登録」機能に着目。お気に入り登録者数が多いからといって、必ずしも再生回数がそれに比例するわけではないが、放送中にどれだけお気に入り登録者数が増えたかは、その作品に対する評価や人気がある程度は反映されているのではないだろうか。

そこで、9月18日12時時点でのお気に入り登録者数を、ドラマ放送前の6月22日0時時点と比較し、どれだけ増加したかをランキング化してみた(トップ10一覧は記事最後に掲載)。なお、最終回を迎えると登録解除が増える傾向にあることもあり、9月18日12時時点で減少している場合、その作品においてもっとも多かったときの数字を採用する。

◆日テレは春に続いて不振…『降り積もれ』はギリギリ10位

お気に入り登録者数「増加数」ランキングでトップ10にもっともランクインした局は、フジテレビとTBSで3作。それに続くのがテレビ朝日の2作、テレビ東京、日本テレビが1作ずつとなった。

そのうち、ギリギリ10位となったのは日テレの『降り積もれ孤独な死よ』(+61.1万)。

前期の春ドラマは、石原さとみ主演の『Destiny』(テレビ朝日)、長谷川博己主演の『アンチヒーロー』(TBS)が1位、2位となるなど考察要素のある作品が人気だったが、『降り積もれ』は今期もっとも考察しがいのあったであろうサスペンス作品だったものの、やや空振り気味に。

成田凌、吉川愛らの演技や、映画のような絵づくりなどは好評だったが、視聴率ともに伸び悩んだ格好だ。

日テレは『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』が増加数15位(+50.4万)、『マル秘の密子さん』が17位(+32.8万)で、春ドラマに続いて配信での不振が目立っている。

◆テレ朝は『青島くん』が5位、『スカイキャッスル』が9位に

増加数9位は、テレ朝の『スカイキャッスル』(+68.8万)。放送開始が7月25日と遅かったうえ、編成都合による放送休止もあったために、9月12日でようやく第7話。

韓国ドラマのリメイクであり、日本配信版は全36話あった元の内容を全9話にまとめることの是非はあるが、13日に最終回となる増加数8位『ビリオン×スクール』(+70.2万)を追い抜くポテンシャルはまだありそうではある。

テレ朝は、Snow Man・渡辺翔太主演となる『青島くんはいじわる』が深夜帯ながら増加数5位(+84.9万)。お気に入り登録者数自体も今期民放ドラマ5位(95.6万人)とトップ5入りしており、Snow Man人気、そして「アイドル主演」×「ベタなラブストーリー」の組み合わせの強さがうかがえる。

一方、何度も映像化された『南くんの恋人』の男女逆転版を原作とする『南くんが恋人!?』は、今期民放ドラマ7位となるお気に入り登録者数84.5万人を誇るが、増加数では14位に。

というのも、同作はTVer上では過去の『南くんの恋人』と同一シリーズ扱いであり、放送前に過去シリーズをTVerで配信する施策が取られたことにより、6月22日の時点でお気に入り登録者数は32.3万人まで積みあがっていたことで、「増加数」は+52.2万にとどまったためだ。

◆松本まりかの怪演ぶりに反響!3位はテレ東『カテコワ』

夏ドラマで特筆すべきは、増加数3位(+94.7万)となったテレ東の『夫の家庭を壊すまで』だろう。

不倫した夫に復讐するという一見ありがちな内容だが、主演の松本まりかの怪演ぶりとホラー的な演出がコメディにまで接近しそうな作風で回を追うごとに反響を呼び、テレ東の配信における新記録を樹立したほど人気が高まった。

『カテコワ』は「ネットもテレ東」を含む見逃し配信の累計再生数は8月28日までで2000万を突破。

同じく不倫した夫への復讐劇といえば、昨夏の深夜ドラマ『夫婦が壊れるとき』(日本テレビ)がTVer累計再生数2900万以上を記録し、「TVerで配信された23時以降放送のドラマ番組において再生数1位」に輝いたが、『カテコワ』がこの記録を塗り替えることになるのかも注目されるところだ。

◆2位は松本若菜『西園寺さん』、TBSは『ブラックペアン』も好調

増加数2位となったのは、TBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』(+97.6万)。近年目立つ “ニセ家族”モノのラブコメだが、ゴールデン・プライム帯連ドラ初主演となる松本若菜がコメディエンヌとしての才能を存分に発揮。

無論、相手役の松村北斗(SixTONES)、そして娘役の倉田瑛茉を筆頭に、ライバル役となった津田健次郎、親友役の野呂佳代などキャストそれぞれが魅力を放っており、意地悪な人間は登場せず、ほっこり彼らを眺めていたいと思わせる世界観が支持されているのだろう。

TBSは、二宮和也がシーズン1とはタイプの異なるカリスマ医師を演じた『ブラックペアン シーズン2』が増加数4位(+85.3万)、若きカリスマ政治家を演じる櫻井翔のとらえどころのない表情がハマリ役と話題になった『笑うマトリョーシカ』も増加数7位(+74.0万)と好調。

『ブラックペアン』は単純なお気に入り登録者数では126.4万と今期民放ドラマ2位となるが、こちらもシリーズものということで放送前の6月22日の時点でお気に入り登録者数が41.1万あったことが大きく、増加数では5位のテレ朝『青島くん』と僅差という結果だった。

◆夏ドラマの「圧倒的1位」はやはり『海のはじまり』

そして夏ドラマのお気に入り登録者数「増加数」ランキング1位はフジ月9『海のはじまり』。お気に入り登録者数自体199.4万人で今期1位だが、増加数は+184.0万と、2位に倍近い差をつけており、圧倒的な1位だったといえる。

2022年に一大旋風を巻き起こした『silent』チームの再集結作として放送前から注目されていた同作だが、9月2日まででフジテレビ系配信サービス「FOD」を含む見逃し配信の累計再生数が5200万を突破。

同様のチーム体制だった2023年の『いちばんすきな花』(TVerのみで累計4000万再生突破)をすでに上回っているとみられる勢いだ。

登場人物(おもに古川琴音演じる水季)の行動や言動が議論を呼ぶ脚本となっており、「この話(人物)をどう思ったか」について語りたくなる内容が配信と相性がいいのかもしれない。いずれにせよ今夏の「覇権ドラマ」であることは間違いない。

◆フジはクドカン作品はじめ今夏ドラマ配信で成功

フジは、高校生の妊娠・出産を扱い、『海のはじまり』同様にストーリーと登場人物の行動が議論を呼ぶ『あの子の子ども』も増加数11位(+58.5万)と深夜ドラマも好調だったほか、コロナ以降の世相についてクドカン流に見つめ直したような『新宿野戦病院』が増加数6位(+81.9万)。

瑠東東一郎イズムあふれる学園コメディのようでいて、ドラマ全体を通していじめ問題に真摯に向き合うシリアスな面も兼ね備えていた『ビリオン×スクール』が8位(+70.2万)に。

今夏、配信ではTBS以上の成功を収めたといえそうだ。

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2024年夏ドラマTVerお気に入り登録者数「増加数」トップ10(※9月18日時点)

1.『海のはじまり』(フジテレビ)+184.0万

2.『西園寺さんは家事をしない』(TBS)+97.6万

3.『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京)+94.7万

4.『ブラックペアン シーズン2』(TBS)+85.3万

5.『青島くんはいじわる』(テレビ朝日)+84.9万

6.『新宿野戦病院』(フジテレビ)+81.9万

7.『笑うマトリョーシカ』(TBS)+74.0万

8.『ビリオン×スクール』(フジテレビ)+70.2万

9.『スカイキャッスル』(テレビ朝日)+68.8万

10.『降り積もれ孤独な死よ』(日本テレビ)+61.1万

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<文/新城優征>

【新城優征】
ドラマウォッチャー。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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