子育てに悩みは付きもの。
同じ幼稚園や小学校で一緒に子育てをしているママとはいわば戦友のようなものですが、相手を間違えると、ひどいトラブルに発展してしまうことも。
◆幼稚園のママ友デビューは成功!?
岩沢まりさん(仮名・38歳)は、幼稚園に入園した娘がクラスで仲良くなった子どものママと話すようになりました。
そのママ、Aさんは顔が広く、岩沢さんを他のママ友に紹介してくれたりと面倒見がよく、新学期は幸先よくスタートしました。
「うちは年中からの入園だったので、あまり知り合いがいなかったので少し心配していたんです。けれどAさんが仲間に入れてくださってホッとしました。ママ友デビュー成功と思っていました」
子ども同士がどんどん仲良くなり、幼稚園のお迎え後も園庭で一緒に遊ばせたりと楽しい幼稚園ママ友ライフを送る毎日。夏休みを迎えると、一緒にお出かけの誘いを受けました。
ただAさんは車の免許を持っていません。自宅は幼稚園から近いため、徒歩や自転車での送迎。子連れで遠出がしにくいだろうと、岩沢さんが車を出してお出かけすることを提案しました。するとAさんは大喜び。一緒に水族館に行き、子どもたちも楽しそうにしていたので岩沢さんも嬉しく思っていました。
一緒に出掛けたことで、岩沢さんとAさんはどんどん親密になっていきました。お互いの家を行き来したりすることも増え、娘も楽しそう。Aさんはお菓子やパンを焼くのが得意で、遊びに来るときにはよく自作のパンを持参してくれました。
「そのパンは素人っぽくなくて本当に美味しくて。おかずパンみたいなものも工夫されていておいしかったし、Aさんに尊敬の念まで抱くようになっていました」
◆仲良しのママ友をお手伝いすることに
Aさんの焼くパンは美味しいという評判が園にまで知れ渡り、Aさんは午前保育の水曜日のお昼、週に一度幼稚園でパンを販売することになりました。ゆくゆくはパン屋さんを開きたいというA子さんの夢も聞いていた岩沢さんは、自分のことのように喜んでいました。
「夢の一歩を踏み出すAさんがまぶしくて、何かお手伝いしたいなと思いました。最初は少量から販売しはじめましたが、予約も入るようになって評判は上々。雨の日もあるし、自転車でパンを運ぶのが大変だろうと、わたしが車で運んであげると申し出たんです」
初めは申し訳ないと渋っていたAさんですが、ある雨の日にパンを運んであげたことから、毎週のように車でパンを運ぶお願いをされるように。岩沢さんが自ら申し出たことなので、最初はAさんの夢を応援しているつもりで積極的にお手伝いを買って出ていましたが、徐々にAさんの態度が変化しはじめました。
◆子どもが熱を出して断ったら…
そんなある日、事件が起こります。
「最初は申し訳なさそうだったのに、徐々に『10時に取りに来てくれない?』などと指令が入るようになりました。当然ですが無償です。ある日子どもが熱を出し、幼稚園を休んだんです。その日はあいにくの雨でAさんも大変とは思いましたが、パンを運ぶのを断ったんです。すると『えー困るなぁ』と返事が。今まで好意でやっていたことだし、今回は娘が熱を出しているのに、大丈夫?の声もないってどうなんだろうと思いますよね」
かなりの理不尽さを感じつつ、Aさんが困るだろうとその日は夫が在宅していたため、結局パンだけ運びに彼女の家に行き、幼稚園までパンを運んであげました。けれど今後は距離を置くと決めたそうです。
「最初にわたしが手伝うと言い出したのがそもそもの始まりですが、わたしは運び屋でもパシリでもないので付き合い方を考えようと思いました。ちょうど進級してクラスも変わったので、それを機に断ろうと。夫の両親が調子が悪く、車を自由に使えないということにして、パン運びを断りました」
すっかりパンの運び屋として定着していたのでAさんにあれこれ言われましたが、そこは心を鬼にして断ったそうです。おかげで無事、運び屋から脱却できたのだとか。
今はまた違うママに頼んで運んでもらっているようです。彼女のパンは美味しかったのでわたしも買っていたのですが、なんだかもう食べる気にならず、水曜日は早めに帰るようにしてAさんを避けました。子どももクラス替えで新たに仲良しができたので、それで良かったかなと思っています。
ママ友との付き合いは、お互い気持ちよくお付き合いできるように一線を引くことを心掛けたほうが良さそうですね。
<文/塩辛いか乃>
【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
同じ幼稚園や小学校で一緒に子育てをしているママとはいわば戦友のようなものですが、相手を間違えると、ひどいトラブルに発展してしまうことも。
◆幼稚園のママ友デビューは成功!?
岩沢まりさん(仮名・38歳)は、幼稚園に入園した娘がクラスで仲良くなった子どものママと話すようになりました。
そのママ、Aさんは顔が広く、岩沢さんを他のママ友に紹介してくれたりと面倒見がよく、新学期は幸先よくスタートしました。
「うちは年中からの入園だったので、あまり知り合いがいなかったので少し心配していたんです。けれどAさんが仲間に入れてくださってホッとしました。ママ友デビュー成功と思っていました」
子ども同士がどんどん仲良くなり、幼稚園のお迎え後も園庭で一緒に遊ばせたりと楽しい幼稚園ママ友ライフを送る毎日。夏休みを迎えると、一緒にお出かけの誘いを受けました。
ただAさんは車の免許を持っていません。自宅は幼稚園から近いため、徒歩や自転車での送迎。子連れで遠出がしにくいだろうと、岩沢さんが車を出してお出かけすることを提案しました。するとAさんは大喜び。一緒に水族館に行き、子どもたちも楽しそうにしていたので岩沢さんも嬉しく思っていました。
一緒に出掛けたことで、岩沢さんとAさんはどんどん親密になっていきました。お互いの家を行き来したりすることも増え、娘も楽しそう。Aさんはお菓子やパンを焼くのが得意で、遊びに来るときにはよく自作のパンを持参してくれました。
「そのパンは素人っぽくなくて本当に美味しくて。おかずパンみたいなものも工夫されていておいしかったし、Aさんに尊敬の念まで抱くようになっていました」
◆仲良しのママ友をお手伝いすることに
Aさんの焼くパンは美味しいという評判が園にまで知れ渡り、Aさんは午前保育の水曜日のお昼、週に一度幼稚園でパンを販売することになりました。ゆくゆくはパン屋さんを開きたいというA子さんの夢も聞いていた岩沢さんは、自分のことのように喜んでいました。
「夢の一歩を踏み出すAさんがまぶしくて、何かお手伝いしたいなと思いました。最初は少量から販売しはじめましたが、予約も入るようになって評判は上々。雨の日もあるし、自転車でパンを運ぶのが大変だろうと、わたしが車で運んであげると申し出たんです」
初めは申し訳ないと渋っていたAさんですが、ある雨の日にパンを運んであげたことから、毎週のように車でパンを運ぶお願いをされるように。岩沢さんが自ら申し出たことなので、最初はAさんの夢を応援しているつもりで積極的にお手伝いを買って出ていましたが、徐々にAさんの態度が変化しはじめました。
◆子どもが熱を出して断ったら…
そんなある日、事件が起こります。
「最初は申し訳なさそうだったのに、徐々に『10時に取りに来てくれない?』などと指令が入るようになりました。当然ですが無償です。ある日子どもが熱を出し、幼稚園を休んだんです。その日はあいにくの雨でAさんも大変とは思いましたが、パンを運ぶのを断ったんです。すると『えー困るなぁ』と返事が。今まで好意でやっていたことだし、今回は娘が熱を出しているのに、大丈夫?の声もないってどうなんだろうと思いますよね」
かなりの理不尽さを感じつつ、Aさんが困るだろうとその日は夫が在宅していたため、結局パンだけ運びに彼女の家に行き、幼稚園までパンを運んであげました。けれど今後は距離を置くと決めたそうです。
「最初にわたしが手伝うと言い出したのがそもそもの始まりですが、わたしは運び屋でもパシリでもないので付き合い方を考えようと思いました。ちょうど進級してクラスも変わったので、それを機に断ろうと。夫の両親が調子が悪く、車を自由に使えないということにして、パン運びを断りました」
すっかりパンの運び屋として定着していたのでAさんにあれこれ言われましたが、そこは心を鬼にして断ったそうです。おかげで無事、運び屋から脱却できたのだとか。
今はまた違うママに頼んで運んでもらっているようです。彼女のパンは美味しかったのでわたしも買っていたのですが、なんだかもう食べる気にならず、水曜日は早めに帰るようにしてAさんを避けました。子どももクラス替えで新たに仲良しができたので、それで良かったかなと思っています。
ママ友との付き合いは、お互い気持ちよくお付き合いできるように一線を引くことを心掛けたほうが良さそうですね。
<文/塩辛いか乃>
【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako