2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(当時は小林悠として活動)。
TBS退社後は一般男性と結婚、アナウンサーとしての活動を休止し、表立った活動はほとんどありませんでした。2024年8月31日、自身のインスタグラムで婚姻関係の解消を報告。故郷である北海道に“出戻り”、38歳で再スタートを切ったアンヌさんが、北海道での生活のようすや心境をつづる連載をスタートしました。
第3回となる本記事では、アンヌさんの“推し活”エピソードをおおくりします(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆実家に戻り、再燃した“サンリオ熱”
推しの存在。それは日々の生活を豊かにするということを多くの方が実感していることでしょう。 最近の私の推しはサンリオ、その中でも特に「けろけろけろっぴ」に心を持っていかれています。
ちなみに、可愛らしいキャラクターを応援し、ものを集めるという行為そのものに、年齢や性別による制約はまったくないと私は思っております。好きなものは好き。かわいいものは、かわいいのです。
実は急にこれだけ“けろっぴ熱”が高まったのは札幌に帰ってきてから。北海道の実家を整理してみると、物置部屋と化していた私の部屋から、かつて愛用していた平成レトログッズが出てくる出てくる。ステンシルやらスタンプを手作りできるキットやら、そしてとにかくサンリオグッズが多いこと多いこと。
中には、懐かしくて泣きそうになる方いらっしゃるのではないでしょうか。そんな数ある懐かしの平成レトログッズの中でも、特に目を引いたのがけろっぴ。小学生の頃の私の身の回りには、けろっぴグッズが溢れていたなぁなんて思い出すと……むくむく愛着が湧いてきてしまうのが人情。
そして気になり始めると、Instagramでもいつの間にかけろっぴを眺めている時間が長くなっており、私のInstagramはどんどんけろっぴをおすすめに出すようになってしまいました。
◆けろっぴのポーチや財布をゲット
そんな日常的なけろっぴの刷り込みが、私の中で大きくなりはじめたころ、札幌駅の地下街にサンリオショップを発見! ふらふらと引き寄せられ、けろっぴのポーチやら、復刻したビニール財布までゲット。
私のカバンからこのけろっぴのお財布が出てくると、ぎょっとする方もいれば、思わず微笑んでくれる方もいればとさまざまですが、いずれにせよ、いろんな方とのコミュニケーションが生まれる魔力を持っているこのお財布、気に入っております。
そもそも数あるサンリオキャラクターの中でなぜけろっぴなのか。私は今回真剣に考えてみたのです。そこで私が行き着いた結論が……けろっぴは仏像に通ずるものがあるということ。この人はいったい、何を言い出すのかとお思いのあなた、読むのをやめないでください。
実はもともと私は仏像巡りが趣味。仏像を眺めると、とにかく心が平穏になるのです。アナウンサー時代は趣味でありながらも、1つのセラピーのような形で、仏像巡りを満喫しておりました。
◆けろっぴの穏やかな微笑みは……
ありがたいことに現在は北海道の仏像に特化した連載まで他の媒体で持たせていただくことができていますが、そう、皆さんよくよく見てみてください。けろっぴは常に微笑みを浮かべているのです。
キティーやマイメロディ、ポチャッコなどをはじめ、見てみると皆、比較的無表情に近いキャラクターが多いことに気づきます。おそらくカエルの口元の形をそのまま図案化したのがけろっぴの口元であろうと推察されるのですが、けろっぴは四六時中穏やかな微笑みを浮かべているのです。
つまり、アルカイックスマイルを浮かべているのです。 アルカイックスマイルとは、顔の表情をできる限り抑えながら口元にだけ微笑を浮かべた表情のこと。古代ギリシャのアルカイック美術の彫像によく見られることからこの名称が付けられていますが、 日本では法隆寺釈迦三尊像や中宮寺の菩薩様がその代表例としてよく知られています。
◆推しについて深く考える時間そのものが尊い
つまり仏像が浮かべるような柔らかな微笑みを、けろっぴは浮かべているということ! この独特のスマイルは、人を惹きつける微笑と言われていまして、数々の仏像が私たちの心の拠り所になりうる理由の一つとも言われています。
実はあのウルトラマンも、そもそものモデルは仏像であると言われています。つまり、私たちの心の故郷的なキャラクターはなんだかんだ仏像に通ずると言っても良いのではないでしょうか。だから私はけろっぴの微笑みに魅了されていたのね、納得!
この人はいったい何を言っているんだろうか……と呆れてものも言えない方が多いかもしれませんが、こうやって自分の好きなものについて、ここまで深く考えるという時間そのものが尊い。これこそが推し活の原点と言っても良いでしょう。
さて、さて。今回アルカイックスマイルの説明をすべく、いろいろな写真の権利関係がわからなかったので、今回はイラストで仏像を描いてみました。
私の子ども部屋から発掘した「スタイリングスタンプ」なるもので、署名スタンプを作り、懇親の仏像の真横に押してみましたが……まさかの上下逆転という悲劇! もー! 思わず1人絶叫。よく描けたつもりだったのに……。まぁこれもこれでありということで。
今日はけろっぴからの仏像という混沌とした話題をお伝えしました。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中
TBS退社後は一般男性と結婚、アナウンサーとしての活動を休止し、表立った活動はほとんどありませんでした。2024年8月31日、自身のインスタグラムで婚姻関係の解消を報告。故郷である北海道に“出戻り”、38歳で再スタートを切ったアンヌさんが、北海道での生活のようすや心境をつづる連載をスタートしました。
第3回となる本記事では、アンヌさんの“推し活”エピソードをおおくりします(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆実家に戻り、再燃した“サンリオ熱”
推しの存在。それは日々の生活を豊かにするということを多くの方が実感していることでしょう。 最近の私の推しはサンリオ、その中でも特に「けろけろけろっぴ」に心を持っていかれています。
ちなみに、可愛らしいキャラクターを応援し、ものを集めるという行為そのものに、年齢や性別による制約はまったくないと私は思っております。好きなものは好き。かわいいものは、かわいいのです。
実は急にこれだけ“けろっぴ熱”が高まったのは札幌に帰ってきてから。北海道の実家を整理してみると、物置部屋と化していた私の部屋から、かつて愛用していた平成レトログッズが出てくる出てくる。ステンシルやらスタンプを手作りできるキットやら、そしてとにかくサンリオグッズが多いこと多いこと。
中には、懐かしくて泣きそうになる方いらっしゃるのではないでしょうか。そんな数ある懐かしの平成レトログッズの中でも、特に目を引いたのがけろっぴ。小学生の頃の私の身の回りには、けろっぴグッズが溢れていたなぁなんて思い出すと……むくむく愛着が湧いてきてしまうのが人情。
そして気になり始めると、Instagramでもいつの間にかけろっぴを眺めている時間が長くなっており、私のInstagramはどんどんけろっぴをおすすめに出すようになってしまいました。
◆けろっぴのポーチや財布をゲット
そんな日常的なけろっぴの刷り込みが、私の中で大きくなりはじめたころ、札幌駅の地下街にサンリオショップを発見! ふらふらと引き寄せられ、けろっぴのポーチやら、復刻したビニール財布までゲット。
私のカバンからこのけろっぴのお財布が出てくると、ぎょっとする方もいれば、思わず微笑んでくれる方もいればとさまざまですが、いずれにせよ、いろんな方とのコミュニケーションが生まれる魔力を持っているこのお財布、気に入っております。
そもそも数あるサンリオキャラクターの中でなぜけろっぴなのか。私は今回真剣に考えてみたのです。そこで私が行き着いた結論が……けろっぴは仏像に通ずるものがあるということ。この人はいったい、何を言い出すのかとお思いのあなた、読むのをやめないでください。
実はもともと私は仏像巡りが趣味。仏像を眺めると、とにかく心が平穏になるのです。アナウンサー時代は趣味でありながらも、1つのセラピーのような形で、仏像巡りを満喫しておりました。
◆けろっぴの穏やかな微笑みは……
ありがたいことに現在は北海道の仏像に特化した連載まで他の媒体で持たせていただくことができていますが、そう、皆さんよくよく見てみてください。けろっぴは常に微笑みを浮かべているのです。
キティーやマイメロディ、ポチャッコなどをはじめ、見てみると皆、比較的無表情に近いキャラクターが多いことに気づきます。おそらくカエルの口元の形をそのまま図案化したのがけろっぴの口元であろうと推察されるのですが、けろっぴは四六時中穏やかな微笑みを浮かべているのです。
つまり、アルカイックスマイルを浮かべているのです。 アルカイックスマイルとは、顔の表情をできる限り抑えながら口元にだけ微笑を浮かべた表情のこと。古代ギリシャのアルカイック美術の彫像によく見られることからこの名称が付けられていますが、 日本では法隆寺釈迦三尊像や中宮寺の菩薩様がその代表例としてよく知られています。
◆推しについて深く考える時間そのものが尊い
つまり仏像が浮かべるような柔らかな微笑みを、けろっぴは浮かべているということ! この独特のスマイルは、人を惹きつける微笑と言われていまして、数々の仏像が私たちの心の拠り所になりうる理由の一つとも言われています。
実はあのウルトラマンも、そもそものモデルは仏像であると言われています。つまり、私たちの心の故郷的なキャラクターはなんだかんだ仏像に通ずると言っても良いのではないでしょうか。だから私はけろっぴの微笑みに魅了されていたのね、納得!
この人はいったい何を言っているんだろうか……と呆れてものも言えない方が多いかもしれませんが、こうやって自分の好きなものについて、ここまで深く考えるという時間そのものが尊い。これこそが推し活の原点と言っても良いでしょう。
さて、さて。今回アルカイックスマイルの説明をすべく、いろいろな写真の権利関係がわからなかったので、今回はイラストで仏像を描いてみました。
私の子ども部屋から発掘した「スタイリングスタンプ」なるもので、署名スタンプを作り、懇親の仏像の真横に押してみましたが……まさかの上下逆転という悲劇! もー! 思わず1人絶叫。よく描けたつもりだったのに……。まぁこれもこれでありということで。
今日はけろっぴからの仏像という混沌とした話題をお伝えしました。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中