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朝ドラでバズった32歳俳優の前に遠藤憲一が立ちはだかった!長澤まさみ、西島秀俊の意外な一面も明かす

女子SPA! 2024年9月29日 15時46分

連続テレビ小説『虎に翼』や、強烈なインパクトを残した『新宿野戦病院』でのゲスト出演をはじめ、今年だけで実にテレビドラマ8作品、映画(公開待機作含め)5作の出演作を積み上げている戸塚純貴さん(32)。

現在は、長澤まさみさん主演、三谷幸喜監督・脚本のミステリーコメディ『スオミの話をしよう』が公開中です。錚々(そうそう)たるメンバーのなか、最年少で参戦した戸塚さんに、共演者とのエピソードを含め、話を聞きました。

◆撮影の1カ月前からキャストそろってリハーサル

――長澤さん演じるスオミの、5番目の夫・寒川(坂東彌十郎)の世話係・乙骨直虎(おっこつなおとら)役です。出演が決まったときの気持ちを教えてください。

戸塚純貴さん(以下、戸塚)「僕は喜劇が大好きなので、三谷さんの作品も舞台も昔からよく拝見していました。いちファンとしても、自分が役者の仕事をしているからには、一度はご一緒したいと思っていた監督です。念願がかないました!」

――舞台では三谷さん脚本の『ヴァンプ・ショウ』(22・演出は河原雅彦)に出演されています。そこからご縁が繋がったのでしょうか。

戸塚「そうなんです。そこまで三谷さんは僕の芝居を見たことがなかったと思いますが、『ヴァンプ・ショウ』のときに見に来てくださいました」

――本作は撮影の1カ月前から、三谷監督とキャストのみなさんでのリハーサルがあったそうですね。

戸塚「今回、演劇と映画のいいとこ取りをしたいとおっしゃっていて、ほとんど舞台のようなシチュエーションで長回しで撮られているので、その分、お稽古がありました。ただ、本番直前まで台本や演出がかなり変わったので、今までの稽古は何だったんだろうという感じでしたけど(笑)。

三谷さんは、何より新鮮さを求めているようでした。僕としては、先輩方に囲まれての長回しの緊張感も、とても感じました」

◆西島秀俊は笑い上戸。先輩たちから感じた超えられない“凄み”

――みなさんとのお仕事はいかがでしたか?

戸塚「僕と瀬戸(康史)さんは比較的年齢が近いのですが、瀬戸さんも大先輩です。たくさん作品に出られている方ばかりで、そうしたみなさんとご一緒させていただいて、本当に凄まじいエネルギーを感じましたし、刺激をたくさんもらいました」

――負けたくないといった気持ちにも?

戸塚「負けたくないというよりは、超えられない“凄み”のような瞬間を節々で感じました。だからこそ、この貴重な機会に、勝ち負けでなく、絶対に自分にしかできないことを表現しなければという気持ちになりました。

ただみなさん、“凄み”というのは、自分の演技に対するもので、周りの方々へは、本当にリスペクトを持っている方ばかりなんです。一番年下の僕も対等に扱ってくださって、物腰が柔らかい方ばかりでした。あと、西島(秀俊)さんはすごく笑い上戸でした(笑)」

◆遠藤憲一が立ちはだかる。ミュージカルシーンにひと苦労

――最後に登場する、ミュージカルシーンについても少し聞かせてください。

戸塚「僕も含めてなんですけど、歌の収録や、それまでダンスをやっていない人が多かったので、歌と踊りをシンクロさせながら、みんなで場所を入れ替わったりするのが本当に大変でした。

名前を出すのはあれなんですけど、あえて出すと、遠藤憲一さんと(笑)、入れ替わり立ち替わりしなきゃいけなかったんです。でも遠藤さんが必ず僕の前に立ちはだかっちゃって。ただそれも、キャラクターがそのまま生きているダンスになったので、楽しかったです。『頑張るぞ!』とみんなで協力しながらやりました」

◆スーパーに行っても話しかけられない

――さて、このところの戸塚さんはさらに大活躍です。注目されていることで感覚に違いはありますか?

戸塚「ないです。今までやってきたことと、自分としては変わってませんし、ずっと同じことをやり続けている感じです」

――それでも周囲の反応は違うかと。「盛り上がっているぞ」という“声”は、どうしても入って来るのでは。

戸塚「まあ、なんとなくは感じますし、そういう“声”ですか? 浴びようと思って、スーパーに行ったりもするんですけど、全く話しかけられずに帰って来ます(苦笑)」

――え? 話しかけられません?

戸塚「かけられないですよ。そういうもんだなと。スーパーって、自分の用事があって来ているわけですし、僕もずっと同じスーパーに通っているので、もともとみんな僕だと知っているんだなと、『プライベートだから、あえて声をかけずにいよう』と、みんな温かく見守ってくれているんだと自分に言い聞かせてます」

◆「#俺たちの轟」の盛り上がりをよく分かっていなかった

――戸塚さんは、公式のInstagramはありますが、個人的にはほとんどSNSをしておらず、たとえば朝ドラ『虎に翼』で「#俺たちの轟」が盛り上がっているときにも、知らなかったというのは本当ですか?

戸塚「そうですね。『へー』という感じでした。SNSを見ないので。番組のプロデューサーさんとか、共演者の方に話を聞いて、『そうなの?』って。ハッシュタグというのも、それがいいものなのか、なんなのか。ポジ(ティブ反応)なのか、ネガ(ティブ反応)のほうなのか、それすら本当に分かっていませんでした」

――いろんな反響があると、戸塚さん自身が変わらなくても周囲からの見られ方は変わってくるかと思います。『スオミの話をしよう』では、スオミのことを、元夫&現夫たちが、それぞれの印象で証言していきます。戸塚さんは、周りからどんなタイプだと言われがちですか?

戸塚「目が笑ってないとか、何を考えているのか分からないとか言われます」

――え?(笑)それに対して反論は。

戸塚「そういう風に見えてるんだな~と思うだけで、特に反論はないんですけど、自分は感情が外からは分かりづらいのかなとは思います。仕事の現場では特にそうですね。全く表に出さないわけではないですけど、基本的にマイペースです」

――感情を揺さぶられたくないのでしょうか。

戸塚「そうですね。大きく動かされるのは嫌ですね。オフの時は全然違うと思いますけど、仕事では、それこそゼロから180までいろんな幅で感情が動くので、お芝居以外のときは、なるべく凪(なぎ)の状態でいようというのはあると思います。すごく力が抜けていると思います」

◆とにかく長澤まさみが可愛らしい!

――『スオミの話をしよう』での終盤のスオミは、それこそ大変なふり幅でしたが、同じ役者として、長澤さんの七変化をどうご覧になりましたか?

戸塚「とても可愛かったです。もうとにかく、この作品は長澤さんがとてもキレイで可愛かった、という感想です。もちろんお芝居は本当に素晴らしくて、終盤までの間には、髪形や衣装などでも力技でもいろんな人にも変わったりしているのですが、やっぱり最後は長澤さんの演技たるや! という感じですし、三谷さんの表現方法の大胆さや面白さもすごいんです。けど、もう本当に、とにかく長澤さんが可愛いんですよ。

初めてご一緒したのは、『銀魂2』の現場だったんですけど、ずっと大好きですね。今回もすぐに声をかけてきていただいて。とっても楽しかったです」

<取材・文・撮影/望月ふみ>

『スオミの話をしよう』

配給・製作:東宝

監督・脚本:三谷幸喜

出演:長澤まさみ、西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎、宮澤エマ、瀬戸康史、戸塚純貴

(C) 2024「スオミの話をしよう」製作委員会

9月13日(金)より全国公開中

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

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