柴犬を含む和犬は、飼い主には従順の一方で、知らない人間にはなかなか心を開いてくれない性格の子が多いと言われています。しかし、推定年齢10歳ほどのオスの黒い柴犬、黒豆さんは、誰の前でも動じることなく穏やかな性格。
シニアの域に入っているため足取り軽めとは言えないものの、のんびり穏やかにユッサユッサと歩き、人間を前に屈託のない笑顔を浮かべてご挨拶するワンちゃんです。
◆10年以上一緒に過ごした黒豆さんを置いて、飼い主さんが旅立った
実は黒豆さんは、長年連れ添った元飼い主さんとこの年にして別れました。
元飼い主さんは黒豆さんと10年以上一緒に過ごしていたものの、2024年6月に亡くなりました。
黒豆さんは結果的に行き場を失いましたが、後に保護団体・restartdog LIEN(リアン・@restartdoglien)が保護。団体提携の預かりボランティアさんの家でお世話を受けながら、「新しいお家」探しを続けています。
◆亡くなっていた飼い主さんは大事にお世話していたようでしたが……
亡くなった飼い主さんはとても大事にお世話していたようで、黒豆さんは散歩も上手でトイレも問題なくできます。もちろん保護時も、被毛がことさら汚れているわけでもありませんでした。
この点は幸いでしたが、しかし、多くの保護団体では「高齢者へのワンちゃんの譲渡」には厳しい条件を設けることが多いです。
理由は、高齢者でワンちゃんを飼い始める場合、おおむね「後継人を立てる」ことが多く、飼い主が亡くなったり、病気を起こした場合、ワンちゃんが行き場を失うことを避けるため。
言わば、飼い主さんと突然の別れを強いられた黒豆さんは、「高齢者のペット問題」での悪い意味でも一例でもありました。
◆黒豆さんの余生を幸せなものにするために
しかし、亡くなった飼い主さんやその環境を憂いていても、これからの黒豆さんの余生が幸せになるわけではありません。
団体ではできるだけ前を向いて黒豆さんのお世話を続けることにしました。
黒豆さんは、お日様を浴びながらの遊びが大好きで、天気の良い日は預かりボランティアさんの家の庭に出てニコニコ笑顔を浮かべながらくつろぎます。
ただし、今年の夏の「危険な暑さ」の中でも気にせず庭で過ごしていたため、夏バテ気味となり、部屋に戻って床の上でベタ付きで寝るようにもなりました。
黒豆さんの夏バテ具合は心配ですが、いっさい不安なく寝ている様子を見ると、黒豆さんが「この家で過ごすの、悪くないな」と思ってくれているようにも映り、嬉しく思う預かりボランティアさんでした。
◆「ずっとの家族」との出会いを待ち続ける
黒豆さんは今日もこの家で過ごしながら、「ずっとの家族」との出会いを待ち続けています。
今のところまだ「うちの子として迎え入れたい」という申し出はないものの、黒豆さんのこの穏やかな性格、人懐っこさなら、遠くない時期に縁が結ばれるようにも思います。
預かりボランティアさんは、こんなにかわいい黒豆さんが、幸せな余生を送れる環境が見つかることを望みながら、今日ものんびり穏やかにお世話をし続けています。
<取材・文/デコ女子部>
【デコ女子部】
編集プロダクション・decoの女子部門。30~40代の男女の編集・ライターにより執筆
シニアの域に入っているため足取り軽めとは言えないものの、のんびり穏やかにユッサユッサと歩き、人間を前に屈託のない笑顔を浮かべてご挨拶するワンちゃんです。
◆10年以上一緒に過ごした黒豆さんを置いて、飼い主さんが旅立った
実は黒豆さんは、長年連れ添った元飼い主さんとこの年にして別れました。
元飼い主さんは黒豆さんと10年以上一緒に過ごしていたものの、2024年6月に亡くなりました。
黒豆さんは結果的に行き場を失いましたが、後に保護団体・restartdog LIEN(リアン・@restartdoglien)が保護。団体提携の預かりボランティアさんの家でお世話を受けながら、「新しいお家」探しを続けています。
◆亡くなっていた飼い主さんは大事にお世話していたようでしたが……
亡くなった飼い主さんはとても大事にお世話していたようで、黒豆さんは散歩も上手でトイレも問題なくできます。もちろん保護時も、被毛がことさら汚れているわけでもありませんでした。
この点は幸いでしたが、しかし、多くの保護団体では「高齢者へのワンちゃんの譲渡」には厳しい条件を設けることが多いです。
理由は、高齢者でワンちゃんを飼い始める場合、おおむね「後継人を立てる」ことが多く、飼い主が亡くなったり、病気を起こした場合、ワンちゃんが行き場を失うことを避けるため。
言わば、飼い主さんと突然の別れを強いられた黒豆さんは、「高齢者のペット問題」での悪い意味でも一例でもありました。
◆黒豆さんの余生を幸せなものにするために
しかし、亡くなった飼い主さんやその環境を憂いていても、これからの黒豆さんの余生が幸せになるわけではありません。
団体ではできるだけ前を向いて黒豆さんのお世話を続けることにしました。
黒豆さんは、お日様を浴びながらの遊びが大好きで、天気の良い日は預かりボランティアさんの家の庭に出てニコニコ笑顔を浮かべながらくつろぎます。
ただし、今年の夏の「危険な暑さ」の中でも気にせず庭で過ごしていたため、夏バテ気味となり、部屋に戻って床の上でベタ付きで寝るようにもなりました。
黒豆さんの夏バテ具合は心配ですが、いっさい不安なく寝ている様子を見ると、黒豆さんが「この家で過ごすの、悪くないな」と思ってくれているようにも映り、嬉しく思う預かりボランティアさんでした。
◆「ずっとの家族」との出会いを待ち続ける
黒豆さんは今日もこの家で過ごしながら、「ずっとの家族」との出会いを待ち続けています。
今のところまだ「うちの子として迎え入れたい」という申し出はないものの、黒豆さんのこの穏やかな性格、人懐っこさなら、遠くない時期に縁が結ばれるようにも思います。
預かりボランティアさんは、こんなにかわいい黒豆さんが、幸せな余生を送れる環境が見つかることを望みながら、今日ものんびり穏やかにお世話をし続けています。
<取材・文/デコ女子部>
【デコ女子部】
編集プロダクション・decoの女子部門。30~40代の男女の編集・ライターにより執筆