10月1日スタートのドラマ『3年C組は不倫してます。』(日本テレビ系)が放送前から大きな反響を呼んでいます。高校生の妊娠、不倫といった多様な恋を描くサスペンス。第1話は「不倫の恋にあんな報いが待っているなんて」という台詞で幕を開け、既婚者が未成年にパパ活を迫るシーンも。
もちろん高校生との不倫はあり得ない行為ですが、40代が高校時代を思い起こしてみると、当時は不倫している同級生が多数いたように思います。
そこで注意喚起の意味を込めて、高校時代に不倫をしたことがあるという会社員のY子さん(37歳)に取材を決行。当時の体験とそこで得た学びを聞かせてもらいました。
◆高校2年生で30歳の男性と不倫の道へ
イベント制作会社で正社員をしているY子さんは現在37歳。彼女が不倫をしていたのは、高校2年生から3年生にかけての約一年くらいの期間だったと言います。
「相手は私が所属していたとある文化部のOBでした。うちの部はわりと上下の繋がりがしっかり続いていて、文化祭シーズンになると色んな年代のOB・OGが顔を出してくれたんです。彼もその中の一人でした」
部活のOBであるDさんは、当時20代後半。しかしまだ大学生といっても通じるくらいに見た目は若々しく、それでいてバッグや時計などの持ち物から大人のセンスの良さを感じさせる人だったそう。
「普通にカッコ良いなとは思ったんですよ。私はもともと同級生や年の近い男の子にあまり興味が持てなくて、好きになる芸能人もだいたい30歳くらいの俳優さんやミュージシャンが多かったんですよね。普通の人よりちょっと若く見えるアラサーっていうのがツボだったのかもしれません」
二人が親密になったきっかけは、ふと雑談の中で同じミュージシャンのファンであると判明したこと。Y子さんは周囲にファン仲間がいなかったこともあり、今でいう推し活仲間が欲しいという気持ちから連絡先を交換したと言います。
「ちょうどDさんの世代がドンピシャなミュージシャンだったんです。本当に私の周りは誰も共感してくれなくて寂しい思いをしてたので……。その時点ではDさんが既婚者だとは知らなかったし、正直あまり意識はしていなかったんです」
◆指輪に気づくも、スマートさに惹かれ男女の仲に
暫くはそのミュージシャンの情報交換のような連絡しかしていなかったそうですが、ある日Dさんから「チケットが余ってるんだけど一緒にライブに行かない?」と誘われたことで関係が進展してしまいます。
「ライブ終わりに『ちゃんと帰りも送っていくから食事していこうよ』って言われて、そこで初めて音楽以外のこともいろいろ話したんですけど、どんなことも親身になって聞いてくれるけど、会話はちゃんとリードしてくれるようなスマートさに一気に惹かれていってしまったんです」
それ以降、二人はライブという口実がなくとも会うようになり、何度目かの食事の後に男女の関係になってしまいます。
「彼が左手の薬指に指輪をしていることは、その頃にはもう気付いてはいたんですけど……好きって気持ちを止めることはできませんでしたね。それが確か高校2年生の終わり頃のこと。そこから高校3年生の3学期くらいまで付き合いは続きました。私は短大に進学が決まったくらいから、なんとなく連絡を取らなくなって、そのままふんわりと自然消滅という形になりました」
時は流れ、それから2年後。短大卒業後の就職先も決定し、Y子さんは社会人としての第一歩を踏み出そうとしていました。
◆なんで今さら!? 80万円の慰謝料請求が…
「その頃にはもうDさんのことはすっかり忘れていましたね。好きだったミュージシャンへの熱も冷めていたし(笑)、このまま初恋の淡い思い出となっていくんだろうと信じて疑っていませんでした」
しかし、思いがけない便りがY子さんの家のポストに舞い込んできました。それはなんと、Dさんの奥さんからの内容証明。Dさんとの不倫の慰謝料として80万円を支払うように求められていました。
「正直、なんで今さら?!って気持ちがあったことは否めませんでした。しかも80万円なんて、当時まだ初任給も貰っていない新卒社会人に支払えるわけありません。連絡先として書かれていた弁護士さんに電話をしたところ、Dさんの奥さんと直接話をする場を設けてもらえることになりました」
Y子さんは指定された弁護士事務所でDさんの奥さんと対峙。そこでDさんと奥さんは現在は別居をしていること、そしてY子さんとの不倫については以前から知っていたことを聞かされたのです。
◆妻側からの「執行猶予」を設けられていただけだった
「別居の原因は色々あったみたいですけど、私との不倫に気付いたことも一因ではあると。ちょうどあの頃、奥さんは妊娠して実家に戻っていたらしいんですよ。産後もしばらくは実家にいて、Dさんはたまに顔を出すみたいな生活だったそうで。私がちょうど連絡を取らなくなった辺りで奥さんが家に帰ってきたと考えると、向こうが何も言わずに自然消滅になった理由がわかりました」
Dさんの奥さんは、妊娠後期のあたりでDさんの浮気を勘付き、探偵を雇って証拠集めをしたそうです。しかし、相手が女子高生であることを知ると、その時点での制裁は思いとどまったのだとか。
「でも、それは別に彼女の温情ではありませんでした。当時まだ未成年だった私には慰謝料を払う能力はないし、貰えたとしてそれは確実に親からのお金なわけです。それじゃあまり意味がないと考えたみたいですね。だから、私が社会人になったと同時に請求すると決めていたそうです」
◆不倫の時効は知った時から3年間
不倫の慰謝料の請求には、配偶者の不貞行為および不倫相手を知ったときから3年間という時効が存在しています。Y子さんがもしも大学に進学していた場合、そのルートでの請求は難しくなってしまうのではないでしょうか。
「実はDさんと奥さんって、高校の同級生で部活も同じOGだったんです。ネットワークの強い部活だったので、私がどんな進路を辿ったのかは掴めていたようで……」
つまり、奥さんは全て計算ずくで、Y子さんが新社会人になるタイミングを見計らって連絡をしてきたというわけです。観念したY子さんは、慰謝料の支払いを承諾。社会人一年目から就業後や休日にガールズバーで働き、数ヶ月後にどうにか80万円を工面したそうです。今となっては、軽い気持ちで不倫を楽しんでいたことを心から後悔しているのだとか。
「Dさんと奥さんは結局離婚してしまったそうです。その顛末は部活のOB・OGたちに広がっているため、私は高校時代の仲間たちからも絶縁状態になっています」
Y子さんの中では高校卒業と共に無かったことになっていた不倫。制裁に猶予期間が設けられていることを知らなかったが故の浅はかさだったと彼女は語りました。
いくら高校時代の出来事とはいっても、若気の至りでは片付けてもらえない場合もあるようです。
<文/もちづき千代子>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
もちろん高校生との不倫はあり得ない行為ですが、40代が高校時代を思い起こしてみると、当時は不倫している同級生が多数いたように思います。
そこで注意喚起の意味を込めて、高校時代に不倫をしたことがあるという会社員のY子さん(37歳)に取材を決行。当時の体験とそこで得た学びを聞かせてもらいました。
◆高校2年生で30歳の男性と不倫の道へ
イベント制作会社で正社員をしているY子さんは現在37歳。彼女が不倫をしていたのは、高校2年生から3年生にかけての約一年くらいの期間だったと言います。
「相手は私が所属していたとある文化部のOBでした。うちの部はわりと上下の繋がりがしっかり続いていて、文化祭シーズンになると色んな年代のOB・OGが顔を出してくれたんです。彼もその中の一人でした」
部活のOBであるDさんは、当時20代後半。しかしまだ大学生といっても通じるくらいに見た目は若々しく、それでいてバッグや時計などの持ち物から大人のセンスの良さを感じさせる人だったそう。
「普通にカッコ良いなとは思ったんですよ。私はもともと同級生や年の近い男の子にあまり興味が持てなくて、好きになる芸能人もだいたい30歳くらいの俳優さんやミュージシャンが多かったんですよね。普通の人よりちょっと若く見えるアラサーっていうのがツボだったのかもしれません」
二人が親密になったきっかけは、ふと雑談の中で同じミュージシャンのファンであると判明したこと。Y子さんは周囲にファン仲間がいなかったこともあり、今でいう推し活仲間が欲しいという気持ちから連絡先を交換したと言います。
「ちょうどDさんの世代がドンピシャなミュージシャンだったんです。本当に私の周りは誰も共感してくれなくて寂しい思いをしてたので……。その時点ではDさんが既婚者だとは知らなかったし、正直あまり意識はしていなかったんです」
◆指輪に気づくも、スマートさに惹かれ男女の仲に
暫くはそのミュージシャンの情報交換のような連絡しかしていなかったそうですが、ある日Dさんから「チケットが余ってるんだけど一緒にライブに行かない?」と誘われたことで関係が進展してしまいます。
「ライブ終わりに『ちゃんと帰りも送っていくから食事していこうよ』って言われて、そこで初めて音楽以外のこともいろいろ話したんですけど、どんなことも親身になって聞いてくれるけど、会話はちゃんとリードしてくれるようなスマートさに一気に惹かれていってしまったんです」
それ以降、二人はライブという口実がなくとも会うようになり、何度目かの食事の後に男女の関係になってしまいます。
「彼が左手の薬指に指輪をしていることは、その頃にはもう気付いてはいたんですけど……好きって気持ちを止めることはできませんでしたね。それが確か高校2年生の終わり頃のこと。そこから高校3年生の3学期くらいまで付き合いは続きました。私は短大に進学が決まったくらいから、なんとなく連絡を取らなくなって、そのままふんわりと自然消滅という形になりました」
時は流れ、それから2年後。短大卒業後の就職先も決定し、Y子さんは社会人としての第一歩を踏み出そうとしていました。
◆なんで今さら!? 80万円の慰謝料請求が…
「その頃にはもうDさんのことはすっかり忘れていましたね。好きだったミュージシャンへの熱も冷めていたし(笑)、このまま初恋の淡い思い出となっていくんだろうと信じて疑っていませんでした」
しかし、思いがけない便りがY子さんの家のポストに舞い込んできました。それはなんと、Dさんの奥さんからの内容証明。Dさんとの不倫の慰謝料として80万円を支払うように求められていました。
「正直、なんで今さら?!って気持ちがあったことは否めませんでした。しかも80万円なんて、当時まだ初任給も貰っていない新卒社会人に支払えるわけありません。連絡先として書かれていた弁護士さんに電話をしたところ、Dさんの奥さんと直接話をする場を設けてもらえることになりました」
Y子さんは指定された弁護士事務所でDさんの奥さんと対峙。そこでDさんと奥さんは現在は別居をしていること、そしてY子さんとの不倫については以前から知っていたことを聞かされたのです。
◆妻側からの「執行猶予」を設けられていただけだった
「別居の原因は色々あったみたいですけど、私との不倫に気付いたことも一因ではあると。ちょうどあの頃、奥さんは妊娠して実家に戻っていたらしいんですよ。産後もしばらくは実家にいて、Dさんはたまに顔を出すみたいな生活だったそうで。私がちょうど連絡を取らなくなった辺りで奥さんが家に帰ってきたと考えると、向こうが何も言わずに自然消滅になった理由がわかりました」
Dさんの奥さんは、妊娠後期のあたりでDさんの浮気を勘付き、探偵を雇って証拠集めをしたそうです。しかし、相手が女子高生であることを知ると、その時点での制裁は思いとどまったのだとか。
「でも、それは別に彼女の温情ではありませんでした。当時まだ未成年だった私には慰謝料を払う能力はないし、貰えたとしてそれは確実に親からのお金なわけです。それじゃあまり意味がないと考えたみたいですね。だから、私が社会人になったと同時に請求すると決めていたそうです」
◆不倫の時効は知った時から3年間
不倫の慰謝料の請求には、配偶者の不貞行為および不倫相手を知ったときから3年間という時効が存在しています。Y子さんがもしも大学に進学していた場合、そのルートでの請求は難しくなってしまうのではないでしょうか。
「実はDさんと奥さんって、高校の同級生で部活も同じOGだったんです。ネットワークの強い部活だったので、私がどんな進路を辿ったのかは掴めていたようで……」
つまり、奥さんは全て計算ずくで、Y子さんが新社会人になるタイミングを見計らって連絡をしてきたというわけです。観念したY子さんは、慰謝料の支払いを承諾。社会人一年目から就業後や休日にガールズバーで働き、数ヶ月後にどうにか80万円を工面したそうです。今となっては、軽い気持ちで不倫を楽しんでいたことを心から後悔しているのだとか。
「Dさんと奥さんは結局離婚してしまったそうです。その顛末は部活のOB・OGたちに広がっているため、私は高校時代の仲間たちからも絶縁状態になっています」
Y子さんの中では高校卒業と共に無かったことになっていた不倫。制裁に猶予期間が設けられていることを知らなかったが故の浅はかさだったと彼女は語りました。
いくら高校時代の出来事とはいっても、若気の至りでは片付けてもらえない場合もあるようです。
<文/もちづき千代子>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama