「顔の比率を描き変える骨格補正メイク専門家」池田曜央子(いけだ・ようこ、47歳)です。私は今でこそメイク講師として活動し『骨格補正メイク』という著書もありますが、かつてはメイクの仕方も分からない、さらに太ってたるんで老けた外見でずっと悩んでいました。今回は、私が外見の悩みを克服するまでの黒歴史をお伝えしたいと思います。
◆ショック!38歳で「ぶよぶよのおばさん」と呼ばれた
今でこそメイク講師や美容家としてメディアにも出させていただいている私ですが、実はこの仕事を始めたのは38歳から。それまでは約15年間、住宅設計士として主にハウスメーカーにて設計や現場監理のキャリアを積んできました。
ところが38歳のころ、結婚直後に愛犬が事故死。ショックのあまりでうつ状態に陥り、悲しみから逃れるように糖質依存となり食べて寝るだけの生活を続けていました。その結果、3ヶ月で15kgの激太りを経験しました。その時に初めて外見による差別を経験。知らない子どもからは「ぶよぶよのおばさん」と言われたり、外出先での視線や対応から「丁寧に扱ってもらえない」「外見でこんなに対応が違うんだ」と感じることが多々ありました。
太って覇気もなく、メイクの仕方もわからない、すっかり老け込んだ自分の姿を鏡で見て、こんな外見だから差別を受けるのだと感じ、性格も暗くどんどん卑屈になっていきました。
◆建築士のキャリアを捨て、メイクのプロ養成校へ
「キレイになりたい」「周りから大切に扱ってもらいたい」そう思っていた時に、雑誌で見かけたパーソナルカラーに興味を持ち診断に行ってみることに。せっかく習うなら本格的にと、講師を目指せるコースを受講しました。
そこで似合う色はわかったものの、その色でメイクをしてもその色の服を着ても鏡に映った自分はちっとも素敵ではありませんでした。そこで気づいたのは、似合う色が分かるだけでは不十分で、それをどうメイクやファッションに生かすか、その知識が必要だと気づきました。
「習うなら一流から!」がモットーの私は、著名なメイクアップアーテイストである嶋田ちあき先生が主宰されていたプロ養成コースを見つけ一大決心。その頃には「美容の仕事をしてみたい」という気持ちが芽生えていたので、独身時代の貯金はどんどん減っていきましたが、清水の舞台から飛び降りる気持ちで申込みました。「嶋田先生から直接指導を受けられる!」代官山のスクールに通うのが楽しくて仕方ありませんでした。
◆メイクで周りからの扱いが激変した
相変わらず太ったままの私でしたが、メイクを変えただけで周りからの扱いが劇的に変わりました。どこに行っても丁寧に扱ってもらえていると感じるようになり、また初対面の方からは「美容系の方ですよね?」開口一番に言ってもらえるようになり、私の第一印象は美容のプロに見えるんだ!と、とても嬉しく、また自信にもなりました。
◆建築士の発想から生まれた「骨格補正メイク」とは
自宅サロンから始めたメイクレッスンですが、プロとして信頼を得るために一年後には法人化し、銀座に場所を移しました。
場所が広くなったのでグループレッスンをスタートしたのですが、そこである問題が発生しました。それが後に「骨格補正メイク」の誕生のきっかけとなりました。
グループレッスンでは、基本のやり方はホワイトボードに書いて伝えつつ、その後各テーブルを周りながらその人に似合うメイクを個々に伝えていたのですが、そんな時「なんで隣の人へのアドバイスと自分へのアドバイスが違うんですか?」と疑問に持つ生徒がいらっしゃったんです。私の中で理由は明確で、「顔のバランスが違うから」だったのですが、顔のことはデリケートで言いづらいですし、それを伝えることで傷つけてしまうのではないかと悩みました。
その結果、顔の輪郭とパーツを測って伝える、ということを思いついたのです。数字はただの事実なので相手を傷つけないのではないか、と考えたわけです。もともと設計士時代も現場とのやりとりは全て数字でしたし、客観的な事実を正確に伝える方法として最適なのではと考えました。
生徒たちからも「なるほど、だから私のメイクはこうなんですね。納得しました!」と大好評でした。「先生の理論通りにメイクをしたら、初めて周りから褒めてもらえました!」と喜ぶ生徒の声に自信を深め、「骨格補正メイク」と名付けたオリジナルのメイク法としてつくりあげていったのです。
◆一気に垢抜けるメイク、3つの基本ポイント
そんな骨格補正メイクについて、今後くわしくご紹介していきますが、今回は、ぜひ取り入れていただきたい3つの基本ポイントを解説します。
1.眉メイク:眉頭同士を合わせることに全力投球
年々左右差が拡大する大人の眉問題、実は「眉頭同士」だけでも揃えて描くと、なんとなく合って見えるというのがプロのコツです。通常よく「眉頭は1番最後に描きましょう」などと言われていますが、実はズレ眉に悩む大人に関しては絶対に眉頭から描くべきです。
2.アイメイク:「楕円アイ」を目指して加齢をリセット
加齢と共に年々目尻が下がるのは仕方のないことではありますが、そのままの形をなぞるアイメイクでは、なんとフェイスラインまで一緒に下がって見える悲しいオマケつき。理想の「楕円アイ」に近づけるように目尻をちょっと上げるようにシャドウとラインで形を補正しましょう。
3.ベースメイク:「中心のっぺり」セミマット肌で老け影を解消
顔の中心の影は老けみえの原因です。鼻筋を高く見せたいと思って入れるノーズシャドウも、大人が取り入れると老け見えが加速する場合もあるんです。ぜひ光沢を抑えめにしたセミマットな質感で、顔の中心をあえてのっぺり作る!若々しく見せたいなら、ぜひ取り入れていただきたいと思います。
◆メイクがただの義務になっていませんか?
メイクはただの義務、めんどくさいだけ、そんなふうに感じている方も少なくありません。でも似合う理論や組み立て方が分かると、毎日のメイクがとても楽しくなります。朝から気分も上がり、家族や周りの人にも優しく接することができ、また周りからも親切にされたり、大切に扱ってもらえることが増えます。そんなメイクの素晴らしさや楽しさを少しでも多くの方にお伝えしたいと思っています。
◆ゴールと現在地を明確にすればメイクはもっと楽しくなる
似合うメイクを楽しみたければ、理想を明確にするところから始めてみましょう。それと併せて現在地の把握もお忘れなく。理想の自分に近づくには、手順はカーナビの設定と同じ。つまり、目的地だけでなく現在地がわかるからこそ理想の場所に辿り着くことができるのです。
その現在地を知るには、主観を挟まず理解できる顔の数値化がマスト。好印象な外見で、望む未来に自信を持って挑戦できる女性を増やすことで社会に貢献していきたいと思っています。もちろん私自身もどんどん実践して体現していきたいと思っています。この連載では、好印象な外見づくりをメイク・美容を軸に理論的にお伝えしてまいります。
<文/池田曜央子>
【池田 曜央子】
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人日本骨格バランス協会代表理事。
1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。輪郭と顔パーツを数値で分析、骨格や年齢による変化を補正し、好印象な美人に近づける独自の「骨格補正メイク」を考案。メイク講座やスキンケア講座などで1000名を超える女性を変身させる。43歳で-17kgのダイエットも成功させ、ミセスコンテストで特別賞受賞。著書『骨格補正メイク 顔の比率を描き変えて、一生美人!』(主婦の友社) Instagram:@ikeda.makeup ブログ
◆ショック!38歳で「ぶよぶよのおばさん」と呼ばれた
今でこそメイク講師や美容家としてメディアにも出させていただいている私ですが、実はこの仕事を始めたのは38歳から。それまでは約15年間、住宅設計士として主にハウスメーカーにて設計や現場監理のキャリアを積んできました。
ところが38歳のころ、結婚直後に愛犬が事故死。ショックのあまりでうつ状態に陥り、悲しみから逃れるように糖質依存となり食べて寝るだけの生活を続けていました。その結果、3ヶ月で15kgの激太りを経験しました。その時に初めて外見による差別を経験。知らない子どもからは「ぶよぶよのおばさん」と言われたり、外出先での視線や対応から「丁寧に扱ってもらえない」「外見でこんなに対応が違うんだ」と感じることが多々ありました。
太って覇気もなく、メイクの仕方もわからない、すっかり老け込んだ自分の姿を鏡で見て、こんな外見だから差別を受けるのだと感じ、性格も暗くどんどん卑屈になっていきました。
◆建築士のキャリアを捨て、メイクのプロ養成校へ
「キレイになりたい」「周りから大切に扱ってもらいたい」そう思っていた時に、雑誌で見かけたパーソナルカラーに興味を持ち診断に行ってみることに。せっかく習うなら本格的にと、講師を目指せるコースを受講しました。
そこで似合う色はわかったものの、その色でメイクをしてもその色の服を着ても鏡に映った自分はちっとも素敵ではありませんでした。そこで気づいたのは、似合う色が分かるだけでは不十分で、それをどうメイクやファッションに生かすか、その知識が必要だと気づきました。
「習うなら一流から!」がモットーの私は、著名なメイクアップアーテイストである嶋田ちあき先生が主宰されていたプロ養成コースを見つけ一大決心。その頃には「美容の仕事をしてみたい」という気持ちが芽生えていたので、独身時代の貯金はどんどん減っていきましたが、清水の舞台から飛び降りる気持ちで申込みました。「嶋田先生から直接指導を受けられる!」代官山のスクールに通うのが楽しくて仕方ありませんでした。
◆メイクで周りからの扱いが激変した
相変わらず太ったままの私でしたが、メイクを変えただけで周りからの扱いが劇的に変わりました。どこに行っても丁寧に扱ってもらえていると感じるようになり、また初対面の方からは「美容系の方ですよね?」開口一番に言ってもらえるようになり、私の第一印象は美容のプロに見えるんだ!と、とても嬉しく、また自信にもなりました。
◆建築士の発想から生まれた「骨格補正メイク」とは
自宅サロンから始めたメイクレッスンですが、プロとして信頼を得るために一年後には法人化し、銀座に場所を移しました。
場所が広くなったのでグループレッスンをスタートしたのですが、そこである問題が発生しました。それが後に「骨格補正メイク」の誕生のきっかけとなりました。
グループレッスンでは、基本のやり方はホワイトボードに書いて伝えつつ、その後各テーブルを周りながらその人に似合うメイクを個々に伝えていたのですが、そんな時「なんで隣の人へのアドバイスと自分へのアドバイスが違うんですか?」と疑問に持つ生徒がいらっしゃったんです。私の中で理由は明確で、「顔のバランスが違うから」だったのですが、顔のことはデリケートで言いづらいですし、それを伝えることで傷つけてしまうのではないかと悩みました。
その結果、顔の輪郭とパーツを測って伝える、ということを思いついたのです。数字はただの事実なので相手を傷つけないのではないか、と考えたわけです。もともと設計士時代も現場とのやりとりは全て数字でしたし、客観的な事実を正確に伝える方法として最適なのではと考えました。
生徒たちからも「なるほど、だから私のメイクはこうなんですね。納得しました!」と大好評でした。「先生の理論通りにメイクをしたら、初めて周りから褒めてもらえました!」と喜ぶ生徒の声に自信を深め、「骨格補正メイク」と名付けたオリジナルのメイク法としてつくりあげていったのです。
◆一気に垢抜けるメイク、3つの基本ポイント
そんな骨格補正メイクについて、今後くわしくご紹介していきますが、今回は、ぜひ取り入れていただきたい3つの基本ポイントを解説します。
1.眉メイク:眉頭同士を合わせることに全力投球
年々左右差が拡大する大人の眉問題、実は「眉頭同士」だけでも揃えて描くと、なんとなく合って見えるというのがプロのコツです。通常よく「眉頭は1番最後に描きましょう」などと言われていますが、実はズレ眉に悩む大人に関しては絶対に眉頭から描くべきです。
2.アイメイク:「楕円アイ」を目指して加齢をリセット
加齢と共に年々目尻が下がるのは仕方のないことではありますが、そのままの形をなぞるアイメイクでは、なんとフェイスラインまで一緒に下がって見える悲しいオマケつき。理想の「楕円アイ」に近づけるように目尻をちょっと上げるようにシャドウとラインで形を補正しましょう。
3.ベースメイク:「中心のっぺり」セミマット肌で老け影を解消
顔の中心の影は老けみえの原因です。鼻筋を高く見せたいと思って入れるノーズシャドウも、大人が取り入れると老け見えが加速する場合もあるんです。ぜひ光沢を抑えめにしたセミマットな質感で、顔の中心をあえてのっぺり作る!若々しく見せたいなら、ぜひ取り入れていただきたいと思います。
◆メイクがただの義務になっていませんか?
メイクはただの義務、めんどくさいだけ、そんなふうに感じている方も少なくありません。でも似合う理論や組み立て方が分かると、毎日のメイクがとても楽しくなります。朝から気分も上がり、家族や周りの人にも優しく接することができ、また周りからも親切にされたり、大切に扱ってもらえることが増えます。そんなメイクの素晴らしさや楽しさを少しでも多くの方にお伝えしたいと思っています。
◆ゴールと現在地を明確にすればメイクはもっと楽しくなる
似合うメイクを楽しみたければ、理想を明確にするところから始めてみましょう。それと併せて現在地の把握もお忘れなく。理想の自分に近づくには、手順はカーナビの設定と同じ。つまり、目的地だけでなく現在地がわかるからこそ理想の場所に辿り着くことができるのです。
その現在地を知るには、主観を挟まず理解できる顔の数値化がマスト。好印象な外見で、望む未来に自信を持って挑戦できる女性を増やすことで社会に貢献していきたいと思っています。もちろん私自身もどんどん実践して体現していきたいと思っています。この連載では、好印象な外見づくりをメイク・美容を軸に理論的にお伝えしてまいります。
<文/池田曜央子>
【池田 曜央子】
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人日本骨格バランス協会代表理事。
1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。輪郭と顔パーツを数値で分析、骨格や年齢による変化を補正し、好印象な美人に近づける独自の「骨格補正メイク」を考案。メイク講座やスキンケア講座などで1000名を超える女性を変身させる。43歳で-17kgのダイエットも成功させ、ミセスコンテストで特別賞受賞。著書『骨格補正メイク 顔の比率を描き変えて、一生美人!』(主婦の友社) Instagram:@ikeda.makeup ブログ