こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
私自身が髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
佳代さん(仮名・30歳)は婚活中で、「ありがたいことに申し込みしてくださる方は多いのですが、どの人もピンと来なくて」と、私のところへご相談にやってきました。
佳代さんのように悩む女性は珍しくありません。しかしお話を詳しく聞くと、大きな課題が見えてきたのです。
◆20代までは恋人がいたし、結婚もできると思っていた
大学時代、佳代さんには彼氏がいましたが、就職して離れ離れになりお別れします。新しい職場でもすぐに彼氏ができました。そんな風に、若い時は相手を探そうとしなくても恋人ができたのです。
20代の頃は同僚と「○○さんって35歳で独身だから何かあるよね」と話すこともあったそうです。
同僚の彼氏とはそのまま適齢期になったら結婚するものだと思っていたのですが、彼氏は2年ほどでスタートアップ企業に転職します。勤務地や生活時間がずれ、お互いに会う時間を作るのが億劫(おっくう)になり、会う頻度が下がります。
会った時にも「ベンチャー界隈では」「佳代は会社員だから」といった鼻につく発言が増えてきて、価値観の不一致でお別れすることにしました。佳代さんが25歳の時です。
◆「30歳で独身の人って何かあるよね」という呪い
その後、マッチングアプリが流行っていたので登録した佳代さん。たくさんの申し込みがあり、すぐに彼氏もできました。彼女は結婚を視野に入れていたため「結婚の希望」の欄は重要視していたはずなのに、アプリでできた彼氏と結婚の話は進まず、数カ月でお別れします。
あるときマッチングアプリをやっている同年代男性と話した際に、こんなことを言われました。
「特に相手の年齢は気にしていなかったから年上でもいいと思ったけど、30歳で独身の女性ってやっぱり何かあるね。メッセージでは気にならなかったけど、会って話すと、なんか否定から入る発言多かったりして」
“30歳で独身って何かある”という言葉は佳代さんの心に深く刺さってしまいます。そして、未婚で30代の人を「何かあるのかも」と思って色眼鏡で見るようになりました。
◆「婚活歴が1年以上なんて……」もう一つの色眼鏡
佳代さんの色眼鏡は年齢だけではありません。
昨年29歳の時、佳代さんは結婚相談所に入会しました。ちなみに結婚相談所に登録する人が最も多い年齢が29歳です。マッチングアプリとは違い、結婚相談所で「29歳」は若い部類にもなります。
登録してすぐにお見合いして、交際成立した男性は婚活歴が1年を超える1歳年上の男性でした。その時に佳代さんは「1年以上婚活して結婚できないって何かあるかもしれない」と思ったそうです。
そんな風に思ってしまうと、会うのも楽しくはありません。
◆相手の粗探しばかりして、出会いを純粋に楽しめない
先入観を持って粗探しをしながら接しているので、彼が「外食が多くて料理はあまりしない」とポロっと発言した時に、結婚しても家事負担が多くなりそうと思って関係解消してしまいました。
相手は一人暮らしだったので、洗濯などの家事は一通りこなしていたのではないでしょうか。料理はあまりしないといっても具体的にどの程度しないのかを確認したわけではありませんし、なにより結婚して佳代さんが求めればやるかもしれないのです。
30歳で独身なのは何かあると思い込む佳代さんは、ついに自分もその年齢になってしまいます。
◆他人を信じない「こじらせ独身」のできあがり
「私も結婚できない30歳になってしまいました。私って何か問題ありますか?」
「初めから疑っていたら、距離は縮まらないですよ。信じてくれる人のために頑張ろうって人はいても、向こうだっていろんな女性と会って比較検討するんだから。自分を棚上げして人の値踏みばかりする人より、一緒の未来を信じてくれそうな女性を選ぶでしょう」
「どうやって信じたらいいんですか。根拠ないですよね」
他人を信じられないという佳代さんの問題点は、根が深いようです。
「相手を信じるのに根拠なんてないよ。安心安全が保障された出会いはないし。でもそもそもなんだけど、独身なのは何かあるって思う人がいたとして勝手に思わせておけばいいんじゃない。具体的に誰の目線を気にしているの?」
◆「昔はこんなタイプじゃなかったのに」と涙目に
「それはそうなんですけど。誰目線って言われると、親とか友達とか同僚かな。母は24歳で結婚してるので『いつ結婚するの?』って聞かれたことあります。友達はどんどん結婚して、子育て中や妊活中の子もいるので、私は高望みしすぎとか思われてそう」
「実際、高望みというか品定めはしすぎているけど、高望みしすぎって思われるのは何が問題なの? あと実際に友達からはそう言われたの?」
「実際に言われたわけじゃないです。けど高望みしすぎって性格に問題ありそうじゃないですか」
「では、高望みしすぎる人は性格に問題があるって、自分ではそう思ってますか?」
「思っているかいないかだとしたら思っているかなぁ」
佳代さんは涙目でした。昔はこんなに人をジャッジするタイプではなく、何も考えずに気軽に連絡先交換したり誘われたら遊びに行ったりする方だったそうです。
◆1年間ほぼ休みなしで、常に3~5人とデートしていた
佳代さんは独身のまま30代になった焦りと不安から毎月お見合いをこなし、常に仮交際の相手が3~5人いる状態を1年ぐらい続けていました。
週末はすべてお見合いとデートでつぶれます。さらに美容室に行ったりといったメンテナンスもあるため、リフレッシュらしいことは1年全くやっていません。
期待して会って、でも疑って関係性を縮められない。そんな自分を責める、という負のループでした。
◆「このままだと病むよ」婚活のお休みを勧めた理由
今の仮交際の相手は悪い人ではないけれど、デートの間隔が2~3週間くらい空くのが気になるそうです。脈アリかどうか相談所に聞いたら「この人は人気だから」と説明されたとか。
「もうその方は断りましょう。今のメンタルで距離が縮まることはないし」
「断っていいんでしょうか。人気あるならもったいないというか……」
「それより、少しペースを落としてもいいから、期間を区切って少し婚活から離れてお休みしよう。疲れていると誰と会っても良くは見えないし、このままだと病むよ。誰かから指摘されたわけでもないのに、30歳独身だから自分に問題があるって思っているんでしょう」
「病んでますよね」
佳代さんは1カ月ほど、婚活から離れることにしました。
◆婚活を頑張れば頑張るほど、性格が悪くなっていた
性格が悪いから結婚できないというよりも、婚活なんかするから人を条件でジャッジしてどんどん性格が悪くなると思っています。
週5で働き、土日にすべてデートの予定を入れているのは仕事を2つやっているのと同じような状態なのです。デートとはいえ相手は付き合っていない男性なので、到底リラックスはできないのです。
「30代で独身って何か問題があるかもしれない」など、気にしてもしょうがないことが頭から離れず誰も信じられないなら、出会いより休息が必要なのかもしれません。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
私自身が髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
佳代さん(仮名・30歳)は婚活中で、「ありがたいことに申し込みしてくださる方は多いのですが、どの人もピンと来なくて」と、私のところへご相談にやってきました。
佳代さんのように悩む女性は珍しくありません。しかしお話を詳しく聞くと、大きな課題が見えてきたのです。
◆20代までは恋人がいたし、結婚もできると思っていた
大学時代、佳代さんには彼氏がいましたが、就職して離れ離れになりお別れします。新しい職場でもすぐに彼氏ができました。そんな風に、若い時は相手を探そうとしなくても恋人ができたのです。
20代の頃は同僚と「○○さんって35歳で独身だから何かあるよね」と話すこともあったそうです。
同僚の彼氏とはそのまま適齢期になったら結婚するものだと思っていたのですが、彼氏は2年ほどでスタートアップ企業に転職します。勤務地や生活時間がずれ、お互いに会う時間を作るのが億劫(おっくう)になり、会う頻度が下がります。
会った時にも「ベンチャー界隈では」「佳代は会社員だから」といった鼻につく発言が増えてきて、価値観の不一致でお別れすることにしました。佳代さんが25歳の時です。
◆「30歳で独身の人って何かあるよね」という呪い
その後、マッチングアプリが流行っていたので登録した佳代さん。たくさんの申し込みがあり、すぐに彼氏もできました。彼女は結婚を視野に入れていたため「結婚の希望」の欄は重要視していたはずなのに、アプリでできた彼氏と結婚の話は進まず、数カ月でお別れします。
あるときマッチングアプリをやっている同年代男性と話した際に、こんなことを言われました。
「特に相手の年齢は気にしていなかったから年上でもいいと思ったけど、30歳で独身の女性ってやっぱり何かあるね。メッセージでは気にならなかったけど、会って話すと、なんか否定から入る発言多かったりして」
“30歳で独身って何かある”という言葉は佳代さんの心に深く刺さってしまいます。そして、未婚で30代の人を「何かあるのかも」と思って色眼鏡で見るようになりました。
◆「婚活歴が1年以上なんて……」もう一つの色眼鏡
佳代さんの色眼鏡は年齢だけではありません。
昨年29歳の時、佳代さんは結婚相談所に入会しました。ちなみに結婚相談所に登録する人が最も多い年齢が29歳です。マッチングアプリとは違い、結婚相談所で「29歳」は若い部類にもなります。
登録してすぐにお見合いして、交際成立した男性は婚活歴が1年を超える1歳年上の男性でした。その時に佳代さんは「1年以上婚活して結婚できないって何かあるかもしれない」と思ったそうです。
そんな風に思ってしまうと、会うのも楽しくはありません。
◆相手の粗探しばかりして、出会いを純粋に楽しめない
先入観を持って粗探しをしながら接しているので、彼が「外食が多くて料理はあまりしない」とポロっと発言した時に、結婚しても家事負担が多くなりそうと思って関係解消してしまいました。
相手は一人暮らしだったので、洗濯などの家事は一通りこなしていたのではないでしょうか。料理はあまりしないといっても具体的にどの程度しないのかを確認したわけではありませんし、なにより結婚して佳代さんが求めればやるかもしれないのです。
30歳で独身なのは何かあると思い込む佳代さんは、ついに自分もその年齢になってしまいます。
◆他人を信じない「こじらせ独身」のできあがり
「私も結婚できない30歳になってしまいました。私って何か問題ありますか?」
「初めから疑っていたら、距離は縮まらないですよ。信じてくれる人のために頑張ろうって人はいても、向こうだっていろんな女性と会って比較検討するんだから。自分を棚上げして人の値踏みばかりする人より、一緒の未来を信じてくれそうな女性を選ぶでしょう」
「どうやって信じたらいいんですか。根拠ないですよね」
他人を信じられないという佳代さんの問題点は、根が深いようです。
「相手を信じるのに根拠なんてないよ。安心安全が保障された出会いはないし。でもそもそもなんだけど、独身なのは何かあるって思う人がいたとして勝手に思わせておけばいいんじゃない。具体的に誰の目線を気にしているの?」
◆「昔はこんなタイプじゃなかったのに」と涙目に
「それはそうなんですけど。誰目線って言われると、親とか友達とか同僚かな。母は24歳で結婚してるので『いつ結婚するの?』って聞かれたことあります。友達はどんどん結婚して、子育て中や妊活中の子もいるので、私は高望みしすぎとか思われてそう」
「実際、高望みというか品定めはしすぎているけど、高望みしすぎって思われるのは何が問題なの? あと実際に友達からはそう言われたの?」
「実際に言われたわけじゃないです。けど高望みしすぎって性格に問題ありそうじゃないですか」
「では、高望みしすぎる人は性格に問題があるって、自分ではそう思ってますか?」
「思っているかいないかだとしたら思っているかなぁ」
佳代さんは涙目でした。昔はこんなに人をジャッジするタイプではなく、何も考えずに気軽に連絡先交換したり誘われたら遊びに行ったりする方だったそうです。
◆1年間ほぼ休みなしで、常に3~5人とデートしていた
佳代さんは独身のまま30代になった焦りと不安から毎月お見合いをこなし、常に仮交際の相手が3~5人いる状態を1年ぐらい続けていました。
週末はすべてお見合いとデートでつぶれます。さらに美容室に行ったりといったメンテナンスもあるため、リフレッシュらしいことは1年全くやっていません。
期待して会って、でも疑って関係性を縮められない。そんな自分を責める、という負のループでした。
◆「このままだと病むよ」婚活のお休みを勧めた理由
今の仮交際の相手は悪い人ではないけれど、デートの間隔が2~3週間くらい空くのが気になるそうです。脈アリかどうか相談所に聞いたら「この人は人気だから」と説明されたとか。
「もうその方は断りましょう。今のメンタルで距離が縮まることはないし」
「断っていいんでしょうか。人気あるならもったいないというか……」
「それより、少しペースを落としてもいいから、期間を区切って少し婚活から離れてお休みしよう。疲れていると誰と会っても良くは見えないし、このままだと病むよ。誰かから指摘されたわけでもないのに、30歳独身だから自分に問題があるって思っているんでしょう」
「病んでますよね」
佳代さんは1カ月ほど、婚活から離れることにしました。
◆婚活を頑張れば頑張るほど、性格が悪くなっていた
性格が悪いから結婚できないというよりも、婚活なんかするから人を条件でジャッジしてどんどん性格が悪くなると思っています。
週5で働き、土日にすべてデートの予定を入れているのは仕事を2つやっているのと同じような状態なのです。デートとはいえ相手は付き合っていない男性なので、到底リラックスはできないのです。
「30代で独身って何か問題があるかもしれない」など、気にしてもしょうがないことが頭から離れず誰も信じられないなら、出会いより休息が必要なのかもしれません。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt