『いますぐ痩せ見え!! -5kgコーデ』(はちみつコミックエッセイ)は、加齢や出産による体型の変化に悩む人に、「着痩せコーデ」を指南する実用系コミックエッセイ。
著者のおかだゆりさん(@kinglilydesigner)は、柔道やレスリングに打ち込んできた元アスリート。「肩幅が広かったり、脚に筋肉が付いていても素敵に服を着こなしたい!」という思いから、中学生の頃から着痩せコーデを研究してきたといいます。
◆着痩せコーデに興味をもったワケ
この記事では、本書からエピローグを紹介。おかださんのコーデ指南を受けて漫画も担当したきびのあやとらさんと、おかださんのお二人に、着痩せコーデに興味を持ったきっかけや、体型の変化に伴うファッションの悩みなどについて聞きました。
◆ダイエットしなくてもオシャレを楽しめる?
――おかださんはInstagramで着痩せ情報を発信したり、着痩せに特化したブランド「KINGLILY」を立ち上げたりしていますが、そもそも着痩せコーデに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
おかだゆり(以下、おかだ):私は元アスリートで、小・中学校は柔道、高校から27歳までレスリングをやっていたんです。普段はジャージか制服ばかりでオシャレを意識することが少なかったのですが、中学の校外学習で私服を着なければいけない機会がありました。その頃にはアスリートとして体ができ上がっており、肩幅に合わせると丈が長過ぎたり、お尻と太ももの太さに合わせるとウエストがガバガバになったりして、自分の体に合う服がなくてすごく困ったんです。そこから、私の着痩せコーデの研究がスタートしました。
周りのアスリートの女性たちも同じような悩みを抱えていて、「体を鍛えて夢を叶えようとしてる女性を美しく見せる服がないこと自体がおかしい」という思いがありました。大学時代に、「引退して、女性アスリートに特化したアパレルブランドがなかったら自分でやろう」と決めて、引退の翌年に28歳で服飾系の専門学校へ通って本格的に勉強するようになりました。
――オシャレを楽しむためにダイエットをする人も多いと思うのですが、「着痩せコーデ」を推奨しているのはなぜなのでしょうか。
おかだ:女性には、意図しない体型の変化が起こりやすいし、その方たちの悩みがすごく深いと気づいたからです。例えば妊娠するとお腹がどんどん膨らんで、産後は皮膚がたるんだり、今までつかなかっところにお肉がついたりします。ある程度は覚悟していたとしても、やはり現実についていけないショックがありますよね。それにお母さんになると、お金や時間は子どものために使って、自分のことはどうしても後回しになる方が多いです。そういう方に、今の体型を悲観せず、オシャレを楽しんで少しでもハッピーになってほしいと思って、着痩せコーデを発信しています。
◆体型の変化にショックを受けた日々
――きびのさんは、着痩せコーデに対してどんな印象を持っていましたか?
きびのあやとら(以下、きびの):私は今回の書籍のお仕事のお話しをいただいて、ゆりさんに出会って初めて着痩せコーデに興味を持ちました。それまでは、言い方は悪いですが、「気休め」みたいに思っていたんです。痩せて見えるためには、服に体を合わせていくしかないと思っていたし、ゆりさんのInstagramを見ても、「すごいけど、本当に私もこうなれるのかな?」と半信半疑でした(笑)。
――着痩せコーデに対する考え方が変わったきっかけは何だったのでしょうか。
きびの:実際にゆりさんにお会いしてコーディネートしていただいて、「着痩せって本当にできるんだ!」と感激したからです。手持ちの服を持って行ってアドバイスをしていただいたのですが、「気休めなんかじゃなく、おしゃれのテクニックの一つとして使えるんだ!」と、認識が変わりました。
――きびのさんも体型の変化に悩んでいたのでしょうか。
きびの:私は産後に体型が変わって、似合っていた服が着られなくなったのが悲しかったですね。オシャレができない原因は自分の体型だと思っていたので、ダイエットをしたり、補正下着を使って体型を服に合わせようとしていました。
今でも鮮明に覚えているのですが、娘のお宮参りに着ていく服を買うために、産後初めて1人でお出かけしたんです。でも、どれを着ても入らないし、入ったとしても全然素敵じゃない。それが本当にショックでした。
さらに、運動しようと決心してスポーツジムに申し込みに行ったら、私1人なのに「お子さんの入会ですか? お母さんご自身ですか?」と聞かれて……。会員証の写真を撮るために私なりにオシャレをして行ったし、初めて来たジムなのに、どうしてお母さんだとバレたんだろう。自分でも変化を感じていたけど、他人からも今までとは違って見えているんだということに衝撃を受けました。そういう出来事が積み重なり、自信を失っていった気がします。
◆着痩せコーデの意外な効果とは
――まずは、どんなことから始めればいいのでしょうか。
おかだ:最初はいつも選んでいる服のサイズを見直してみることから始めるといいと思います。太って見えるのは、お肉のむちっとした質感が服の上からでもわかってしまうからなんですね。そこで、サイズを思い切っていくつか上げてみと、服がシルエットを作ってくれるので、体のラインを消すことができます。
大きいサイズ=体が大きく見えてしまうと思う人もいるかもしれませんが、「服の中に詰まっているのは、肉ではなく空気です」という顔をしていれば大丈夫です(笑)! こんなふうに、家にある服や、無理なく手に取れるような価格で模索しながら挑戦できるような内容の本になっています。
――初心者がやりがちな失敗はありますか?
おかだ:ときどき、「オシャレをしよう!」と一念発起して、いきなり物凄く派手な一着を買う方がいます。一番びっくりしたのは「パーソナルカラー診断で似合うと言われたから」と、明らかにご本人もしっくりきていないであろう、ダンスパーティーに着ていくようなピンクのフリフリブラウスを買ってきた相談者の方。
「それはちょっと日常に寄り添ってないよね」とさすがに止めました。私としては、「あなたにはコレが似合う」という答えを出すのではなく、鏡を見て「どう思いますか?」と相談しながら、その人がしたいオシャレをお手伝いしたいと思っています
――着痩せコーデができるようになると、どんなメリットがあるのでしょうか。
おかだ:体型を綺麗に見せられるとオシャレが楽しくなるし、まったくしなくなっていたメイクをするようになる方もいます。また、「今の体型でこんなにオシャレができるなら、痩せたらもっと綺麗になれるかもしれない」とポジティブな気持ちでダイエットに取り組んで成功するケースもすごく多いんです。ご本人の中から「もっと素敵になりたい」という気持ちが湧き出てくることが大切だと思っています。
<取材・文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
著者のおかだゆりさん(@kinglilydesigner)は、柔道やレスリングに打ち込んできた元アスリート。「肩幅が広かったり、脚に筋肉が付いていても素敵に服を着こなしたい!」という思いから、中学生の頃から着痩せコーデを研究してきたといいます。
◆着痩せコーデに興味をもったワケ
この記事では、本書からエピローグを紹介。おかださんのコーデ指南を受けて漫画も担当したきびのあやとらさんと、おかださんのお二人に、着痩せコーデに興味を持ったきっかけや、体型の変化に伴うファッションの悩みなどについて聞きました。
◆ダイエットしなくてもオシャレを楽しめる?
――おかださんはInstagramで着痩せ情報を発信したり、着痩せに特化したブランド「KINGLILY」を立ち上げたりしていますが、そもそも着痩せコーデに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
おかだゆり(以下、おかだ):私は元アスリートで、小・中学校は柔道、高校から27歳までレスリングをやっていたんです。普段はジャージか制服ばかりでオシャレを意識することが少なかったのですが、中学の校外学習で私服を着なければいけない機会がありました。その頃にはアスリートとして体ができ上がっており、肩幅に合わせると丈が長過ぎたり、お尻と太ももの太さに合わせるとウエストがガバガバになったりして、自分の体に合う服がなくてすごく困ったんです。そこから、私の着痩せコーデの研究がスタートしました。
周りのアスリートの女性たちも同じような悩みを抱えていて、「体を鍛えて夢を叶えようとしてる女性を美しく見せる服がないこと自体がおかしい」という思いがありました。大学時代に、「引退して、女性アスリートに特化したアパレルブランドがなかったら自分でやろう」と決めて、引退の翌年に28歳で服飾系の専門学校へ通って本格的に勉強するようになりました。
――オシャレを楽しむためにダイエットをする人も多いと思うのですが、「着痩せコーデ」を推奨しているのはなぜなのでしょうか。
おかだ:女性には、意図しない体型の変化が起こりやすいし、その方たちの悩みがすごく深いと気づいたからです。例えば妊娠するとお腹がどんどん膨らんで、産後は皮膚がたるんだり、今までつかなかっところにお肉がついたりします。ある程度は覚悟していたとしても、やはり現実についていけないショックがありますよね。それにお母さんになると、お金や時間は子どものために使って、自分のことはどうしても後回しになる方が多いです。そういう方に、今の体型を悲観せず、オシャレを楽しんで少しでもハッピーになってほしいと思って、着痩せコーデを発信しています。
◆体型の変化にショックを受けた日々
――きびのさんは、着痩せコーデに対してどんな印象を持っていましたか?
きびのあやとら(以下、きびの):私は今回の書籍のお仕事のお話しをいただいて、ゆりさんに出会って初めて着痩せコーデに興味を持ちました。それまでは、言い方は悪いですが、「気休め」みたいに思っていたんです。痩せて見えるためには、服に体を合わせていくしかないと思っていたし、ゆりさんのInstagramを見ても、「すごいけど、本当に私もこうなれるのかな?」と半信半疑でした(笑)。
――着痩せコーデに対する考え方が変わったきっかけは何だったのでしょうか。
きびの:実際にゆりさんにお会いしてコーディネートしていただいて、「着痩せって本当にできるんだ!」と感激したからです。手持ちの服を持って行ってアドバイスをしていただいたのですが、「気休めなんかじゃなく、おしゃれのテクニックの一つとして使えるんだ!」と、認識が変わりました。
――きびのさんも体型の変化に悩んでいたのでしょうか。
きびの:私は産後に体型が変わって、似合っていた服が着られなくなったのが悲しかったですね。オシャレができない原因は自分の体型だと思っていたので、ダイエットをしたり、補正下着を使って体型を服に合わせようとしていました。
今でも鮮明に覚えているのですが、娘のお宮参りに着ていく服を買うために、産後初めて1人でお出かけしたんです。でも、どれを着ても入らないし、入ったとしても全然素敵じゃない。それが本当にショックでした。
さらに、運動しようと決心してスポーツジムに申し込みに行ったら、私1人なのに「お子さんの入会ですか? お母さんご自身ですか?」と聞かれて……。会員証の写真を撮るために私なりにオシャレをして行ったし、初めて来たジムなのに、どうしてお母さんだとバレたんだろう。自分でも変化を感じていたけど、他人からも今までとは違って見えているんだということに衝撃を受けました。そういう出来事が積み重なり、自信を失っていった気がします。
◆着痩せコーデの意外な効果とは
――まずは、どんなことから始めればいいのでしょうか。
おかだ:最初はいつも選んでいる服のサイズを見直してみることから始めるといいと思います。太って見えるのは、お肉のむちっとした質感が服の上からでもわかってしまうからなんですね。そこで、サイズを思い切っていくつか上げてみと、服がシルエットを作ってくれるので、体のラインを消すことができます。
大きいサイズ=体が大きく見えてしまうと思う人もいるかもしれませんが、「服の中に詰まっているのは、肉ではなく空気です」という顔をしていれば大丈夫です(笑)! こんなふうに、家にある服や、無理なく手に取れるような価格で模索しながら挑戦できるような内容の本になっています。
――初心者がやりがちな失敗はありますか?
おかだ:ときどき、「オシャレをしよう!」と一念発起して、いきなり物凄く派手な一着を買う方がいます。一番びっくりしたのは「パーソナルカラー診断で似合うと言われたから」と、明らかにご本人もしっくりきていないであろう、ダンスパーティーに着ていくようなピンクのフリフリブラウスを買ってきた相談者の方。
「それはちょっと日常に寄り添ってないよね」とさすがに止めました。私としては、「あなたにはコレが似合う」という答えを出すのではなく、鏡を見て「どう思いますか?」と相談しながら、その人がしたいオシャレをお手伝いしたいと思っています
――着痩せコーデができるようになると、どんなメリットがあるのでしょうか。
おかだ:体型を綺麗に見せられるとオシャレが楽しくなるし、まったくしなくなっていたメイクをするようになる方もいます。また、「今の体型でこんなにオシャレができるなら、痩せたらもっと綺麗になれるかもしれない」とポジティブな気持ちでダイエットに取り組んで成功するケースもすごく多いんです。ご本人の中から「もっと素敵になりたい」という気持ちが湧き出てくることが大切だと思っています。
<取材・文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。