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義母から届く大量のジャガイモにため息…亡くなってから優しさに気づいた/義実家・家族人気記事BEST

女子SPA! 2024年10月22日 8時47分

 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「義実家・家族」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2022年10月21日 記事は取材時の状況)

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 秋といえば“収穫”のイメージが強いですね。特に、じゃがいもやカボチャなど、ホクホク野菜が美味しい季節です。

 今回お話を聞いた後藤みどりさん(40歳・主婦)は、夫の実家が北海道で、秋になると義母がたくさん野菜を送ってくれていたのだそう。けれど、たくさんあればよいということでもないそうです。

◆義母から届く大量の野菜

「北海道の田舎に住む義母が『喜んでくれるのが嬉しい』、と、春はアスパラ、夏はとうもろこし、秋はじゃがいもにカボチャ、玉ねぎと、とにかく一年中たくさんの野菜を送ってくれるんです」

 北海道の野菜は格別に美味しくて、最初は大喜びだった後藤さん。けれど、喜んでばかりもいられなくなってきました。

◆少食の夫と息子、消費が追いつかない

「野菜をいただけるのはとても助かるのですが、うちは三人家族。しかも夫も息子も少食で、食べきれないことも。ご近所やママ友に分けてあげると、とても喜んでくれました。古いものをあげるわけにいかないので、夫と話して、早めにおすそ分けをしたほうがいいねという話になりました」

 とうもろこしやアスパラなど、傷みやすいもの野菜が届くと、慌ててママ友に連絡して届けに行くように。事前に何人か連絡しておけばよいのですが、届くまで量がわからないので、あまり多くの人にあげると言ってしまうと、自分たちが食べられなくなってしまうので、難しいそうです。

◆大量のじゃがいもが届く

 そして秋には、段ボールいっぱいのじゃがいもが2箱送られてきました。日持ちするのですぐに食べなくても大丈夫とはいえ、3人家族ではいつまで残るかわかりません。

「部屋の中は気温が高いので、日が当たらず気温が低い北側のベランダに保管しました。普段出ることのないベランダまで、わざわざじゃがいもを取りに行くのが億劫で、だんだん使わなくなってしまい、最後はしなびてしまったりして。もったいないので、じゃがいもも翌年からおすそ分けするようになりました」

◆野菜配りオバサンになる

 1年を通して義母から野菜が送られて来るたびに、ご近所さんやママ友に連絡して野菜を配り歩くようになってしまった後藤さん。ふだん滅多に食べられない、甘くておいしい野菜を食べられるのはとても嬉しく思いつつ、ご近所へのおすそ分けが大変だったとか。

「おすそ分けとはいえ、新しいうちに渡さないと申し訳ないと思い、何か来るたびに、慌ててご近所に連絡して、袋に小分けして、配り歩きました。じゃがいもは大量なので、思いつくかぎりのママ友に連絡して、袋に小分けして、渡しに行きました。あの頃のわたしは“野菜配りオバサン”になってまいました(笑)」

◆義母が亡くなって気づいた優しさ

 そんな“野菜配りオバサン”と化した後藤さんに転機が訪れます。数年後、義母が病気で亡くなってしまったのです。それ以来、たくさんの野菜が送られてくることはなくなりました。

「義母が亡くなってから、北海道の旬の野菜をお取り寄せしてみましたが、義母に送ってもらっていた野菜は特別に美味しかったんだな、と分かりました。買って送ってくれたものも特上品でしたし、大事に畑で育てた野菜もとても美味しかったんですよね。気前のよい人で、野菜をたくさん送ってくれていた時期は配り歩くのがちょっと大変でしたが、野菜が送られてこなくなった今は、本当に義母は親切にしてくれていたんだな、と、今さらながらしみじみ感謝します」

 秋にスーパーで北海道のじゃがいもが箱で売られているのを見ると、義母のことを思い出すという後藤さん。

「わたしも息子が結婚したら、義母を思い出して野菜を送ったりしちゃいそうです。でも、送る量には気を付けようと思います(笑)」

<文/塩辛いか乃>

【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako

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