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紀州のドンファン妻、性への執着と闇オーラの悪女が浮かべる妖艶な笑み。狙う“闇セレブ”のポジションとは?/辛酸なめ子

女子SPA! 2024年11月17日 15時46分

 闇バイトによる詐欺や強盗が頻発したり、おじからお金をまきあげる頂き女子が登場したり、すさんでいる現代社会。その中でも、パパ活からの殺人罪、さらにストーカー疑惑まで浮上しているのが須藤早貴被告です。

 55歳年上の元夫で紀州のドン・ファンと呼ばれた会社社長、野崎幸助氏を殺害した罪に問われて起訴されていますが、24年9月には別の男性から約3000万円ものお金をだまし取った事件で、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡されました。

 当時19歳だったそうで、いただき女子りりちゃんがまだかわいく思えてくるほどです。

◆性への執着では相性が良さそうな野崎幸助氏と須藤早貴被告

 デリヘルで働きながら、アダルトビデオにも出演。肉体を武器に生きてきた須藤早貴被告が、女の肉体を求め続けた紀州のドン・ファンと出会うのは運命だったのかもしれません。

 話題になった野崎幸助氏の著書『紀州のドン・ファン 野望篇』は目次を見るだけでも「ハ・メ・マラの伝説」「淫乱緞子の帯しめて」「ロケット砲のみっちゃん」「サイちゃんの数の子天井」「鮎ちゃんと抜かずの2回」と、今なら不適切と言われる表現だらけで、性豪ぶりが伺い知れます。

 須藤早貴被告のAV出演の理由は、有名なアダルトビデオの男優と絡みたかったから、というミーハーな理由だそうです。本人出演と思われるAVは「朝までハシゴ酒」シリーズ。化粧品メーカーに勤める21歳の「ゆるふわ女子」として登場しています。

 飲み屋では、男好きの本性をさらけ出し、外国人男性の情事についても告白。「UAEの富豪に気に入られ、ラクダに乗せてもらった」というエピソードを語っていて、虚言の気配が…。ちなみに出演した作品は、須藤早貴被告が勾留されている和歌山県の拘置所の近くのDVD販売店で売れているそうです。恐いもの見たさもあって、悪女に惹かれる男性は一定数いるのでしょう。

 性への執着という面では相性が良さそうだった野崎幸助氏と須藤早貴被告ですが、もう野崎氏は性交渉ができなくなっていたとのこと。お互い欲求不満がつのりそうです。

◆ベッドで妖艶な笑みを浮かべ「こっちおいでよ」

 彼女の危険な本性が垣間(かいま)みられる記事が、『週刊現代』(2024年10月5・12日合併号)の「ドンファン妻をかくまった日々」です。

 マスコミの取材が殺到する中、記者を呼び出してレストランや美容サロンに送迎させていた須藤早貴。

 ホテルに滞在している彼女のために食べ物を買ってきた記者が「この部屋、少し寒いですね」とつぶやくと、ベッドを手でポンポンと叩きながら「寒いの? こっちおいでよ、お布団入ったらいいじゃん」と妖艶な笑みを浮かべ、記者はベッドに吸い込まれそうになったけれど思いとどまったそうです。まじめな記者が悪女の闇オーラにハマったら大変です。

◆神宮寺勇太のマンションを探偵に突き止めさせ、引っ越し

 裁判では、須藤早貴被告の別の所業も明らかになりました。小学生の時からジャニーズ好きだった彼女は、野崎氏の死後、大金を自分の口座に送金させ、潤沢な資金を使ってストーカー行為を行っていたそうです。

 神宮寺勇太の大ファンだった須藤早貴は、お金に糸目を付けず、探偵を雇って神宮寺氏が住むタワマンを突き止めます。2020年に空き部屋が出たので引っ越し。

 バイクに乗っている神宮寺氏の、隣の平置き駐車場を借りて、バイクの免許まで取得したそうで恐ろしい行動力です。

 神宮寺氏がかつてインタビューで「彼女と一緒にバイクでツーリングし海を見に行くのが理想のデート」と語っていたことに触発されたようです。彼がバイクに乗るときに合わせて、ストーカーが一緒にバイクでついていっても、彼女の脳内では「ツーリングデート」ということになってしまうのでしょう。

◆友人たちに「今の私、時の人すぎてヤバい」

 野崎氏の死後、高校時代の友人たちとのグループLINEに、週刊誌に記者に追われているのは「ジャニーズのメンバーの家に遊びに行ったからかも」と、嘘と妄想が混じった説明をしていた須藤早貴被告。

 野崎氏が死亡した直後も、友人たちと好きな芸能人についてやりとりしていたそうです。「今の私、時の人すぎてヤバい」とも発言。有名人への憧れも強そうで、逮捕されるまでは追い回されることにいら立ちを見せながらも、ブランドバッグを手にサングラスをかけ、どこかセレブの外出姿を意識しているようでした。

 裁判では、傍聴席に野崎氏の会社の社員を見つけると懇願するような表情でじっと見てきたとのこと。メンタルが強い彼女のことなので、演技しているのかもしれません。

◆今後、犯罪系セレブのポジションを狙うかも

 ちょうど先日、頂き女子「りりちゃん」こと渡辺真衣被告の事件が映画化される、というニュースがありました。海外でも『令嬢アンナの真実』(Netflix)など、詐欺罪を犯したにせセレブの女性の事件がドラマ化され、本人も注目を集めて有名人になっていました。

 羽賀研二も恋愛リアリティ番組に出演していて、話題性があれば犯罪歴がある人でも起用されてしまいます。闇バイトならぬ闇セレブです。

 虚栄心や名声への欲求が強い須藤早貴被告なので、もしかしたら今後、犯罪系セレブのポジションを狙うかもしれません。そしていつか刑期を終えたら、好きなアイドルと同じ土俵に立ちたい、と……。

 犯罪で有名になれるということで、闇セレブや犯罪系セレブに憧れる風潮になったら世も末なので、人格者が支持を集め、正義が勝つ世の中であってほしいです。

<文&イラスト/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。

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