俳優・桐谷健太さんが連続ドラマ初主演を務めた『インフォーマ』(関西テレビ)。
その新シリーズ、『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』がABEMAオリジナルドラマで放送されることが発表されました。
今回の舞台はタイ・バンコク。
政界や経済界、芸能界はもちろん、裏社会の情報にまで精通する「インフォーマ」を名乗る木原慶次郎(桐谷健太)と週刊タイムズ記者の三島寛治(佐野玲於)が、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉をきっかけに、日本とタイの2国に跨る壮大な情報戦に巻き込まれていく、というストーリーです。
今回のインタビューでは、スケールアップした今作ならではの魅力はもちろん、数々のドラマや映画に出演してきた桐谷さんにとって『インフォーマ』はどんな存在なのか、「SNSはやったことがない」と話す桐谷さんが考える情報社会との向き合い方について聞きました。
◆『インフォーマ』は子供心に戻れる作品
――芸歴22年、たくさんの作品を演じられてきた桐谷さんにとって、『インフォーマ』はどのような作品ですか?
桐谷:そもそも前作が連ドラ初主演だったので、この“初”っていうものを『インフォーマ』に奪われたって感じですね(笑)。前作の時に現場に行って、撮影をして、出来上がったものを観たときに、もう何かこう……最高!!!って思いました。
――やっぱり主演ならではの喜びみたいなものはあるんですか?
桐谷:だいぶ前に映画での初主演はありましたし、これまでもW主演とかはあったんですけど、やっぱり単独での主演は独特の面白さがあるなと感じました。ドラマでいうその1発目を『インフォーマ』でやらせていただけたのは、ものすごく大きいですね。
――主演であることに対するプレッシャーはありましたか?
桐谷:全然ないです。「めっちゃ嬉しい!」って。しかも、前作の時から、自分も含めたスタッフさんやキャストから続編をやりたいという意見が出ていて。
俺は「これもやりたい、あれもやりたい」ってどんどんアイデアを出していたんですよね。その中で、東南アジアに行きたいっていうのも実現しましたね。
◆俳優は“〇〇ごっこ”の延長
――続編は東南アジアで撮影したいって思ってたんですね!
桐谷:それは偶然、(監修・原作の)沖田臥竜さんたちもそう思っていてシンクロしていたからっていうのはあるんですけど、『インフォーマ』の新シリーズがタイでやれるとなってもうワクワクでした。
すでに3作目もやりたいって言ってるくらい、アイデアが出てきてしょうがないんです。
「シリーズ化したい」っていうのを、まだ2作目が始まってもないタイミングで言うのは違うかもしれないんですけど、『インフォーマ』は「あれもやりたい」「これもやりたい」っていう子供心に戻してくれる作品ですね。
――子供の心に戻してくれる作品って最高ですね。
桐谷:そうなんですよ。初主演を子供心でやれたというのが俺にとっては嬉しいし大きい。
俳優を5歳の時からやりたかった僕にとって、この仕事は“〇〇ごっこ”の延長なんです。真剣に、思いっきり遊んでいるみたいな気持ちですね。他の作品もそうですが、『インフォーマ』は、それを改めて強くしてくれた作品です。
◆見応えたっぷりのアクション
――実在するタイの刑務所の中での撮影や、ワンカットアクション・カーチェイス・銃撃戦・大乱闘など……見応えたっぷりだそうですが、撮影の感想を教えてください。
桐谷:『インフォーマ』新シリーズの主演をやらせてもらえる時点で、本当に全部楽しかったです! 今回の撮影は初めてのことだらけじゃないですか。タイでしか撮影できないこともいっぱいあったし……。
でも東京に戻ってきてからの、後半戦のストーリーも僕めちゃくちゃ好きなので、そこの印象もすごい強いんですよ。色で言うと、タイのオレンジ色っぽい感じから、東京の群青色に変わっていくみたいな、あの感じもすごい好き。
――後半はまた雰囲気がグッと変わりますもんね。
桐谷:そうなんですよ。タイでのパートが終わって、後半で木原に強烈なことがあって、葛藤していく部分があるんですけど、気がついたら体重が5、6キロ落ちていて。
――えええ……! 精神的な部分が体に現れたんですね。
桐谷:自分のマインド的には大丈夫だったんですけどね。体調も何か変やったんですよ。ある意味、木原とシンクロしていたので「なんじゃこりゃ」と思いながらやってました。それくらいのめり込んでたのかもしれません。
◆配信ドラマには「もう一歩突き抜けられる」良さがある
――今作は地上波ではなくABEMAです。ネット配信と地上波それぞれで違いを感じることがあれば教えてください。
桐谷:それぞれの良さはもちろんありますけど、配信ドラマの場合は、もう一歩突き抜けられる感じはありますよね。
前作でも、こんなやっちゃっていいんだみたいな感じではあったので、やろうと思えばできるかも知れないけど、ある程度の規制は入るので。その分、地上波はテレビをパッとつけた人に見てもらえる良さがあります。
――これ地上波でやってるんだ。すごいなって思った記憶があります。
桐谷:やっぱり『インフォーマ』は突き抜けないとっていう思いがあって。それは“エグさ”とかそういうことじゃなくて“何か突き抜けてる”感覚。
その“何か”っていうのは人それぞれ違うのかもしれないですけど、撮影してても「やっぱ攻めてるよね」「行くよね。そこまで」みたいな感じが『インフォーマ』の痛快さや良さだと思います。もちろん安全性とかはしっかりしてますけどね。
◆衣・食・住・情社会での情報との向き合い方
――あらゆる情報に通ずるカリスマ的情報屋“インフォーマ”を演じる桐谷さんですが、普段はどのように情報と向き合っていますか?
桐谷:僕、本当にSNSを一切やったことないんですよ。ネットニュースとかも基本的に見ない。
単純に今までSNSをやろうと思わなかっただけなんですけど、今って衣・食・住・情くらいの情報が生活に根付いてるから、無意識に情報を見てしまうし、それが自分の見たいニュースだけじゃないから、見ることによって急に気持ち落ち込んじゃったりすることもあると思うんです。
だから俺は、情報に関しては自分の気持ち良いものを選んでいったらいいと思ってます。
――私自身も情報に感情が左右されやすいので分かります。
桐谷:あと、情報が本当か嘘かって、実は分からないじゃないすか。
だから、情報に振り回されるのではなく、自分の気持ち良い風に解釈することで、良い方向に扱えたらと思います。悲しい一面だけじゃなくて、光が差している方向にも行くっていうか。
◆捉え方次第で見える世界が変わる
――なるほど。『インフォーマ』も情報を多面的に見る大切さなども感じられる作品ですよね。
桐谷:情報だけにかかわらず何でも、人によっての捉え方で絶対違うし、物事一つを取っても、自分にとっていろいろな見え方があると思うんですよ。
例えば、失敗したなって思う出来事でも、“失敗した”だけで終わらずに、“どうしたら自分にとっては成功だったのか”を考えられたら、成功のルートがイメージできるし、こっちの道があるんやって知ることができる。
失敗じゃなくて、“成功を教えてくれた出来事”っていうふうにも捉えられるんです。どんなことでも一面のものって多分存在しない。コインでも二面あるし。自分の捉え方とか、自分の感覚で全部変わるって感じはしますよね。
◆情報も悩みも捉え方と感覚が大切
――桐谷さんは悩みに直面したとき、いろんなルートを頭の中で探って導き出していくタイプですか?
桐谷:俺はあんまり考えないです。考えて考えて、「やっとこっちの道があるんや!」とかじゃなくて、「あれ?」みたいに、ポンと思いつく感じ。
でも昔はめっちゃ考えてました。やっと人にこうやって話せるくらいまで腑に落とせたというか、そういう感じです。
当たり前だけど、人生において悩み事ってあるじゃないですか。僕、最近よく勾玉の話をするんです。
勾玉って陰陽のマークで表現されると思うんですけど、大きい丸の中に、白と黒の勾玉があって、黒と白の丸がある。人間ってどっちか選ぶこともできるんだなって思います。
――今、勾玉を思い浮かべてます。
桐谷:真っ黒の中に白い丸がちょっとある勾玉と、真っ白の中に真っ黒の丸がちょっとある勾玉。例えば白が“幸せな感覚”だとしたら、俺は白が大きい勾玉を選ぶ。でも、その中には真っ黒な丸もちょっと必要なんです。
――楽しくないことも必要不可欠だってことでしょうか。
桐谷:どちらかだけだったら、ずっとそのままの大きさ。成長していかないですよね。
真っ白の中にあの黒い丸があるから成長していける。例えば黒の丸が一般に悲しいこと、嫌なこと、悩みとするなら、それがまた自分自身をでかくしてくれるから絶対必要なんです。
だから悩みや失敗があっても、「うわーっ!」とは思うけど、そっからすぐにでも切り替えられるというか、“これは成長するために必要な新たな道具”だと思えるし、自分の行きたい方向を教えてくれる指針にもなるから、その方向に向けてアクセルを踏むきっかけになる。
昔はめちゃくちゃ悩むこともありましたけど、今は切り替えがだいぶ早くなってきました。
◆うっそうとした道も繰り返し歩けば歩きやすくなる
――そう思うようになったのは、何かきっかけがあったんですか?
桐谷:自分で決めるようになったからかもしれないです。失敗したり、悩んだりした時は、早く切り替えて“楽しい方を多くしたい”って。
人間って「そんなわけないやん」って言うかもしれないけど、本当は楽しい方にも行けるのに、悩んでいる方や悪い方に自分から行っちゃうところがあると思うんです。それは何度も繰り返しているうちに、そっちの方が行きやすくて、そういう癖がついちゃってる。
本当に楽しい方向に行きたいのであれば、“行こう”って決めて、例え気持ちが戻されても、何回も楽しい方向に向かっているうちに、良い方向にいく癖がつくと思います。
最初は鬱蒼(うっそう)としている道でも、何度も歩いていれば道ができて、歩きやすくなっていくと思います。
――私や読者にとって、すごく素敵な言葉をもらえた気がします。ありがとうございました。
<文/瑞姫 スタイリスト/岡井雄介 ヘアメイク/岩下倫之(ラインヴァント)>
【瑞姫】
1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。
Twitter:@mizuki32k
その新シリーズ、『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』がABEMAオリジナルドラマで放送されることが発表されました。
今回の舞台はタイ・バンコク。
政界や経済界、芸能界はもちろん、裏社会の情報にまで精通する「インフォーマ」を名乗る木原慶次郎(桐谷健太)と週刊タイムズ記者の三島寛治(佐野玲於)が、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉をきっかけに、日本とタイの2国に跨る壮大な情報戦に巻き込まれていく、というストーリーです。
今回のインタビューでは、スケールアップした今作ならではの魅力はもちろん、数々のドラマや映画に出演してきた桐谷さんにとって『インフォーマ』はどんな存在なのか、「SNSはやったことがない」と話す桐谷さんが考える情報社会との向き合い方について聞きました。
◆『インフォーマ』は子供心に戻れる作品
――芸歴22年、たくさんの作品を演じられてきた桐谷さんにとって、『インフォーマ』はどのような作品ですか?
桐谷:そもそも前作が連ドラ初主演だったので、この“初”っていうものを『インフォーマ』に奪われたって感じですね(笑)。前作の時に現場に行って、撮影をして、出来上がったものを観たときに、もう何かこう……最高!!!って思いました。
――やっぱり主演ならではの喜びみたいなものはあるんですか?
桐谷:だいぶ前に映画での初主演はありましたし、これまでもW主演とかはあったんですけど、やっぱり単独での主演は独特の面白さがあるなと感じました。ドラマでいうその1発目を『インフォーマ』でやらせていただけたのは、ものすごく大きいですね。
――主演であることに対するプレッシャーはありましたか?
桐谷:全然ないです。「めっちゃ嬉しい!」って。しかも、前作の時から、自分も含めたスタッフさんやキャストから続編をやりたいという意見が出ていて。
俺は「これもやりたい、あれもやりたい」ってどんどんアイデアを出していたんですよね。その中で、東南アジアに行きたいっていうのも実現しましたね。
◆俳優は“〇〇ごっこ”の延長
――続編は東南アジアで撮影したいって思ってたんですね!
桐谷:それは偶然、(監修・原作の)沖田臥竜さんたちもそう思っていてシンクロしていたからっていうのはあるんですけど、『インフォーマ』の新シリーズがタイでやれるとなってもうワクワクでした。
すでに3作目もやりたいって言ってるくらい、アイデアが出てきてしょうがないんです。
「シリーズ化したい」っていうのを、まだ2作目が始まってもないタイミングで言うのは違うかもしれないんですけど、『インフォーマ』は「あれもやりたい」「これもやりたい」っていう子供心に戻してくれる作品ですね。
――子供の心に戻してくれる作品って最高ですね。
桐谷:そうなんですよ。初主演を子供心でやれたというのが俺にとっては嬉しいし大きい。
俳優を5歳の時からやりたかった僕にとって、この仕事は“〇〇ごっこ”の延長なんです。真剣に、思いっきり遊んでいるみたいな気持ちですね。他の作品もそうですが、『インフォーマ』は、それを改めて強くしてくれた作品です。
◆見応えたっぷりのアクション
――実在するタイの刑務所の中での撮影や、ワンカットアクション・カーチェイス・銃撃戦・大乱闘など……見応えたっぷりだそうですが、撮影の感想を教えてください。
桐谷:『インフォーマ』新シリーズの主演をやらせてもらえる時点で、本当に全部楽しかったです! 今回の撮影は初めてのことだらけじゃないですか。タイでしか撮影できないこともいっぱいあったし……。
でも東京に戻ってきてからの、後半戦のストーリーも僕めちゃくちゃ好きなので、そこの印象もすごい強いんですよ。色で言うと、タイのオレンジ色っぽい感じから、東京の群青色に変わっていくみたいな、あの感じもすごい好き。
――後半はまた雰囲気がグッと変わりますもんね。
桐谷:そうなんですよ。タイでのパートが終わって、後半で木原に強烈なことがあって、葛藤していく部分があるんですけど、気がついたら体重が5、6キロ落ちていて。
――えええ……! 精神的な部分が体に現れたんですね。
桐谷:自分のマインド的には大丈夫だったんですけどね。体調も何か変やったんですよ。ある意味、木原とシンクロしていたので「なんじゃこりゃ」と思いながらやってました。それくらいのめり込んでたのかもしれません。
◆配信ドラマには「もう一歩突き抜けられる」良さがある
――今作は地上波ではなくABEMAです。ネット配信と地上波それぞれで違いを感じることがあれば教えてください。
桐谷:それぞれの良さはもちろんありますけど、配信ドラマの場合は、もう一歩突き抜けられる感じはありますよね。
前作でも、こんなやっちゃっていいんだみたいな感じではあったので、やろうと思えばできるかも知れないけど、ある程度の規制は入るので。その分、地上波はテレビをパッとつけた人に見てもらえる良さがあります。
――これ地上波でやってるんだ。すごいなって思った記憶があります。
桐谷:やっぱり『インフォーマ』は突き抜けないとっていう思いがあって。それは“エグさ”とかそういうことじゃなくて“何か突き抜けてる”感覚。
その“何か”っていうのは人それぞれ違うのかもしれないですけど、撮影してても「やっぱ攻めてるよね」「行くよね。そこまで」みたいな感じが『インフォーマ』の痛快さや良さだと思います。もちろん安全性とかはしっかりしてますけどね。
◆衣・食・住・情社会での情報との向き合い方
――あらゆる情報に通ずるカリスマ的情報屋“インフォーマ”を演じる桐谷さんですが、普段はどのように情報と向き合っていますか?
桐谷:僕、本当にSNSを一切やったことないんですよ。ネットニュースとかも基本的に見ない。
単純に今までSNSをやろうと思わなかっただけなんですけど、今って衣・食・住・情くらいの情報が生活に根付いてるから、無意識に情報を見てしまうし、それが自分の見たいニュースだけじゃないから、見ることによって急に気持ち落ち込んじゃったりすることもあると思うんです。
だから俺は、情報に関しては自分の気持ち良いものを選んでいったらいいと思ってます。
――私自身も情報に感情が左右されやすいので分かります。
桐谷:あと、情報が本当か嘘かって、実は分からないじゃないすか。
だから、情報に振り回されるのではなく、自分の気持ち良い風に解釈することで、良い方向に扱えたらと思います。悲しい一面だけじゃなくて、光が差している方向にも行くっていうか。
◆捉え方次第で見える世界が変わる
――なるほど。『インフォーマ』も情報を多面的に見る大切さなども感じられる作品ですよね。
桐谷:情報だけにかかわらず何でも、人によっての捉え方で絶対違うし、物事一つを取っても、自分にとっていろいろな見え方があると思うんですよ。
例えば、失敗したなって思う出来事でも、“失敗した”だけで終わらずに、“どうしたら自分にとっては成功だったのか”を考えられたら、成功のルートがイメージできるし、こっちの道があるんやって知ることができる。
失敗じゃなくて、“成功を教えてくれた出来事”っていうふうにも捉えられるんです。どんなことでも一面のものって多分存在しない。コインでも二面あるし。自分の捉え方とか、自分の感覚で全部変わるって感じはしますよね。
◆情報も悩みも捉え方と感覚が大切
――桐谷さんは悩みに直面したとき、いろんなルートを頭の中で探って導き出していくタイプですか?
桐谷:俺はあんまり考えないです。考えて考えて、「やっとこっちの道があるんや!」とかじゃなくて、「あれ?」みたいに、ポンと思いつく感じ。
でも昔はめっちゃ考えてました。やっと人にこうやって話せるくらいまで腑に落とせたというか、そういう感じです。
当たり前だけど、人生において悩み事ってあるじゃないですか。僕、最近よく勾玉の話をするんです。
勾玉って陰陽のマークで表現されると思うんですけど、大きい丸の中に、白と黒の勾玉があって、黒と白の丸がある。人間ってどっちか選ぶこともできるんだなって思います。
――今、勾玉を思い浮かべてます。
桐谷:真っ黒の中に白い丸がちょっとある勾玉と、真っ白の中に真っ黒の丸がちょっとある勾玉。例えば白が“幸せな感覚”だとしたら、俺は白が大きい勾玉を選ぶ。でも、その中には真っ黒な丸もちょっと必要なんです。
――楽しくないことも必要不可欠だってことでしょうか。
桐谷:どちらかだけだったら、ずっとそのままの大きさ。成長していかないですよね。
真っ白の中にあの黒い丸があるから成長していける。例えば黒の丸が一般に悲しいこと、嫌なこと、悩みとするなら、それがまた自分自身をでかくしてくれるから絶対必要なんです。
だから悩みや失敗があっても、「うわーっ!」とは思うけど、そっからすぐにでも切り替えられるというか、“これは成長するために必要な新たな道具”だと思えるし、自分の行きたい方向を教えてくれる指針にもなるから、その方向に向けてアクセルを踏むきっかけになる。
昔はめちゃくちゃ悩むこともありましたけど、今は切り替えがだいぶ早くなってきました。
◆うっそうとした道も繰り返し歩けば歩きやすくなる
――そう思うようになったのは、何かきっかけがあったんですか?
桐谷:自分で決めるようになったからかもしれないです。失敗したり、悩んだりした時は、早く切り替えて“楽しい方を多くしたい”って。
人間って「そんなわけないやん」って言うかもしれないけど、本当は楽しい方にも行けるのに、悩んでいる方や悪い方に自分から行っちゃうところがあると思うんです。それは何度も繰り返しているうちに、そっちの方が行きやすくて、そういう癖がついちゃってる。
本当に楽しい方向に行きたいのであれば、“行こう”って決めて、例え気持ちが戻されても、何回も楽しい方向に向かっているうちに、良い方向にいく癖がつくと思います。
最初は鬱蒼(うっそう)としている道でも、何度も歩いていれば道ができて、歩きやすくなっていくと思います。
――私や読者にとって、すごく素敵な言葉をもらえた気がします。ありがとうございました。
<文/瑞姫 スタイリスト/岡井雄介 ヘアメイク/岩下倫之(ラインヴァント)>
【瑞姫】
1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。
Twitter:@mizuki32k