先日、コンビニ大手3社は2024年度第2四半期の業績を発表。ファミリーマートとローソンは増益だった一方で、セブン‐イレブン(以下セブン)は大幅な減益を記録した。
セブンが1人負けしたのは海外店舗が主な原因ではあったが、ネット上では数年前から問題視されている弁当の底を上げて量を多く見せる“上げ底”を挙げる指摘が多い。本当の理由以前に、セブンの弁当に不満を持っていた人が少なくなく、今回の1人負けをキッカケにその不満が爆発したのかもしれない。
ただ、今回勃発した“上げ底問題”はまだまだ収まりそうもない。
◆社長が露骨な上げ底を否定「アコギなことはできない」
文春オンラインは10月25日、セブン-イレブン・ジャパン永松文彦社長への取材記事を掲載した。記事内では上げ底について質問する一幕があったが、永松社長は底が上がっている事実は認めているが、あくまで電子レンジで温めた際に中まで熱をしっかり伝えるために必要なことであると説明。
そして、他社と比較しても露骨な上げ底をしていないと話し、「アコギなことはできないんですよ」と消費者をだます目的で上げ底をしているわけではないと語った。
同記事の反響はすさまじく、ヤフーニュースにも掲載された同記事に寄せられたコメントは約9000件。やはり上げ底を注視している人が少なくないことがうかがえる。
◆大手コンビニ3社の弁当“容器”を比較
永松社長は上げ底自体は否定しなかったが、他社と比べてハッキリとやっているわけではないと主張していた。実際のところ、セブンの弁当は他社と比較して極端に上げ底しているのだろうか。コンビニ大手3社の弁当の“容器”を、内容・価格帯が近い弁当同士で見比べてみたい。
まずセブンイレブンは「幕の内398」(429円/税込、以下同)を選択。500円を切っているからなのか、638kcalと今回比較する弁当の中でカロリーは一番低い。
いろいろな具材が入っており美味しそうなビジュアル。今回は容器の上げ底がメインではあるが、食材のボリュームにも注目したい。
そこでまず全ての具材が乗っている状態で重さを測る。重さは350gだったが、具材を除いたご飯だけの状態で測ると200gだった。
◆容器の四隅がボコッと凹んでいる上に……
そして、メインの容器チェック。容器の角は歯に装着するマウスピースのようにギザギザしており、いずれもボコッと凹んでいる。また、ご飯が乗っていたエリアも山のように真ん中部分が高い。
コーヒーを容器の真ん中に垂らしてみると、平良に広がらずに端っこに流れていく。
コンビニ弁当を電子レンジで温めると外アツ、中ヒエということは珍しくなく、底を多少上げて熱の通りを良くすることは合理性がある。それでも、「消費者の目をごまかすための上げ底をしている」と言われても仕方ない。
◆ファミリーマートの弁当はいかに
とはいえ、他社はどうなのか。ファミリーマートは10月29日にリリースされた「肉コンボ!ミックス弁当」(550円)を選択。
ハンバーグやウインナー、ベーコンなどが乗ったジャンクな内容だけあってカロリーは747kcalと高い。
全体の重さは397gで、ご飯だけでは219g。値段を鑑みるとご飯の割合は「幕の内398」と差がないように思う。
◆ファミリーマートの容器も上げ底なのか?
容器は、セブンの「幕の内398」ほどではないが周囲にくぼみがある。
おかずが乗っていたエリアのほうが若干上げ底になっているが、「幕の内398」のように真ん中付近が盛り上がっているわけではない。上げ底と言い切ることはなかなか難しい。
◆ローソンのハイカロリー弁当
ローソンは値段の割にカロリー(871kcal)が高く、コスパの良さを感じさせる「これがのり弁当」(567円)。
全体の重さは403gで、ご飯だけでは215g。僅差ではあるが「肉コンボ!ミックス弁当」よりはご飯が少なかった。
◆ローソンの容器にもくぼみはあるが……
「これがのり弁当」も端に多少のくぼみがある。
しかし、真ん中付近が盛り上がってはおらずむしろ平たい。上げ底と判断するにはなかなか苦しい。コンビニ3社の全ての弁当を比較したわけではないが、「幕の内398」「これがのり弁当」「肉コンボ!ミックス弁当」の中では、セブンの「幕の内398」の底が一番上がっている印象だった。
「幕の内398」は500円を切ってる割にはご飯の量は少なくない。むしろコスパの良ささえうかがえる。しかし、こういった容器を採用してしまうと、せっかくの「コスパ抜群」という魅力が半減しかねない。
弁当容器に厳しい視線が向けられている今、多少高くても消費者が納得できる容器選びが必要になりそうだ。
<写真・文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki
セブンが1人負けしたのは海外店舗が主な原因ではあったが、ネット上では数年前から問題視されている弁当の底を上げて量を多く見せる“上げ底”を挙げる指摘が多い。本当の理由以前に、セブンの弁当に不満を持っていた人が少なくなく、今回の1人負けをキッカケにその不満が爆発したのかもしれない。
ただ、今回勃発した“上げ底問題”はまだまだ収まりそうもない。
◆社長が露骨な上げ底を否定「アコギなことはできない」
文春オンラインは10月25日、セブン-イレブン・ジャパン永松文彦社長への取材記事を掲載した。記事内では上げ底について質問する一幕があったが、永松社長は底が上がっている事実は認めているが、あくまで電子レンジで温めた際に中まで熱をしっかり伝えるために必要なことであると説明。
そして、他社と比較しても露骨な上げ底をしていないと話し、「アコギなことはできないんですよ」と消費者をだます目的で上げ底をしているわけではないと語った。
同記事の反響はすさまじく、ヤフーニュースにも掲載された同記事に寄せられたコメントは約9000件。やはり上げ底を注視している人が少なくないことがうかがえる。
◆大手コンビニ3社の弁当“容器”を比較
永松社長は上げ底自体は否定しなかったが、他社と比べてハッキリとやっているわけではないと主張していた。実際のところ、セブンの弁当は他社と比較して極端に上げ底しているのだろうか。コンビニ大手3社の弁当の“容器”を、内容・価格帯が近い弁当同士で見比べてみたい。
まずセブンイレブンは「幕の内398」(429円/税込、以下同)を選択。500円を切っているからなのか、638kcalと今回比較する弁当の中でカロリーは一番低い。
いろいろな具材が入っており美味しそうなビジュアル。今回は容器の上げ底がメインではあるが、食材のボリュームにも注目したい。
そこでまず全ての具材が乗っている状態で重さを測る。重さは350gだったが、具材を除いたご飯だけの状態で測ると200gだった。
◆容器の四隅がボコッと凹んでいる上に……
そして、メインの容器チェック。容器の角は歯に装着するマウスピースのようにギザギザしており、いずれもボコッと凹んでいる。また、ご飯が乗っていたエリアも山のように真ん中部分が高い。
コーヒーを容器の真ん中に垂らしてみると、平良に広がらずに端っこに流れていく。
コンビニ弁当を電子レンジで温めると外アツ、中ヒエということは珍しくなく、底を多少上げて熱の通りを良くすることは合理性がある。それでも、「消費者の目をごまかすための上げ底をしている」と言われても仕方ない。
◆ファミリーマートの弁当はいかに
とはいえ、他社はどうなのか。ファミリーマートは10月29日にリリースされた「肉コンボ!ミックス弁当」(550円)を選択。
ハンバーグやウインナー、ベーコンなどが乗ったジャンクな内容だけあってカロリーは747kcalと高い。
全体の重さは397gで、ご飯だけでは219g。値段を鑑みるとご飯の割合は「幕の内398」と差がないように思う。
◆ファミリーマートの容器も上げ底なのか?
容器は、セブンの「幕の内398」ほどではないが周囲にくぼみがある。
おかずが乗っていたエリアのほうが若干上げ底になっているが、「幕の内398」のように真ん中付近が盛り上がっているわけではない。上げ底と言い切ることはなかなか難しい。
◆ローソンのハイカロリー弁当
ローソンは値段の割にカロリー(871kcal)が高く、コスパの良さを感じさせる「これがのり弁当」(567円)。
全体の重さは403gで、ご飯だけでは215g。僅差ではあるが「肉コンボ!ミックス弁当」よりはご飯が少なかった。
◆ローソンの容器にもくぼみはあるが……
「これがのり弁当」も端に多少のくぼみがある。
しかし、真ん中付近が盛り上がってはおらずむしろ平たい。上げ底と判断するにはなかなか苦しい。コンビニ3社の全ての弁当を比較したわけではないが、「幕の内398」「これがのり弁当」「肉コンボ!ミックス弁当」の中では、セブンの「幕の内398」の底が一番上がっている印象だった。
「幕の内398」は500円を切ってる割にはご飯の量は少なくない。むしろコスパの良ささえうかがえる。しかし、こういった容器を採用してしまうと、せっかくの「コスパ抜群」という魅力が半減しかねない。
弁当容器に厳しい視線が向けられている今、多少高くても消費者が納得できる容器選びが必要になりそうだ。
<写真・文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki