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38歳で地元に“出戻り”した元TBSアナの私が、実家掃除で捨ててしまい後悔してるモノ

女子SPA! 2024年11月22日 8時47分

 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。

 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。

 第11回となる本記事では「モノを手放すこと」への考え方を綴ります(以下、アンヌさんの寄稿)。

◆本当に“ものが少ないことは良いこと”なのか?

 そろそろ大掃除を考える時期。皆さんは掃除や整理整頓が好きですか? 昨今の風潮として「ものが少ないことは良いことだ」という流れ、ありませんか?

 20年ぶりに故郷北海道に拠点を戻し、札幌の実家に父親、ゴールデンレトリバーの愛犬と3人暮らしをしている私ですが、当初はモノであふれ返る実家に閉口した時期が確かにありました。

 父と険悪になってまで一度どっちゃり不用品を手放したものの、これ以上はもう手放すことはしばらくない、もしくはむしろしないほうが良いと言う境地に、実は現在至っています。

 モノはまた欲しくなったら手に入れられるんだから、場合によっては1年間使っていないものは手放すべしという考え方もあります。が、その考え方は経済的に恵まれているからこその考え方であり、手放し行為を気軽にできる環境は、実はすごく幸せで贅沢なのではないかと最近よく思うのです。

 また、二度と購入することができない付加価値がついたものが、特に実家には多く眠っているという点にも気づかされました。

 実家大整理を経験した私が今思う、手放さなくてよかったもの、手放してよかったもの、手放して後悔しているものをお伝えします。

◆①手放さなくて正解だったもの

 実家整理に限らず、いつも手放しの俎上(そじょう)に上がるのが洋服。

 布類は虫がつくし、特に遺品に関しては誰かが実際に着るわけでもないから、場合によっては、業者に頼んで一気に処分をするという考え方もあるそう。が、私は少し疑問です。というのも私は現在、かつて祖母が身に付けていたセーターやコート類にかなり救われているから!

 札幌出身とは言え20年ぶりに北海道に拠点を移した私は、屋外での仕事などは東京とは比にならない最強の防寒をする必要があることに気付かされました。防寒のみならず、ある程度おしゃれにも見せなくてはいけない高度さが求められます。

 実はお仕事の際、祖母が着ていたセーターをありがたく使わせていただいています。これは私の持論ですが、「昭和の衣服」は非常に良質なものが多いのでは? いわゆるプチプラという概念がなかった時代。丁寧に作られた洋服が多いのではとも感じています。

 ベージュカラーに黒い細かい模様が入ったハイネックのお気に入りのセーターは、特にブランド物などではないですが、厚みがあり非常に温かくかつ形がおしゃれでクラシカル。処分をせずに取っておいて良かったと心底思っています。

 また私が中学生の頃に制服用に買い込んだ大量の黒いタイツも子ども部屋より救出。実は現在、その中学生タイツも日常的にありがたく履いております。

 タイツやストッキングって実は長持ちするんですね……衣服類は実は宝の山ではないかとも思っています。汚れ等があれば別ですが、選別を熟慮する価値はあると思います。

◆②手放してよかったもの

 期限切れの備蓄食料。当たり前だろう! とおっしゃる方も多いかもしれませんが、意外と手放しにくいもの。いざと言うとき、こういうものでも役に立つかも……レトルト品だったら、ある程度賞味期限を無視しても大丈夫かも……なんて気持ちになりがち。

 私は今回、床下収納にてウン10年ほど前のレトルトカレーを発見。当初は、いざと言うときのためにと思いなかなか捨てられなかったのですが、実際に自分がそれを食べる場面を想像すると……これは無理だな……と判断。潔く手放し新たなスペースを設けましょう。

◆③手放して後悔しているもの

 専門書の数々。これは本当に後悔。私が大学や大学院の時に論文作成で使用した専門書たち。

 もう使うこともないし……論文を書く機会ももうないだろう……なんて、なかばやけになった切ない気持ちで手放してしまったものがありました。実は最近またライター業などで過去の専門書が必要になっている場面に遭遇している私。

 読みたいと願っても実は図書館にすら所蔵されていないということが最近多々あるのです。資料によってはデジタル化をしないまま図書館側が廃棄してしまうなんて現状もあり愕然としました。

 かつては古書店で数千円で手に入ったようなものも現在は数万円の価値が付いていたり。なんであのとき手放しちゃったんだろう……。

 もう使うことは無いだろう。なんていじけた気持ちで手放した自分をビンタしたい。

◆無理に手放すことはない

 皆さんね、自分の気持ちに嘘をついて、自分の気持ちに蓋をして無理に整理整頓する必要ないんですよ。

 特に実家整理をしていると、子どもの頃に使っていた湯のみやらお箸やらひょっこり出てくる時があります。小学生の頃に使っていたけろっぴの湯のみがまだある事実にとんでもない懐かしさを感じ、幸せな気持ちになったり。

 皆さん、無理に手放す必要なんてないんです。自分の気持ちに正直に! これが実家整理及び日常の整理整頓の極意ではないかと私は感じます。

 迷ったら手放すという考え方もあるけど、迷ったらやめとくっていうのもありでは?

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中

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