面倒な引越しの手続きを疎かにしていたり、やろうやろうと思っていた月々の出費の見直しを先送りにしていませんか?
今回は「塵も積もれば山となる」が最悪の形で実現してしまった女性の体験談をご紹介します。
◆月々のお金の見直しでとんでもない事実が発見
「5年付き合った彼と結婚が決まって、身の回りのお金の整理をしていたんです」
意気消沈した様子で話を聞かせてくれたのはやよいさん(仮名・32歳)。新生活に向けて使っていないサブスクを解約したり、引越しに備えて光熱費の見直しをしたり、ひとつずつ支出額の確認を行っていたのだとか。
「明細のほとんどは、いつも支払っている光熱費やジムの料金、スーパー、ネットショッピングでした。でもその中でひとつだけ心当たりのない引き落としがあることに気が付いたんです」
このタイミングでやらなければ! と気になる支払い先はすべて確認するようにしていたというやよいさん。調べていくなかで、明らかに他とは異なる明細を見つけたそうです。
◆まさか不正利用?見覚えのない引き落としに恐怖
「順調に確認を進めているなかで、ふとおかしな引き落としを発見しました。光熱費とは別で、7000円引かれているんです。半端な数字、例えば345円だとか、4670円だとか、そういう引き落としの方がリアリティがあるんですよね。コンビニで買い物をしたとか、居酒屋で支払ったお金だとか。でもキリの良い数字って、目につくんですよ」
不思議に思ったやよいさんは明細を遡ります。2ヶ月前、3ヶ月前、半年前、1年前……毎月しっかり同じ日に同じ金額が引かれていました。
「会社名を調べると、ネット回線の会社でした。でも今使っているネット回線は別で引かれているからおかしいんですよね。不正利用が横行しているのも知っていたので、もしかして? と恐怖心が湧きあがってきました」
◆真実は別のところに。思い出したくなかった7年前の未清算
「まだ不正利用が決まったわけではない。いつから引き落としが続いてるのか調べてみなければ、と思いました。クレジットカード会社に連絡するにしても、まずはそこからだなと」
そうして遡ることなんと8年。少しずつ冷静さを取り戻したやよいさんは「あること」を思い出しました。
「7年前に別れた元カレです……。一年ほど同棲して、別れたときに私が先に家を出たんです」
辿り着いた先にあったのは、新生活とは無縁のはずだった元カレとの記憶。そう、今回の引き落としの正体は、当時元カレと同棲していた家の回線料金だったのです。
◆時すでに遅し、損失額は60万円にも
同棲中、光熱費の支払いをしていたやよいさんは家を出る際にすべての契約を元カレの名義に移行。その中から漏れてしまっていたのがネット回線の契約だったのです。
「私が家を出てすぐに元カレも引越しをしているはずなんです。つまりそこからの7年間は、ネットの利用もしていないのにお金だけを支払っていたということになります」
月々7000円×7年で、約60万円。やよいさんはどうにかして少しでもお金を取り戻せないかと試みました。
◆弱り目に祟り目、トドメの支払いに為す術無し
「もちろん慌てて解約の連絡をしました。ダメ元で返金できないかも聞きましたが、ダメでした。そこで、さらにレンタルしていたWi-Fi機器とテレビチューナーが返却されていないと言われたんです。返却できないなら追加で紛失代の26000円もかかるって」
ただでさえ60万損している状態で追加の支払いが発生すると告げられたやよいさん。解約が漏れていたとはいえ、退去はすべて元カレに任せていたのでルーターもチューナーも今どこにあるのかは知る由もありません。
「結局泣き寝入りです。友人を介してなんとか元カレにも連絡を取ってもらったんですが、もともとだらしない人だったのでルーターの存在なんて覚えていなくて。もうどうすることもできないです」
思い出すのも嫌だけど、誰かに聞いてもらわないと消化できないんです。と悔しさと悲しさが混ざり合った口調のやよいさん。旦那には言わずに墓場まで持っていきます、と語っていました。
男もお金も最後はきっちり清算しなければいけないという、教訓になったお話でした。
<文/伊角由貴>
今回は「塵も積もれば山となる」が最悪の形で実現してしまった女性の体験談をご紹介します。
◆月々のお金の見直しでとんでもない事実が発見
「5年付き合った彼と結婚が決まって、身の回りのお金の整理をしていたんです」
意気消沈した様子で話を聞かせてくれたのはやよいさん(仮名・32歳)。新生活に向けて使っていないサブスクを解約したり、引越しに備えて光熱費の見直しをしたり、ひとつずつ支出額の確認を行っていたのだとか。
「明細のほとんどは、いつも支払っている光熱費やジムの料金、スーパー、ネットショッピングでした。でもその中でひとつだけ心当たりのない引き落としがあることに気が付いたんです」
このタイミングでやらなければ! と気になる支払い先はすべて確認するようにしていたというやよいさん。調べていくなかで、明らかに他とは異なる明細を見つけたそうです。
◆まさか不正利用?見覚えのない引き落としに恐怖
「順調に確認を進めているなかで、ふとおかしな引き落としを発見しました。光熱費とは別で、7000円引かれているんです。半端な数字、例えば345円だとか、4670円だとか、そういう引き落としの方がリアリティがあるんですよね。コンビニで買い物をしたとか、居酒屋で支払ったお金だとか。でもキリの良い数字って、目につくんですよ」
不思議に思ったやよいさんは明細を遡ります。2ヶ月前、3ヶ月前、半年前、1年前……毎月しっかり同じ日に同じ金額が引かれていました。
「会社名を調べると、ネット回線の会社でした。でも今使っているネット回線は別で引かれているからおかしいんですよね。不正利用が横行しているのも知っていたので、もしかして? と恐怖心が湧きあがってきました」
◆真実は別のところに。思い出したくなかった7年前の未清算
「まだ不正利用が決まったわけではない。いつから引き落としが続いてるのか調べてみなければ、と思いました。クレジットカード会社に連絡するにしても、まずはそこからだなと」
そうして遡ることなんと8年。少しずつ冷静さを取り戻したやよいさんは「あること」を思い出しました。
「7年前に別れた元カレです……。一年ほど同棲して、別れたときに私が先に家を出たんです」
辿り着いた先にあったのは、新生活とは無縁のはずだった元カレとの記憶。そう、今回の引き落としの正体は、当時元カレと同棲していた家の回線料金だったのです。
◆時すでに遅し、損失額は60万円にも
同棲中、光熱費の支払いをしていたやよいさんは家を出る際にすべての契約を元カレの名義に移行。その中から漏れてしまっていたのがネット回線の契約だったのです。
「私が家を出てすぐに元カレも引越しをしているはずなんです。つまりそこからの7年間は、ネットの利用もしていないのにお金だけを支払っていたということになります」
月々7000円×7年で、約60万円。やよいさんはどうにかして少しでもお金を取り戻せないかと試みました。
◆弱り目に祟り目、トドメの支払いに為す術無し
「もちろん慌てて解約の連絡をしました。ダメ元で返金できないかも聞きましたが、ダメでした。そこで、さらにレンタルしていたWi-Fi機器とテレビチューナーが返却されていないと言われたんです。返却できないなら追加で紛失代の26000円もかかるって」
ただでさえ60万損している状態で追加の支払いが発生すると告げられたやよいさん。解約が漏れていたとはいえ、退去はすべて元カレに任せていたのでルーターもチューナーも今どこにあるのかは知る由もありません。
「結局泣き寝入りです。友人を介してなんとか元カレにも連絡を取ってもらったんですが、もともとだらしない人だったのでルーターの存在なんて覚えていなくて。もうどうすることもできないです」
思い出すのも嫌だけど、誰かに聞いてもらわないと消化できないんです。と悔しさと悲しさが混ざり合った口調のやよいさん。旦那には言わずに墓場まで持っていきます、と語っていました。
男もお金も最後はきっちり清算しなければいけないという、教訓になったお話でした。
<文/伊角由貴>