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国宝級に美しい29歳、“次世代のカメレオン俳優”として期待大なワケ。「“天皇”を演じた人と思えない!」悪役姿も話題

女子SPA! 2024年11月27日 8時46分

この1年、縦横無尽の活躍が止まらなかった俳優・塩野瑛久(しおの あきひさ)。大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合ほか)で熱演した、美しく凛とした佇まいの一条天皇が話題に。一転、現在放送中のドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系、金曜よる11時15分~)では別人のような猫背姿勢で、気弱な新入社員・鶸田(ひわだ)を演じています。

そして11月14日、塩野の公式Instagramのある投稿に、「一条天皇と同一人物とは思えない」「まさか鶸田くんだったとは」と驚きの声が集まりました。

◆映画『八犬伝』では八犬士たちのワイルドな仇役

投稿されたのは、10月25日から公開中の映画『八犬伝』で演じる扇谷定正(おおぎがやつ さだまさ)の扮装ショット。

本作は、里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士の運命をダイナミックに描く“虚のパート”と、八犬伝を生み出した滝沢馬琴(役所広司)の生き様と浮世絵師・葛飾北斎(内野聖陽)との友情を描いた“実のパート”を交錯させて描いた作品です。

塩野が演じる扇谷は、“虚のパート”に登場する八犬士たちにとって最強の仇。塩野は、帝とは全く違う“悪”の貫禄たっぷりの髭面で、暴君を演じています。クレジットを見るまで、塩野の出演に気づかなかった人もいるのではないでしょうか。

◆品位ある美しさのなかに、孤独と傲慢や葛藤も

昨年放送されたドラマ『かしましめし』(テレビ東京系)の雨海英治役で一気に塩野ファンになった筆者。デザイナーだったのに営業に配置替えされ、更に恋人にもとことん振り回され悶々とする姿に、ぞくぞくしました。

その後の『光る君へ』への出演は嬉しく思うと同時に「確かに顔は国宝級に美しいけれど、天皇役はまだ早いのでは?」などと、勝手に心配したものです。本当に大きなお世話でした。

政(まつりごと)と貴族の権力争いに振り回されながら、理想と現実とのギャップに苦しみ続けた一条天皇。第15回で初登場した際には、圧倒的美しさと龍笛の音色で一気に視聴者の心を掴みます。これが大河ドラマ初の、本人が吹いた生音だったというから驚きです。以降も、品位ある美しさのなかに、孤独、傲慢(ごうまん)や葛藤も醸し出し、苦悩の生涯を見事に演じ切りました。

◆弱腰リーマンから恋愛体質のチャラ男まで、役の幅が広すぎる

一方、放送中のドラマ『無能の鷹』で演じている新入社員の鶸田は、努力家で有能ながらも、常に弱腰で、自信のなさが全面に出てしまっています。「そんな美しい顔面で、そんな馬鹿な!」とさえ思わせないほど、見るからに“デキなさそう”な佇まい。物語にしっかりと馴染んでいます。

同じ新人なのに、主人公の鷹野(菜々緒)とタッグを組んで世話係をすることになった鶸田。そんな鷹野と鶸田の対比、そして周囲を巻き込んだ掛け合いが面白い本作。死んだ魚のような目をしたり、諦念(ていねん)の表情をしたり、豊かな“ダメ”な受けの表情を繰り広げる塩野の功績も大きいでしょう。

FODで今年の7月に配信され、この秋地上波でも放送されたドラマ『REAL 恋愛殺人捜査班』での役柄も、なかなか。実在した殺人事件をモチーフにした恋愛がらみの3つの事件を描いた本作で、塩野は野村周平とW主演。根っからの恋愛体質で、事件の証人にまで手を出すチャラ~い刑事を演じています。凄まじい軽薄さに驚かされました。

◆次世代のカメレオン俳優として「期待大」なワケ

さらに、大ヒット映画の続編となるドラマ版『ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-』(WOWOW)にも、元はヤクザの一味で賭場の用心棒だった青年・奥山夏太郎(おくやま かんたろう)役で出演中。土方歳三(舘ひろし)と出会い、彼に傾倒していく男を演じています。

ちなみに筆者が塩野を初めて認識したのは、シリーズ化もされた人気ドラマ『来世ではちゃんとします』(2020年、テレビ東京系)。ヒロイン・桃江(内田理央)のセフレの「Aくん」役を演じていました。桃ちゃんが本命にしたいほどイケメンで、優しくて、スマート。なのにドSで、ド変態。「このイケメン変態やばっ」と釘付けになってしまいました。

昨年放送されたドラマ『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』(読売テレビ・日本テレビ系)における、復讐される側の“上級国民”役も印象的。主人公・新堂一葉(板谷由夏)の仇である早乙女家の長男であり、親の権力による七光りの勘違い男でした。素行不良で、女性に暴力をふるうクズっぷりが凄まじく光っており、今観返しても「この人が、あの帝なのか?!」と驚きます。まさにカメレオン俳優!

この2024年は特に、さまざまな顔を見せながら、一つひとつの役で存在感を放ち話題を集めた塩野。これからもカメレオンっぷりに磨きをかけて、新たな挑戦を続けてくれることでしょう。

<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>

【鈴木まこと】
tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201

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