2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第12回となる本記事ではエピソードを綴ります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆あるアラフォー女性のインスタ投稿に釘付けに
先日、何の気なしにInstagramを眺めていた際、あるアラフォー女性の投稿が目をひきました。
小さいとき、同級生がキラキラのガラスの靴のようなシューズを履いていて、それがとっても羨ましくて、アラフォーになってやっと似たようなものを買えた、あの頃の夢を今になって叶えた、という内容でした。
写真が手元にないもので、その画像をお見せできないのが歯がゆいのですが、私とだいたい同世代の女性であれば、一目見れば、わー、懐かしい! と思わず歓声を上げたくなるような懐かし映像に心打たれました。
ビニール製? プラスチックなのかよくわからないのですが、透明の軽そうな素材でメッシュ状に靴全体が編まれており、ラメと思しきキラキラが入っていて、遠目に見るとガラスの靴のように見えるのです。
ものによってはプラスチックで作ったお花のようなものが付いていたり……おそらくGoogleなどで「平成 キラキラシューズ」などと検索すれば出てくるのでは。
◆私も欲しかったキラキラの靴
実は、何を隠そうこの私も、これが欲しくて欲しくてたまらなかったのを思い出しました。近所のお友達が着用していてとっても可愛かったのですが、我が家は、子どもの持ち物や、読む本、テレビ番組、おやつなどなどあらゆる点において、なかなかに教育熱心で、そして非常に厳しかった記憶があります。
良質な本や、しっかりした子ども服をたくさん買い与えてもらったことは本当に感謝しているのですが、周りのお友達が当たり前に持っていたような細々した物や当たり前に体験しているようなことはなぜか我が家では縁遠かった記憶が。
結構このような幼少期をお過ごしの同世代女性、多いのではないかと。私の肌感覚ですが……。
例の平成キラキラシューズをアラフォーにして自力で手に入れたという女性の気持ち、本当によくわかります。実は今、私も同じようなことを最近よくやってしまうのです。
◆つい大人買いしてしまうのが……
現在私はゴールデンレトリバーとともに、札幌の実家で暮らしておりますが、いつかはワンちゃんと2人暮らしができるようなおうちを買いたい! というのが今のもっぱらの目標。
なるべくなるべく無駄遣いはしないように……なんて思ったりしているわけですが、目に入るとつい最近やってしまうのがガチャガチャ。
私の推しキャラクターはサンリオのけろけろけろっぴ。けろっぴのものが目に入れば、迷わずやってしまうのです。
子どもの頃、滅多にやらせてもらえなかったガチャガチャ。できたとしても1回限り……ところが今ではお札を崩して、大量の100円玉を手にお目当てのものが出るまで大人買いならぬ大人チャレンジをいくらでもできる財力があるのです。ホーッホッホ!!
いい大人がそんなお金の使い方をして!
というお声もあるでしょうが……。1回300円として、それを何回か繰り返しても……だいたい1200円から2000円ほど。それであれだけの高揚感、ドキドキが味わえるなんて、安いものではないのかと思ったりもしてしまっています。
あとは……子どもの頃の自分ができなかったことを、お金を持った現在の自分が代わりに果たしていると言う感覚。もしくは、あの頃の私の母親代わりとなって、今私がいろいろと買ってあげている、という感覚でしょうか。
◆懐かしの「アイスクリームトラック」に遭遇
今年札幌に帰ってきて感激だったのが、私が子どもの頃よく近所にやってきていたアイスクリームトラックがいまだに近所に売りに来る事実。
「おいしいアイスクリームいかがですか~?」と軽やかな音楽を流しながら、ピンク色の可愛いトラックがアイスクリームを売りに来るのです。幼い頃の私はどうしてもどうしても食べてみたかったのですが……親からはもちろんNGが。
近所の子が大蔵大臣(古い)であるおじいちゃんを連れてホクホク顔でアイスクリームを買っている光景を横目に見て、いいなぁなんて思っていたあの頃の私。
今年夏、愛犬の散歩中たまたまアイスクリームトラックに遭遇し仰天。まだやってるんだという驚きとともに、とんでもない懐かしさに襲われました。
愛犬とともに猛ダッシュし、慌てて家に滑りこみ、お財布を握り締めて再びアイスクリームトラックのもとへ!
息を切らしながら「抹茶とラムレーズンアイスクリームをカップでください!」と注文。
およそ30年越し。夢のアイスクリームトラック。はじめての経験。感無量でした。
◆リトルミーができなかったことを叶えてあげてみては?
子どもの頃にできなかったことを、自分の現在の財力を使って取り返している感覚。共感できる方、意外といらっしゃるんじゃないかと思うんです。
あの頃のリトルミーができなかったこと、代わりに叶えてあげましょうよ。そのお金の使い方は決して無駄使いではないはず。だってとんでもなく幸せな気持ちになりません?
あれを買ってもらえなかった、あそこに行きたかったけど、行けなかった……なんて、子どもの頃の切ないモヤモヤを、まだ抱えている方がいらっしゃるとしたら、それはもう今すぐ自分の力で解消しようではありませんか!
自分が自分の1番の理解者であり、保護者であるはず。ね!
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第12回となる本記事ではエピソードを綴ります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆あるアラフォー女性のインスタ投稿に釘付けに
先日、何の気なしにInstagramを眺めていた際、あるアラフォー女性の投稿が目をひきました。
小さいとき、同級生がキラキラのガラスの靴のようなシューズを履いていて、それがとっても羨ましくて、アラフォーになってやっと似たようなものを買えた、あの頃の夢を今になって叶えた、という内容でした。
写真が手元にないもので、その画像をお見せできないのが歯がゆいのですが、私とだいたい同世代の女性であれば、一目見れば、わー、懐かしい! と思わず歓声を上げたくなるような懐かし映像に心打たれました。
ビニール製? プラスチックなのかよくわからないのですが、透明の軽そうな素材でメッシュ状に靴全体が編まれており、ラメと思しきキラキラが入っていて、遠目に見るとガラスの靴のように見えるのです。
ものによってはプラスチックで作ったお花のようなものが付いていたり……おそらくGoogleなどで「平成 キラキラシューズ」などと検索すれば出てくるのでは。
◆私も欲しかったキラキラの靴
実は、何を隠そうこの私も、これが欲しくて欲しくてたまらなかったのを思い出しました。近所のお友達が着用していてとっても可愛かったのですが、我が家は、子どもの持ち物や、読む本、テレビ番組、おやつなどなどあらゆる点において、なかなかに教育熱心で、そして非常に厳しかった記憶があります。
良質な本や、しっかりした子ども服をたくさん買い与えてもらったことは本当に感謝しているのですが、周りのお友達が当たり前に持っていたような細々した物や当たり前に体験しているようなことはなぜか我が家では縁遠かった記憶が。
結構このような幼少期をお過ごしの同世代女性、多いのではないかと。私の肌感覚ですが……。
例の平成キラキラシューズをアラフォーにして自力で手に入れたという女性の気持ち、本当によくわかります。実は今、私も同じようなことを最近よくやってしまうのです。
◆つい大人買いしてしまうのが……
現在私はゴールデンレトリバーとともに、札幌の実家で暮らしておりますが、いつかはワンちゃんと2人暮らしができるようなおうちを買いたい! というのが今のもっぱらの目標。
なるべくなるべく無駄遣いはしないように……なんて思ったりしているわけですが、目に入るとつい最近やってしまうのがガチャガチャ。
私の推しキャラクターはサンリオのけろけろけろっぴ。けろっぴのものが目に入れば、迷わずやってしまうのです。
子どもの頃、滅多にやらせてもらえなかったガチャガチャ。できたとしても1回限り……ところが今ではお札を崩して、大量の100円玉を手にお目当てのものが出るまで大人買いならぬ大人チャレンジをいくらでもできる財力があるのです。ホーッホッホ!!
いい大人がそんなお金の使い方をして!
というお声もあるでしょうが……。1回300円として、それを何回か繰り返しても……だいたい1200円から2000円ほど。それであれだけの高揚感、ドキドキが味わえるなんて、安いものではないのかと思ったりもしてしまっています。
あとは……子どもの頃の自分ができなかったことを、お金を持った現在の自分が代わりに果たしていると言う感覚。もしくは、あの頃の私の母親代わりとなって、今私がいろいろと買ってあげている、という感覚でしょうか。
◆懐かしの「アイスクリームトラック」に遭遇
今年札幌に帰ってきて感激だったのが、私が子どもの頃よく近所にやってきていたアイスクリームトラックがいまだに近所に売りに来る事実。
「おいしいアイスクリームいかがですか~?」と軽やかな音楽を流しながら、ピンク色の可愛いトラックがアイスクリームを売りに来るのです。幼い頃の私はどうしてもどうしても食べてみたかったのですが……親からはもちろんNGが。
近所の子が大蔵大臣(古い)であるおじいちゃんを連れてホクホク顔でアイスクリームを買っている光景を横目に見て、いいなぁなんて思っていたあの頃の私。
今年夏、愛犬の散歩中たまたまアイスクリームトラックに遭遇し仰天。まだやってるんだという驚きとともに、とんでもない懐かしさに襲われました。
愛犬とともに猛ダッシュし、慌てて家に滑りこみ、お財布を握り締めて再びアイスクリームトラックのもとへ!
息を切らしながら「抹茶とラムレーズンアイスクリームをカップでください!」と注文。
およそ30年越し。夢のアイスクリームトラック。はじめての経験。感無量でした。
◆リトルミーができなかったことを叶えてあげてみては?
子どもの頃にできなかったことを、自分の現在の財力を使って取り返している感覚。共感できる方、意外といらっしゃるんじゃないかと思うんです。
あの頃のリトルミーができなかったこと、代わりに叶えてあげましょうよ。そのお金の使い方は決して無駄使いではないはず。だってとんでもなく幸せな気持ちになりません?
あれを買ってもらえなかった、あそこに行きたかったけど、行けなかった……なんて、子どもの頃の切ないモヤモヤを、まだ抱えている方がいらっしゃるとしたら、それはもう今すぐ自分の力で解消しようではありませんか!
自分が自分の1番の理解者であり、保護者であるはず。ね!
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中