女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年12月2日 記事は取材時の状況)
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いくら相性が良くて、出会った時に運命を感じた恋人でも…一瞬で気持ちが冷めてしまう事ってありますよね。
今回は、そんな女性のエピソードをご紹介しましょう。
里中美月さん(仮名・32歳・派遣社員)は、ここ2年程彼氏がいません。
「そんな時、行きつけのバーのマスターから『美月ちゃんは、絶対にYさん(34歳・IT企業マーケティング)と気が合うと思うから、とりあえず1度デートしてみなよ』と焚きつけられて、常連客のYさんと本当にピクニックデートしてみたんですよ」
◆キレイ好きな彼とうまくやっていけるか不安を感じた
たまにバー隣り合った時に話す事はありましたが、じっく話すのは初めてな2人。すると食の趣味も合う事が分かり、次回はYさんが作ったカレーをご馳走になる約束をした美月さん。
「デートが楽しかったので、つい。そして日曜の昼にYさんの家に行って、手作りのカレーを食べてみたらめちゃくちゃ美味しくて…思わず運命感じちゃいましたね(笑)」
ですが同時に、Yさんの部屋がキレイに整理整頓されている上に、ピカピカに掃除が行き届いてる事に不安を感じてしまったそう。
「実は私、かなりのズボラで。部屋もいつも散らかっているし、こんなキレイ好きの人と上手くやっていける気がしないなと思ってしまって」
Yさんから「どうしたの、そんな顔して?カレー辛すぎたかな?」と聞かれた美月さんは、正直にその気持ちを話すと…。
「爆笑しながら『じゃあ僕が掃除してあげるからちょうどいいじゃん』って言ってくれたんですよ!ホッとしましたし、すごく嬉しかったですね」
◆交際してすぐに彼から同棲を提案された
ほどなくしてお付き合いを始めた2人。するとYさんからいきなり同棲の提案をされたそう。
「もうすぐYさんの住んでる部屋が更新なので『この機会に広めの部屋を借りて一緒に住まない?もちろん結婚を前提として』と言われて驚いてしまいました」
ですがお互いもう30歳を過ぎていますし、結婚は付き合った長さより、タイミングが大事だと友人達から聞いていた美月さんは、Yさんの提案に乗ってみる事に。
「さすがに早過ぎるかな?と思いましたが、躊躇するより思い切って行動してみる事にしたんですよ。この出会いが本物だと信じて」
そして2人はメゾネットタイプのおしゃれな物件を見つけて、同棲生活が始まりました。
「玄関先に木が植えられていて、小さな庭もあるし…結婚したらガーデニングしてみたいと夢見てた私は、この物件がいい!とYにわがままを言ったんです」
同棲生活は最初に言っていた通り、美月さんが部屋を散らかすと彼がサッと片付けてくれて上手くいっていたそう。
「代わりに私が洗濯を担当したら、Yにたたみ方が凄くキレイだねと褒めてもらえて嬉しかったですね。一緒にエスニック料理を作る事にハマって香辛料を買い揃えたりして」
ですが、ある日…。
◆植木の花が散る前に、ゆらして花びらを落としていた彼
「玄関先の木に白い花が咲いて、調べてみたらサザンカの木だったんですよ。その花が可愛いくて気に入って毎日ながめていたんです」
そして花が散り始めた頃に、ふとYさんの姿を探して玄関の外に出た美月さん。
「そしたらYがサザンカの木をつかんで、ユッサユッサと揺らして…まだ咲いている花の花びらを落として、掃き掃除をしているのを見てしまって。思わず『な、何してるの?!』と叫んじゃいました」
するとYさんは「どうせすぐに散って玄関先が汚れるんだから、こうすれば合理的だろ?」と笑顔で答えたんだとか。
「まず、そんな発想が私には全く無かったのでショックでしたね。この人は、生きている花をゴミ同然にあつかって平気なんだ、とYが一瞬で怖くなってしまって…」
美月さんはその時、部屋や玄関先が多少散らかっていたっていい。それより花を愛でたり、散り際を美しいと感じ合える人と一緒に居たいと気がついてしまいました。
「Yに事情を説明して別れたいとお願いしたら、泣きながら『ごめんなさい、もうあんな事絶対にしないから!』と謝られられたのですが…何だかもう、元の気持ちには戻れなくて」
今は妹の部屋に泊めてもらいながら、Yさんとの別れ話を進めているそう。
「ちょっと久々の恋に浮かれてしまって…あせり過ぎて失敗してしまいました。Yがなかなか別れに応じてくれませんが、次こそは慎重に、感覚の合う相手を見つけたいですね」
美月さんは現在、新しく1人で暮らす部屋を探しているそうです。
―シリーズ「結婚の誤算」―
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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いくら相性が良くて、出会った時に運命を感じた恋人でも…一瞬で気持ちが冷めてしまう事ってありますよね。
今回は、そんな女性のエピソードをご紹介しましょう。
里中美月さん(仮名・32歳・派遣社員)は、ここ2年程彼氏がいません。
「そんな時、行きつけのバーのマスターから『美月ちゃんは、絶対にYさん(34歳・IT企業マーケティング)と気が合うと思うから、とりあえず1度デートしてみなよ』と焚きつけられて、常連客のYさんと本当にピクニックデートしてみたんですよ」
◆キレイ好きな彼とうまくやっていけるか不安を感じた
たまにバー隣り合った時に話す事はありましたが、じっく話すのは初めてな2人。すると食の趣味も合う事が分かり、次回はYさんが作ったカレーをご馳走になる約束をした美月さん。
「デートが楽しかったので、つい。そして日曜の昼にYさんの家に行って、手作りのカレーを食べてみたらめちゃくちゃ美味しくて…思わず運命感じちゃいましたね(笑)」
ですが同時に、Yさんの部屋がキレイに整理整頓されている上に、ピカピカに掃除が行き届いてる事に不安を感じてしまったそう。
「実は私、かなりのズボラで。部屋もいつも散らかっているし、こんなキレイ好きの人と上手くやっていける気がしないなと思ってしまって」
Yさんから「どうしたの、そんな顔して?カレー辛すぎたかな?」と聞かれた美月さんは、正直にその気持ちを話すと…。
「爆笑しながら『じゃあ僕が掃除してあげるからちょうどいいじゃん』って言ってくれたんですよ!ホッとしましたし、すごく嬉しかったですね」
◆交際してすぐに彼から同棲を提案された
ほどなくしてお付き合いを始めた2人。するとYさんからいきなり同棲の提案をされたそう。
「もうすぐYさんの住んでる部屋が更新なので『この機会に広めの部屋を借りて一緒に住まない?もちろん結婚を前提として』と言われて驚いてしまいました」
ですがお互いもう30歳を過ぎていますし、結婚は付き合った長さより、タイミングが大事だと友人達から聞いていた美月さんは、Yさんの提案に乗ってみる事に。
「さすがに早過ぎるかな?と思いましたが、躊躇するより思い切って行動してみる事にしたんですよ。この出会いが本物だと信じて」
そして2人はメゾネットタイプのおしゃれな物件を見つけて、同棲生活が始まりました。
「玄関先に木が植えられていて、小さな庭もあるし…結婚したらガーデニングしてみたいと夢見てた私は、この物件がいい!とYにわがままを言ったんです」
同棲生活は最初に言っていた通り、美月さんが部屋を散らかすと彼がサッと片付けてくれて上手くいっていたそう。
「代わりに私が洗濯を担当したら、Yにたたみ方が凄くキレイだねと褒めてもらえて嬉しかったですね。一緒にエスニック料理を作る事にハマって香辛料を買い揃えたりして」
ですが、ある日…。
◆植木の花が散る前に、ゆらして花びらを落としていた彼
「玄関先の木に白い花が咲いて、調べてみたらサザンカの木だったんですよ。その花が可愛いくて気に入って毎日ながめていたんです」
そして花が散り始めた頃に、ふとYさんの姿を探して玄関の外に出た美月さん。
「そしたらYがサザンカの木をつかんで、ユッサユッサと揺らして…まだ咲いている花の花びらを落として、掃き掃除をしているのを見てしまって。思わず『な、何してるの?!』と叫んじゃいました」
するとYさんは「どうせすぐに散って玄関先が汚れるんだから、こうすれば合理的だろ?」と笑顔で答えたんだとか。
「まず、そんな発想が私には全く無かったのでショックでしたね。この人は、生きている花をゴミ同然にあつかって平気なんだ、とYが一瞬で怖くなってしまって…」
美月さんはその時、部屋や玄関先が多少散らかっていたっていい。それより花を愛でたり、散り際を美しいと感じ合える人と一緒に居たいと気がついてしまいました。
「Yに事情を説明して別れたいとお願いしたら、泣きながら『ごめんなさい、もうあんな事絶対にしないから!』と謝られられたのですが…何だかもう、元の気持ちには戻れなくて」
今は妹の部屋に泊めてもらいながら、Yさんとの別れ話を進めているそう。
「ちょっと久々の恋に浮かれてしまって…あせり過ぎて失敗してしまいました。Yがなかなか別れに応じてくれませんが、次こそは慎重に、感覚の合う相手を見つけたいですね」
美月さんは現在、新しく1人で暮らす部屋を探しているそうです。
―シリーズ「結婚の誤算」―
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop