女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「猫」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2022年12月13日 記事は取材時の状況)
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じゅくじゅくおめめの子猫から、気品あふれる美猫へと素敵な変身を遂げたのはLavi0915さん(@Lavi0915)宅の蘭姫(ラヴィ)ちゃん。
蘭姫ちゃんは、飼い主さんの家族によって救われた保護猫です。
◆公園の近くでボロボロの子猫と出会って
2020年9月15日の夕方。地域猫活動をしていた飼い主さんの家族は、野良猫がたくさんいる近隣の公園近くに止まっていた車のタイヤ付近で、ちょこんと座っている白い子猫を発見しました。
あまりにも小さなその子猫の近くには親猫やきょうだい猫などが見当たらず、ひとりぼっち。
朝晩が肌寒くなっていたことや、前日には近所の人から白い猫が交通事故に遭った話を聞いていたこともあり、保護を決意しました。
動物病院では、乳歯が生え揃っていたことから月齢は1ヶ月半ほどであることが判明。体にはノミがたくさんおり、検便からは花粉や土などが検出されました。
「体重は、わずか260g。先生から数日間、何も食べていないかもしれないと言われ、病院でウェットフードを少し口に入れることになりましたが、きちんと離乳できていなかったようで、食べなかったそうです。ミルクをあげつつ様子を見ながら、離乳食に移行していくアドバイスをもらったようでした」
◆苦戦していたミルク飲みも、見事克服
蘭姫ちゃんは保護当初から人間好きで、家に迎えた翌日には手に擦り寄ってくるように。元気もあり、ケージの中でひとり遊びをして過ごすこともありました。しかし、哺乳瓶からミルクが上手に飲めなかったため、飼い主さん家族はシリンジで少しずつ飲ませることに。
「本当に育つのか心配でしたが、2日ほど経った頃、哺乳瓶の乳首を改良したら、ゴクゴク飲めるようになり、少しホッとしたそうです」
しかし、その後、新たな壁が。なかなかフードに興味を示してくれず、離乳食への移行がスムーズにいきませんでした。離れて住んでいた飼い主さんが蘭姫ちゃんと本格的に関わり始めたのは、この頃からでした。
「ときどき、我が家に来るようになりました。お皿からご飯を食べてくれず、シリンジやスプーン、指を使うと食べてくれたので、もしかして食べ方が分からないかもと思い、お皿から食べるフリをして見せ、近くにそのお皿を置きました」
すると、蘭姫ちゃんは食べ方を理解したのか、お皿からご飯をパクパク。感動のあまり飼い主さんは、その光景を動画に収めました。
◆名前“ラヴィ”の由来はフランス語で「生命・人生」
「初めて対面した時に一目見て、この子を我が家に迎えたいと強く思ったので、毎日、我が家に連れてきていました」
こうして、一緒に暮らすこととなった飼い主さんと蘭姫ちゃん。蘭姫という名前には、飼い主さんの愛が込められています。
「元々ラヴィと言う響きが好きだったのですが、ネットで調べてみたら、フランス語で生命・人生と言う意味と知り、【生命を拾って人生を共にする】という意味を込めて名付けました」
飼い主さんが仕事で家を空ける日中、蘭姫ちゃんはひとりぼっちにならないよう、近隣にある実家へ。
◆実家の“にゃんこ保育園”で社会性を学習!
「実家の“ニャンコ保育園”には元野良の保護猫が4匹います。夕方に迎えにいき、『お家に帰ろうか』と言うと、『イヤー』『ヤダー』みたいに聞こえるおしゃべりをしてダッシュで逃げます。家から実家に行く時も同じ。保育園児のイヤイヤ期みたいです(笑)」
小さな頃は甘噛みがエスカレートして本噛みとなり、飼い主さんが流血してしまうことが日常茶飯事でしたが、蘭姫ちゃんはニャンコ保育園で猫社会を学んだようで噛む強さが変化。
「興奮して本噛みになっても、流血することはなくなりました。最近では痛いと言うと、我に返り、噛んだ部分をペロペロ。ごめんなさいと言ってくれているみたいです。成長しました」
その一方で、お転婆な性格は変わらず。ニャンコ保育園では平面を使わずにキャットタワーを駆け上がったり、好きなおもちゃを目にした途端、キャットタワーからムササビのように飛んできたりと遊びを満喫。
そして、おうちで飼い主さんと過ごす時はどこに行くのにもついてくる家庭内ストーカーに。例えば、トイレに行くと、部屋の中から泣き叫ぶように呼び続け、部屋に戻ると足にスリスリ。
「ケージ上や冷蔵庫の上から、人間の行動を観察していることもあり、私が会社の制服を着ていると、出かけると理解し、すんなりハウスしてくれる。賢い子です」
なお、知的な蘭姫ちゃんはソファーを爪とぎしてはいけないものと理解しているようで、飼い主さん宅のソファーはほぼ無傷。
「子猫の頃から噛んでいたスツールは今でも、私と目が合うと、わざとバリバリして構ってアピールをします(笑)。でも、お転婆に見えても、ラヴィはお利口さん。自分の命よりも大事なのは当然ですが、職場で嫌なことがあっても、その気持ちを全て吹き飛ばしてくれるほど、癒される存在です」
◆幸せなにゃんこしかいない世界になってほしい
そう語る飼い主さんは家族の保護活動を通し、たくさんの保護猫を目にしてきたからこそ、ひとつひとつの命の重みをもっと大切に受け止められる人が増えることを願っています。
「どの猫も飼い主次第で、猫生が変わる。育てられない、言うことを聞かないなどの身勝手な理由で保健所に連れてったり、遺棄したりする人もいますが、人間の都合で命を簡単に増やしたり、殺したりしていいわけがない。
猫種にこだわってブリーダーやペットショップで猫を買うよりも、譲渡会の子や殺処分寸前の命を繋いでほしい。殺処分ゼロが達成され、虐待をする人間の餌食にならず、幸せなにゃんこしかいない世の中になってほしいです」
うちの子は血統書もないし、こだわって大金を払って買った子でもないけれど、全力で愛して甘えさせ、幸せにしてあげたい。そして、いつかやってくるお別れの時、「このお家に拾われて幸せだった」と思ってもらえるような愛し方をしていきたい。
そう思いながら、飼い主さんは蘭姫ちゃんのニャン生を背負っていきます。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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じゅくじゅくおめめの子猫から、気品あふれる美猫へと素敵な変身を遂げたのはLavi0915さん(@Lavi0915)宅の蘭姫(ラヴィ)ちゃん。
蘭姫ちゃんは、飼い主さんの家族によって救われた保護猫です。
◆公園の近くでボロボロの子猫と出会って
2020年9月15日の夕方。地域猫活動をしていた飼い主さんの家族は、野良猫がたくさんいる近隣の公園近くに止まっていた車のタイヤ付近で、ちょこんと座っている白い子猫を発見しました。
あまりにも小さなその子猫の近くには親猫やきょうだい猫などが見当たらず、ひとりぼっち。
朝晩が肌寒くなっていたことや、前日には近所の人から白い猫が交通事故に遭った話を聞いていたこともあり、保護を決意しました。
動物病院では、乳歯が生え揃っていたことから月齢は1ヶ月半ほどであることが判明。体にはノミがたくさんおり、検便からは花粉や土などが検出されました。
「体重は、わずか260g。先生から数日間、何も食べていないかもしれないと言われ、病院でウェットフードを少し口に入れることになりましたが、きちんと離乳できていなかったようで、食べなかったそうです。ミルクをあげつつ様子を見ながら、離乳食に移行していくアドバイスをもらったようでした」
◆苦戦していたミルク飲みも、見事克服
蘭姫ちゃんは保護当初から人間好きで、家に迎えた翌日には手に擦り寄ってくるように。元気もあり、ケージの中でひとり遊びをして過ごすこともありました。しかし、哺乳瓶からミルクが上手に飲めなかったため、飼い主さん家族はシリンジで少しずつ飲ませることに。
「本当に育つのか心配でしたが、2日ほど経った頃、哺乳瓶の乳首を改良したら、ゴクゴク飲めるようになり、少しホッとしたそうです」
しかし、その後、新たな壁が。なかなかフードに興味を示してくれず、離乳食への移行がスムーズにいきませんでした。離れて住んでいた飼い主さんが蘭姫ちゃんと本格的に関わり始めたのは、この頃からでした。
「ときどき、我が家に来るようになりました。お皿からご飯を食べてくれず、シリンジやスプーン、指を使うと食べてくれたので、もしかして食べ方が分からないかもと思い、お皿から食べるフリをして見せ、近くにそのお皿を置きました」
すると、蘭姫ちゃんは食べ方を理解したのか、お皿からご飯をパクパク。感動のあまり飼い主さんは、その光景を動画に収めました。
◆名前“ラヴィ”の由来はフランス語で「生命・人生」
「初めて対面した時に一目見て、この子を我が家に迎えたいと強く思ったので、毎日、我が家に連れてきていました」
こうして、一緒に暮らすこととなった飼い主さんと蘭姫ちゃん。蘭姫という名前には、飼い主さんの愛が込められています。
「元々ラヴィと言う響きが好きだったのですが、ネットで調べてみたら、フランス語で生命・人生と言う意味と知り、【生命を拾って人生を共にする】という意味を込めて名付けました」
飼い主さんが仕事で家を空ける日中、蘭姫ちゃんはひとりぼっちにならないよう、近隣にある実家へ。
◆実家の“にゃんこ保育園”で社会性を学習!
「実家の“ニャンコ保育園”には元野良の保護猫が4匹います。夕方に迎えにいき、『お家に帰ろうか』と言うと、『イヤー』『ヤダー』みたいに聞こえるおしゃべりをしてダッシュで逃げます。家から実家に行く時も同じ。保育園児のイヤイヤ期みたいです(笑)」
小さな頃は甘噛みがエスカレートして本噛みとなり、飼い主さんが流血してしまうことが日常茶飯事でしたが、蘭姫ちゃんはニャンコ保育園で猫社会を学んだようで噛む強さが変化。
「興奮して本噛みになっても、流血することはなくなりました。最近では痛いと言うと、我に返り、噛んだ部分をペロペロ。ごめんなさいと言ってくれているみたいです。成長しました」
その一方で、お転婆な性格は変わらず。ニャンコ保育園では平面を使わずにキャットタワーを駆け上がったり、好きなおもちゃを目にした途端、キャットタワーからムササビのように飛んできたりと遊びを満喫。
そして、おうちで飼い主さんと過ごす時はどこに行くのにもついてくる家庭内ストーカーに。例えば、トイレに行くと、部屋の中から泣き叫ぶように呼び続け、部屋に戻ると足にスリスリ。
「ケージ上や冷蔵庫の上から、人間の行動を観察していることもあり、私が会社の制服を着ていると、出かけると理解し、すんなりハウスしてくれる。賢い子です」
なお、知的な蘭姫ちゃんはソファーを爪とぎしてはいけないものと理解しているようで、飼い主さん宅のソファーはほぼ無傷。
「子猫の頃から噛んでいたスツールは今でも、私と目が合うと、わざとバリバリして構ってアピールをします(笑)。でも、お転婆に見えても、ラヴィはお利口さん。自分の命よりも大事なのは当然ですが、職場で嫌なことがあっても、その気持ちを全て吹き飛ばしてくれるほど、癒される存在です」
◆幸せなにゃんこしかいない世界になってほしい
そう語る飼い主さんは家族の保護活動を通し、たくさんの保護猫を目にしてきたからこそ、ひとつひとつの命の重みをもっと大切に受け止められる人が増えることを願っています。
「どの猫も飼い主次第で、猫生が変わる。育てられない、言うことを聞かないなどの身勝手な理由で保健所に連れてったり、遺棄したりする人もいますが、人間の都合で命を簡単に増やしたり、殺したりしていいわけがない。
猫種にこだわってブリーダーやペットショップで猫を買うよりも、譲渡会の子や殺処分寸前の命を繋いでほしい。殺処分ゼロが達成され、虐待をする人間の餌食にならず、幸せなにゃんこしかいない世の中になってほしいです」
うちの子は血統書もないし、こだわって大金を払って買った子でもないけれど、全力で愛して甘えさせ、幸せにしてあげたい。そして、いつかやってくるお別れの時、「このお家に拾われて幸せだった」と思ってもらえるような愛し方をしていきたい。
そう思いながら、飼い主さんは蘭姫ちゃんのニャン生を背負っていきます。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291